「そう言えばエルフの人って髪はどうしてるんですか?」
「?」
それはずいぶん前にベルがなんとなくリューにした質問だった。考えてみればエルフは肌を触れられるのを嫌う種族、同族でなければ髪を切らせるなどできないだろうと思ったのだ。
「確かに髪を整えるなら同族がやっている床屋に行かなければなりません。私の場合はシルがやってくれましたが」
「やっぱりそうですか」
「そういう種族の何気ない問題はアストレア・ファミリアでも何度か話し合いましたね」
「そうなんですか?」
「獣人は頭に耳があるのでエルフやヒューマンとは切り方が違う、勝手を知っている同族に出来れば切ってもらいたい者がやはり多いですね」
「そうですか、、、」
「ベル?」
「いや、何でもないです」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
現代の英雄ベル・クラネル
クラネル一家の大黒柱
超子沢山家庭の父親
そんな彼が考えなければいけないことは多い、実際に直面しないと分からない問題というのがある。その一つに『子供達の散髪』がある。獣人、エルフ、ヒューマンと色々勝手が違う種族の妻達との間にたくさんの子供がいる。そしてどんな子供にも髪を切らなければならないときは来るのだ。そして節制傾向のあるベルはとある一つの決断を下した。
僕が切ろう
何故そんな決断を下したのか?理由は幾つかある。
先ず自分で切れば金がかからない。子供の数は多いので一々連れて行っていたらかなりの額になってしまう。
次に子供たちはやんちゃな子が多い。生まれつき恵まれた力を持つ子供たちは一般人では荷が重いので自分で抑えたほうがいいと思ったのだ。
そして一番の理由は、『一対一で話せる機会』が出来るからだ。ホームは広くても四六時中他の子供と一緒では聞けないこともある。とある哲学に『一人でいる時の自分と他人といる時の自分は別の生き物』というものがある。一対一ならではの会話をしたいとベルは思ったからだ。
シルとのデートの時にベルは前髪をいじられているためそういう知識があるヘディンに頭を下げて教えを請うた。むろんスパルタで電撃を食らいながらだが、戦いで繊細な技を身に着けていたベルの上達は不器用ながらも意外に早く、プロとは言えないが普通にやれるくらいにはなった。妻たちは自分との間に作ってくれた子供達と家庭のために商会やら農園やらを作って支えてくれてる。これがその一助になればとそう思った。
そしてベルは家庭内で子供達の髪を切る係りになった
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「うっし!終わったな!」
一人のハーフ・パルゥムが散髪を終えて鏡を見る。少しだけ横顔を確認したあとに今度は切ってくれた父親に向き合う。
髪は栗色 瞳は赤 顔立ちは母親似
いたずらっ子のような笑顔向けて息子はお礼を言った
「ありがとな!親父!」
『シュバル・クラネル』レベル3 17歳
二つ名【兎の指揮者(ラビット・メーカー)】
リリルカ・クラネルの長男
「本当にいいの?商会と取引ならちゃんとしたお店に」
「節制傾向だよいつもの、後はまぁそんな見る目ない相手だしな」
何気に失礼なことを言いながらシュバルはいたずらっ子の笑みを絶やさない。性格は言ってしまえば【王様タイプ】と言ってもいいのかもしれない、だが頭が良くダンジョンでの作戦指揮も彼がやっているので、リリルカと似たような二つ名がつけられた。ポジティブなリリルカと言ってもいいかもしれない
十世長の参謀ポジション
チュール商会もよく手伝っておりとても頼りにされている。しかし雰囲気的にわがままな悪ガキの言葉も似合っておりちょっと心配されている。前にヘルメスの拠点の有り金をずいぶんとまぁくすねた事実があり、ベルからお叱りを受けた。彼は頬を膨らませて不貞腐れたが
「ほどほどにね」
「はいはい☆」
父親への敬意は本物で尊敬している
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「感謝します父上」
髪を梳き終わりその髪を立てに結う俗に言うちょんまげに近い髪型にした後その【狐耳】を立てる。
髪は金髪 瞳は赤 顔立ち母親似
品を感じる仕草で父親にお礼を言った
『ツヅミ・クラネル』レベル4 17歳
二つ名【金閃(こがねせん)】
春姫・クラネルの長男
「抜刀、また早くなったって命さんが褒めてたよ」
「僕はまだまだ未熟の身ですよ父上」
謙虚で控えめな春姫の性格と少しだけ儚げな雰囲気も相まってとても似ている。彼は冒険者の【剣士】であり刀を持って戦う前衛である。だがその身体は恵まれているとは言えずとても細く見えた。
ツヅミはタケミカヅチ・ファミリア所属で元のファミリアに戻ったヤマト・命の弟子でもある
「それとまたツヅミが殺し合いを仲裁してくれたんでしょ?ありがとう」
「いえ、兄として当然のことをしたまでです」
そして同じ母から6人の妹が生まれたためか【兄】としてのこだわりが強いように感じる
ちなみに今回の殺し合いは農園のイチゴの奪い合いである
殺し合いには参加せずに仲裁に徹し続ける姿から
兄弟屈指のお母さん役(ゴールデンマザーキャスト)
と呼ばれている
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「お父さん〜(涙)前髪自分で切ったら変になっちゃったぁ(涙)!!」
「ど、どうにかなるかなお父さん!!」
前髪がパツーンとなった白髪の美少女と黒髪のアマゾネスがやって来た
「アハハ、治すから座りなよ」
白髪のヒューマン美少女が涙目で椅子に座った。その顔は見れば見るほど母親にそっくりである。
逆にアマゾネスの方は自分にそっくりでそのオドオドした感じもかつての自分に似ていた。彼女は前髪を失敗した姉が心配でついてきたらしい。
「ハサミは横じゃなくて縦に使わないと」
「はい〜〜〜(涙)」
ベルは慣れた手つきでその前髪を切りそろえた
「ありがとうお父さん!後でじゃが丸くん奢るね!」
髪は白髪 瞳は金色 顔は母親と瓜二つ
そして母親より表情豊かで子供っぽい、後大食い
『モニカ・クラネル』レベル4 17歳
二つ名【熱風(ねっぷう)】
アイズ・クラネルの長女
「よかったねお姉ちゃん」
「うん!リコも一緒に食べよーー!」
涙目は解除され本当に子どものようにすぐに立ち直ったモニカは異母姉妹であるアマゾネスに抱きついた
髪は黒髪 瞳は赤 顔立ちは父親似
子どもたちのなかで一番ベルに性格が近い
『リコ・クラネル』レベル3 15歳
二つ名【黒兎の脚(ブラック・フット)】
ティオナ・クラネルの長女
アマゾネスらしくない控えめで謙虚なリコは抱きつかれて照れてしまう。この2人は一緒にいることが多く、ダンジョンでもよく組んでいる。ちなみにモニカは欲に忠実でうっかりが多くそのフォローをリコがしているため苦労人でもある。
モニカは【愛すべきおバカ】リコは【癒し系】と兄弟姉妹の間でよく言われている
そしてモニカは白髪で表情豊かなアイズ、リコは女体化して髪と肌を黒くしたベルと神々の間でいわれている
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
とあるハーフ・エルフが髪を切ってもらっており、その後ろで別のハーフ・エルフが順番待ちをしていた
そして唐突に
「親子丼とか本当に救えないなお前は」
「ブホッ!」
「だからアレは不可抗力でぇ〜(泣)」
一番最初に生まれた長男が異母兄弟の弟に冷たい目を向けながら説教する。その姿はかつての自分とレフィーヤを彷彿とさせる。そして弟側の母があのリューということも考え深い。最も話の内容は自分でもしたことのないものだったが
「少しは自重しろよ」
「だから違うんだってぇ〜(涙)」
「あんまりいじめないであげてね、僕が言っても説得力ないけど」
「あぁ毎晩誰かしらの母を食ってるからマジで説得力ない」
「ぐふっ!」
この容赦のない言葉のナイフは間違いなく母親譲りだ
そして弟の方の女難は自分譲りだ ほんとごめんよ
髪は山吹色 瞳は赤 顔立ちは母親似
そしてレフィーヤに似ていて理不尽な怒りのパッション部分を抑え込んだような冷静な正確
『アコーディオ・クラネル』レベル4 18歳
二つ名【静かな焚(クラシック・バン)】
レフィーヤ・クラネルの長男
記念すべきベルの最初の子供であり全一族の兄である。ツヅミとはまた違うこだわりを持った大人びた青年。ただし言葉の暴力は結構激しく苛烈で容赦なし、反論するやつは焼却する
十世長の頼れるリーダーポジション
(恐怖政治要素あり)
そしてその後ろには【最強】がいる
普段はだらしないが戦うときは暴れ回る兎のように強く激しい、英雄を目指すその男
髪は白髪 瞳は空色 顔立ちは母親似
真っ直ぐで愚直でよく面倒に巻き込まれる引きの強さ
『トライア・クラネル』レベル5 18歳
二つ名【炎熱王剣(ノーブル・ヒート)】
リュー・クラネルの長男
子どもたちのなかで唯一のレベル5.唯一の第一級冒険者、ちなみにハーレムエンドに進んでいく点ではある意味ベルに最も近づいていると言っても過言ではない。実はアコーディオの当たりが強いのも嫉妬が混じっているからである。本当にベルとレフィーヤの関係を再現していた。
だがその生き方は他の子供達の熱にも繋がりまるで船のように多くを導く
十世長の【アクセル】と言ってもいい
「優しくしてくれよ〜」
「断る」
「あはは」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「また胸がでかくなったな!ピアノ!」
「モニカのほうがたくさん食べるから大きいよ?たぶん母さん達を除いたら子どもたちのなかで一番大きい」
「マジか!気づかなかった!」
「父親の前でする話じゃないよ!」
一人の娘の髪をセットしていたらいきなりアマゾネスの娘が入ってきておっぱいトークが始まった。娘たちの話の内容に注意を入れたが、生憎そういうのが好きな2人なのでぜんっぜん止まることはなかった。
「モニカは私たち姉妹のなかで一番の爆乳、それは幼少期から欲に忠実な部分が影響している。大食いでじゃが丸くんをよく食べるけどお肉もよく食べる。そして子どものようにはげしく見境なく動き回るから太ることも無い」
「なるほどなぁ、アタイもよく食うし動き回るけどガキバカではないからその差か」
「酷い言いようなんだけど」
「大丈夫、私もオルガも爆乳ほどではないけど立派な巨乳。これは余談だけどリコは一番の貧乳」
「その余談いるかな!!?」
「本人は口に出さないけど結構気にしてる。【前の父さんがシル母とのデートでずぶ濡れになって宿に入った時に気づかずに女物の服が入るくらい身体が細いのを気にしていたのと同じ】」
「なんで知って!、、、、ってあぁまた【夢】?」
「うん」
今、散髪しているヒューマンの娘はときおり【夢】を見ることがあるという。それは【過去の光景】自分たちが教えていない事をいつの間にか知っているため信じるしかなかった。母親と同じ下界の未知であり異端であり神秘。
そして彼女の行動はとても謎めいていた。神々の間ではミステリアス、不思議ちゃん、電波系と性格が父親にも母親にも似ておらず【未知と異端の間で生まれた故のバグ】と推理されている。
ただしとても家族想いの優しい子であることは家族皆が知っている
髪は白髪 瞳は赤 顔立ちは父親似
ベルを女体化して巨乳にしたようなビジュアル
『ピアノ・クラネル』レベル2 16歳
二つ名【白光(びゃっこう)】
カサンドラ・クラネルの長女
ダンジョンでは治療師(ヒーラー)として活躍しており他の十世長と同じく姉の立場であるため責任感も強い、後ノリもかなりいいので弟妹からは人気だ。
「はぁ〜ホントに実の姉妹でなけりゃ【食っちまいたくなるくらいいい女】だよホントに」
「オルガ!」
「わかってるよ、でもトライアは、親子丼してんだからアタイも別にいいじゃねぇか」
「トライアぁぁぁ、、、ていうかどんな理屈!?ダメダメ!」
「頑固者〜」
「たぶんだけど僕でも甘い方だよ!!?」
そしてここに【一番の問題児】がいる。アマゾネスらしいといえば悪いようには聞こえないが、男と女どっちもいけるためその被害は2倍に近く、父親としては自分が受け継がせたハーレムの才能が不特定多数の皆様に迷惑をかけているのが本当に申し訳なかった。
髪は白 瞳は赤 顔立ちは母親似
アイシャの生き写し+αのような姉御肌
『オルガ・クラネル』レベル4 18歳
二つ名【花喰(ハートイーター)】
アイシャ・クラネルの長女
自律性が高く、13歳の頃には家を出て一人暮らしをしていた自由人。その堂々とした振る舞いは下の弟妹には憧れの的だがある程度の年齢になると彼女のやってることを理解してちょっと気まずくなる。子どもたちはそういうのに誠実な子が多いからだ。
「はい、終わったよ」
「ありがとうお父さん、オルガもどぉ?」
「自分で切るから良い」
「ホントに自律性が高い」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ていうことがあってね」
「俺の相手だと更に遠慮なんて無いんだろうなあのパーソナルスペースとデリカシーの無い姉どもは」
「そこがいいんじゃねぇのかマイブラザー☆」
「うるせぇ黙ってろ。何が【髪は一緒に切りに行くもんだろうが】だ、団長は一人しかいないっつの」
「あはは」
一人の息子の髪を切っているのだがその後ろで異母兄であるもう一人が待っている。
2人は一日違いで生まれた影響からかとても仲がいい(弟の方は否定)のかよく一緒に行動している。母親達が鏡のように似ているからかもしれない。
「なぁ〜親父〜これ終わったら稽古つけてくれよ。手足が吹っ飛ぶくらいのやつ」
「軽くする話じゃないよ」
「大丈夫だってどうせ【自動治療(オートヒール)】かけるし」
「そういう話じゃないよ」
「本気でやらなきゃ強くなれないだろ」
髪は薄紅色 瞳は赤 顔立ちは母親似
いい加減そうで真面目な母譲りの性格
『フルト・クラネル』レベル4 18歳
二つ名【一番刃(ゴートシザー)】
ヘイズ・クラネルの長男
子どもたちの中で好戦的でエインヘリアルな性格の彼は強くなることに前向きでよく父親に修行のおねだりをしている。そしてベルの先達である者たちにもよく挑んでいる。その猪突猛進さはベルから【オッタルさんに少し似ている】と言ったことがあり、その時ヘイズは青ざめてベルに詰め寄った。
「オイ俺が散髪中だろ、話はあとでやれアホ兄貴」
「へ〜い」
そして今髪を切っているヒューマンの息子は子どもたちの中でもひときわ珍しいオッドアイ
そして【一万年に一人の呪詛の天才】ともいわれている
髪は白髪 瞳は片目は黒、片目は赤 顔立ちは母親似
そして肩書にしては兄弟屈指の常識人
『メロ・クラネル』レベル4 18歳
二つ名【覇邪(ダークプルート)】
ヘルン・クラネルの長男
やることなすことインパクトは強いが商会を手伝ったり下の弟妹の面倒を見たり、ベルは実はこの子が一番優しいのでは?と思ったこともある。
全員それぞれ問題はあるしまだまだ未熟だが、ベルはそんなところも含めて子供達を愛している
子供達には必ずと言っていいほど『白髪』か『赤い目』が受け継がれており、一部では『濃度どころか愛すら重い血筋』なんて呼ばれてたりもする
自分では想像すらできないような事をするのでいつもいつも驚かされてばかりだ
この未来を生きれて本当に幸せだと心から思う
王様タイプのシュバル お母さん役のツヅミ
ムードメーカーなモニカ 自分と似ているリコ
頼れるリーダーなアコーディオ
英雄の道を進むトライア
ミステリアスなピアノ 姉御肌なオルガ
兄貴分のフルト しっかり者なメロ
みんなみんな愛しき自分の子
そしてベルは思うのだ
心からの幸せを
「あ、、、、あの俺もあとでいい?」
「「「ん?」」」
メロが髪を切って貰っている後ろで声がした
その相手は
「ヘグニ『ちゃん』じゃん」
「ちゃん付けはやめてぇぇぇ!!」
「なら『守護天使』か?」
「それもやめてぇぇぇぇ!!!!」
「ヘグニさんも髪を切りに?」
「うん、ていうか俺には此処しかないし」
ベルが散髪することになって一番喜んだのはヘグニだった
なんでだと思うだろうがそもそもヘグニは人見知りのコミュ障で床屋関係はホントに地獄だった。先ずエルフなので店は限られているうえに他者に近づかなければならない、そして話すのは論外で無言も気まずい、自分で切れればいいがもしも失敗して変な髪型になったらそれこそ耐えられない。だからこそ知り合いのベルがこれから髪を切ってくれる事実に涙を流して喜んだ。周りが引くくらいに
そしてベルの子供達に懐かれている
『守護天使ヘグニちゃん』
いつの間にかつけられていた異名だった
まだ子どもたちが幼かった頃、英雄の子供を狙う輩が続出、その護衛を務めたのがヘグニなので昔からの知り合いだ冒険者の先達としても尊敬されている
しかし、天然でまだ幼かったモニカが『ちゃん付け』を始めた。それが他の子供達にも広がりちゃん付けはほぼほぼ公式となった。ヘグニは否定したかったがモニカの涙目に強くは言えなかった。そして厨二の口調そのままに接していたらいつの間にか『守護天使』なんていう別の異名までつけられていた。
神々と知り合いは爆笑した
ちなみにだがヘディンの方は
『帝王(カイザー)』
と呼ばれている師匠(マスター)と呼ばれた白エルフは子供たちからすればコワモテな『帝王(カイザー)』なのだ
ベルは八つ当たりの電撃を受けた
十世長の類似キャラを挙げるなら以下の通りです
『シュバル』
鋼の錬金術師のリン・ヤオ
『ツヅミ』
テニスの王子様の大石秀一郎
『モニカ』
けいおんの平沢唯
『リコ』
父親似
『アコーディオ』
ソード・オラトリア13巻のレフィーヤ
『トライア』
スケットダンスのボッスン
『ピアノ』
ウマ娘のネオユニヴァース
『オルガ』
母親似
『フルト』
銀魂の神威(素直バージョン)
『メロ』
呪術廻戦の七海建人(口悪いバージョン)