それからもミライはレイアにあちこちに連れ出してもらう。
「……………………………………」
ミライはある程度写真を撮るとレイアに行き先を任せ自身は撮った写真を一通り見直す。
「駄目だな、犯人が分からない」
「ミライ君、私も一通り推理してみたのだが聞いてくれるかい?」
レイアが車椅子を押しながらそう言いミライは新たな視点や気づきを得る為レイアの推理に耳を傾ける。
「私が思うに犯人は遠野ハンナ君じゃないかと思うんだ」
「その心は?」
「恐らくノア君が死んだ時、白い塗料は乾いていなかった筈だ、そんな地面に足跡を残さず殺せたとなると【浮遊】の魔法を持つ彼女だと思うんだ」
「………………………………そうか」
「どうだろう私の推理は?」
「まぁ、無いとは言い切れないだろうね」
「そうか!!君にそう言われると嬉しい限りだ」
レイアにそう言われた瞬間頭に靄が掛かった様に鈍り意識が遠くなっていく。
「済まない、少し考え過ぎた。少し寝る」
「え?でももう裁判開始まで時間は無いよ?」
「恐らく裁判までには起きるだろう。済まない……が……もう……限界」
ミライはそう言うと意識が遠のき眠りに着いた。
???時間後
「…………ん…………くん」
「ん?」
遠くから声が聞こえミライは意識を浮上させる。
「ああ、蓮見レイア、おはよう。裁判が始まったか?或いは終わってしまったか?」
「まだこれから始まる所だよ。ここは裁判所だ」
レイアがそう言い捌けるとそこは確かにミライが見慣れない場所だった。
「さて、お寝坊さんも起きたことですし【魔女裁判】のルールを説明します」
ゴクチョーはそう言って魔女裁判のルールを語り始めた。
1時間の議論の後各自の端末で犯人だと思う人物に投票しろ、と。
「それでは、魔女裁判開廷です」
ゴクチョーの合図と共に話し合いが始まる。
「さて、まずは何から話すべきかな?」
「それは勿論、犯人を示す明確な証拠からですよ」
「んなもんあったら苦労しねぇよ」
「ふっふっふー。それがあるって言ったらどうします?」
「それは是非とも知りたい、教えてくれるかい?橘シェリー」
シェリーの自信ありげな様子にミライは興味を持った。
「ええ、お任せ下さい!!私が見つけた証拠…………それはズバリ、ダイイングメッセージです!!」
「ダイイングメッセージ…………【死者が死に際に残す言葉】で合ってるかしら?」
「はい!!皆さん死体を良く見て下さい、死体の後ろ、そして周囲…………そこに血で描かれた蝶の絵があるんです。あれは恐らく被害者が最期まで持っていた筆を使って描かれた死者からの伝言…………ダイイングメッセージだったんです!!」
「筆を使って描かれたって言ってたけど本当にそうなのかな?」
「それは、確かに筆じゃなくても良いかもしれませんけど…………」
「そもそもダイイングメッセージは犯人が犯行に及んだ後辛うじて生きていた被害者が最期に残す場合が殆どだ」
「確かに、刑事ドラマとかはそうだね」
「ここまで大きな絵を描く余力があったなら絵を描くより叫んで助けを呼んだほうが早い」
「成る程、となるとこれがダイイングメッセージだった可能性は少ないですね。先程の推理は撤回します!!」
「見方によっては場を混乱させるために嘘を付いたと捉えかねないが良いのかい?」
「良いんですよぉ、間違っている事に納得した訳ですし」
「では、私から少し核心に近づく問を投げよう」
ミライはそう言い全員の視線を集めた。