頂上戦争   作:ミカ

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第十四章:血の選択 第十五章:頂上戦争の裏側 ― 王と帝王

溶岩の槍が一直線に走る。

速い。

回避不能。

「ルフィ!!」

エースが叫ぶ。

ルフィは振り返る。

その瞬間。

エースの身体が前に出る。

炎が盾になる。

衝突。

轟音。

時間が止まる。

溶岩がエースの胸を貫いた。

赤犬の瞳が揺れない。

「甘さが、死を呼ぶ」

エースの口から血が零れる。

だが。

その炎は消えない。

「……守るって、決めたんだ」

ルフィの目が見開かれる。

「兄貴……」

オルディーニスの覇王色が震える。

幹部たちの空気が変わる。

怒りではない。

覚悟。

 

その瞬間。

遠方から巨大な衝撃が走る。

「グララララ……」

大気が割れる。

海が傾く。

現れたのは――

エドワード・ニューゲート。

白ひげ。

薙刀を振り上げる。

「息子に手ぇ出すんじゃねェ」

空間が砕ける。

地震の衝撃が赤犬を直撃。

溶岩が弾け飛ぶ。

 

 

戦場は完全に崩壊した。

白ひげが前線に立ち、
アトランティスが側面を制圧。

兄弟が中央で踏みとどまる。

赤犬は血を吐きながらも立つ。

だが理解していた。

この戦争は、もう勝てない。

勝っても、世界が割れる。

背後ではセンゴクが歯を食いしばる。

センゴクは決断を迫られる。

これ以上続ければ、

海軍は崩壊する。

「……全軍、撤退準備」

その声は重かった。

 

赤犬は睨みつける。

「終わらせんぞ」

だが白ひげが笑う。

「終わらせるのは、時代だ」

その言葉。

戦場が止まる。

 

 

戦争は、終わった。

だが勝者はいない。

エースは倒れたまま。

ルフィが叫ぶ。

ヴィーナスが必死に治癒を施す。

炎は、まだ消えていない。

微弱だが、燃えている。

オルディーニスが静かに言う。

「王は死なん」

赤犬は軍艦へ戻る。

その背中に迷いはない。

だが。

世界政府は理解した。

アトランティスは排除対象ではない。

対等な脅威だ。

 

新聞が世界を駆け巡る。

“マリンフォード戦争、未決着”

“海軍撤退”

“新勢力、国家級海賊団”

そして、ある一文。

「消された王、再臨」

 

世界は三極化する。

海軍。
四皇。
そしてアトランティス。

その中心にいるのは、

生き延びた炎。

 

頂上戦争。

それは海軍と白ひげ海賊団の戦いとして記録されている。

だがそれは“表”の話だ。

裏では、もう一つの戦争が起きていた。

処刑台に立たされた男。

ポートガス・D・エース。

その血は二重の意味を持っていた。

“D”の血。

そして――

海王ネレウスの血。

世界政府は知らなかった。

エースがアトランティス王家の甥であることを。

ネレウスは戦場にいた。

海震が起きた瞬間、最前線に立っていた。

だが同時に、もう一つの異変が起きていた。

マリンフォード後方。

政府専用港。

そこに降り立ったのは、黒スーツの集団。

CP0。

通称イージス0。

天竜人直属。

「七武海の裏切りを想定しろ」

その命令と同時に、彼らは戦場の“裏制圧”を開始した。

七武海もまた、政府側の切り札だった。

ドンキホーテ・ドフラミンゴ。

ボア・ハンコック。

ジュラキュール・ミホーク。

ゲッコー・モリア。

バーソロミュー・クマ。

彼らが自由に動けば、均衡は崩れる。

だが――

それを止めた存在がいた。

空間が裂ける。

橙色の炎が灯る。

そこに立っていたのは、

沢田綱吉。

若き裏社会の帝王。

彼はこの戦争を“許可”していなかった。

理由は一つ。

ルージュ。

ポートガス・D・ルージュ。

あの日、彼女は命を懸けて少年を逃がした。

政府の粛清部隊に囲まれた綱吉を。

自分は身重でありながら。

「生きなさい」

それが最後の言葉。

綱吉は覚えている。

だからこの戦争を傍観しない。

CP0が動いた瞬間、ボンゴレも動いた。

「止めろ」

ツナの一言で、

獄寺隼人が爆炎を放つ。

山本武が斬撃で封鎖。

雲雀恭弥が単騎でCP0を圧倒。

イージス0は理解する。

「これは海軍の戦争ではない」

裏の帝王が介入している。

七武海もまた、異変を察する。

ドフラミンゴが笑う。

「フッフッフ……面白い」

だが彼も動けない。

背後に、橙色の炎の圧がある。

ミホークは剣を構えたまま止まる。

「無益な斬り合いは好まん」

ハンコックは静観。

結果。

七武海は戦場の中心に深く介入できなかった。

CP0はボンゴレに抑え込まれた。

その裏で。

ネレウスは海を割る。

サカズキの溶岩が海を焼いた瞬間。

ネレウスは最前線に出た。

地殻支配。

覇王の圧。

王の格。

「エースは返す」

その言葉は宣言だった。

エースは処刑台で感じていた。

二つの守り。

叔父の海。

そして見えない炎。

ツナの炎だ。

ルフィが駆け上がる。

モンキー・D・ルフィ。

兄を救うために。

だがあの瞬間。

赤犬の拳が迫る。

海が割れる。

ネレウスの一撃。

同時に橙色の炎が軌道を逸らす。

ツナの炎。

二人の“王格”が干渉し、未来を変えた。

エースは生き残った。

世界政府は混乱する。

「なぜCP0が機能していない?」

答えは一つ。

裏社会が動いたからだ。

戦争終結後。

五老星は報告を受ける。

「ボンゴレの関与、確定」

彼らは理解する。

海軍の正義。

海賊の野望。

そのどちらにも属さない第三勢力が存在することを。

ネレウスはエースに言った。

「お前は王の甥だ」

エースは笑った。

「だから何だ」

「血は選択だ」

エースは答える。

「俺は炎だ」

その炎の奥に、黄金が混じる。

戦争を経て覚醒した力。

一方、ツナは黒塔で呟く。

「借りは返した」

だがそれで終わりではない。

黒ひげが動く。

マーシャル・D・ティーチ。

均衡を壊す男。

「ゼハハハ……王も帝王も、まとめて喰う」

六極時代が始まる。

海王ネレウス。
炎帝エース(王の甥)。
自由の解放者ルフィ。
新たな四皇黒ひげ。
正義の支配者サカズキ。
帝王ツナ。

そして世界政府は気づく。

自分たちが“中心”ではなくなったことに。

頂上戦争は終わった。

だがそれは序章に過ぎない。

王の血。

母の恩。

炎の継承。

裏の勢力。

すべてが交錯し、世界は次の局面へ進む。

次は――

 

 

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