夜、目を閉じるだけで8000年の記憶が奔流しヤチヨの心が動かされる。かぐやだった頃の何かが少しずつ削られていく感覚に恐怖を覚えながらも、隣で眠っている彩葉の手を握って気を紛らわせた。
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鹿の角型ヘッドセットが特徴的な
白を貴重としたピンク系の光沢がある衣装、ショートパンツとブーツを着た、芦花はROKAとしてツクヨミ内で活動し、美容系インフルエンサーとして人気を得ていた。いつものようにコスメ商品のレビューを行いログアウトしようと思ったら、道の端でウミウシのフシを見つけた。
「ん?あれってフシだよね?」
芦花はフシに近づくと、フシも振り返る様子を見せてゆっくり進みだした。後ろをついて来いと言う無言の合図に芦花は首を傾げながらもフシを追うと、人影のない裏路地でフシが歩みを止めた。
「ヤチヨはどうしたの?」
「この扉の先に進んで、ヤチヨが待ってる」
「……?、まぁいいかっ」
何もない壁に突如として扉が出現し、芦花は何となく周りに人が居ないか確認して、ドアノブを回した。部屋の中は高校時代に彩葉が一人暮らしをしていたアポートの部屋だった。懐かしさを感じながら部屋に入ると、ヤチヨがラフな部屋着の格好で笑顔で出迎えてくれた。
「いらっしゃいませー⭐︎ささ!お入りくださーい!」
「お邪魔しま〜す」
急展開ではあるが今更友達に疑問を持つほどの関係でもない、ヤチヨが何かやってるなぁー、くらいの余興気分で芦花はちゃぶ台の前に座り、ヤチヨも目の前に座った。
「ROKAも忙しいからねぇ〜、スケジュールが空いてる今を狙っちゃいましたぁ!」
「普通にメッセくれたら良かったのに、話しくらいいつでも大丈夫だから」
「ROKAっち優しぃ〜〜⭐︎」
ヤチヨは肩に乗ってきた、フシを何度か撫でた。
「それでヤチヨ、どうしたの?」
「ROKAの恋を叶えちゃおうかと思いまして」
「どういうこと?」
「10年前、ヤチヨAIに同性の親友が好きだって相談してたよね」
「本人も聞いてたんだ……」
芦花は彩葉の事が恋愛的な意味で今も好きだ、昔ほど世間に偏見がある訳では無いが、芦花はこの気持ちを心の奥に閉まって壊れない友情を選んだ。
「人生は一度きり!何もしない選択を選ぶのは、もっとも後悔するっておばあちゃん歴史から学んじゃいましたッ!」
「こんな可愛いおばあちゃんが居たら、みんな困っちゃうねー」
「芦花、想いを伝えるのを恐れないで、あなたが好きになった人は好意を伝えたくらいで関係が変わる人なの?」
「それはないと思う、だけど学生の時に大人ぶってたら、本当の大人になって自分の中で折り合いがついちゃったんだ。彩葉のことは好きだけど、今更言われてもって感じじゃない?」
ヤチヨは静かに目を閉じて、優しい声音で芦花に届けた。
「私も彩葉が好き、likeじゃなくてLoveの方だよ。かぐやも様子を見ているけど、好きという気持ちは持っている。だから……
【彩葉に三人全員まとめてお嫁さんにしてもらいましょう!】
「はぁ〜〜〜!?」
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ROKA、かぐや、ヤチヨの三人はアパート空間で作戦会議を行っていた。
「えぇーッ!?芦花って彩葉の事が好きだったのぉ!?全然気付かなかった!!」
「まぁ〜ねー、乙女は隠し事が多いって言うでしょ」
「じゃあこれからは芦花も家族だねッ!」
芦花は目をぱちくりさせながらかぐやに問いかけた。
「なんかこう〜…彩葉を取り合うドロドロの戦いを予想していたんだけど…」
「誰とも知らぬ馬の骨ならかぐやもはんたーい!だけど芦花なら全然OKー♪」
「もしかして月人って一夫多妻とか?好きな人って独占したくならない?」
「一夫多妻とかではなかったけどぉ、仲の良い友達が同じ人を好きになっても、みんなその人と結ばれたらハッピーエンドじゃん!」
「アハッ!何それ面白いっ」
プッと笑いだした芦花の手とかぐやの手を、ヤチヨが繋いで三人輪になった。
「お話はまとまったので三人で彩葉に告白ライブをして想いを伝えちゃおーう⭐︎」
「いぇーい!張り切ってラブソングの歌詞考えちゃうもんねッ!!」
「みんなに公表しちゃうのマジ!?ヤチヨぶっ飛びすぎでしょッ!w」
こうして三人は無事、彩葉のお嫁さんになりましたとさ
めでたしめでたし。