ヤチヨかぐやイロハの三人は彩葉のアパートを再現した部屋に集合していた。イロハはVR世界に来てまで自分の部屋を見ることに嫌気を差したが、ヤチヨが一番思い出のある場所と言っていたので何も言わなかった。
「という訳で二人はヤチヨカップで一位を獲ってね!」
「「ヤチヨカップ?」」
「ライブの後に発表するんだけどー、新規ファンを獲得した順位を決める大会を開催するのッ!」
イロハは狐耳をピコピコと動かして疑問を問いかけた。
「一位を獲れなかったらどうなるの?」
「ん〜ノーマルエンドって感じかなぁ、イロハは普通の終わりが好きだったよねー」
「そうだけど…幸せを求めて傷つくよりは、程々の日常で満足する方が良い」
それを聞いたかぐやは足をバタバタさせながらイロハの背中にくっついた。
「絶対ハッピーエンドがいーいッ!イロハって頑固だからヤチヨからもっと言ってよー!」
「かぐやが家でめちゃくちゃするから大変なんだけど…スマコンも勝手に買って残高無いし、このままじゃハッピーエンドどころか社畜エンド!」
ヤチヨは首を傾げながら指パッチンを行った。
「イロハごめんね〜一千万じゃ足りないよね!今、一億円振り込んでおいたから!」
「いやいやいやッ!ヤチヨちょっと待って!人から貰ったお金とか怖くて使えないから!てか一千万も返したいんだけどッ!」
「ヤチヨお金持ちだったのッ!!パンケーキ奢ってッ!それからアロハシャツとトーテムポールも欲しいッ!」
「ヤ・チ・ヨ…絶対かぐやにお金渡さないでね、部屋を物置きにされたら寝る場所もなくなっちゃうから」
「りょーかーいっ⭐︎」
「ぬわっ!ヤチヨはイロハの味方をするのかぁー!」
ぷんすか怒るかぐやを見てヤチヨはケラケラ笑った。
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ヤチヨから真剣な顔で生活費とかぐやが購入する物はヤチヨのお金を使ってほしいと言われ、押しに弱い彩葉は渋々了承した。なんでも未来の彩葉は学業、バイト、配信と積み重なった無理をして倒れてしまったらしい。お金と時間の余裕が出来た彩葉はバイトのシフトを減らして、かぐやのプロデューサーとしてツクヨミで本格的な活動を始めた。彩葉が定期的に新曲を作りかぐやが歌って踊る、過去はストック分しかかぐやは曲を歌えなかったが、現在はかぐやが歌いたいだけ彩葉が曲を作ってあげた。
「中間発表三位ッ!どんなもんよッ!一位のブラックオニキスを抜きたかったけどぉ〜ブツブツ…」
忠犬オタ公の中継が終わるとかぐやはガッツポーズを掲げた。
「ほんとにワンチャンあるじゃん…これなら一位狙えるかも……」
「そろそろお誘いが来る頃だね〜〜」
そうヤチヨが呟いた瞬間、かぐやの目の間に巻物がポンッと開かれた。
「さっそく最終決戦来たぁぁぁぁ!!」
帝アキラからのコラボ依頼が巻物には記してあった。
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「勝ったら私のお願い聞いてくれるんだったよね」
「彩葉……参った、俺たちの負けだな」
ブラックオニキスとのMOBA形式の竹取合戦はかぐや達の勝利で終わった。勝因はブラックオニキスも愛用しているゲーミング用高性能スマコンの使用と、かぐやとイロハの肩に乗せたミニヤチヨのAIバックアップのおかげだった。
卑怯と云うなかれ。画面の絵面的には肩にちっちゃなヤチヨが扇子を振って応援しているだけに見えるため、観客達も可愛いッ!と脳死で応援していた。
「それで?一位ライバーのブラックオニキスに何をお願いするんだ?」
「かぐやを守る為に一緒に戦って欲しい」
「……どういう事だ?」
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「さぁ!ツクヨミVS月人の開幕〜〜⭐︎最強チートをバンバン使っちゃうよぉ〜〜!!」
ヤチヨは夜空に向かって手を大きく広げ『全プレイヤー』にステータス99999UPのチートを付与した。
ブラックオニキスはかぐやの最終決戦Liveに集まった武器を持つ10万人いるプレイヤー達の前で声をあげる。
「かぐやを月には帰さない、お前らも派手に暴れようぜッ!」
「諸君らの活躍を期待している」
「雑魚い月人なんか余裕でしょ♡」
かぐやはステージに立ち、満面の笑顔を作った。
「自由だぁっ!♪」
こうして月の住人との全面戦争の火蓋が開かれた。