兎の群れ√ 出会いの果ての未来   作:サイセンサイ

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家族

 

「アレは、、、ベル・クラネルの技?」

 

 その場に遅れて到着したのはアスフィ、改造(レボリューション)されてずっと逃げる隙を伺っていたのにここに来てしまったのは興味故か、責務故か、とにかくアスフィは目撃したのだ。十の炎からなる十重奏を

 

「よし、やっぱり説明は俺たちより賢くて人生経験が豊富なリヴェリア様に任せて俺達は引くか〜」

シュバル

 

「「「「エスケープ待った無し」」」」

 

「許すか馬鹿者!!!」

 

 最も真っ先にその場から逃走しようとする姿はベル・クラネルらしくないアレな面がよく見えた。逃走はよくするが人に押し付けるのは彼の専売ではないから

 

「そうだよ説明を求めるよ僕なんて現在進行系で脳みそがぐちゃぐちゃ何だマジで!他のみんなみたいに意味が分からなすぎて脳破壊を免れているのとは違うんだ!いいから説明だぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 全知零能の神であるヘスティアは精一杯正気を保ちながらベルの子供たちに詰め寄る。なんなら子供達に近づくだけでもいろんな想像をしてしまいちょっとした脳破壊がプチプチと断続的に起こっている。

 

そして感情を全力で制御しているヘスティアと違って感情を爆発させている者がいた

 

「なんで!あんなこと言っちゃったんですか!?なんで4人目!?そのせいで私は、、私を見る不特定多数の皆さんの目が、、、、んあぁぁぁ!ベル君に申し訳と迷惑と風評被害がかかって私との中が微妙な空気で謝罪しなさぁぁぁぁい!!」

 

 初日の爆弾発言で辱めを受けたエイナである。言っている言葉が色々可笑しい彼女は今、その発言元であるリコの胸ぐらを両手で掴んで激情の赴くままに揺さぶりまくっている

 

「ごめんなさいごめんなさい!まさか過去だとは思わなかったんですぅ〜!!」

リコ

 

リコは首を振り回されながら精一杯の謝罪の言葉を口にした。その姿ははっきり言えば情けないときのベルにクリソツだった

他の子供達は苦笑していた

 

「とにかく説明をしてくれ!じゃないと僕は、、、僕はァァァァァァ!!」

 

「仕方ない、トライア、神様を落ち着かせろ」

シュバル

 

「俺!!?」

トライア

 

突然名指しで役目を与えられてトライアは驚きの声と非難の目をシュバルに向けるが

 

「面倒くさい女の相手はお前が適任だろ?だからほらやれ今にも神様が発狂しそうだ、頭を掻きむしってツインテールが地面に落ちたら目も当てられない」

 

「いや、、、、、、、、あぁ〜!もう!」

 

 トライアは前に出てヘスティアの前に立つ、ヘスティアはモニカと同じ感じでトライアの正体にも気がつく、他より強敵感のあるヒロインもどきエルフに顔が似ているのでヘスティアはその真実をなおのこと感じてしまう。

 

「えっと、、、そうだな、、、、、」

 

 トライアが何を言うべきか悩んでいる。周りを見てみれば話についていけずポカンとしている一同、冷や汗を流して考えるポーズをとっているリリルカ、様子を見守っているアイズ達もこちらを見ていた。

 

今にも泣き出しそうなヘスティアにトライアは片膝をついて視線を合わせる

 

そして

 

こちらを見ているじゃが丸くんを売っていたタケミカヅチが目に入った瞬間、何を言うべきか決めた

 

「え~とタケミカヅチ様」

 

「ん?俺か?」

 

「俺がこれから神様に話すこと、嘘じゃないって証明してもらえますか?貴方なら嘘つかないし」

 

神は人の嘘が見抜ける、そしてタケミカヅチは嘘をつかないという状況を利用しようとしたのだ

ヘスティアも嘘は見抜けるが自分の頭がおかしくなった可能性も彼女は視野に入れているので保険は必要だった

 

「あぁいいぞ」

 

「あぁ〜やっぱりタケミカヅチ様は優しいお神だぁ〜」

 

 二つ返事で引き受けたタケミカヅチを見てトライアは泣きそうになった。彼がいかに周りに振り回せる人生を送っているのかがよく分かる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ベル君の子供

 

そうとしか思えなかった

 

ありえないけど、わかるんだ

 

僕が間違えるわけがないんだ

 

ベル君と約束したから

 

生まれ変わっても君を見つけるって

 

そんな僕が君の子供を間違えるわけがない

 

でも そうか

 

まぁ分かってはいた

 

君は

 

僕だけのものにはならなかったんだね

 

やるせないよ 認めたくない

 

だけどこの子達に罪はない

 

ベル君が軽い気持ちで子供を作るわけがない

 

この子達は正真正銘の愛し子

 

愛の交換が合って生まれた子供達

 

だから

 

僕は

 

「父さんは神様と二人だけのときは『ティア』という愛称で呼んでいます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え!?え!?え!?え!?え!?え!?え!?え!?え!?え!?」

 

 トライアと呼ばれたハーフ・エルフの口から語られたワードにヘスティアは一瞬で驚愕困惑歓喜の感情の流れが脳内に閃光のごとく迸った

 

「えっと、複雑だしこの時代の神様からすれば色々胸の内がぐちゃぐちゃになる事実だと思うけど、、、これだけは伝えとくよ、在り方は人と神だから同じというわけには行かないよ、、けど、、、」

 

トライアは苦笑しながら感情の渦に飲まれるヘスティアの目を見てはっきりと口にした

 

 

 

 

「神様もちゃんと、、、『父さんの女』だよ」

 

「ーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!」

 

 

 

 

 ヘスティアはタケミカヅチに首を向ける。色々察したタケミカヅチはコクリと首を縦に振った。その瞬間、ヘスティアは理解した、目の前のトライアというベルの息子は本当のことを言っていると

 

 

「いよっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!敗北√神回避ぃぃぃぃぃぃぃ!!!」

 

両手を挙げてバンザ〜〜〜イ☆したその数秒後

 

「じゃないだろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

すぐにシャウトした

 

「結局僕だけのものにはならなかったぁ〜!処女神のファミリア団長のベルくんが〜!ベルくんが〜〜〜!絶対アイツのせいだ〜!あのスーパーグレートドスケベカミナリおじいちゃん野郎のせいだぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 そりゃそうだ、ハーレム√などすぐに受け入れられるほど乙女心は簡単ではないし融通が利くわけでもない、そして貞潔など捨てているという想い人の確定した未来など脳破壊しか起こさない

 

「アレ?『ティア』ていう愛称が僕と二人きりの時だけのものなら君はなんで知って?」

 

サッ

 

トライアはすぐに目をそらした。心なしか他の子供達もこちらとは反対方向に首を向けた

 

「おい待てその反応は何だ何をした君たち!!?」

 

「子供の名付け親になったこともあります」

 

「名付け親ぁ!?♡ベル君の子供の名っっっ付け親♡」

 

トライアのとっさに出した短文にさえぽんわぁ〜♡と意識をトリップさせるヘスティア、だがすぐにハッとして首をブンブン振った後すぐに元に戻る

 

「待て待て!だとしてもえっと、、、、誰の子!?」

 

「そりゃ、、、、、、、アレ?神様から名前つけられたの誰だっけ?」

 

「おい!!?」

 

「いや待って!ホントに名付け親になったことは事実なんですよ!ただその誰だったかなぁ〜、、、おい誰だったっけ!?」

 

 トライアは他の兄弟に助けを求めた。自分で言ったことなのに肝心なことは思い出せないその姿は母親譲りのポンコツを連想させた

 

「自分で考えろ」

アコーディオ

 

「そんな〜!」

トライア

 

「名前言っていけば思い出すんじゃないか」

メロ

 

「え?えっと〜!えっと〜!えっと〜!」

トライア

 

「おい君たち!意地悪してないで僕の精神健康のためにもパパっと言ってくれ!パパっと!!」

 

 

 

 

 

 

 

「ヴァイオは違うよな、ヴィオラも違う、チェロナとセロナはニイナ母が考えたって言ってたし、、クラリネ、オルル、キトン、、、アレ!?何か変なループに入ったかも!?ミューク、キィー、サイザー、ハドル、エンバロ、、、ダメだマジでわからん!ユーフォニア、イスル、サク、シェイカ、ステイツ、コルネ、ユート、コントラス、ハープ、トラン、トロン、ホルン、ギダン、ソプラ、アルト、ゼラ、フリューゲル、ヴィブラ、リズ、イブ、イム、エレキ、コト、ユバ、ビワ、スズ、キヨ、パニ、アニカ、カリナ、レレ、ライカ、トラム、ハリン、マリンバ、フォン、ファゴ、アスタネット、、、やべぇ!このままじゃホントに全員の名前言わなきゃかも!?」

 

「いや待て待て待ってくれ待ちやがれ待ってくださいおい待てほんとに待つんだ」

 

ヘスティアは顔を青ざめさせた

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「騒ぎを聞きつけてみれば何をやっているんだあの愚兎の群れは」

 

屋根の上で見下ろすようにその光景を眺めていたのはヘディン・セルランド

 

見慣れた火柱を遠くから見つけたのでこの場に駆けつけたのだ。そして子供達全員とヘスティア・ファミリアが揃っているのを見つけてため息をついた。そのまま無視してもよかったが、その場合には王族のリヴェリアもいるためなくなく地上に降りようとした

 

その時だった

 

 

 

ブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブ!!!

 

 

 

 モスキートの群体、その生き残りが纏めてこちらに向かってくるのが見えた。ヘディンはすぐに腕を向けて魔法で殲滅しようとするが

 

その先に人影を見た

 

誰かが追いかけられている

 

それもただ逃げてるのではない

 

明らかに『誘導』してこちらに向かっている

 

向かってくる人影は複数人

 

全員がローブのようなもので顔を隠している

 

怪しさしかない

 

ヘディンはもういっそその者達ごと魔法で焼き祓おうとしたその時

 

 

「!!?」

 

 

『消えた』

 

怪しい複数人の内『大きな荷物を背負った1人』が消えた

 

目で追えなかった? 自分が?

 

そう思ったその時

 

 

 

 

 

 

 

「魔法を納めてください、師匠(マスター)」

 

「ーーーーっ!」

 

その『大きな荷物を背負った1人』がいつの間にか自分の隣にいた

 

いや それよりも

 

今の声は

 

 

 

「僕がやります」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「みんな!モンスターの残りが!」

 

「「「「「「「!」」」」」」」

 

モスキートの群体、その生き残りを一同も認識した。したい会話も片付けたい疑問も多々あるが先ずは殲滅を優先させようと全員が武器を取る中で

 

 

 

 

   ストン と一同の中心に誰かが降り立った

 

      大きな荷物を背負った誰かが

 

 

 

 

全員がその降り立った誰かに目を向ける

 

するとその誰かは右掌を空に向かって伸ばした

 

そして

 

 

 

 

「ファイアボルト」

 

 

 

 

 

複数の炎雷が空中に向かって放たれる

 

それは少し空を舞った後

 

空中で『静止』した

 

合計20の炎雷が空中に留まっている

 

魔法の精密操作による技術

 

いやそれよりも

 

この魔法は、、、、、、

 

 

「10年くらいかけて僕に出来たのはこれぐらいでした。やっぱり師匠(マスター)の射撃技術は凄いですよ」

 

その男は掌を群体の方に向けてまるで指揮棒を振るうように空中の炎雷を操作した

 

 

「ファイアボルト・カウルス・ヒルド」

 

 

静止していた炎雷は群体に向かっていきその生き残りを一匹残らず焼き落とした

 

そして魔法の風圧が広がりその男のローブがめくられる

 

 

 

 

白い髪だった 赤い目だった 

 

鎖骨あたりで髪を2つ結びにしているその髪型は垂れ耳兎を彷彿とさせた

 

一同はその顔を知っている

 

だが記憶にあるのはもっと幼くもっと柔らかな顔

 

身長ももっと低いはずだ

 

ローブの彼の身長は平均的な成人男性の高さ

 

幼い彼よりも凛々しくそれでいて落ち着きを感じる和やかな雰囲気を醸し出していた

 

 

「ベル、、、くん?」

 

「はい、神様の知ってる僕じゃないけど」

 

 

 

そこには【大人】となったベル・クラネルがいた

 

 

 

 

 

「「「「「ええええええぇぇぇぇぇぇぇ!!」」」」」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

それは三日前

 

十世長と繭がこの過去のオラリオに召喚された【同時刻】

 

オラリオのとある場所に『彼ら』もいたのだ

 

 

「ここは間違いなく過去のオラリオ、、、でも七年前に行ったときと感覚が違う、、、別の現象?」

 

そこでベルは状況を理解した

 

英雄であろうと簡単には対処できない正真正銘の異常事態

 

過去に行った経験がなかったらもっと慌てていただろう

 

だがベルは成長した

 

そして今回は『1人』ではない

 

 

 

 

 

 

 

「お父様」

 

ベルの隣にいた金髪のハーフ・エルフの青年が呼びかける

 

「我々はいかなる事態だろうと乗り越えてみせます。お父様の子として誇りにかけて」

 

「ふふっ本当に僕にはもったいないくらい出来た子供たちだね」

 

「滅相もございません」

 

「そうだね、、、やるべきことを考えるよ、君たちの知恵も貸してほしい」

 

そしてそのハーフ・エルフの背中には同じ父親を持つ兄弟姉妹が父の見解を待つように並んでいた

 

 

 

「このメンバーでここに来れたのも縁何だろうね」

 

「はい!お父様との縁は何よりも価値がある目に見えない美の概念そのものです!」

 

「落ち着きなさい」

 

「我が母もここに来れたらよかったのですが、お父様グッズ作りに夢中でこのような機会を逃すとは、なんともお可哀想に、後に我々のお父様同伴体験を知ってあの金髪を振り回すさまが想像できます」

 

「うん、やめてあげてね」

 

「これよりも我々は至高のお父様とともに未知の冒険に挑むであろう!お父様のお父様によるお父様が授けてくださった血肉にかけて!必ずやお父様が笑ってくれる活躍をしようぞ!愛しき兄弟姉妹にして『狼血』の同志たち!今は筆頭のフルト兄様はいないが、我ら『六人』でお父様を支えるのだ!!!」

 

 

「「「「「おぉーー!!」」」」」

 

 

「恥ずかしいよ///」

 

 自分よりよっぽど頭が良く優秀なのだが、自分のことでよく暴走する子供達の反応にベルは顔を赤くした

 

 





次回は新しいネームドの紹介回及び
『イレギュラー・チルドレン』の後半

『時を渡る英雄』の始まりとなります
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