ということで第二話どうぞ!
ーシャーレ・オフィスー
「さてと…」
椅子に座りとりあえず積み重なった書類を軽く見てみる。
ミレニアム、トリニティ、ゲヘナの三大学校はもちろんのこと他にも百鬼夜行、レッドウィンター、山海経などの学校からの要請も届いていた。
(さて…これを処理するの大変だぞ…)
と思いつつこの書類たちは明日以降にすることにして、まずはキヴォトスの色々な場所について調べた。
そんなこんなでいつの間にか日が沈むくらいになっていた。
そのおかげか各学校の生徒の情報をある程度収集できた。
「ふー……」
と椅子の背もたれを倒し一息ついていると。
プルルルルル…
突然電話が鳴った。
連絡先を見るとリンからだった。
「もしもしどうしたの、リンちゃん?」
と電話に出ると…
「誰がリンちゃんですか、まったく…それより先生、ワカモの処遇について連絡します。」
「それで、どうなるの?」
「明日連邦生徒会議にて正式に処遇を決めます。よろしければ先生も来てください。ワカモ確保の立役者なので。」
(なるほどこちらとしても行きたかったから願ったり叶ったりだな。なんなら頼もうと思ってたし…)
「わかった。それじゃあ明日そっちに向かうね?」
「はい、それでは先生。お待ちしております。」
と電話が切れる。
スマホを置き
「はぁー……」
とため息
(さてと…明日が正念場だぞ…墨黒。今言われた明日の会議に出席し俺はワカモをシャーレ所属の生徒にするために考える…リンちゃんが言ってた所属に関係なく、先生が希望する生徒たちを部員として加入されることも可能……この部分を使えば行けると思う…問題はそれを生徒会のメンバーが了承するかどうか、だな…リンちゃんは大丈夫だと思うが他がなぁ…)
「はぁ……」
生徒会のメンバーを思い浮かべてまたため息をつく
(まぁ、なんとかなると信じたいな…。)
『先生どうしました?そんなにため息をつかれて。』
画面からアロナの声が聞こえた。
「あー大丈夫、大丈夫。明日のことについて考えてただけ。」
『明日のことでそこまで頭を悩ますことなんですか?』
「まぁ、一応考えがあったからな…まぁ、これは別に話すまでもないことだが…それよりもその後ミレニアム、ゲヘナ、トリニティどこから見て回るかも考えないとな。」
座った椅子で回りながら3校の情報の書類を見る。
(ふーむ…後のことを考えると、トリニティのティーパーティもだがゲヘナの風紀委員や万魔殿、ミレニアムは最後に回してもいいと思うし…)
「まずは、トリニティから行ってみるとしようかな…その前にやることはあるが…」
ハスミの連絡先を見て
(いや、連絡は明日以降にするか…ワカモの件が済み次第だな。)
スマホを元に戻し夕食を食べ、そのまま今夜は寝ることにした…
「おやすみ、アロナ。」
『はい!おやすみなさい、先生。』
ベッドに入りそのまま目を閉じ寝た。
目覚ましにより起きる時刻は朝6時。
顔を洗い、朝食のパンを食べ、歯磨きをし、身なりを整える…その後おにぎりを作り弁当箱につめる。
黒いシャツ、赤いネクタイ、黒いコート、そしてシャーレの腕章……完璧だ。
『そういえば先生、そのコート奇妙な柄してますね!』
アロナがコートの柄について言及する
そう、黄色い目のような柄が至る所に散りばめられているデザインをしている。
「ん?いいだろこれ気にいってるんだ。」
『そうですねたしかに似合います!』
「だろ?」
準備があらかた済んだ時…
コンコン
ドアがノックされる。
「はーい、空いてますどうぞ。」
ドアが開けられる。
「おはようございます。先生迎えに来ました。」
そこには連邦生徒会の制服を着た生徒がいた。
「わざわざ迎えに来てくれてありがとうね。」
「いえ、リン行政官からの命でしたので気になさらず…それより車を手配しておりますので準備ができたらおっしゃってください。」
と礼儀正しく礼をしてくる。
私は机のスマホと貴重品をズボンのポケットに入れ、シッテムの箱をコートの内ポケットにしまい鞄を持つ。
「おまたせ準備できたよ。」
「はい、それではついてきてください。」
そのまま案内についていくとそこには黒い高級車があった。
「すっご、これに乗っていくんだ…」
「はい、先生は来たばかりですがこのキヴォトスでは要人の一人ですのでこういう待遇となっております。」
車に乗り込む。
「え、じゃあお願いします。」
「はい!安全運転で参りますよ。」
しばらく目的地に着く間、車に乗って窓から景色を楽しむ…いい景色だ。
「到着しましたよ先生。」
「ありがとう。えーと君の名前は?」
「名乗るほどでもありませんよただの1行政委員会の1員ですのでお気になさらず…」
彼女は先生が降りるのを確認するとそのまま車を直しに去っていった。
建物の中に入るとそこで受付をしていた生徒に話しかける。
「おはようございます。りんちゃ、いやリン行政官に呼ばれてきたんだけど…」
「リン行政官…あ!もしかして先生ですか?」
「そうだけど。」
「少々お待ちください…」
と彼女は内線を繋げて連絡をし電話を置き、
「はい!お待ちしておりました!先生。こちらの会議室にリン行政官がお待ちです!」
そう言い館内マップを渡してきたので貰い
「ありがとう。」
その後それに従って向かうと会議室へと着いた。
コンコンッとノックをすると中から
「はい。」
とリンの声が聞こえたので
「墨黒です。入ってもいい?」
尋ねるとドアが開けられてそこにはリンがおり、
「先生。お待ちしておりました。さぁ、どうぞ中へ…」
中へ入るとそこには連邦生徒会の生徒たちが座っており入ってきた自分を見ている…
「それでは、先生はここにお座りください。」
促されるままにリンの隣に座る。
「さて、それでは皆さんこちらが昨日着任されたシャーレの墨黒先生です。昨日も言いましたが私は七神リン統括室首席行政官そして現在生徒会長代行を勤めております。皆さん自己紹介の方をお願いします。」
「由良木モモカ、昨日あったでしょ?交通室所属だよ。よろしくー。」
「私は岩櫃アユムです。調停室長をやっております。ど、どうぞよろしくお願いします!」
「私は防衛室長の不知火カヤです。よろしくお願いしますね先生。」
「財務室長の扇喜アオイよ。よろしくお願いします、先生。」
この場にいる役職についている人物たちからの自己紹介を受けた。
「それでは、皆さん先程までの議題は中断して先生が来ましたので昨日捕縛した狐坂ワカモの処遇について話し合いをしましょう。」
「私としてはこのまま矯正局に送るのがいいと思うのですが。他に意見はございますか?」
リンが言うと他に意見は無さそうに誰も手をあげない。しかし1人手をあげた者がいた。
「はい。ちょっといい?リン。」
「先生どうしました?」
「ワカモの件なんだけどさ、シャーレにいや、私に任せてもらってもいいかな?」
そう言うと周りがざわつく…
「先生、正気ですか?あの厄災の狐なんですよ?」
「正気も正気、大マジだよ。」
「それでどうするんです?もしワカモが先生の言うことを聞かず破壊活動をした場合は…」
「その時は私も牢屋に入れてもらってもいいよ。」
「ど、どうしてそこまでするんです?先生。」
「それは私が先生だからだよ、リン。ああいう生徒は見逃せない人だからね?」
「……うーん………。わ、わかりました…それではワカモはシャーレ所属の生徒にしその後ワカモによる破壊活動が確認された場合、ワカモと先生は2人とも牢に送るってことでよろしいんですね?」
「うん。それでいいよ。」
「他の皆さんもそれでよろしいですね?」
「…それでは、ついてきてください。ワカモのところに案内します。それでは皆さん私が戻ってくるまで会議は休憩にします。」
「あ、ならこれ皆さんで食べておいてください。」
今朝作ったおにぎりの入った弁当箱を机に置く。
「それではリンちゃ、いやリン案内お願いね。あ、もちろんリンの分も分けてあるから安心してね。」
「いえ、そこは心配してないんですが…まぁ、いいでしょう。案内します。」
2人で会議室を出てリンの案内された部屋に着く。
「先生、この部屋にワカモがいます。必要な書類を持ってきますので先に入っておいてください。」
ドアを開けるとそこにはワカモが座っていた。
「あら?先生来てくださったんですね。」
ワカモの対面の席に座る。
「ここに来たということは私の処遇が決まったということですね?」
「そうなるね。」
「あぁ、そうですか…私はまた矯正局に送り返されるということですか?」
ワカモは不安そうな顔でこちらを見てくる。
「いいや、違うよ。実はワカモにはねシャーレ所属の生徒になってもらおうと思うんだ。」
「え!?私がシャーレ所属の生徒に!?どういうことなんですか?それで生徒会は納得したんですか?」
「納得は多分してると思う…よ?」
「そうなんですか?それでもどうして私なんかにそこまでするのです?」
「それは、決まってるでしょ?私が先生だからさ。」
「先生だから…」
「そうそう。少し先を生きてる人だからね私は、大人としての責任があるから…生徒たちを導くのが仕事ってわけ、だからこれから先ワカモが道を外れそうになっても私がしっかり側で導くからね。これから一緒に頑張ろうね?」
ワカモに手を差し伸べる。
ワカモは手を取り
「先生…実は私、昨日から先生のことを思うと少し胸が熱くなります。今こうしてる時もドキドキしてます。先程までこれがわかりませんでしたが今わかりました…」
「これは恋それに愛ですわね!先生いえ、貴方様!不束者ですがこのワカモをよろしくお願いいたしますわ!」
(始まったな…こうなったらもう止まらんな。流れ始めたエネルギーとうんたらかんたら…)
ガチャッ
「先生、必要な書類を持ってきまs…なにしてるんですか?」
側から見ると座っている成人男性の前で狂喜乱舞している災厄の狐の構図に見えるだろう…
「あ、あぁ…ありがとうリンちゃん。はい、ワカモこの書類書いてね?必要なことだから。」
「はい!わかりましたわ貴方様!」
「ふむふむ…シャーレで行う奉仕活動の一環ということですわね…なるほど…」
「ん?ワカモが先生の許可無く戦闘行為及び破壊活動をした場合ワカモと先生はその時点でシャーレをクビになり矯正局へ送られるものとする…貴方様これ本当ですか?」
「本当だよワカモ。私はその覚悟があっての提案だったからね?リンちゃん。」
「えぇ…まったくいきなりそういうことを言い出したので肝が冷えました。それにやむを得ない場合など特殊な条件下ではワカモさん個人の判断で戦闘行為をしても良いものとなっております。」
「あ、そこは自由なのですね…」
「えぇ、先生の意識が無い状態などでは指示が出せませんからね。そういう措置を取らせていただいてます。」
「書けましたわ!後は貴方様のサイン一つですわ!」
ワカモが用紙を突き出してくる。
「ありがとうワカモ。」
空いている枠の欄に自身の名前を書く。
「はい、リンちゃんこれでいい?」
「確認させていただきます。」
「…………はい、大丈夫です。確認できました。」
「それではこれより狐坂ワカモはシャーレ専属の生徒となりシャーレの奉仕活動を手伝うこととなります。そして罰則については先程説明した通りとなっております。ワカモさん頑張ってください。それと先生もよろしくお願いします。」
「はい、よろしくお願いしますね貴方様♪」
「よろしくねワカモ。」
「それでは私は生徒会の会議の続きをしに戻ります。先生達はこの後は自由にしてもらって構いません。それでは失礼します。」
「それじゃあワカモ。早速シャーレの執務室に向かおうか。」
「わかりましたわ。このワカモ貴方様のためなら例え地獄でもどこまでもお供しますわ。」
「ははは…頼もしいね。」
(愛が重いなぁ…)
その後ワカモと一緒にシャーレに戻り施設の案内をした。
「とまぁ、こんな感じかな?わかった?」
「えぇ、わかりましたわ。それで貴方様、私は何をすれば良いのでしょう?」
「とりあえず一緒に書類の山を少し片付けようか」
「はい!このワカモ全身全霊を持ってお手伝いしますわ!」
ワカモと一緒に書類をある程度片付けた後夕食を食べることになった。
「んー!貴方様は料理もできるのですね!流石ですわ!」
「簡単な物しかできないけどね?褒めてくれてありがとう。」
そして寝ることとしたのだが…
「わ、ワカモ?なんで一緒のベッドに入ってるの?」
「ん?おかしなことを言いますね。いつ何時でもあなた様を守るためですわ」
「それはいいんだけど…その…ね、私は先生ワカモは生徒そんな二人が一緒に寝たら世間的にマズいと思うの。だからね寝るときはちゃんと自分の部屋に寝てほしいんだよね?」
「うぅ…で、ですが…心配です。」(涙目)
「う、あぁ……わ、わかった。ワカモ今日だけだよ、今日だけね?明日からはちゃんと自分の部屋で寝てね?」(頭なでなで)
「わ、わかりましたわ///…ですが何かあったときや用があるときは何時でも呼んでくださいね?」
「うん。頼りにしているよワカモ、じゃあおやすみ。」
「はい、おやすみなさい貴方様。」
キヴォトスに来て激動の二日目を終えた俺はワカモと一緒に寝ることになった。