頂上戦争   作:ミカ

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第十二章:世界政府 第十三章:正義の代償

遠方の軍艦。

煙の向こうから戦場を見つめる影がある。

センゴク。
モンキー・D・ガープ。
ゼファー。

かつて同じ時代を駆け抜けた男たち。

センゴクが低く呟く。

「これは……国家か?」

誰も答えない。

だが答えは目の前にある。

アトランティス海賊団の統率。
エースとルフィの意志。
そして遠方でなお立つ、エドワード・ニューゲートの残影。

世界政府が想定した戦争ではなかった。

本来なら、処刑は終わり、海賊は壊滅しているはずだった。

だが今、戦場を支配しているのは――

意志と連携。

赤犬は拳を振るい続ける。

だが流れは変わらない。

海兵たちの間に動揺が走る。

「……押されている?」

その事実は、世界の常識を揺るがす。

ガープが腕を組み、静かに言う。

「若いな……だが、強い」

センゴクは目を閉じる。

歴史が動いている。

個の暴力が支配する時代から、
意志の連鎖が均衡を作る時代へ。

砦は崩壊し、炎柱が空を裂く。

その中心に立つのは、兄弟と幹部。

赤犬の拳が止まる。

完全ではない。
だが、決定打ではなくなった。

世界政府は認めざるを得ない。

この戦場の均衡は――
個を超えた意志によって作られている。

煙が晴れる。

炎の柱がゆっくりと消える。

だが、その残光は世界中に刻まれた。

アトランティス海賊団。
兄弟の決意。

それはもはや一戦の勝敗ではない。

世界を揺るがす存在。

歴史はここに、新たな章を刻む。

戦争は終わらない。

だが、この日――

世界は知った。

真の力とは、
拳の大きさではない。

意志の連鎖であると。

 

 

炎の残光が消えかけた頃。

それでもなお、海は煮え立っていた。

砦の中央で、サカズキはゆっくりと立ち上がる。肩から溶岩が滴り落ち、地面を溶かす。

「……終わらせる」

その声に迷いはない。

彼にとって正義とは“秩序維持”ではない。
徹底排除だ。

両腕が完全にマグマへと変わる。

空が赤く染まる。

「流星火山(りゅうせいかざん)」

無数の巨大な溶岩塊が空へ打ち上げられた。

それは戦場全域を覆う殲滅攻撃。

 

「全隊、防御陣形!!」

フロムが即座に指示を飛ばす。

ドラクスが盾を展開。
ゼロが上空に多層氷壁を形成。
アルバードが気流を制御し、落下軌道を分散。

スカンディナビアが大地を隆起させ、
巨大な岩盤ドームを作り上げる。

ルシフォルドの炎翼が空を焼き、
落下速度を鈍らせる。

ヴィーナスが負傷者の治癒を優先。

完璧な連携。

だが。

一つだけ足りない。

突破力。

 

「エース」

静かに名を呼んだのはオルディーニス。

覇王色が収束する。

「貴様の炎で、空を割れ」

エースは拳を握る。

隣に立つのは、モンキー・D・ルフィ。

「兄貴、やれ」

その言葉に、迷いはなかった。

 

エースの炎が変わる。

広がる炎ではない。

一点収束。

純度を極限まで高めた白炎。

「炎帝――」

炎が天へ伸びる。

流星火山と衝突。

空が、割れた。

巨大な爆発。

衝撃波が海を二分する。

落下軌道が崩れる。

殲滅は、失敗した。

 

戦場が静まり返る。

赤犬は理解する。

これは単なる海賊の反抗ではない。

思想対思想の戦争だ。

「……貴様らを生かせば、世界は割れる」

低く呟く。

そして。

一瞬の判断。

標的を変えた。

狙いは――

ルフィ。

 

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