頂上戦争   作:ミカ

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英雄の追憶~伝説の海兵~

 

これは――三人の海兵と、それぞれの正義。

 

英雄と、仏と、黒腕。

 

そして「正義」とは何か。

 

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# 英雄と仏と黒腕と正義

 

海軍本部、夜。

 

戦争の余熱がまだ残る会議室に、三人の男がいる。

 

英雄――

モンキー・D・ガープ。

 

仏と呼ばれた元帥――

センゴク。

 

そして黒腕――

ゼファー。

 

同じ海軍。

 

同じ時代。

 

だが、その“正義”は三者三様だった。

 

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## 英雄の正義 ― 感情を抱えた拳

 

ガープは組織よりも「人」を見ていた。

 

ゴッドバレーで

ゴール・D・ロジャー と共闘した日。

 

孫を救えなかった頂上戦争。

 

それでも拳を振るい続けた。

 

彼の正義は法ではない。

 

理屈でもない。

 

“目の前の命”だ。

 

悪でも救う。

 

味方でも殴る。

 

正義とは立場ではなく、選択だと知っている。

 

だがその選択は、常に痛みを伴った。

 

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## 仏の正義 ― 世界を背負う覚悟

 

センゴクは違う。

 

彼は全体を見る男だった。

 

一人を救えば、百が乱れる。

 

一人を処刑すれば、千が救われる。

 

そう信じていた。

 

頂上戦争を決断したのも彼だ。

 

ポートガス・D・エース の公開処刑。

 

それは情ではなく、秩序のため。

 

涙を見せず、怒りを抑え、

 

「仏」と呼ばれながらも、心では苦しんでいた。

 

彼の正義は、重い。

 

常に“世界全体”を秤にかける正義だ。

 

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## 黒腕の正義 ― 失った者の怒り

 

ゼファーはさらに違う。

 

彼は海賊に家族を奪われた。

 

部下を殺された。

 

その瞬間、彼の正義は変質した。

 

悪は根絶すべき。

 

妥協は不要。

 

海賊の芽は摘み取る。

 

それが黒腕の正義。

 

だがそれは、怒りから生まれた正義でもある。

 

守るための力が、

 

やがて滅ぼす力へと変わった。

 

彼は組織を去った。

 

だが最後まで信じていた。

 

「若い海兵に未来を託す」と。

 

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## 三つの正義

 

英雄の正義は、情。

 

仏の正義は、秩序。

 

黒腕の正義は、断罪。

 

どれが正しいのか。

 

答えはない。

 

だが三人とも、海を守ろうとした。

 

方法が違うだけだ。

 

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## 新しい時代

 

戦争後。

 

世界は揺れている。

 

四皇が動き、革命軍が動き、

 

若き海兵たちが育つ。

 

ガープは笑う。

 

センゴクは静かに茶を飲む。

 

ゼファーの教え子たちは、今も海に立つ。

 

正義は一つではない。

 

揺れ、変わり、迷いながらも続いていく。

 

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英雄は迷いながら殴る。

 

仏は苦しみながら決断する。

 

黒腕は怒りながら守ろうとする。

 

それでも三人は海軍だった。

 

正義とは絶対ではない。

 

だが、守りたいものがある限り、

 

それは確かに存在する。

 

海は今日も荒れている。

 

そして正義もまた、揺れている。

 

――それでも彼らは立ち続ける。

 

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