真1の大破壊後の世界で、日本復活のために悪魔と戦うある男女の物語(手広くアトラス作品がクロスオーバーした世界観です) 作:XX(旧山川海のすけ)
「ウェーン!」
真月のダークハンターに手も足も出なかった。
一軍キャラで挑んでも、本気を出された瞬間勝ち目が無くなった。
その事実はアリスの心を打ちのめしたようだ。
アリスは筐体から離れて、立って独り泣いていた。
びえええええ、という感じである。
そんなアリスに
「負けて泣いているうちは強くなんてなれないわね」
真月も筐体から離れ、その傍に立つ。
その声は諭す響きがあった。
そして
「……あなたは私に封印していた鞭モードを使わせる実力があったの。そこは誇っていいわ」
敗者であるアリスに、その実力を認める言葉を掛ける。
その言葉はアリスを泣き止ませた。
アリスは涙を拭いながら
「おねえちゃん、メチャクチャ強い……」
自分を倒した真月の実力を認める。
真月はその言葉に頷いた。
「私はユグドラで負けたこと無いから」
まあそれは地元だけの話で。
彼女はユグドラの大会に出た経験は無いのだが。
だから嘘は言っていなかったが、本当の意味で「無敵」であることには疑問がある。
だがアリスはその真偽について
「……そうなんだ!」
疑わず、目を輝かせた。
アリスにとっては自分以上の実力を持つ
ユグドラの師匠に出会った感覚なのか。
「……あなた、素直ね」
そう言って真月は微笑み、しゃがみ込み。
視点をアリスのところまで落とす。
そしてこう言った。
「きっと、もっと強くなれるわ」
その言葉にアリスの表情がパッと明るくなる。
「……本当?」
「ええ、本当よ」
真月はそう言って微笑み手を差し出した。
アリスはそれをそっと握った。
握手。
友情の成立である。
そして笑顔のまま真月は言った。
「じゃあ早速特訓しましょうか」
「とっくん……?」
アリスは特訓という言葉の意味が分からないのか、首を傾げた。
真月は手を広げ、大仰な様子で続ける。
「強くなるには戦わないと駄目。自分が勝てる相手だとか、同じ相手とばかり戦っていてはテクの上昇は見込めないわ。……ところでこれだけの筐体、どこで揃えたのかは知ってるの?」
真月のその言葉に
「……黒おじさんが、秋葉原に行って買ってきてくれたの」
アリスが必死で思い出しながらそう発言。
真月はその言葉に大きく頷いた。
そしてこう言った。
「じゃあ、秋葉原に行ってみましょうか」
……流れるように。
アリスの言葉を外出へと繋げる。
無論これは偶然ではない。
これだけの筐体を六本木だけで集められるわけがないと踏んでの発言である。
絶対に六本木の外と接点があるはずだと踏んだのだ。
そしてそれはその通りであった。
そんな真月の狙いも知らずに
「……でも、勝手に外の世界に行ってはいけないって黒おじさんと赤おじさんが……」
アリスはそう答える。
だが真月は笑顔のまま
「それは1人で出て行ってはいけないって意味でしょう? 大丈夫よ。お姉さんが一緒に行くんだし」
そっとだが、考えることを封じることを言う。
子供は女性に守られるもので、あまり警戒しないものである。
女性は柔らかく心地よいものだと多くの場合認識する。
そのため女性が悪意を持っている可能性を子供が嗅ぎ取るのは本能的に困難である。
加えて、それが美女であればなおさらであった。
美しい女はそれだけで良く見られ、警戒心を下げてしまうものなのだ。
「そっか! じゃあ大丈夫だね!」
全然大丈夫じゃないのに。
そんな、満面の笑みのアリスに真月は
「それじゃあ、秋葉原に出発よ!」
そうハイテンションで発言し。
歩き出した。
アリスはそんな彼女についていく。
全く何の疑いも無く。
「アリスちゃんは、外の世界に行くのははじめて?」
「うん。初めてだよ!」
ゲームセンターを出て。
アリスと真月は笑顔で会話していた。
先頭で、アリスと真月がにこやかに会話している。
一行はまっすぐに街の出入り口を目指していた。
追っ手を撒くとか、誤魔化すとか、そういう思想は一切なかった。
本当にまっすぐだ。
そしてそのまま、彼らが街の出入り口まで近づいたとき。
「お嬢様、外に出られてはいけません!」
……やはりそのままではいかなかった。
黒服の男たちが集まって来たのである。
(フツコの話だと、これ、全部ゾンビなんだよな)
忍は頭の片隅でそう考え。
ならば、と
「真月! 先に行け!」
彼は妻を先に行かせる決断をした。
彼女は夫のその言葉に
「分かった!」
そう言って、アリスの手を引いて出入り口にダッシュする。
その後ろに、真月の仲魔たちが続いた。
それを見届け彼は
「変身!」
迷わずに仮面ライダーに変身して、同時に地を蹴り、黒服たちにトリスアギオンを叩き込んでいく。
ゾンビならば、火炎攻撃に弱いはずだからだ。
すると
「ヒアアアアアア!」
次々に火柱になり。
倒れて、炭火していく黒服の男たち。
そして
仲間がやられたのに怯えた様子もなく、注意を呼び掛ける様子もない黒服の男たち。
(……やっぱり、そういうことなんだな)
ほんの少しだけ、万々が一情報が間違っていたらどうしようと思うところがあった。
しかし。
今、確信を得た。
間違いない。
彼らはゾンビある。
……だから
「メギドフレイム!」
彼は右手からメギドフレイムを撃ち込み。
その場にいたゾンビたちを一掃していくのだった。