モルガン陛下が最初のバーサーカーになったマスターの末路 作:湿度100モルパーセント
ぷぷぷモルガンランド─聖剣に願いを─『プロローグ』
呆れ返るほど平和な特異点、ぷぷぷモルガンランド。
されどその星に許されざる異界の侵略者が現る。
数多もの障害が行く手を塞ぐ巡礼の旅。いずれ死にゆく偽りの星。
花が地上に狂い咲き、偽りの冠位が血に塗れる時に終末は現れる。
─さあ、世界を救いに行こうか。
最初に感じたのは違和感だった。眠かった目をこすれば、木に包まれた優しい雰囲気の小屋だった。
「俺…は…?」
自分の名前まで思い出せない。柔らかなベッドの感覚に包まれながら、ぐったりとした体を起こしていく。
(どんな感じで動くのかね…?)
寝汗を吸いすぎて重い服。ふと横に立てかけられている槍を見ると、どうにも手に馴染む感じがする。
「よっ、と」
なんとなくで手に取ろうとしても、体が言うことを聞かない。やっぱり相当眠っていたのだろう。
「…よかった。起きたんですね、お兄さん」
後ろから話しかけられてゆっくりと振り返れば、赤毛の可愛らしい少女がお粥を持ってきてくれていた。
「すいません、こんな迷惑をかけてしまって…」
「いえ。ワドルディちゃんたちも日常に変化ができて喜んでましたよ」
心配しなくていいと安心させるような声で彼女は話す。若いのに立派な子だな、なんて失礼なことを思ってしまう。
「わにゃ…?」
ひょこっと開いたドアから可愛らしいもちほっぺの生き物がトテトテと近づいてくる。寝たきりの客人が起き上がったなら当然の反応だろう。
「これがワドルディちゃんですか…随分ちっちゃいですね」
「ええ。あなたが寝ているので世話をするのも一苦労でしたよ」
私はトリネコ様のように魔術が使えませんから、と嘆く少女。確かに苦労をかけまくったことは想像に難しくないので、速くここから出ていくべきだろう。
「ごめんなさい、すぐにここから出ていきますね。いくら何でも邪魔だったでしょうし…」
「そんなわけじゃないんです。寧ろこちらこそ、ワガママで助けてしまったというか…」
しどろもどろになってしまった少女は後ろのワドルディちゃんに助けを求めるように目線をそらす。当然帰ってくるのは「わにゃ?」くらいの疑問だ。
「と、とりあえず私のお願いごとを聴いてもらってもいいですか…?」
「は、はい…?喜んで…?」
なぜか放っておけない彼女。無理矢理ベッドの上から体を這い出し、槍を支えにして立つ。
(…やっぱりちょっと、腕に馴染むな)
使い慣れた気配がするソレは、やっぱり自分に合う。床にキズをつくらないように歩きながら、彼女と目線を合わせる。
「それで、お願いごとというのは…?」
「えっと、その、ですね…この国に『妖精騎士制度』、というものがあるんです…」
彼女から根掘り葉掘り聞き出した感じ、お願いごとの内容は理解できた。
ここ『ロンディニウム』からぷぷぷモルガンランドの首都である『キャメロット』に彼女が呼ばれたこと。
そこで妖精騎士なるものに着任され、強大な力を得るということ。
ただし、たどり着くまでの道のりにはモースなる化物がワドルディや他の生物を襲っていること。
「…つまり、私は護衛をすればいいんですね?」
「ええ、はい…もちろん騎士様が嫌じゃなければ、ですが」
なるほど、話は理解できた。たまたま俺が倒れていたところに護衛がほしかった少女のいる街があったと。
(死ぬほど怪しい…が、少なくとも罠ならこんな回りくどいことはしないか…?)
善意まで疑ってしまうような人間になって申し訳なさを感じるが、仕方のないことと割り切る他ない。
「…考えても何も始まらないし、手伝いますよ。もしかしたら記憶喪失の手がかりも見つかるかもしれない」
「ええっ!?悪いですよ…」
心配してくる少女に首を振る。これはそもそも俺にとっても利益のある話だ。
「助けてもらった恩もありますから遠慮なさらず。お名前は…?」
名前をそういえば聞き忘れていたな、なんて思う。ワドルディの名前は知っているけれど、彼女の名前は聞いていない。
「そういえば名乗ってませんでしたね」
ぺこり、と小さく謝罪しながら彼女は名乗る。
「私、バーヴァンシーと言います。あなたの名前は?」
そう聞かれて咄嗟に返した言葉は、名前なのか。
「ウーサー」
ストンと、胸に落ちたような。
あるいは、パズルの角が一つしか見つからなかったような違和感が。
同時に胸の内を駆け抜け、同時に槍を強く握っていく。
「俺はウーサー。これからよろしくね、バーヴァンシーさん」
FGO本編ではセイレムです。バーヴァンシーは普通の村娘の役になりました。
…精一杯モルガン陛下とウーサーとバーヴァンシーを掘り下げます(決意表明!)
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