真1の大破壊後の世界で、日本復活のために悪魔と戦うある男女の物語(手広くアトラス作品がクロスオーバーした世界観です)   作:XX(旧山川海のすけ)

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第134話 アイギスの猛攻

 戦いが始まった。

 

 バーニア噴射で飛行する戦闘用アンドロイドと仮面ライダーの戦い。

 双方高速で飛行し、激しくぶつかり合う。

 

 それは2人以外の何者も介入を許さない。

 2つの翼ある獣の戦いであった。

 

(忍のサポートをするには)

 

 そしてそれを下で見守る真月は、この状況で夫の手助けをするための方法を思案し。

 その答えを速やかにアームターミナルのキーボードに打ち込む。

 

 それは――

 

『YOMA SUMMON』

 

 地面に描かれる魔法陣。

 そこから飛び出す青い甲冑を身に纏った翼ある戦乙女。

 

 妖魔ヴァルキリーである。

 

「マスター! お呼びでしょうか!?」

 

 召喚完了と同時に大きく羽ばたき、飛翔する。

 

 真月は彼女の契約主として

 

 上で激しく火花を散らす戦いを繰り広げている夫を指差し

 

「私の旦那のサポートをして!」

 

 鋭く命じた。

 ヴァルキリーは腰に吊り下げていたロングソードを抜き放ち

 

「承知致しました!」 

 

 その言葉を残し、忍に加勢するべくさらに大きく羽ばたき、風の如く飛翔()ぶ。

 

(頼んだわよ、ヴァルキリー)

 

 真月の仲魔で最大の機動力を持つ悪魔。

 

 夫とアイギスの空中戦に加勢を任せられる悪魔は彼女しかいないと真月は考えたのだ。

 

「ハァァァァッ!」

 

 ヴァルキリーが戦いに飛び込み、その剣を振るう。

 

 アイギスは敵が増えたことを認識し

 

「悪魔の増加を確認! 速やかに排除するであります!」

 

 バーニアをさらに激しく噴射し、高速飛行する。

 そしてヴァルキリーの斬撃を回避しつつ。

 

「喰らうであります!」

 

 その両手の指先をヴァルキリーに向けた。

 

 アイギスの両手の指先は

 

 ……その先端に穴が開いていた。

 丸い開口部だ。

 

 

 その開口部が火を噴いた!

 

 

 ブイイイイ、という音を立て。

 高速連続発射される銃弾。

 

 両手部分に装備されている機関砲。

 

 それは1分で500発以上の銃弾を吐き出す性能であった。

 怒涛の連射。

 

 ヴァルキリーは機関砲発射を事前察知し。

 行動方針を回避専念に切り替え、さらに羽ばたく。

 

 なんとか銃弾を回避するため、速く飛翔()ぶ。

 ヴァルキリーを撃墜すること敵わず、アイギスの機関砲の銃弾はこの警視庁の秘密の部屋の壁を穿ち、破壊していく。

 

 動きが速過ぎるヴァルキリーをおとすため。

 機関砲銃撃に専念するためか、アイギスはホバリング状態で動きが止まった。

 

 

 そこを忍は見逃さない。

 

 

 銃撃に専念しているアイギスの斜め後方から距離を詰め、その背後から突き二連撃と廻し蹴り、浴びせ蹴りの連撃を叩き込む。

 

 アイギスの銃撃が停止した。

 

「……あの新規参入者であなたを失念していたであります!」

 

 その連撃はアイギスに致命的な効果を及ぼさなかったが、彼女を地上に叩き落すことに成功する。

 連撃の最後の浴びせ蹴りをまともに喰らい、アイギスは隕石の如く警視庁のくすんだ緑色のリノリウムのフローリングに叩きつけられ、大きな音と共に床を陥没させた。

 

 落下したアイギスは身を起こすが、ノーダメージでは無いものの、まだ行動不能には陥っていないようだ。

 

 アイギスは起き上がりながら背中の一部を展開し、さらなる重火器を出してくる。

 一体この少女サイズの身体のどこに収納していたんだというようなものを。

 

 それは無骨なミサイルランチャーであった。

 

 アイギスは忍に鋭い視線を向け

 

「全弾展開であります!」

 

 その気合の声と共に追撃で飛来する彼目掛けて、数えきれないほどにミサイルを発射する。

 火を噴くその鋼鉄の槍が一斉に忍目掛けて撃ち出される。

 

「うおっ!」

 

 その間髪入れないカウンターに対し、忍もまた追撃を中断せざるを得なくなった。

 

 恐ろしい強さである。

 これが人型戦車の名を持つ旧世界の科学技術の凄まじさなのか。

 

 アイギスの撃ち出したミサイルは追尾能力を持っており、回避行動をとっている忍を執拗に負う。

 忍はそれを火炎魔法を打ち出して処理していたが

 

「マハジオンガーッ!」

 

 ヴァルキリーがその援護射撃で雷撃魔法を放つ。

 彼女の手から放たれた雷光の迸りがアイギスのミサイルを捉え、爆散させていく。

 

 2人はアイギスの全弾展開におけるミサイルの処理でいっぱいになっていた。

 そうなれば無論

 

 真月の守りが薄くなる。

 

「……お覚悟を!」

 

 そしてアイギスは無論、その隙を逃したりはしなかった。

 悪魔使いを倒すと、悪魔召喚契約が自動破棄され、一緒に処理することが出来る。

 

 ならば最適解は

 

 仲魔ではなく、召喚者である悪魔使い本人を仕留める。

 

 これ一択である。

 

 アイギスは真月に向かって地を蹴った。

 その際、床がその衝撃に耐えられず抉れる。

 

 そして真月は迫って来るその少女の姿をした機械仕掛けの死神を前にして。

 

 

 今、アームターミナルのコマンドの最後の1文字を打ち込んだのだ。

 

『GODDESS SUMMON』

 

 アームターミナルが作動し、床に魔法陣を描き。

 

 悪魔を呼び出す。

 

 それは物憂げな表情の、白いローブを身に纏った女神。

 綺麗に整えられた結った金髪と母性溢れる美しい姿。

 その顔つきには気品が感じられ――

 

 呼び出されたその女神に、真月は

 

「あの敵を迎え撃って!」

 

 アイギスを指し示し、命じる。

 その名を呼びながら

 

 それは――

 

「――ヘラ!」

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