「……………………ん」
目が覚めると最初にカラカラと車椅子が動いている音が聞こえた。
「ああ良かった、目が覚めたみたいだね」
レイアの声が聞こえ顔を上げるとレイアが何処か安堵する様に息を吐いていた。
「貴女か、私はどれくらい寝ていた?」
理由を察したミライはレイアに尋ねる。
「ほぼ丸一日だ、今は3日目の夕飯前と言った所だね。あまりに起きないから何か病気なんじゃないかと思ってメルル君に見てもらったが原因が分からずこのまま目覚めないかと思ったよ。大丈夫かい?」
「そうか。済まない、先に言っておくべきだった。私は昔自分の魔法を自分に使った事があるらしくてね。起きていられる時間を代償にしてしまったらしい、定期的に長時間強制的に眠ってしまうんだ」
「そうだったのか、どれくらいの頻度で起こるんだい?」
「さぁ、覚えていないんだ、その記憶も代償にして奪われてしまったのか、或いは差し出したのか」
「取り敢えず夕飯だ、丸一日寝ていたならお腹も空いただろう、食事にしよう」
レイアは話を変えるためそう言い再び車椅子を押し食堂に向かう。
「あ、ミライちゃん!!」
2人が食堂に入ると少女達はミライが起きている事に安堵の表情を浮かべる。
「もう具合は宜しいんですの?」
「ああ、心配をかけて申し訳無い、そしてこれからも迷惑を掛ける事を謝罪する。本当に申し訳無い」
「そんな、謝らなくて良いよ」
「ええ、主に面倒を見てるのはレイアさんですしね」
「私は自分がしたい事をしているだけだから問題ないよ」
「………………………………ありがとう」
レイアの言葉にミライは心からの感謝を送りミライは食事に口を付けた。
それから更に1日経過しレイアは何時もの様にミライと夕食を取るとミライを部屋のベッドに寝かせる。
「済まないミライ君、今日はこの後ココ君とミリア君と配信をする事になってるんだ、だからその…………」
レイアは申し訳無さそうに言葉を濁らせる。
「ああ、後はもう寝るだけだし私に構わず行ってくると良い」
「ありがとうミライ君!!」
ミライがレイアに言うとレイアは笑顔でミライに礼を言い2人との配信に向かった。
1人だけとなった部屋の中でミライの目が壁に吸い込まれる。
「ありがとう……か、礼を言うのは私の方だと言うのに…………貴女は優し過ぎるな」
ミライはレイアの善性に感謝しながら眠りに着いた。
「あああああああああああああ!!!!」
早朝、誰かの叫びに叩き起こされ体を起こす、バタバタと忙しない足音が廊下から聞こえ何事かと思う。
「ミライ君はここに居るんだ!!」
レイアが二段ベッドの上段から飛び起きサッと降りると同時にそう言い残しミライが声を掛ける余裕も無く廊下の向こうに消えてしまった。
暫くして、ゴクチョーから【魔女裁判】の開廷を予告され漸くミライは誰かの死を確信した。