チートヤチヨのハッピーエンド   作:ねこスマ

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心変わらず

 

 

なんかモヤっとしたのでヤチヨに不変コードを入力しました。

一回映画を観ただけの勢い創作ですので細かな設定の齟齬はご注意ください。

 

__

 

 

 

 ヤチヨはVR世界『ツクヨミ』で彩葉のアパートの部屋を再現し、味のしないパンケーキをもっちゃもっちゃと口にした。

 

 

「いやぁ、まさか不味いって感じるのも贅沢だったとはぁ…今なら彩葉に初めて作ってもらったパサパサのパンケーキでも美味しく感じると思う!」

 

 

 この世界に同一人物(宇宙人)が存在するのが良くないことかもしれない、だから少しの抵抗として髪を銀髪、名前はかぐや→ヤチヨに改名した。そして精神は8000年経っていても一切の摩耗なし、彩葉と再会するまで思考や性格のズレを大きくしたくなかったから、緊急時に発動する精神作用するプログラムを船内のたけのこに仕組んでおいていた。

 

 

「ほんと色々あったしなぁー…闇堕ちヤチヨが誕生して曇らせ物語になっちゃうところだったねッ!」

 

 

 この8000年で様々な出会いと別れを、ツクヨミに意識を移植するまで犬DOGEを介して経験してきた。楽しいこと悲しい出来事、沢山あったけれど不変コードを解除するまでヤチヨはお腹から笑うことも、気分が落ち込むほど悲しく感じることも無かった。

 

 

__彩葉がツクヨミにログインしてくるまでは

 

 

 

 管理サーバーから連絡がきた、彩葉が使っていたIPアドレスからログインした人がいるって。すぐさま私は登録したプレイヤーが向かうチュートリアル空間に赴いてその人を見た。

 

 

「………ッ!」

 

 

 ダークトーンの髪色に翠の瞳、間違く彩葉だ。想い人は記憶のままだった。

 ヤチヨは彩葉を認識した瞬間にロックを掛けていた不変コードが解除され、感情が爆発した。

 

 

「わぁ!本当に現実みたい!おぉ…これが案内役のヤチヨかぁ」

「イ〜〜〜〜〜ローーーーハッッ!!」

「きゃっ!」

 

 

 突如推しから押し倒された彩葉は赤面しながらも、パニックになって声が上擦った。

 

 

「ヤチヨさんッ!?AIってこんなファンサもしてくれるの!?通りで値段がお高い訳だぁぁ…」

「ん?私はAIじゃなくて本体だよー、てかイロハって私が推しなんだぁ〜♪」

「ちょっと何してるのッ!?」

 

 

 彩葉の胸にグリグリと頭を押し付けガッチリ抱擁してくるヤチヨに彩葉はため息を吐いた。

 

 

「あの、そろそろ離してくれませんか…ゲームやりたいんですけど…」

「やだー!イロハポイントが回復するまで待ってね!」

「これいかがわしいゲームじゃないよね!?私ソフト間違えちゃったかな!?」

「これくらいで照れてもらっちゃ困るよイロハー、これからずっと一緒に寝るんだから〜」

「あ…これ完全に買うソフト間違えたわ…返品出来るかな…」

 

 

 一向に進まないチュートリアル空間でヤチヨに30分間抱擁され、彩葉の目のハイライトは消えていた。

 

 

「ごめん、気持ち良過ぎて少し寝ちゃったみたい⭐︎」

 

 

 てへっ、と可愛いらしく舌を出し、握り拳で自身の頭にコツンと当てている姿はまさに電脳世界のアイドルといえる美貌だった。それからヤチヨは大まかにこれまでの話を彩葉に説明した。

 

 

「えっと、それでヤチヨさんは未来から来た設定なんですよね?」

「設定じゃなくてガチなんだよッ!芦花、真実は私と友達でー、一緒に海とか行ったし」

「え………怖……」

「びえーーーん!拒否らないでぇーー!!」

 

 

 後ずさってログアウトしようとする彩葉にヤチヨは抱きつき、滝の様に涙を流した。ヤチヨも一瞬でプログラミング言語を覚える程の超天才ではあるのだが、人と接する距離感は不変コードの影響で成長出来ていなかった。

 

 

「私が『かぐや』という赤子を拾って育てたらヤチヨさんになるってこと?」

「そういうこと!私を拾ったら大事に育ててあげてねっ」

「いや無理だけどッ!ていうか赤子を拾うって何事!?赤ちゃんが放置してあったら警察に連絡するよね!?」

「大丈夫大丈夫、三日もすれば大きくなるからー!」

「たけのこかよッ!」

「ヤチヨはたけのこだよ〜」

 

 

__

 

 

水面が広がる床に鳥居が建っている広い空間にかぐやがやって来た。

 

 

「イロハー?」

「仮想空間ツクヨミへようこそッ⭐︎」

「あ!ヤチヨじゃん!」

「ハロー!新しい世界に行く前にお着替えしましょーう!」

 

 

 かぐやの目の間にアバターを着替えさせる画面が表示され、かぐやは好きな様に見た目をカスタマイズして言った。

 

 

「あはは!やっぱり同じだね」

「?」

「過去の私と同じ着せ替えをしたから面白くなっちゃって、かぐやは月から家出したんだよね」

「えぇーーー!!どうして月の事を知ってるのッ!?」

「私は未来から来たかぐや……つまりかぐやと私は同一人物でーす!」

「まじッ!もしかして私タイムマシーン作っちゃった?」

「ですです。ちょっとドジして時代がズレちゃってー、8000年も彩葉を待ってたけどね!」

「それってヤバくない?」

「やばいから私がかぐやを守るよ!」

 

 

 ヤチヨはかぐやの肩に手を置いてサムズアップした。

 

 

「月の仕事って大変でねー!宇宙空間から水を生成する施設の開発とかー、人工食品の改善とかー、動物の〜…」

「うげぇ、ますます月に帰りたくなくなったぁ」

「大丈夫⭐︎私が最高のハッピーエンド以外を認めると思う?」

「8000年なんて待てないね!じゃあ三人で最高のハッピーエンドを目指して!!」

「「えい!えい!おー!!」」

 

 

 一方彩葉は初期キャラが転送される待ち合わせの場所で腕を組み、貧乏揺すりをしながら二人を待っていた。

 

 

「遅いなぁ、かぐやはリアルでインしたままだったし、ヤチヨと何話してるんだろ…」

 

 

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