真1の大破壊後の世界で、日本復活のために悪魔と戦うある男女の物語(手広くアトラス作品がクロスオーバーした世界観です) 作:XX(旧山川海のすけ)
オオマガツヒとヤソマガツヒ。
この2体の悪魔は玉座から立ち上がると、ドスドスとこちらに向かって突進してくる。
真月はとりあえず
「ヘラ、オオマガツヒをお願い!」
「任せてくださいませ」
ヘラに命じて、オオマガツヒに突撃させた。
ヘラは素早い足運びで、間合いを詰め、そして振り上げた拳を繰り出す。
オオマガツヒは立ち止まる。
だがガードは固めなかった。
ノーガードだ。
そしてヘラの拳がオオマガツヒの胴体を直撃する。
そのとき。
パキィン、という甲高い金属音がした。
次の瞬間、ヘラが高く跳躍し、オオマガツヒとの距離を離す。
そして狼狽えた声音でこう言う。
「……手ごたえが全くありませんわ……」
(物理無効か)
厄介な相性である。
そしてそれと同時に。
桃井明が、霊獣コウを呼び出し。
「コウ、ファイアブレスだ!」
コウにファイアブレスを命じていた。
ヤソマガツヒは突っ込んで来る。
そして次の瞬間、ヤソマガツヒが霊獣コウが吐き出した激しい火炎に巻き込まれた。
だが……
コウの吐き出した炎の息が。
それがまるで、ヤソマガツヒの身体に引き込まれるように消えていく。
「……こっちは多分魔法吸収だな」
桃井明は顔を顰めた。
相反するオオマガツヒが物理無効である以上、反対属性……魔法吸収である可能性が高いと考えるのは当然のことであろう。
片方は物理無効。
もう片方は魔法吸収
そこで、彼らは考えた。
(……よし)
真月は戦略を組み立て
「アナタ、先にヤソマガツヒを究極合体魔法で倒して」
「その間に私と桃井さん夫婦とケイスケくんで、オオマガツヒを倒すから」
悪魔人間には究極合体魔法がある。
そして夫の究極合体魔法には、魔法に関する耐性を貫通する特性がある。
ならばヤソマガツヒは瞬殺だ。
そしてオオマガツヒは魔法を集中的に浴びせて倒せばいい。
そう、思っていた。
……しかし。
「オオオオオ!!」
爆発。轟音。
ヤソマガツヒが究極合体魔法・トリスインパクトで爆発四散したとき。
それは起こった。
それは……
砕け散ったヤソマガツヒが、再び結集し。
再生したのだ。
まるでビデオの逆再生のように。
「オオオオオオ!」
復活し、雄叫びをあげるヤソマガツヒ。
これは……
「おい。これは同時に倒さないと倒せないってやつじゃ無いのか?」
「だとしたら厳しいですよ……!」
桃井明と高城少年の言葉。
確かにその可能性は高い。
だがしかし、もしそうなら討伐の難易度が一気に跳ね上がる。
同時にとどめを刺すなんてことは、即死攻撃でも出来ない限り現実的には難しい。
ゲームでは無いのだから。
桃井明にも、高城少年の頭にも、そのための上手い方法についての知識が無かった。
しかし
「そのようね」
「まあ、だったら……」
そのとき。
真月と仮面ライダーに変身している忍は視線を合わせ。
頷き合った。
彼らの中にはそれがあったのだ。
それは……
「いくぞ真月!」
「ええ! 合わせて!」
2人は飛び出した。
ふたりは拳を構えていた。
真月はオオマガツヒ。
そして忍はヤソマガツヒ。
「オオオオオオ!!」
2体の悪魔は仁王立ちだ。
自分達の防御相性に絶対の自信を持っている。
そこに
「トリス……」
「インパクトォ!」
ふたりの拳がオオマガツヒとヤソマガツヒに叩き込まれる。
その瞬間だった。
「オオ……!」
オオマガツヒとヤソマガツヒの2体の悪魔の身体にヒビが入っていく。
ヒビから火炎を噴き出して。
……トリスインパクトが完全に入った証だ。
「み……見事だ」
「賞賛する……」
オオマガツヒとヤソマガツヒがそうふたりを讃えた。
彼らは再び使ったのだった。、
夫婦の絆を介在させ、夫婦で同じ究極合体魔法を使う術を。
即ち、マツキインパクトである。
トリスインパクトは本来物理無効の敵には通用しないが、マツキインパクトは真月の拳にトリスインパクトの一撃必殺効果を乗せる魔法である。
故に、オオマガツヒの物理無効をクリアしたのだ。
「では……目的を果たすがいい」
「後は任せたぞ……」
そしてそんな言葉を残し。
オオマガツヒとヤソマガツヒが爆発四散した後。
忍は変身を解き。
真月と一緒に同行者たちを振り返った。
穢れの浄化は成った。
一行は予定通り、浄化されたシンデレラ城の謁見の間で。
魔法陣を描き、触媒を備え……
「アブドル・ダムラル・オムニス・ノムニス・ベル・エス・ホリマク、われとともにきたり、われととともに滅ぶべし」
「アブドル・ダムラル・オムニス・ノムニス・ベル・エス・ホリマク、われとともにきたり、われととともに滅ぶべし」
5人で手を合わせて、アニメの神を召喚するための呪文を唱え続けた。
それを何回続けただろうか。
……変化があった。
魔法陣が輝き出したのだ。
「おお……」
「来るぞ……」
桃井明が警告する。
一行は祈りを捧げることを終え、それを見守る。
すると……
魔法陣から光の柱が立ち上がり。
それが消えたとき。
そこには。
ベレー帽を被った眼鏡の老人……
誰でも1回は見たことがある、あの人物がいたのである。
それに対し
「手塚先生ですか……?」
忍が訊ねる。
すると
「ええ、そうですが……」
その言葉を聞き、その場の誰もが興奮を隠せなかった。