真1の大破壊後の世界で、日本復活のために悪魔と戦うある男女の物語   作:XX(旧山川海のすけ)

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第99話 一般信者は

 彼らはメシア教徒の少女を2人、見送った。

 そして彼女らが去った後。

 

「……意外と話が出来る子たちだったね」

 

「うん……内心こっちを悪魔の手先とか思ってたかもしれないけど」

 

 そう、感想を口にした。

 

 正直内心、2人はメシア教徒に話し掛けることに身構えていた。

 一方的な拒絶や否定、もしくは宗教勧誘、改宗要請。

 

 そういう不愉快なものを覚悟していたのだ。

 しかし……

 

 話しかけてみたら、別にそんなことは無かった。

 普通に会話ができてしまった。

 

 彼らはこれまで戦って来たクルセイダーたちの様子を思い出した。

 いずれもとても傲慢で、どうしようもない奴らだった。

 

(クルセイダーの奴らは話にならなかったのに)

 

 自分はメシア教徒に偏見を持っていたのかもしれない。

 彼は内心、そんなことを考える。

 

 だが

 

「忍」

 

 真月がそんな忍の思考を読んだのか 

 

「それでも、メシア教徒が私たちと敵対しているのは間違いないんだからね」

 

 そう、釘を刺して来た。

 その通りである……

 

 全てのメシア教徒がクルセイダーのような狂信者では無いとしても。

 それでもメシア教徒が自分たちの敵であることは変わらない。

 

 思い違いをしてはいけないのだ。

 忍は妻のその指摘に「そうだな」と短く一言。

 

 そしてその夫の言葉を聞いた彼女は 

 

「……飲み屋がダメなら食べ物屋でいくしかないね。それも非メシア教徒が多いところが良い」

 

 彼らの次の方針を口にする。

 忍はそんな妻の提案で

 

「……メシア教徒はタブーの食べ物無いの? 豚肉とか、牛肉とか……」

 

 気になったことを訊ねるが

 

「そういうのは無いかな。自称・最も進化した宗教らしいから、現代の感覚で不合理と思えることは無いんだよ」

 

 返って来たのはそういう言葉で。

 

 そのままふたり、どこに行くべきかをこれまで見て回ったことから話し合っていた。

 そのときだった。 

 

 

『……今日も神は私たちを見守っています。2年前のICBMは神の怒りでした。東京は一度浄化されねばならなかったのです……』

 

 

 誰かの声が聞こえてきた。

 

 聞き覚えのある、誰かの声が

 

「あ……これって……」

 

 真月はキョロキョロして音源を探し。

 その音源の方向に歩いていく。

 

 そんな妻の後に、忍は付き従う。

 

 ほどなくして、彼らはそれを見つけた。

 

 それは、建設中の新しい建物の影。

 そこに設置された大画面テレビ。

 

 その画面の中で、可憐な少女が話し続けていた。

 

『新宿のオザワの支配が弱まったそうです。これは、我々の神の意思が彼に伝わったということなのでしょうか?』

 

『六本木は死の街です。メシア教徒の皆さんは決して騙されず、賢者の対応を心掛けてください』

 

『池袋に天魔ヤマを使う少年悪魔使いが現れました。彼の目的が何なのか、今は不明です。はっきりするまでは皆さんは池袋に向かうことは控えましょう』

 

『新宿に住まう魔王パズスは、魔法の力を与えるという甘言を吐くそうです。しかし、騙されてはいけません。引き換えに要求されるのは寿命の半分です。決して、この悪魔の力を求めてはいけません……』

 

『悪魔の化身・ガイア教徒13人衆の一人、下津名高美の奴隷狩りが頻発しています。メシア教徒の皆さん、テンプルナイト団の警護なしの野外の移動は控えましょう』

 

 ……こんな感じのニュースを、延々と垂れ流している。

 

 2人はじっと見入る。

 

 情報は大事だ。

 可能な限り集めなければならない。

 

 それにこの放送はおそらく、メシア教徒に向けて伝えなければならない内容だと思われる。

 ならば知っておいた方が良い。

 

 一部のニュースが新宿で集めた情報と被っていた。

 彼らはそこに、このニュースの信憑性を見る。

 

 そしてすべてのニュースを訊き終え。

 

『……今日も神は私たちを見守っています。2年前のICBMは神の怒りでした。東京は一度浄化されねばならなかったのです……』

 

 また、最初の話に戻ったとき。

 真月は 

 

「……このニュース、私たちの事は何も言ってないね」

 

 そう言った。

 

 そう。

 このニュースでは、何故か佐上真月という女の話を一切しなかった。

 することで何か不都合があるとも思えない。

 

 それなのに、その情報……例えば顔写真付きの情報を流さないのは何故なのか?

 

 彼らはそこを考えて 

 

「一般信者は、必ずしもクルセイダーほどはイカれてない?」

 

 ……そう、結論付けた。

 

 つまり、こうである。

 

 自分たちの神の召喚のために、信者でも無い女を誘拐してきて、生贄に捧げる

 

 そんな行為はどうやったとしても正当化できない。普通は。

 

 

 

 そして一般信者の多くは……

 

 

 

 そんな行為を「神に身を捧げられるのだから喜ぶべきだ」と言い切れるほどはイカれてないのではないか?

 

 上の方もそれが分かってるから、あえて流していないのではないか?

 

 そういうことでは無いだろうか……?

 そんな忍の意見に

 

「そうかもしれないね」

 

 真月がそれを肯定した。

 

 そして彼女は

 

 顔を隠していたマントの布を、ずらして外した。

 

 そしてこう言ったのだ。

 

「……テンプルナイトはちょっと分からないけど、一般の人相手ならそんなに警戒しなくていいのかも」

 

 ニコリと微笑みながら。




下津名に差し替えた。
まさかP5Xで鴨志田を越えるDQNが出てくるとは。
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