国連宇宙海軍召喚(宇宙戦艦ヤマト×日本国召喚) 作:デブレツェン
文章がちょっと硬くなっちゃったけど勘弁。多分誤差ですので。これも花粉の症状だな(?)
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というわけで、第二話です。どうぞ。
ここは、クワ・トイネ公国。エルフが作ったというこの国は、今とても大事な出来事を迎えていた。それが、そう。国際連合とやらとの外交。外は、まるで祝福するみたいに明るい。そこへ降り立つ、一隻(?)の赤い船。それは、国連宇宙海軍艦艇、金剛型宇宙戦艦キリシマ。やがて、あの時のように沖田は階段から降りてくる。まるで、吊り橋でもわたるように慎重に。
「こんにちは。沖田司令。この度は、クワ・トイネ公国使節団をお迎えいただき、ありがとうございます。」
「こちらこそ、事情も鑑みず急なお誘いをしてしまい、申し訳ございません。さあ、どうぞこちらへ。あとは、その前に………」
こつん、と人数分靴が出された。我々のに比べて、何だかかなり精錬されたデザイン。これはこれで、格好いいな。そう思って履き替えるリンスイとカナタ。これは何か特別な意味があるのだろうか。
「これを履いていただかないと、宇宙空間ではふわふわと浮いてしまいますよ。」
なるほどわからん。ふわふわ浮くってどういうことだろう。それはそれで楽しそうだけど、操船に関わるだろうし仕方ないな。ところで、宇宙空間って何だろう。すると、沖田がこちらの胸のうちをすかしたように口を開く。
「宇宙空間とは、言わばとても高い上空です。そちらのドラゴンも飛ばないような、ものすごく遠くの空です。」
そうして、沖田は空を仰いだ。太陽が、キラキラと眩しい。どうやら、やっぱり祝福されているみたいだ。だって、邪魔な雲ひとつないから。
「その宇宙空間とやらに行くのか?この船で。」
「はい。今回は、極東に行く前に宇宙を見て頂きます。我々は、元は宇宙で戦う軍隊ですので。」
中に入ると、そこはまるで外のように明るい。そして、何より昼のよう。こんなに明るい船内なんて、見たことがない。そう思うリンスイ。この時点でもはや、国力差は歴然だな。そう、察するのだった。
「さあ、どうぞ。こちらです。」
そうして山南と沖田に連れられて、小さな部屋に連れてこられる使節団たち。どうしたんだろう。一体、何があるっていうんだろうか。
「間も無くこの船は飛び立ちます。座席に座り、つかまってください。」
その瞬間、タイヤをしまって飛び出すキリシマ。その様子は、まるでワイバーンと違う。というのも、ワイバーンは実は長い滑走路が必要。それに比べてこいつはどうだろう。滑走路なんて全然要らないじゃないか。
「おおお!飛んでる!飛んでますぞカナタ首相!!」
子供のようにはしゃぐのは、リンスイ。誰よりも警戒心が強かったくせに。もう楽しんでしまってるじゃないか。まあ、警戒心が強いのは大いに結構だけど。それにしたっていろいろ極端な人だ。
「このまま、宇宙へと向かいます。皆様、初めての宇宙でしょうから、どうかお楽しみに。」
どんどん小さくなる私たちの故郷。こんなに広かったのか。ロデニウス大陸というのは。
「こ、これはどこまで上がるのですか?」
「どこまでも、どこまでも上がります。」
この船のなんて早いことか。まるで、景色の方が流れていっているよう。
「うおおおおおお!早いいいいいいい!」
そうして、しばらくした時。外をふと見ると、なんということだろう。真っ黒な、虚無のような場所が、そこにあるじゃないか。これが、宇宙。怖いけど、どうしてだろうか。どこか美しい。そんな場所。
ふと、目を配らせると、そこには青い星が。おや、あれはロデニウス大陸か?さっき見たし、地図でも見飽きたあの形。あんなに小さかったんだな。さっきまで大きいと思ってたのに。
「おお!あれは神聖ミリシアル帝国じゃないか!あれがムー国か!いやはやなんて楽しい。」
また、子供みたいにはしゃぐリンスイ。本当、これがさっきまで疑心暗鬼だったなんて信じられないよ。
「楽しんでいただけてよかったです。」
すると、暗闇の向こうに20ほどの艦隊が。あれは、まさか。
「はい。国連宇宙海軍の艦艇です。」
リンスイは、また窓に張り付くように外を眺めた。それは、何か明後日の方向に緑の光線をピュンピュン撃っている。これは、もしや。
「………歓迎して頂いてるのですな。」
「はい。あれは、祝砲です。」
「あの、大きい方は何という船なのですか?」
「あれは、村雨型宇宙巡洋艦といいます。我が国連宇宙海軍の主力です。」
「小さい方は?」
「……磯風型突撃宇宙駆逐艦です。」
その間も絶えず光線を撃つ船たち。自分たちはどうだったろう。歓迎の一つもできなかったじゃないか。仕方がない事情だったし、向こうに問題点もあった。でも、それにしたってあんまりだ。
「………申し訳ございませんでした。ろくな歓迎をできなくて。」
「いえ、大丈夫です。突然押しかけたこちらに非があるのです。」
「……しかし……いえ。そう言って頂けるとありがたい限りです。」
山南とリンスイは握手を交わした。まるで、友情を孕んだそれのように。
ここは、一体。リンスイは目を見張る。さっきまで美しく、青かった景色が一転。赤茶けた、まるでそう。地獄のような光景が目の前にあった。どうしてだろう。まさかこの、星の裏側の地獄が、国際連合じゃないだろうな。
「その、まさかです。」
山南は、目を瞑り、沖田がそう言う。この真剣な眼差し。きっと、本当なのだろうに。きっと、辛いものだろうに。
「何か、あったのですか。」
「………我が国は、ガミラスという国家と戦っておりました。それが、本当に手強い国家なのです。我々の使う、さっき見ていただいた装備。あれは、高圧増幅光線砲というのですが………」
ああ、もう嫌な予感しかしない。きっと、とんでもないのが来るぞ。
「高圧増幅光線砲は、彼らに効果を持たなかったのです。」
まさか、そんな。自分たちよりずっと強い、その国連より強いのがいるなんて。宇宙は、本当に広いのだな。
「そして、地球艦隊はやられてしまったと……」
「はい。今回は、最後の作戦の途中、あなた方の惑星に転移。そして、今に至ると言うわけです。」
山南が、補足した。そんな。こんなに壮絶な過去を背負っていたなんて。子供達もこの有様なら、腹を減らしているに違いない。ちらり、と後ろのカゴを見るカナタ。持ってきておいて、本当に良かった。少しでも、美味しいパンを食べて貰おう。と、まるで何処かのアンパンのようなことを言うカナタ。それを聞いて、山南は思わず笑ってしまった。だって、本当にそのアンパンのようでおかしくて。
「どうして笑うんです。」
「いや、失礼……ちょっと……ぷっ……思い出してしまって。」
「何ですか。沖田司令まで!」
「………いや、私の知っている子供向け作品に、顔がアンパンでできたヒーローというのが居て。極東では、ポピュラーなものなのです。」
「何ですかそれ。美味しいパンを配って何が悪いんですか。」
いや、それは正論なんだよ。正論なんだけど。山南はやっぱり、笑いが堪えられなかった。だって、あのアンパンだと思うと面白くって。
「山南艦長、そのくらいにして頂きたい。」
「ふうう……すみませんでした。ああ、沖田司令!実は例のものも回収も……」
そうしている間にも、船は進む。そうして着陸するとともに、がしゃんというちょっとした振動が。もう、ついたのか。そう考えると早くて楽しいものだったな。そうして、階段を駆け降りた瞬間。
「わあああああ!クワトイネの使節団だあああ!」
「ようこそ!地球へ!」
「銀河水平波間を越えて〜!目指す恒星ケンタウリ〜!」
拍手とともに、出迎えられる私たち。その、まるで歓声みたいな拍手。それに混じって、歌も聞こえてくるじゃないか。これは、一体。
「銀河航路。国連宇宙海軍の軍歌です。」
沖田がそう言う。なるほど。やっぱり私たちは歓迎されているみたいで良かったよ。カナタは、ふっと微笑んだ。だって、やっぱり嬉しかったから。
「こんにちは!国際連合の皆様!私は、クワ・トイネ公国首相カナタと申します!皆様の熱烈な歓迎に感謝いたします!」
そして、パンを一つずつ渡していくカナタ。熱烈な歓迎には、熱烈な歓迎で返さなくちゃね。
所変わってここは、交渉のテーブル。ここには、芹沢虎鉄、東堂平九郎を始めとし、国連宇宙海軍の偉い人たちが。もちろん、沖田と山南もいるよ。というか、それが唯一の救い。
「それでは、交渉を開始しましょう。」
そういえば、ここに来るまでもそれはそれは凄かったよ。高速で動く、電車なるもの。車なるこれまた高速な乗り物。そして、宇宙艦。あれがあれば、どんなに迅速に展開できるだろうか。本当、想像するだけでゾクゾクする。もちろん、いい意味でも、悪い意味でも。
「失礼。私は芹沢虎鉄。国連統合軍極東管区のトップと思ってもらって結構だ。」
どうしてだろうか。この男なんか信用ならねえ。なんて言うんだろう。この表情から、私たちに対する侮蔑のニュアンスが読み取れるような。とにかく、何だかどことなく不快。いかんいかん。国際連合の方が強いのは事実だから。こんなのパーパルディアで慣れっこだろう。
「いやいや、そんなに固くならなくて良いのですよ。すみませんね。芹沢は、悪いやつじゃないのですが何しろ、少し棘があるもので。」
「ふん。何が棘だ。とにかく、それはさておき貴国から輸入したいブツについてです。金の相場がわからないので、我が国はインフラや整備を輸出したいと考えています。どうでしょう。」
カナタは想像した。鉄道が敷かれ、車が走るクワトイネの様を。それができるなら、食料だって何だって輸出する。それに………
「貴国に侵攻したガミラスは、私たちとしても放っておけません。その傷を癒すくらいなら、我々にもできます。どうか、輸出をさせてください。」
彼は想像した。あの、無邪気な子供たちの顔を。交渉のテーブルに着く前に見た、あの顔を。なんて、かわいそうなんだろう。どうして、こうなってしまったのだろう。
「………申し遅れておりました。ガミラスによる侵攻で被害に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。また、犠牲となられた方々に深い哀悼の意を表します。」
こくりと頷き、少しだけ目を瞑る芹沢。ああ、そうか。不機嫌の理由はそんなことだったんだな。
「………それで、現在国際連合はかなり苦しんでいます。1億トンは必要でしょう。貴国1カ国では、やはり流石に厳しいでしょうか。」
面食らうカナタ。1億だって。そんな数値は聞いたことないぞ。一体何人の人口がいるって言うんだ。しかし。
「………もし、インフラをちゃんと輸出して頂けるのであれば。賄えますよ。我が国だけで1億トン。」
今度は、芹沢が面食らう。正直予想しなかったのだろう。言わば、ただのダメ元。それが叶ってしまったのだから。そりゃあ驚くに決まってる。
「よ、よろしいのですか?」
「はい。もちろんです。貴国の大変な状況はもちろん理解できます。だからこそ、手伝わせてください。」
きっと、真面目な表情でそういう。すると、芹沢と東堂もふっと肩を下ろす。伝わったならいいが。せめてもの、真心が。
「………貴国には負けました……いいですよ!最高のインフラを立てて差し上げましょう!」
あの、気難しい芹沢が。ここまで乗り気になるなんて。東堂はまたちょっと面食らう。
ああ、良かった。ありすぎて腐っている食い物を大量に輸出して、この超技術がもらえるなんて。しかもそれを応用すれば、さらに収穫効率が上がるのでは?例えば鉄道を使って輸送すれば。車を使って輸送すれば。カナタは目を輝かせた。これで、クワ・トイネはきっととんでもない発展を遂げるぞ。
「それでは、交渉成立ということで!」
芹沢と、カナタは握手を交わした。それが、次の日の新聞の見出しだったという。
「あ、あともう一つ!すみません!」
ズコーっとこける芹沢。いけない。怒らせてしまっただろうか。
「実は……きな臭くなってきたのです。隣国のロウリア王国という国が、国境に軍隊を並べて待ち構えているんです。」
「なるほど。それはただの威嚇とは思えませんな。」
「私としてもそう思う。沖田司令はどう思うかね?このロウリアの挙動について。」
いきなり話を振られた沖田は、少しだけぴくっと動く。でも、動じる様子はない。毅然とした態度で、沖田は言った。まるで、虎のように堂々として。
「………戦争の前触れに他なりません。」
「そうか。それならばキリシマ以下第一艦隊を防衛目的で配置するというのも………いや、失礼なことでしたな。他国の軍隊を領土に置くなんて。」
東堂は頭を掻くと、にっと笑った。いや、別にいいんだよ。置いてくれて構わねえよ。とはいえず。確かにそれは最低限の礼儀でもあるからな。難しい話だ。どうしよう。
「……とにかく、それは後ほど考えます。それも輸出に含めていいのやらという感じですから。」
帰りの船。今日は、うまく行って良かった。と、空のカゴを持ちながら思うカナタ。リンスイもさっきから機嫌がいい様子。本当、行って良かったよ。まあ唯一の懸念点は、ロウリア戦の時に守ってくれるかだが。大丈夫だろう。食料が切れたら困るだろうし。それより何よりこいつらはいいやつだ。
「今日は、ありがとうございました。」
そこへ、沖田がやってくる。お礼を言いたいのはこっちなのに。この人はいつでも礼儀正しいな。あの、リンスイが礼儀を払うくらいには。
「いえ。こちらこそ。」
「何度も申し上げるようですが、本当にありがとうございます。」
「いえ………ところで、実は引っかかる話があるのです。それが………」
「何でしょうか。」
「それが……そちら側の言うガミラス帝国についてですが。もしや、我々の伝承にある『古の魔法帝国』ではないかと思いまして。」
ぴくりと動く沖田。山南すら、さっきとは違う真剣な眼差し。きっと、興味があるんだ。それに、この国のことは何れにせよ言っておかねば。だって、いつ復活するかわからないから。
「古の魔法帝国?それは一体。」
「はい。かつて、この世界を征服した傲慢かつ強力な帝国です。それは、空を飛翔する戦艦をも持っていると言います。」
顔を見合わせる沖田と山南。強大な力。傲慢な態度。空を飛ぶ戦艦。まさか。それはやっぱり。
「ガミラス帝国………!そのものではないのか!」
「正式にはラヴァーナル帝国と言います。しかし、あまりに共通点が多い。ガミラスが古の魔法帝国ならば、全ての合点が行きます。もしや、我々は共通の敵を抱えているやもしれません。」
沖田は、窓の外を見つめた。この広い宇宙のどこかに、ガミラスはあるのか。古の魔法帝国も、あるのか。どうなんだろう。今は何もわからなくても、きっとそのうちにわかる。もし、今ガミラスに来られちゃあそれは迷惑そのもの。しかし古の魔法帝国がもしガミラスなら、何があるって言うんだろう。まあ、嫌な予感しかしないが一応聞くことにした沖田。
「なぜ、そのようなことを。」
「………古の魔法帝国は、最後復活すると石板に書いて宣言し、時間転移魔法で未来に飛んだのです。彼らは、神にすら弓を引く集団。しかももしガミラスなら貴国でも対処不可。となると、かなりまずい。」
なるほど理解したそう言うことか。それなら確かにこうもガタガタ震えてるのも納得できる。話がややこしくなってしまってすまない。つまりその古の魔法帝国というのが、ガミラスではないかと予想を立ててるわけだ。なるほど。確かに共通点はある。もし復活するならその時は。
「………やはり貴国と協力して正解でした。我々は共通の敵を抱えていたのですね。これは、軍部に報告しておきます。」
ちなみにいうと、もちろん何の関係もない真っ赤な他人。それでも、強力で飛行戦艦を使う傲慢な帝国ってだけで同じと断定している。どれだけ、この国連が混乱しているか分かると思う。沖田は、少し早計だとは思っていた。でも、もしものことがあるとまずいし一応報告することに。何より、共通の敵がいます、と宣言してまわればこれから外交にも使えるんじゃないか。しかも、一応とはいえ、ガミラスの船を数隻沈めてるんだから。その古の魔法帝国と混合しちまえば、自分たちの戦果を勲章として扱えるから。まあ要するに、そうする方が都合がいいことも多いなということ。
「………沖田司令。少し早計では、」
「ああ。だが、その方がやりやすいやもしれぬ。それに、可能性があるだけで脅威だ。」
沖田は、真剣な眼差しを宇宙に向けた。相変わらずはしゃぐリンスイ。青い星。暗い宇宙。その全てが、まるで歓迎しているよう。この2カ国の、新しい関係を。
「針路そのまま、ヨーソロー!」
そう叫ぶ沖田を見て思った。ああ、不安なんだな、と。それを、何とか誤魔化そうとしてるんだな、と。
「ロウリア王国。また厄介な国が出てきましたな。」
「ああ。沖田をまた使おう。あいつならどうにかして話を……」
「いや、沖田でも厳しいだろう。聞いた話覇権国家だ。」
芹沢は、言葉に詰まってしまう。できれば、平和的に解決したい所。いくら相手が弱いって言っても。きっと戦争ってだけでみんなアレルギー出すだろうから。くそう、国民っていうのは面倒くさい生き物だよ。
「……攻めないように言って見るだけ言ってみよう。それと、ヤマトも完成させておく。」
外堀は埋めておくってことか。東堂は、少し歩きながら考える。どうしようか。もし、戦争すれば勝てるだろうからそこはいい。問題は内側をどうするかだな。それじゃ、一丁脅してみるのもどうだろう。ヤマトの存在をちらつかせたりして。そうだな、それがいい。
「沖田を使うか。ダメ元だ。この際、引き伸ばしさえできればもう十分。」
「……そうだな。何もせねばただ戦争になるだけ。それを避ける手段を持たせねば。」
次回、国連宇宙海軍召喚
古の魔法帝国は、ガミラスなのか。ロウリアは何故クワトイネに侵攻せんとするのか。正義とは、何なのか。そして、ヤマトがついに動き出す。
???まで、あと300と64日。
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