真1の大破壊後の世界で、日本復活のために悪魔と戦うある男女の物語(手広くアトラス作品がクロスオーバーした世界観です)   作:XX(旧山川海のすけ)

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第209話 結婚式と新生活

 東京に旅立つ前。

 忍と真月は一度結婚式の話をしたことがあった。

 

 そのときは「結婚式を自分達だけで挙げても意味が無い」と断念した。 

 

 だが先日、新政府の戸籍制度がスタートした。

 そこで彼らは夫婦として戸籍登録をし、これまでのような事実上では無く、法的に夫婦になった。

 

 これで夫婦としてやっていないことは、結婚式だけとなった。

 

 なので、彼らは真月が身重になって動けなくなる前に。

 結婚式をすることにした。

 

 関係者に招待状を送り。 

 京都の教会を借り切って。

 

 

 そして当日。

 

 

(……なんだいこりゃ?)

 

 忍は困惑していた。

 

「今日のよき日に、伊邪那美神の大御前において、私達は結婚式を挙げます」

 

 白いタキシード姿の忍は事前に渡された紙に書かれた言葉を読み上げていた。

 

 隣には純白のウエディングドレス姿の真月がいる。

 

「今後はご神徳のもと、相和し、相敬い、苦楽を共にし、明るく温かい生活を営み、子孫繁栄のために勤め、終生変わらぬことをお誓いいたします。 なにとぞ、幾久しくご守護下さいますようお願い申し上げます」

 

 言葉を読み上げながら忍は思った。

 

(これ、やってることは神前式じゃないの?)

 

 つまり和式である。

 

 それに

 

「かしこみかしこみ~~~」

 

 目の前で神父姿の幼女……天津神イザナミがわけのわからないことを言っている。 

 

(多分あれ、祝詞だよな?)

 

 多分間違いないはずだ。

 イザナミは紙のビラビラがついた棒……大麻(おおぬさ)を振るいながら祝詞を唱えていた。

 

 イザナミは真月にこの形式の結婚式を提案されたとき、神父役を買って出てくれたのだが……

 

 色々複雑な思いである。

 イザナミは日本の創造神ではあるが、離婚歴のある神でもある。

 

 この場で神父役は果たして適当なのだろうか?

 

「では指輪の交換を」

 

 イザナミの指示で指輪の交換。

 

 互いの指輪を交換し、左手薬指に嵌めながら、忍は真月に訊く。

 

「なぁ」

 

「なぁに?」

 

 ……真月は特に疑問に感じていないようだ。

 

 メチャクチャ幸せそうであった。

 

 そんな彼女に

 

「何でこの状況で、やってることほぼ和式なの?」

 

 そう、訊ねると

 

「白無垢よりウエディングドレスの方が好きだから」

 

 彼女は何の疑問も無い表情で、そう答えた。

 

 まあ、納得できないこともない。

 白無垢よりウエディングドレスに憧れる女性は多いだろう。

 

 本人がそれでいいならいいのではないか?

 忍はそう思うことにした。

 

 さらに真月は言う。

 

「日本人として一番祝福されて権威がある神様に祝詞を唱えて貰えるんだから良いのよ」

 

(……離婚歴があって、死を司ってる冥界の神様に?)

 

 内心そう思ったが、彼女がそれでいいなら別に良いか。

 忍はそう思うことにした。(2回目) 

 

 

 そして、誓いのキスまでが終わった。

 

 続けて披露宴に突入する。

 

 参列者の挨拶回りだ。

 

 互いの両親については、まあ、感激して泣いてくれていて。

 ふたりはそれを嬉しく思った。

 

 忍と真月はこの社会を取り戻せて本当に良かったと心から思った。

 

 

 職場の人間については、なんとも色々と思うところがあった。

 特に直属の上司であったライドウとは、最初は殺し合いになりかけた間柄だ。

 この社会を取り戻すために共に戦った同志でもあるのだが。

 

 おめでとう、という言葉に色々複雑なものを感じた。

 

 

 そして。

 

 

「ガラ吉さん!」

 

「お久しぶりです!」

 

 彼らふたりの師匠であるガラ吉が来てくれたのだ。

 

 彼らの記憶の中では、師匠は陰キャ然としたフードつきパーカーを愛用していたが。

 

 今日は白いネクタイを締めた背広姿である。

 

「いきなり消えてすみませんでした!」

 

「今日はありがとうございます」

 

 夫婦2人で挨拶をする。

 

 ガラ吉はそんなふたりに

 

「よく僕のこと覚えていたね。忘れられてるに違いないって思ってたよ」

 

 フフフ、と薄く笑ってそんなことを言った。

 

「いやいやいや」

 

 ふたりはそのジョークを笑いながら否定する。

 

「さすがにそれはないです。恩人なのに」

 

「私たちが日本復活に辿り着けたのも、ガラ吉さんのお陰ですし」

 

 そう。

 あの日、自衛隊基地に向かう途中でふたりがガラ吉に出会わなかったら、ふたりは悪魔に殺されて終わっていた。

 

 彼に出会わなければ、ふたりはあの崩壊した世界を生き抜く力を貰えなかった。

 

 そして今日も無かったのである。

 

 それにふたりは運命のようなものを感じていた。

 

 そこで真月は言う。

 

「今後はどうされるんですか?」

 

 今後、再び悪魔使いが秘密職業に戻るのだ。

 

 なので、これからはフリーで悪魔使いをやっていくことはできない。

 

 それに対して彼は

 

「うーん、そうだねぇ」

 

 顎を掻きながら、少し考える仕草をし

 そして

 

「また宮仕えに戻るよ。なんだかんだ言って、悪魔使いしか僕は仕事が無いしね」

 

 そう言ったのだった。

 

 

 

 結婚式を終えた後。

 その数か月後。

 

 忍と真月は第一子を無事に授かることに成功する。

 最初の子は真月が予想していた通り男児であった。

 

 そしてあのとき、都庁で話し合った通り。

 名前は月心と名付けた。

 

 2人とも育児の初心者だ。

 最初の子育ては大変だった。

 

 しかしふたりの両親が代わる代わる「日々やることが無い」「様子を見に来た」という口実で彼らの家にやって来て。

 助けてくれた。

 それでなんとか彼らは激戦区を乗り切ったのだった。

 

 そして月心が1才になったとき、次の子を授かった。

 

 そして出産。

 

 今度は女児であった。

 

 バランスを重視していた真月はそれを喜ぶ。

 これで「息子も娘も持つ母親」を名乗れると。

 

 名前は真霧(まぎり)にした。

 

 真神家の伝統で、名前の一字に真を入れる。

 このためである。

 

 さらに1年後。以下略。

 

 第三子は男の子。

 

 名前は真虎(まとら)と命名。

 

 この子は、将来真神家を継ぐことになる。

 なんだかんだ言って、跡取りは男の方が揉めない。

 男女は平等であるが、一般的にそう思われている以上、そっちの方が望ましいのは動かしようがない。

 

 なので、佐上家と真神家の2つの家の後継者問題で言えば、ここでミッションを完了させたと言えた。

 

 だが。

 

(ここで子供を作るのをやめるとこの子が商品みたいになる)

 

 真月はそう考え、夫を説得し。

 子供を作ることを継続した。

 

 夫には「体力大丈夫か?」と心配されたが「いざとなれば魔法がある」と言い。 

 

 その後第四子・竜太と第五子・月美を授かった。

 

 

 そして。

 さすがにここまで子供が増えると、彼らのマンションが狭くなってきた。

 

 そのため彼らは……

 大老職と公務員をやって溜めたお金があったので、それなりの広さの屋敷を買い取って引っ越した。

 

 

 

 その後時間が流れ。

 新生日本がスタートしてから、18年の時間が流れた。

 

 忍と真月は共に40才の年齢になっていた。

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