真1の大破壊後の世界で、日本復活のために悪魔と戦うある男女の物語(手広くアトラス作品がクロスオーバーした世界観です)   作:XX(旧山川海のすけ)

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第120話 謎の少女

 鴨志田を見送ってからしばらくして

 

「なあ」

 

 忍は真月に 

 

「さっきのあの人が言ってたあの子って、この街の支配者の養女のことだと思わないか?」

 

 彼女の意見を訊く。

 

 彼らがこの街で集めた情報で、この街の支配者に意見できる「あの子」に該当する人物は、この街の支配者の養女しか思いつかなかったからだ。

 

 真月は頷いた。

 

「多分そうだよね。あの子なんて言葉あの男の人、子供以外に使いそうにないし」

 

 この街の支配者の養女は小さい子供である。

 条件として当てはまるのはその子供以外無い。

 

 だとすれば

 

「だったら俺たちも新宿に行ってヒランヤを手に入れてくる?」

 

 忍はそう提案するが真月は首を左右に振り

 

「その前にその子に接触しようよ。新宿まで戻るのは時間が掛かるでしょ」

 

 そう、自分の意見を口にした。

 

 つまり、戻るのは手間がかかるから、先に支配者の養女に接触するべきだと。

 

 会えば同じものを要求されるかもしれないが、違うかもしれない。

 もしくは、そのまますんなり支配者に会える算段がつくかもしれない。

 

 先にそちらをハッキリさせるべき。

 

 そういうことなのか。 

 

「ん、分かった」

 

 忍はそんな真月の意見に同意する。

 そして 

 

「なら、その養女にどうやったら接触できるかを調べてみよう」

 

 そう提案した。 

 

 

 

「支配者たちの養女? アリスちゃんのこと?」

 

「アリスちゃんなら、ディスコの外でよく遊んでるわよ。ゲームセンターによく居るらしいよ」

 

 支配者たちの養女について絞って聞き込むと。

 支配者の養女はアリスという名前であり、その子はこの街のゲームセンターでよく遊んでいるらしい。

 

 この街にはゲームセンターがあり、そこには各種大破壊前の世界で遊ばれていた名作ゲームが犇いているとのこと。

 

「名作ゲームか……何なのかしらね?」

 

 真月は聞き込みでそんな情報を聞いたとき懐かしそうにそう呟く。

 忍はその言葉に苦笑した。

 

「キミは格闘ゲーム好きだったよね。対戦するの」

 

「お金が掛かってるから皆真剣にやるからね。本当の戦いはアーケードにしか無かったわ」

 

 ニコニコしながら思い出を語る。

 

 高校時代、2人の地元には格安でゲームが出来るゲームセンターがあり。

 彼女はそこによく行っていた。

 

 ……ボディーガード代わりに忍を同伴させながら。

 

 アーケードでの対戦では、お金がかかっている関係上、負けが込むと対戦相手を暴力で脅して無理矢理勝とうとする人間がたまに出る。

 そういう理不尽は女の身では不安だったので、その対策として彼女が強さに絶対の信頼を置いていた彼をよくそこに連れ込んでいたのだった。

 負けが込んだからとリアルファイトで脅してきても、強い彼氏の後ろに隠れるから全然怖くないぞ、みたいな。

 

 彼としては大切な女の子に頼られるのは悪い気がしなかったので特に文句を言わなかったが、彼自身は対戦格闘ゲームに興味があったわけではないので、複雑な思い出である。

 

「もしアリスという子がゲームに熱中してるなら、対戦でボコボコにしてあげれば話を聞いてくれるかもしれないわね」

 

 すると真月がそんなことを言い出した。

 

「……そうなの?」

 

 忍の言葉に真月は頷く。

 そして

 

「ゲーム好きにとって、自分より遥かにゲームが上手い人間は尊敬の対象になるのよ」

 

 そんなことを。

 

 忍はそうなのか、と思いつつまだ行っていない区画に足を向けようとした。

 そのとき

 

「あ、そっち行くのはよした方が」

 

 いきなり止められた。

 

(何事だ?)

 

 忍はその声の主に顔を向ける。

 そこには若い女がいて 

 

「そこの先に、悪魔のせいで頭がおかしくなった女の子を閉じ込めているの。意味不明のことを喚き散らして、暴れるから」

 

「だから、行かない方が良いよ」

 

 ……そんなことを言ってくる。

 

「そうなんですか。どうもありがとうございます」

 

 一応忍はそう礼を言って頭を下げたが 

 すぐさま

 

「行くか?」

 

 そう真月に囁いた。

 彼らは知っていたから。

 

 この街が異常であることを。

 

 そんな街で「おかしくなった」「意味不明」など。

 何か重要なことを知っているとしか思えない。

 

 その思いは

 

「もちろん」 

 

 ……真月も同じであった。

 

 

 

 2人は忠告を無視して先に進んだ。

 その奥の区画には下り階段があり、その下りた先に牢屋があった。

 それは普通の部屋を改造した牢で。

 

 ドアを取り外し、そこに鉄格子を嵌めた形になっている。

 

(これだと中の人間は外に絶対に出られないな)

 

 一目見て、この牢は中の人間を出すつもりがないのが見て取れた。

 牢を破壊しないと出られない構造になっているのだ。

 

 異常である。

 

 囚人も人間である以上

 

 入浴しなければいけない。

 排泄もある。

 適度な運動も必要だろう。

 病気になったらどうする?

 

 だから、こんな牢は異常と言えた。

 

 そしてそこに…… 

 

 ショートカットの女子が居た。

 

 女子高生くらいの少女だ。

 

 着ている服は藍色のサマーセーターに白のフレアスカートという普通の服で、異常には見えない。

 だがこんな牢に閉じ込められているのに、まともに見えるのは

 

 まともではない。

 言い切れる。

 

 部屋の中にはトイレが無かった。

 洗面台も無かった。

 食器が無かった。

 無論風呂もシャワーも無かった。

 

 この状況で、囚人がまともな状態を維持できるわけがないのだ。

 

(この子は一体……?)

 

 真月はこの状況の異様さに一瞬気圧される。

 

 そこに……

 

「……誰? どこから来たの?」

 

 あなたは一体何なんだ?

 

 真月が彼女にそう問う前に

 中の囚人がこちらに気づき、一行に話し掛けて来た。

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