オラリオ・歓楽街
麝香の匂いが常に漂い男と女の業が入惑うその区画では多種多様な種族の女達が今宵も客を持って絞って貪っている。それを望む男もいるが、間違いなくその街の主役は女達だった。
「ところどころにぶっ壊れた建物、、、フレイヤ・ファミリア襲撃の傷跡かぁ〜」
そこに未来からの来たベルの息子の一人フルトが降り立った。時刻は午後の14時頃でまだまだ本格的な盛り上がりなど見せてはいない、かつての戦いの跡を興味深く見渡しながらその街に降り立ったのは『ほぼ同い年の姉』を探すため
※正確には追い出されただが
その名は『オルガ』
アマゾネスにしてあのアイシャの長女、この時代のアイシャと出会って飲みに行ってそのまま3日姿を見ていないがオルガの性格上まぁここだろうとメロもフルトもこの場所に当たりをつけていた
「この時代の歓楽街ならアンタのほうが詳しいから案内お願いしますよ〜アスフィ先輩」
「了解、、、、、、いい加減にしてぇ〜(涙)!!!」
そしてフルトの後ろを歩くのが『改造(レボリューション)』を受けたアスフィだった。彼女は改造されたことに慣れてきたのか少しずつ自我を取り戻して抗えるようになっていた。
「訳のわからない理由で誘拐されて完全なる理不尽で頭を切開かれて暴虐の赴くままに脳をいじられた私の気持ちがわかりますかぁ!?せめて麻酔は使ってほしかったぁ!!麻酔使ってもだめだけどぉ!!!」
「アイシャ母の名前を出して聞き込みしたほうが近道っぽいっすね〜」
「聞けやぁーーーーー!!!!!」
目の前の傍若無人な青年がベル・クラネルの息子であることが信じられない、確かに彼はボマーではあるが、人を傷つけるのを嫌悪する立派な人種なのにこの男はその気配すらない、むしろ完全なる傷つける側だった
それに嫌な予感がしていた
何故なら
「あのベル・クラネルとアイシャの娘、、、、関わるのが怖い、絶対に何かをやらかしてそうで恐ろしい」
アイシャは改造された状態でオルガと会っているのでまだ殆ど話してはいない、恐らくアイシャ似の性格なのだろうとは思うが、半分がボマーであるベルの血なので正直めちゃくちゃ不安だった
「そうですかそうですか不安ですか〜」
「で、実際どうなんですか?」
「正真正銘一番の問題児」
「あぁ〜〜〜〜〜やっぱりぃ」
予想が的中して頭を押さえるアスフィだったが、フルトの次の言葉に耳を疑った
「でも一番大人なんだよな〜いくつかの店のオーナーやってるし」
「え?」
今何と言った?
店のオーナー?
アイシャとベル・クラネルの娘が?
どちらも店のオーナーなんてやる柄じゃないのに?
「問題児だけど、普通に尊敬されるべきアマゾネスなんすよ、オルガは」
フルトは笑顔でそう言い切った。店のオーナー、一番大人、一番の問題児、このようなワードが出てくるオルガとはどういう人物なのか?
それは、、、、、、、、、、
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未来
歓楽街・先端地区飲食店『じゃが丸くんAdult』
区画の端にある高級な装いをした大きな店はお高いお金持ちの匂いをさせながら『じゃが丸くん』の名前が入っているという奇妙なインパクトを出しながら存在していた。
そこは現在、貸切となっており、とある『親子』が談笑するために店内中央のテーブルについていた
『ステーキ風じゃが丸くん〜牛豚鶏羊馬混合エキスと複数緑黄色野菜刻み入りソース付き』というフォークとナイフで上品に食べるタイプのじゃが丸くんを食べながら店に備え付けられた大きな水槽を見る。色鮮やかな観賞魚は歓楽街の妖艶さを表しているようでこの区画のイメージにとてもマッチしていた。
「わざわざ貸し切りにしなくてもよかったのに」
「そうかい?聞き耳立てるやつなんていないほうがいいだろ?」
そして親子の父が話しかけ親子の娘が答えた
そこにいるのはこの店のオーナーであるオルガとその父親であるベルの二人、配膳の従業員を除けば本当に二人だけの空間だった。
「ただでさえ好色として有名なんだから歓楽街に足を踏み入れればそりゃうじゃうじゃと捏造と嘘の噂が湧き出るぞ」
オルガはその事を心配していた。容姿端麗な妻を大量に娶っていれば多くの噂やら考察やら嫉妬やらが溢れ出てしまうのはもはやこの世の摂理も同然のことなのだから
「仕方ないよ、たくさんの奥さんを娶ったときから覚悟は決めてる」
しかし既にそんなもの慣れたと言わんばかりにベルは余裕の表情でじゃが丸くんを口に運ぶ
「内密でくればいいのに」
オルガのいうようにそれが一番いろんな意味で波風が立たないだろうが
「どうして娘の店に来るのにコソコソしなくちゃいけないの?」
愛する娘との食事に世間体を気にする。それはベルにとって許容できない事で、侵害なんてされるいわれのないことなのだからとベルは笑いながら言葉にした
「ん、、、、ハハッそうだな」
そんな父の態度に少し気恥ずかしさを覚えながらオルガも笑った
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「高級店なんてやる予定はなかったんだけど、あいつらにいいとこ見せたくてちょっと無茶しちまった」
オルガのいうあいつらとは兄弟姉妹のことであり、この店はある意味面子の為に建てたと言ってもいい、同い年の兄がレベル5になったことも関係しているかもしれないとベルは思っている。
オルガは歓楽街の区画に住んでおり、既にこの区画で知らない者は居ないほどの有名人となっている。英雄の娘であることもそうだが、一番は『人への貢献』と言ってもよかった。
あのアイシャの娘であるためにアマゾネスらしい教育を受け他とは違う事を知る機会が多く、歓楽街に知り合いも多くいた。
そんな輪の中でオルガは知ってしまった。
生きづらい者がいることに
春母のように売られた人
食っていくために色々諦めている人
選択肢が無かった人
この世界に根本的に合わない人
ただ運が無かった人
オルガにはシュバルやメロのような特別な頭など持ってはいない、しかしそれでも動き出す身体を止められなかった
困っている女の子が目に入ってしまったからだ
帝王(カイザー)やリリ母のアドバイスを受けて先ずは頭角を現す事から始めた
ダンジョンで強くなり腕を上げる
歓楽街のアウトロー達の上に立つ
ある程度のグループを作ったら別のグループと抗争をしてまるまる自分のグループとして取り込む
地位を手に入れて顔も広くする
若いものがのさばるのは許さないとベテラングループに目をつけられるがそれすらのして取り込む
レベル1時にレベル2の先輩アマゾネスを殴り倒した事実は歓楽街中に広がった
その勝ち取って気づいた人脈を使って金を作って集める
そして集めた金でじゃが丸くんの店や工場を作る
※ちなみにじゃが丸くんにしたのはじゃが丸くんのためなら無料で護衛を引き受けてくれる、もしくは何も言わなくても守ってくれる食いしん坊の守護者が存在するから
夜の仕事に適性が合わなかった者たちに長期的かつ安定した職と給金を与える
それら全てを『家族の力をアドバイスだけに限定して』やり遂げる
間違いなく偉業を成し、そして歓楽街を仕切るものとして君臨したのがオルガだった
救われたものからすればオルガこそが女神に見えただろう
オルガが出資した店は増えていきそのグレードも上がった
そうすれば必然的に懐に入る金も多くなる
噂では貯金額が億までいっているとかいないとか
本人はそこまで想定してはいなかったが、今やオルガはオラリオでも有数の影響力を持つ人物と言ってもいい
「私はただ、安心して発情させてやれる手助けをしただけなんだがな」
「師匠(マスター)のスパルタ教育も乗り越えて、僕は本当に泣きそうだったよ」
「あれが一番キツかった。勉強よりもグループ抗争してたほうがずっと楽だったよ」
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「そんな事を」
アスフィは素直に感心した。歓楽街はどうしても人間の負の面がでてしまう、オラリオ暮らしが長いアスフィはすぐに気づく、抗争だのなんだのは恐らく想像を絶する争いだったということを
「アイシャは面倒見はいいですがそこまではやらない、、、そうかベル・クラネルの血筋」
「そう、アイシャ母の豪胆さと父さんのお人好しを色濃く受け継いだのがオルガだ」
「、、、、貴女の姉を悪く言ったことを謝罪します」
「いいんだよ別に」
いい話を聞けたな
アスフィはそう思って胸がすく思いだった
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のだが
「な、、、なん、、、なんじゃあこりゃあぁぁぁ」
すぐに後悔した
「おぉ~これはまた派手にヤッたな〜」
2人は情報収集の末にオルガの元にたどり着いたのだが、そこで目にした光景は
「あぁ〜凄い〜♡」
「こんなの初めてぇ〜♡」
「生き物としての完全敗北〜♡」
「節々の痛みすら今は心地良い〜♡」
「オルガ様〜♡」
「この豚を踏んづけてくだされ〜♡」
そこはとある建物の大部屋
床にぐったり力無く横になりながらものすごく幸せな表情を浮かべている調教済みの女達が大量にいた。
説明のしようもなく全員全裸
男神達が目を輝かせて桃源郷と叫ぶ光景が広がっていた
そして大部屋の中心には設置されている超大型のベッドにも大量の全裸が存在しており、そのベッドの中心に彼女はいた
「おぉ~フルト、何かあったのかい?」
オルガである。
先ほどまでアスフィの好感度メーターを上げまくっていたオルガである
そして当然のように本人も全裸だった
「いや〜ほら、あたしたちの世界の歓楽街はもう制覇しちまったから、過去の歓楽街が新鮮で」
「3日しか経ってないのによくもまぁここまで」
「あわわわわわわわわわわわわ!!!」
アスフィは目の前に広がる光景に大人の思考を忘れて幼児退行を起こしそうになったその時
「あれ?なんでアンタが?」
「あ!アイシャ!」
大部屋の扉からアイシャが姿を現した
「おいおいマジかもう全員食っちまったのかいオルガ」
「あぁ最高だったよ、母」
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どうやらオルガは歓楽街中の女性たちとお楽しみをしていて三日間似たように日々を過ごしたらしい
「いやほら、オルガが食ってみたいっていうから、、、なんというかこう娘って可愛いんだな、色々あげたくなる」
「3日でもう頂点に君臨しちゃったか姉は」
「、、、両刀なんですか?」
「あぁついでに言うと抗争のリーダーやら先輩やらもブチのめしてからベッドに放り投げて時間をかけて骨抜きにするのが姉のやり方だ」
「ようは自分に夢中にさせる天才ってことだろ?やるじゃないかさすがアタイの娘だよ」
「オルガの通る道には踏みつけられたい女達が首を差し出して道を作ってたなぁ〜」
「私は男だろうと女だろうと命がけで抱く、父と同じさ」
「いやそれだと父さんも男を抱いてるように聞こえるから、母さんたちだけだから、それに近くにいただけの従業員をつまみ食いしたりもしないから、父さんはしっかり許可を取るよ」
「なんだいもう防音付きの地下室貸してあげないよ?」
「それは勘弁してくれよ、父さんの悪評をばらまく奴らを死なない程度にみじん切りのミンチにするにはある程度防音のしっかりした設備が」
「感動した私がバカでしたぁーーーーー!!!」