場所はとある無人島。
海は静かで、空は高い。
その中心で巨大な焚き火が燃えている。
炭の匂い。
肉の焼ける音。
酒樽の蓋が次々に開く音。
そして――
この世界では絶対にありえない面子が、円になって座っていた。
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### 「肉が足りねェ!!」
豪快に笑う男。
海賊王――
ゴール・D・ロジャー。
その隣で豪快に肉を焼いているのは、
白ひげこと
エドワード・ニューゲート。
「グララララ!!焼き加減は任せろ!」
向かいには腕を組んだ海軍の英雄――
モンキー・D・ガープ。
「騒ぐなロジャー!!肉は平等だ!!」
「誰が決めたァ!?」
その横で静かに煎餅を齧る元帥――
センゴク。
「今日は戦争ではない。黙って食え」
さらに少し離れて腕を組む男。
黒腕の教官――
ゼファー。
「海軍も堕ちたもんだな……だが悪くない」
その隣で涼しい顔をして酒を注ぐのは
つる。
「今日は洗濯はしないわよ」
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## 海賊たちの輪
焚き火の向こう側。
豪胆に笑う金獅子――
シキ。
「空に浮かせりゃもっと派手にできるぜ!」
その隣で酒を煽る冥王――
シルバーズ・レイリー。
「今日は地面でいいさ」
少し離れて腕を組み、笑みを浮かべる男。
四皇――
カイドウ。
「退屈しねェ宴だな……だが嫌いじゃねェ」
巨大な影が肉を串ごと掴む。
魚人島の王――
ネプチューン。
「陸の宴も悪くないのう!」
その隣で豪快に笑うのはエルバフの王、ハラルド。
「戦わぬ巨人もおるのだ!」
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## そして、問題の男
少し外れた場所。
巨大な存在感。
ロックス海賊団船長――
ロックス・D・ジーベック。
「くだらねェ……」
そう言いながら、誰よりも大きな肉を焼いている。
その背後には若き日の怪物たち。
若きニューゲート、若きカイドウ、若きシキ。
だが今日は剣を抜かない。
なぜなら――
この宴を仕切っているのが“王”だからだ。
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## 王と帝王
焚き火の中心。
静かに立つ男。
王。
ネレウス。
その隣に立つのは裏世界の帝王――
沢田綱吉。
ツナは苦笑する。
「なんでこの面子でBBQなんだよ……」
ネレウスは笑う。
「世界を壊せる奴らが、壊さない日があってもいい」
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## 女性陣
焚き火の外側。
穏やかな笑顔の女性。
ポートガス・D・ルージュ。
その隣で煙草を吹かす
シャクヤク。
「男ってのは本当に単純ね」
ルージュは微笑む。
「でも楽しそうよ」
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## ガープとロジャー
酒を酌み交わす二人。
「なあガープ」
「なんだロジャー」
「もし俺たちが最初からこうだったらよ」
ガープは鼻を鳴らす。
「つまらん世界だ」
二人は同時に笑う。
戦ったからこそ、今の自分がある。
だが――
戦わない未来も、少しは見てみたかった。
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## ロックスとロジャー
焚き火越しに視線が交わる。
「お前と同じ卓を囲むとはな」
ロジャーが言う。
ジーベックが笑う。
「世界を獲るより、肉を奪う方が簡単だ」
二人は同時に串を奪い合い、殴り合い寸前で止まる。
レイリーとニューゲートがため息をつく。
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## カイドウとネレウス
「王よ」
カイドウが言う。
「お前は何を目指す」
ネレウスは焚き火を見つめる。
「争いのない世界は退屈だ。だが、失う世界は嫌いだ」
カイドウは黙る。
そして酒を一気に飲み干す。
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## 帝王と英雄
ツナの隣にガープが座る。
「裏社会の帝王か」
「海軍の英雄ですね」
沈黙。
だが敵意はない。
「守るもんがあるなら、それでいい」
ガープはそう言う。
ツナは頷く。
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## 夜更け
肉は焼け尽くし、
酒樽は空になり、
巨人も魚人も海賊も海兵も、
みな笑っている。
戦いのない一夜。
歴史が交差しない世界。
もしも、
あの戦争がなく、
あの裏切りがなく、
あの死がなかったなら。
こうして肩を並べて笑えたかもしれない。
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## 最後
朝日が昇る。
誰も剣を抜かない。
誰も拳を振るわない。
ロジャーが立ち上がる。
「じゃあな!」
ガープが怒鳴る。
「次は敵だぞ!」
ニューゲートが笑う。
ジーベックが不敵に笑う。
ネレウスは空を見る。
ツナは小さく息を吐く。
ありえたかもしれない未来。
だが――
彼らはそれぞれの道へ戻る。
戦うために。
守るために。
夢を見るために。
焚き火の灰だけが残る。
それでも確かに、
あの夜、
世界最強たちは同じ火を囲んでいた。
――もしも、あったかもしれない未来。