真1の大破壊後の世界で、日本復活のために悪魔と戦うある男女の物語(手広くアトラス作品がクロスオーバーした世界観です) 作:XX(旧山川海のすけ)
第187話 メシア教徒会議とTDL入り口
「東京タワーがガイア教徒に乗っ取られました!」
東京タワーがガイア教徒に攻め落とされ、奪われた翌日。
緊急会議が開かれた。
会議に出席したメンバー全てが、厳しい表情を浮かべていた。
「守備隊はどうなった!」
厳しい声が飛ぶ。
「全滅です! 天使隊は全員戦死、テンプルナイトもほぼ全員戦死したか捕虜になった模様です!」
捕虜になった。
その言葉が出た瞬間、その場の人間全ての顔が曇った。
ガイア教徒たちは奴隷を使う。
捕虜になったテンプルナイトたちは朝から晩までガイア教徒の思うがまま働かされ、仕事の出来が悪いと容赦なく暴力を振るわれ、場合によっては処刑される。
まるで牛か馬のように扱われるのだ。
そして数は少ないが、女性のテンプルナイトは娼婦に回される可能性すらある。
地獄であろう。
「おのれガイア教徒め!」
「悪魔に従う邪悪の徒め!」
「悪の化身どもめ!」
怨嗟の声が飛び交った。
皆、本気で怒りに駆られていた、
正義であるはずの自分達が、何故このような仕打ちに遭うのか。
正義は勝つはずであるはずなのに、と。
そのとき
「カズフェル様はどうなりました……?」
この場で最も高位のテンプルナイト・クルセイダーロードが口を開く。
その声には苦々しいものが含まれていて
その声を聞き、報告役は
「討ち取られた模様です……」
悔しそうにそう告げる。
その場はどよめく。
大天使カズフェルの実力については彼らも理解していた。
それがあっさりと討ち取られてしまうとは……
「信じられない」
「カズフェル様は魔王に匹敵する実力を持つ強力な天使であるはずが」
テンプルナイトたちの動揺。
そこに、さらに
「そしてこれは追加情報なのですが……」
報告役が、さらなる爆弾を投下する。
「……ガイア教徒に、聖女の女・佐上真月が加担していたとの報告がありました」
情報を持ち帰るために早期に戦線離脱したテンプルナイトからの報告らしい。
東京タワーに攻め寄せてきたガイア教徒の軍勢に、佐上真月の姿を見たとの報告があったそうだ。
(あの女……!)
クルセイダーロードは怒りに震える。
あの女はどこまでこの正義に楯突けば気が済むのか。
品川大聖堂に乗り込んでくるだけでも信じられないのに、そこで失敗すると即座にガイア教徒と繋がって、今度は組織で攻めてきた。
(神をも畏れぬ所業……! 罪を罪とも思っていない……なんと恐ろしい……!)
あの女はこの品川に乗り込んで、散々な破壊行為を行った。
品川大聖堂で暴れたことがまず処刑ものの大罪であるのに、そこから逃亡するために。
あの女はメシア教徒を洗脳して同士討ちを誘発させた。
あの女が居なくなると同時に洗脳は解けたが、洗脳させられて仲間を攻撃した信徒たちは、今も大きな罪の意識に苛まれている……!
(……外道め! 許しません……!)
クルセイダーロードは心で義憤の言葉を口にし。
必ずやその償いをさせてやることを心に誓った。
★★★
クエエエエエ!
翼を持ち、飛び出した目と獅子のような
霊鳥ガルーダ……インド神話でヴィシュヌ神の乗り物として使われている霊鳥である。
竜を捕食する神の鳥であり、仏教に取り込まれ仏教の守護神にもなった。
真月たちは上野での空き時間を利用して素材を集め、悪魔合体によりこの霊鳥を創り出していたのだった。
……自分たちの乗り物として。
いつまでも桃井夫婦の霊獣コウに相乗りするのは問題があるからそうしたのだ。
霊鳥ガルーダの乗り物としての使い心地は、霊獣コウと比較しても遜色ないもので。
ガルーダの背に乗りながら、真月は言った。
「おお、速い速い! 3人乗りでも全然速い!」
若干定員オーバーかも、と思い3人でその背に乗ったのだが、全く問題なく到着する。
東京ディスティニーランドに。
彼ら5人は降り立った。
……大破壊に伴い、湧き上がった人々の怨嗟の声が集まり、異界化しているという。
かつての日本一のテーマパークに。
「さて……」
忍と真月は暫定政府の公務員の制服。
そして高城少年は黒のジャージ。
桃井夫婦は……
桃井明は白のバンドシャツに黒のジャケット、紺色のデニム。
桃井夏子は黒いワンピースであった。
「……これから行くのは戦場なんだけど」
真月は思わずそう言ってしまった。
すると彼らは
「折角東京ディスティニーランドに行くんだ。楽しまないと損だろ」
「大丈夫ですよ」
そう、何も問題はないと主張し。
それに対して
「まあ、とっとと行こう」
忍が真月の肩をポンポンと叩く。
(まあ、自己責任か)
そう思い、彼女は己を納得させた。
そして
「……8年……いや、7年前かな?」
「8年前じゃない? 中学2年じゃなかったっけ?」
その巨大な門を見上げながら思い出を口にする。
その門は何故か全然破壊されていなかった。
だが無人で。
大きく開け放たれている。
核攻撃の余波をほとんど受けていないように見えるのは、そこに込められた思いの大きさ故かもしれない。
そして彼らは正面から入り込む。
かつて「夢の国」と呼ばれた、人々の幸せが集まっていた場所に。