国連宇宙海軍召喚(宇宙戦艦ヤマト×日本国召喚) 作:デブレツェン
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まどドラ一周年らしいですね。もうほぼやってないのは秘密のお話。
お待たせ致しました。ここから本格的にロウリア戦がスタートします。それでは、第五話。どうぞ!
ここは、ギムという街。この街は今、てんやわんやの大騒ぎ。だって、ロウリアが攻めてくるというから。クワトイネ政府も疎開を進めてる辺り終わっているな。と、西部方面騎士団団長モイジは思う。もう、終わりじゃないか。国までここを見捨てるっていうのか。一応ここには、そこそこの戦力はあるんだよ。 西部方面隊の兵力、歩兵2500、弓兵200、重装歩兵500、騎兵200、軽騎兵100、飛龍24騎に魔導師30人。クワトイネからすれば、かなり多い戦力。でも、そんなものはロウリアの前には少ない方だよ。
そして嫌なことに、ロウリアはこっちの通信を全部無視しているそうじゃないか。そういうことで、さっき言った通り疎開してるってわけ。
「ロウリアからの通信はないか?」
「こちらからの通信は、確かに届いているはずですが、現在のところ、返信はありません。こちらからの通信は無視し続けています。」
ああ、ダメだ。これは絶対に戦う羽目になるよ。それなら、どうにかしなくては。多少の戦力差なら、作戦でどうにかなるんだよ。でも、今回は圧倒的な差がある。一体どうしたら良いんだ。
「司令部からの、増援要請の回答はどうなっている?」
「司令部には、再三に渡り、要請していますが、現在非常召集中とのみ回答がきており、具体的な回答はありません」
「ちっっっ!!のんびりしている暇は無いというのに!!!さっさと今ある兵力だけでも増援をもらわないと、ギムを放棄することになるぞ!!!畜生!!」
次の日の早朝。何だあれは。赤い煙が、ふわりと上がったじゃないか。
「ロウリアのワイバーン多数がギム方向へ侵攻、同時に歩兵数万が国境を越え、侵攻を開始した。繰り返す、はっ!!!!!!!!逃げろーーーーーーー!!ぐあぁぁぁ!!」
ぐわんと通信兵の断末魔が。赤い狼煙とこの断末魔。間違いない!ロウリアが攻めてきた!
「第一飛龍隊及び第二飛龍隊は全騎発進、敵ワイバーンの対処にあたれ!!軽騎兵は、右側側面から、撹乱しろ!!騎兵200は遊撃とする、指示あるまで待機!!最前列に重装歩兵、その後に歩兵を配置、隊列を乱すな。弓兵は、その後ろにつけ、最大射程で支援しろ!魔道士は、攻撃しなくて良い、全員で、風向きをこちらを風上としろ!」
キビキビと指示をするモイジ。その様子がまるでナポレオンのよう。凛々しく、勇敢で。そして強く見えるその姿。かっこいいと言うのが、いいのかな。
そんな中、飛龍がびゅうっと舞い上がっていった。これもまた、かっこいいものだよ。でも今はそんなに暇じゃあない。とにかく、急いでやらなくちゃいけないことがたっぷりあるよ。
そんな中でも、飛んでいく飛龍たち。その時。何かが前からやってくるじゃないか。一体なんだっていうんだ。まさかあれが、ロウリアのワイバーン部隊だっていうのか?冗談じゃないよ。何なんだよあの数は!
相手の数は75騎。圧倒的な数には、何もなす術がないってこういうことか。
一方、こっちはロウリアの部隊。ロウリアのワイバーン部隊は、クワトイネのそれをしっかり捉える。まるで、本当にロックオンでもするみたいに。とても正確に。
「火炎弾の空間制圧射撃を実施する。」
アルデバランはそう、声を走らせた。彼はどうやら、一気にケリをつけるつもりのようで。まるで、雷のように速く。
「発射五秒前!4、3、2、1、発射!!」
風が、びゅうっと音を立てて吹き抜けていった。やがて、75の火炎弾たちはクワトイネの飛龍に向けて飛翔する。そうして、避ける術もなかったみたいで。12騎が、落ちていった。
そりゃあ、この数の火炎弾に囲まれては逃げ場なんてないな。たまらず、二手に軍隊を分けるクワトイネ飛龍。アルデバランはそこにふと違和感を覚えた。だって、数でも練度でも負けてる軍隊が、部隊を二分にするなんて。各個撃破されて終わりじゃないのかい。ああそうか。血迷ったんだな。相手の指揮官は。つまりこれは勝ちのファンファーレってわけだ。アルデバランはにやりと悪党のような笑みを浮かべた。まるで風の如く、アルデバランは飛龍を飛ばす。もう勝利は、目の前に。
乱戦になるといよいよロウリア有利に。5対1じゃあ、相手になるもんもならないよな。そうして、バタバタやってるうちに片付いてしまったじゃないか。それなら、あとはやる事は1つ。
「地上部隊の支援に当たれ!」
地上部隊に、襲いかかるワイバーンたち。
「ダメだ。数も練度も、向こうが上だ!まさかここまで速くワイバーン部隊が全滅するとは……!」
壁に拳を叩きつけるモイジ。ぼやいたって仕方がない。そんなのは分かっている分かっているけど。どうしても、ぼやいてしまうんだ。この、圧倒的な戦力差を前に。助けてほしい。神でも猫でもなんでも良いから、助けてください。そう、祈るモイジ。
対空攻撃の大弓も、全然ダメ。だってこの世界の対空砲火なんて正直気持ち程度だから。しかも無誘導ときた。そういうわけで、大打撃を受けているクワトイネ騎士団。もうすでに、戦力の3分の1がやられてしまった。もう、ダメだ。おしまいだ。そこへ、雪崩のようにやってくる2万人以上。モイジ含め、クワトイネにはなす術がなかった。
「あのモイジも、こうなると形無しだな、弱い。魔獣を投入するまでもなかった。」
そう言う辺り、モイジはすごい人間のよう。とは言っても、今は手首を縛られてこの有様。全く、数の暴力というのは恐ろしいものだな。アデムは、見下していた。まるで、舐めるような視線で。
「そういえば、お前の妻と子供はギムに居たな。」
気持ちの悪い奴め。一体何をやらかすつもりだ!
「おい!モイジの妻と娘は、ここにつれてこい。こいつの前で、散々嬲った後に、魔獣に生きたまま食わせろ。」
「貴様ああああああ!!」
暴れようとするモイジだが、もちろん取り押さえられてしまった。
「大丈夫だ。全て見届けた後で、お前も魔獣の餌にしてやるから」
「おのれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!」
アデムの命令は、恐ろしい形で牙を剥いた。その日のうちに、強盗、殺人、強姦……あらゆる犯罪がギムを取り巻く。
しかし、彼はまだ気づいていない。このジェノサイドは、素晴らしい宣戦布告口実になるっていうことに。
あれから、1日。ギムのことは、芹沢たちにも伝わっていた。まるで、雷撃のようにものすごく速く。
「くそっ!間に合わなかったか!!」
ドン!とどこかのモイジのように壁に手を叩きつける芹沢。どうしたんだ更年期か。という冗談はやめておこう。今この猛獣にそれが通じるとは思えないから。
「まあ、落ち着くんだ芹沢。まずは、黙祷だ。」
そうして目を瞑る東堂。その妙に落ち着き達観してるのがムカつくんだよ。とはいえず。しかしまあ、それもわかるくらいには冷静な東堂だった。
「……とにかく、第一艦隊はもう向かわせた。あとはヤマトだ。」
「そのヤマトだが………発進させるだけの電力が足りん。」
「何!?」
芹沢はまるで本当に面食らったように倒れた。どういうことだ。ヤマトは、艤装も完璧に終わったんじゃなかったのか。ここまで来て問題が浮き彫りになるだなんて。全くなんて不幸なんだか。
「で、どうする。ヤマトは諦めるか?」
「まさか。なんとかして見せますよ。他の国にもアプローチをかけましょう。電力をこちらに回して貰うのです。そのアピールのためにも………今すぐにでも演説をせねばなるまい。」
そうして、芹沢はまたお茶をひと啜りした。
「………そういえば、ヤマトの件についてまだ知りたいことがある。」
「何ですか?」
「………なぜ古代守でなく、古代進を戦術長に指名したのだ。」
「ここが、ヤマトか。」
古代進は、そう言う。いや、すごい所だなんて分かっていたんだよ。それでも、驚くものがあったから。だから、今こうして改めて驚いているってわけ。
「すごいもんだなあ……ガミラスと戦争している間にこんなものを作っていただなんて。」
それはそうだ。と同調する島。これなら、もししばらく長引いても大丈夫だったんじゃないかとも思えるほど。
「それより、艦長がお呼びだぞ。速く行ってはどうかね。」
いきなりそう言われるからびっくりしたじゃないか。そこに居たのは、真田志郎。このヤマトの技術長であり副長。どうしてそんな人がここに。
「言った通りだ。艦長がお呼びだ。今すぐに行くといい。」
それよりも、視線を奪ったのは隣の女。森雪だったっけ。確か船務長でありレーダー手だったはず。そんな人になぜ古代が引かれたのか。
「君、変なことを聞いてもいいですか?」
「?…どうぞ?」
「君に宇宙人の親戚とか、居たりしませんか?」
「………」
森雪は黙って踵を返していった。いけねえ。何か変なことを聞いてしまっただろうか。いや、質問自体が変な質問か。
「今日のところは諦めな古代。それにしてもお前女の子と話すのが下手だなあ。」
ああ。何だか変な勘違いもされてるよう。どうしたらいいんだ。その時。
「古代進。島大介。そろそろ出航だ。第一艦橋に来てほしい。」
またびっくりしてしまったじゃないか。と、言いたい口をしっかり塞ぐ。だって相手は、あの沖田艦長だったから。
そうして、第一艦橋に行く2人。そこには、もう殆どのメンバーが。ああ、どうやら俺たちは遅刻組らしいな。
「全員、敬礼!」
ざっと、全員が敬礼をする。
「……よく、集まってくれた。これよりヤマトを発進させる。」
すると、艦橋に何かがブウンと映る。何だあれは。まさか、あれは東堂平九郎長官じゃあないのか。いけない。敬礼をしなくちゃ。
「………皆、いよいよ出航の時だ。ロウリアの蛮行に報いを与えるためにも、君たちを始め国連宇宙海軍の軍人たちには、奮闘していただきたい。」
東堂は、敬礼をする。まるで、心の底からの尊敬のように。そりゃあ、東堂からすれば現場っていうのは頭が上がらない存在だからな。
通信はぶつりと切れた。妙に、長い時間だったな。と古代は思う。
「よし、発進するぞ!持ち場に着け!」
「沖田艦長、張り切っているな。」
「なんせ国連宇宙海軍で最強の戦艦だぜ。」
そりゃあテンション上がるよ。と島は言った。
「行くぞ!機関部、波動エンジン始動!」
しかし、その時。何も起こらない。いや、本当。何も起こらなかったんだ。エンジンがかかるなら、何かが起きるはずなのに。何があったっていうんだ。
「………徳川機関長。何があった。」
「………おい!何があった。……何だと!?………どうやら、電力が足りていないようです。」
「……何」
あの沖田艦長ばっかりも、これはどうしようもないな。電力の不足を解決できるやつなんて、このヤマトにあるわけがない。その時。
「………地球臣民のみなさま。ご機嫌麗しゅうございます。極東管区軍務局局長の芹沢です。今回は、とても大切なお話があって参りました。」
あれは芹沢局長。どうして今、こんな通信を。というか、古代たちに向けたものではなさそう。一体、何をしているんだ。
「………今回はロウリアの蛮行についてお話しします。ロウリアは我が国際連合の食糧不足を解決した恩人、クワ・トイネ公国に向けて侵攻を行いました………それだけに留まらず、彼らは最初に侵攻したギムで何を行ったか、ご存知でしょうか!?彼らは、強奪、強姦、殺人を繰り返し、非常に残忍な手段を以てギムを占領しております………私はこのジェノサイドを見逃すことはできないと考える!!恩人を守ろうではないか!!我らが最強の戦艦、ヤマトを以てして!!」
「芹沢局長……」
確か彼は、沖田艦長が嫌いという噂。でも、それでもこんなことをしてくれるだなんて。全く、素直じゃないこと。芹沢局長もお人が悪いよ。本当の話。その時、森雪の声が響き渡った。
「艦長!各地から、電力が供給されております!」
「うむ。よし、偽装解除!波動エンジン始動!」
「エネルギー充填、120%!!ヤマト、波動エンジン始動します!」
棒が、コードにくっつき波動エンジンが始動する。これで、ヤマトはもう飛べる。あとは行くだけ。ロウリアに向かって。
「ヤマト、発進!!」
ヤマトは浮くと、そのまま高速で飛び去っていった。向かう先はただ一つ。ロウリア王国だけ。
「……」
「……」
静かな空間の中。山南は椅子に座ってお茶を飲んでいた。いや、実はそんな暇はないのに。どうしてここまで余裕そうなんだろう。もしかして、戦略の殆どが完成しているとか、か?それにどうして、自分をキリシマに招いているんだろう。もしかして、やっぱり作戦の話だろうか。
「察しがいいな。その、作戦についてだ。実はお願いがある。」
「お願い、ですか?」
「ああ。実は今度の戦い、まずは駆逐艦だけでクワトイネの増援に加わってほしい。」
思わずお茶を吹きこぼす守。どういうことだよそれは。相手は魔法にドラゴンのファンタジー国家。何して来るかわからないというのに、どうして駆逐艦だけで。
「そこも戦略なんだ。頼む。そこで、君をどうかその駆逐艦隊の司令官に任命したいと思ってここに呼んだんだ。」
「待ってください!相手は未知の軍隊ですよ!」
「ああ、そうだ。だからこそお前に頼んでいるんだ。古代守。」
「………でも、分かってます。山南司令が、何も考えずそんなことをしないということを。」
「そうか………ありがとう。どういう戦術かは後ほど伝える。」
そこまで言うと、お茶を一口飲んだ。このお茶も、暫くはお預けか。だって、クワトイネがこんな状況なのに。お茶の栽培してくださいなんて口が裂けても言えないよ。
「……それにしても、魔法にドラゴンか……一度戦ってみたいとは思っていた。」
「司令、本気ですか!?」
「ああいや、冗談だよ冗談。誰も戦争なんて望んでいない。だが、みんなのロマンじゃないか。ドラゴンに魔法って。」
「はは。それは、そうですね。」
なるほど山南司令がこう言う理由もわかった。要するに、幼心が刺激されてるってわけで。
「……はあ。もう転移してから一ヶ月か。早いものだな。クワトイネの食糧のおかげで、一時的にではあるが食糧不足が解決して……本当に嬉しいものだ……」
それも、ロウリアによっておじゃんにされたけどね。とは言えず。それにしても、時間が経つのは早いもので。
「……時間が経つのは早いものですね。」
「それはそうだ。あっという間に経ってしまう。戦いだってそうだ。あっという間に追い詰められていることだってある。だから、油断は禁物だ。それは、分かってるかい?」
「はい。もちろん分かってます。ロウリアがどんなに手強くても、その逆でも。諦めることも油断することも絶対しません。」
「はは。それでこそ古代守君だよ。素晴らしい。」
そう微笑む山南。この顔。守りたいくらいだよ、この笑顔。
ギムが落ちたという報告は、クワトイネ政治部にも伝わっていた。軍務卿の重たい顔よ。それがもう全てを物語っているじゃあないか。全く、報告なんてできるなら聞きたくないよ。だってこの重苦しい雰囲気を、もっと重くするだろうから。
「状況を報告せよ。」
そう言うカナタ。そこに、あの時、地球訪問のときのような笑顔はなかった。そりゃあもちろん、笑える場じゃないのも確かだけど。何よりこの場でのプレッシャーがあったから。そんな中、冷や汗をかいて報告をする軍務卿。そのあまりに必死な顔。まるで思い切り走ったみたいな。いつもならちょっと面白いんだろうけど、今は全くそうは思えないな。
「はっ!現在ギム以西は、ロウリア王国の勢力圏となっております。奴らの総兵力は、先遣隊だけで3万を超え、スパイの情報によると、作戦兵力は50万に達する模様です。また、第三文明圏、フィルアデス大陸の列強国、パーパルディア皇国が、彼らに軍事支援をしているとの未確認情報もあり、現に今回500騎のワイバーンを投入してきております。また、4000隻以上の艦隊が港を出航した模様です。」
絶望。もう、これ以上どうもできない絶望だけがそこにあった。どうすればいいんだよ。こんなに圧倒的な差があるだなんて、誰が予想できるんだよ。しかも、バックにはパーパルディア皇国だなんて。50万人。その圧倒的な数。みんな、黙るしかなかった。いや、絶句しているんだ。このあまりの数値に、驚いて。
「首相、よろしいでしょうか?」
そこで手を挙げる外務卿リンスイ。何だろう。嫌な報告だけはやめてほしいものだよ。
「何だ?」
「実は、政治部会が始まる寸前に、国際連合から連絡がありまして…………」
「内容は?」
「はい、全文を読み上げます。国際連合は、ロウリアのジェノサイドを見逃すことは到底できない。よって、国際平和を達成するために貴国が望めば国連憲章第七条に基づき、国連統合軍を派遣する。……とのことです。要約すると、遠まわしではありますが、こちらから要望すれば、援軍を送るといった意味かと思います。」
「おお、そうか!国際連合が来てくれるのか!……だが大丈夫か。50万に4400隻の艦隊……国連でも大丈夫か心配だが………」
「観戦武官が欲しいとのことです。そちらも準備すればあとは………」
「………わかった、信じよう。国連宇宙海軍を!」
そうして、カナタは政治部を出ていった。まるで、何か硬い決意でもあるみたいに。
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さていつもの以下略
次回、国連宇宙海軍
ギムを守れなかった、ヤマトたち。時間を超えて、それは復讐という刃に刻まれる。行くのだヤマト!クワ・トイネを守るため!
???まで、あと300と29日。
どれがいいですか?
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硬いが、読みやすい文体
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柔らかいが、読み辛い文体
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比喩などを多用した、文学的な文体