邪眼皇ロマノフ一誠は″兵士″になっていた   作:邪眼帝

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滅びの声が響く時、世界の歴史は悲鳴をあげる。


その3

「おかえり、イッセー。帰りが遅いけど──そこのお嬢さんは?」

「はじめまして、お母様。私はリアス・グレモリーと申します。兵藤一誠くんとは同じ学校の先輩後輩であると同時に、少し複雑な関係でもあります」

「母上、簡潔に言えば、この方は私の命を助けてくれた恩人なのです。お手数ですが、それについて話し合いの場を頂戴したい」

 

 性欲だけが取り柄の一人息子が、唐突に紅髪の美少女を連れてきた。いっそ夢のような現実に、一誠の母である三希の反応はというと、

 

「少し待ってね」

 

 産気付いたかのように念入りに深呼吸を重ねてから、大黒柱の五郎がいるリビングに振り向いて叫ぶという、コントのようなリアクションだった。

 

「あ、あなた! 一誠がめちゃくちゃに可愛らしい彼女を召喚したわ!」

「おいおい、寝ぼけるなよ。あのスケベで変態なアイツに彼女なんて天地が逆転しても……なんてこったい、今日がノストラダムスの預言した日だってのか」

「愉快なご両親ね」

「まあ、な」

 

 一誠は視線を逸らしつつも、本来の兵藤一誠の人格面について考察する。

 リアスが世間一般の価値観で美人に該当するだろうことは、ここまですれ違った男や一誠の母親の反応から容易に想像できる。だからといって、リアスを自宅に招いただけで大騒ぎするようなこととも思えない。だとすれば、本来の兵藤一誠はそれなりに両親の手を焼かせていた問題児なのだろうと彼は推測した。

 実際、一誠の通う駒王学園においては目の敵にされているのだから、その推測は正解ではある。

 

 さておき、驚かれてばかりでは話が一向に進まない。一誠はやや強引に五郎と三希をリビングへと押し込むと、続いてリアスに着席を促す。そして一誠がその隣に座り、改めて対面に座る夫妻へと向き直った。

 

「まずはお二人に謝罪しなければなりません。私の不手際により、息子である兵藤一誠くんを守ることができませんでした」

 

 リアスは深々と頭を下げた。説明するべき背景を省略したのは、通すべき筋を優先したからである。事態を飲み込めずに困惑する五郎と三希だが、ここまでするからには彼女も相応の事情を抱えているのだと思い、敢えて口を挟まない。

 

「まあ、お二人のお気持ちは分かります。いきなり謝罪されても困りますよね。しかし私にはその責任があるのです。そしてどうか、これから私が説明することを信じてもらいたいのです」

「……何があったんですか」

「緊急措置として、私は兵藤一誠くんを悪魔に転生させました」

 

 単刀直入に、リアスは告げた。

 

「そして、私も悪魔なのです」

 

 本家のサムライも顔負けの言い草に、さしもの一誠も開いた口が塞がらない。せめてもう少し別の言い方がある筈だ。

 いきなり、私は悪魔です、と初対面の少女に名乗られても反応に困るだろう。常人にとって、悪魔とは空想の存在に過ぎないのだから。

 

 しかし夫妻が口を開くよりも前に、蝙蝠に似た翼が彼女と、そして一誠の背からも展開される。人間が持たない器官の出現は、これ以上にない証拠だ。事実、五郎と三希は驚愕しながらも、しかしリアスの言葉を信じたようだった。

 

「それで、こうして悪魔が訊ねてきたんだ。何か要求でもあるのかな?」

「……信じてもらえるのですか」

「そんな翼を見せられてはね」

「なら、私からの要求は一つだけです」

 

 リアスは、展開した魔法術式から一枚の書類を取り出した。人間との契約時に用いられる専用の契約書だ。

 

「グレモリーの名によって、兵藤夫妻を保護させていただきます」




神滅竜騎ガルザーク
P(SR) 闇/火文明 (6)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン/ドラゴン・ゾンビ
6000+

W・ブレイカー
このクリーチャーは攻撃されない。
バトルゾーンに自分の他のドラゴンがあれば、このクリーチャーに「パワーアタッカー+6000」と「T・ブレイカー」を与える。
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