兎の群れ√ 出会いの果ての未来   作:サイセンサイ

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屈辱※Episodeヘイズ ネタバレ有り

「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」

「「死ね!」」「死ね!」「死ね!」「死ね!」

「死ね!」「死ねぇ!」「死ね!」「死ねオラ!」

「死ーーねーー!!」「死ね!」「マジで死ね!」

「死ね!」「死ね!」「「死ね!」」「死ね!」

「死ねぇ!」「死ねね!」「死ね死ね死ねぇぇ!」

「死!」「死ねや!」「死んで!」「死ね!」

「死!」「死!」「死!」「死!」「死!」

「しねぇ!」「死ね!」「死ねぇぇ!」「死ね!」

「死んでよぉぉ!!」「死ね!」「死ね死ね!」

「死ねーーーー!」「死ねーーーーーーー!!!」

「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」

「「「「「「「「「死ね!!」」」」」」」」」

「「「死ね!」」」「「「「死ねぇ!」」」」

「死ねーー!」「死ね死死ねーーーー!!!」

「「「「「死ねーーーー!!!」」」」」

「死ぃぃぃぃぃぃぃねぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

 ありとあらゆる罵詈雑言をぶちまけたかった。だけどたったひと言、それしか言葉にできない、原始的な欲求を象ったそのひと言しか言語化できない

 全員女、全員がフレイヤ・ファミリア、全員が豊穣大作戦の参加者という事情を持っているのだが、その全員は現在獣の如く一人の男を囲ってその命を刈り取ろうとしている

 

「どうしてこんな事に?」

 

それは誰のつぶやきだったか、それは誰の言葉だったか、それは誰にもわからない

 

 わかっていることと言えば、その女たちは過去最高にブチ切れているということ、そして命を狙われている男は『こうなる』と分かったうえでその殺意をサバいているということ

 

話は少し遡る

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「いや〜見事でしたよベル〜」

 

「ヘイズ、、さん」

 

 わずか1分の手合わせ、それだけで周囲は浮き立った。英雄となったベルの力をその目で直接見たからだ。そして時間ができればベルは実力を試したい者たちから手合わせという名の殺し合いを強制強要されるだろう。なんせ血の気の多い者たちが多いから

 

狼血の皆がベルを囲んでテンションを上げている。フリューゲルに至っては感動の涙を流している。ほかの者たちも思い思いの言葉を口にしている

 

そしてベルが皆と話しているところにヘイズが話しかけてきた

 

「いやぁ〜あの団長が悔しさで歯を食いしばっている様を見れてスカッとしましたよ〜あまりの素晴らしい光景に今夜は眠れるかな〜興奮で寝れないのでは〜と思ってしまうくらい」

 

「ヘイズさんオッタルさんの前ですよ」

 

「あはは〜いいんですよベルが団長の鼓膜潰してくれたおかげで色んな事言い放題ですし〜」

 

「治してあげてよヘイズさん」

 

「、、、、、、、、聞きたいことがありましてね〜」

 

「、、、、、何をですか?」

 

 2人の空気が変わった。正確にはヘイズの後ろにいる女たちの雰囲気もピリついたものになっている。それに気づいたほかの者たちも何だ何だと耳を傾けた

 

 

 

「ハーレム作るなら豊穣大作戦受け入れてもよかったんじゃと思いましてね〜」

 

((((((((うわぁ〜言いやがったよこいつ))))))))

 

フレイヤ・ファミリア男性陣の顔が一気に曇った

 

確かにベルはハーレムを作った

 

だがその前にベルはヘイズ達による豊穣大作戦の案を拒否した

 

まぁあんな倫理も道德も品性も捨てた案など断って当然なのだが

 

女たちはそれ相応の罰を受けた

 

 だが、彼女達からすれば結局ハーレム作るなら豊穣豊穣を受け入れても良かったのではと思ってしまうのだ

やってることの良い悪いはガン無視して

 

 事情を知らないものは頭にはてなマークを作り首を傾げた。事情を知るものは冷たい目を向けた。当事者である女たちは真っすぐにベルを見ていた

 

ほんの少しの静寂、無音、その異様な空気が生産されるその場で『一声』が響いた

 

 

 

 

「あぁ!レミ母が『ガーターベルト・プリンセス』なんて呼ばれ始めた伝説の事件ね!」

 

「ブゥーーーーーーーーーーーーーー!?」

 

 フルトの一声にレミリアが即座に反応、そして彼の口にした言葉に今までにない長さで噴き出した

 

 周囲が『ガーターベルト・プリンセス』等という意味も理由もわからない恥辱の塊のような異名にポカンとなるなか、本人であるレミリアの声が響いた

 

「待って!なんて言ったの!?プリンセス!?ガーター、、私未来でそんな風に呼ばれてるの!!?」

 

 レミリアは顔を真っ赤にしてフルトに詰め寄った。何気にベルのハーレムの一員であることにドキドキしながらも未来の自分がとんでもないことになっているかもしれないというドキドキも合わさってしまってそれはもう心臓が壊れそうになる

 

「安心しろよ、家族の中でだけだ」

 

「安心出来ないよ!」

 

「は~い☆私、レミ母のガーターベルトよく洗濯してるよ〜」

チェロナ

「後、ロナ母とイルデ母の双子コーデ型の下着も」

セロナ

 

「「ぶほっ!」」

 

 そしてついでにという感じでベルのハーレムに入っていることを暴露されたロナとイルデも噴き出した。特にエルフのイルデは予想していながらも自分が未来で操をベルに立てた衝撃が強くその場に崩れ落ちた

 

事情を知らないほかのエルフはジト目を向けた

 

「おうおう暴露してくれますね〜それじゃガッツリこちらも聞いちゃいましょうか〜」

 

ヘイズは再びベルに顔を向ける

 

そして

 

「どうしてあの時はだめだったんですか?」

 

 それこそがヘイズが一番聞きたいことだった。未来でベルの子供を産めたことは素直に嬉しいと思った。性格こそひねくれてはいそうだが、ずいぶん頼りがいのある子供という判断をフルトに下した。この世界と未来の世界は違うことは分かっている。だがどうしても聞いておきたかったのだ。

 

それが純粋な意地悪だと自覚していても

 

「ねぇどうなんですか〜」

 

「、、、、、、、、、、、」

 

「ベル〜」

 

 ベルは考え込むように顔を俯きにした。前髪が目を隠すような形になり表情が読めなくなった。唇は動いていない、いつも分かりやすかったベルの顔ではない

 

フレイヤ・ファミリア男性陣はくだらないことに巻き込まれるベルを心底同情した

 

その他の者たちは意味がわからず右往左往するばかり

 

子供達はただ父の返答を待っていた

 

そしてベルは息を深く吸い込み、ゆっくりと吐いた

 

「皆さんは、そもそも、、、、、」

 

そしてヘイズに、ヘイズ達に向かって

 

言葉を綴った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「女性として『未熟』です」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「「「「「え?」」」」」」」」」」

 

「「「「「「「ーーーーーー!」」」」」」」

 

豊穣大作戦の参加者達が思考を飛ばした

 

他の者達が思考を飛ばした

 

両者ともども雷に打たれたかのような衝撃を受けた

 

 ヘイズがロナがイルデがレミリアがヘルンが、あのシルですら頭を真っ白にして呆然と立ち尽くす

 

「えっと、今なんて?」

 

何かの聞き間違いだろうとヘイズは即座に現実逃避をしてベルに再びの返答を求めようとしたが

 

 

 

「皆さんはそもそも女性として『未熟』だと言いました」

 

「「「「「「「「「「かっ!」」」」」」」」」」

 

 

 

言われた

 

がっつり言われた

 

目を合わせてちゃんと真っ直ぐとした目で言われた

 

それもヘイズの後ろにいる女たちにも目を合わせて

 

 

 

 

 意味がわからない、断じてベルの言葉ではない、だってそうだろう?あのベルだぞ?あのベルがだぞ?あの人類でも間違いなく慈愛に満ちた上位ランカーに入るベルが、、、あのベル・クラネルが、、、、ベル・クラネルに、、、、

 

 

 

 

 

 

      女性として未熟?

 

 

    じょせいとしてみじゅく?

 

 

    ジョセイトシテミジュク?

 

 

      

         じ!

 

         ょ!

 

         せ!

 

         い!

 

         と!

 

         し!

 

         て!

 

         み!

 

        じゅ!

 

         く!

 

 

 

 ベルが、あのベルが、あの優しいベルが、あのお子様なベルが、あの子供じみた理想のベルが、あの女性に紳士なベルが、あの女性に弱いベルが、女の子なら誰彼かまわず助けるベルが、ベルの言葉が、ベルの口が、ベルの唇が、ベルの目が、ベルの心が、ベルの顔が、ベルの意思が、ベルの答えが、、、、、

 

 

我々に女性として『未熟』という判断を下した

 

 その現実にたどり着いて誰もが言葉を失った。フレイヤ・ファミリア男性陣は幹部も含めて硬直していた。だってそうだろう、フレイヤ以外の女の機微などわからず興味のない彼らでもわかる、あのベルにそんな判断を下されることは

 

女に対してすごく優しい彼に【女性として『未熟』】と言われるのは

 

 

間違いなく【これ以上ない屈辱】だと

 

【考えうる限り最悪の屈辱】だと

 

 ギギギと首を動かし女性陣の方を振り向く。顔は呆けており衝撃で固まっていた。だが彼らは長年戦い続けて研ぎ澄まされた危機感知能力により分かっていた。彼女たちは現在、導火線に火がついた爆弾そのものだということを

 

 そしてベルの眼の前にいるヘイズは自分のこめかみに顕現しようとしている青筋を無意識のうちに抑え、何故ここまで精一杯なのかわからない力を使って口を動かした。

 

「な、、、、、なに、、、、、なにをもってして?」

 

 やめとけ馬鹿、そんな声が聞こえた気がした。多分これからベルが何を言おうが絶対彼女たちは傷つく、賭けてもいい、そんな空気だと誰もがその肌に感じていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「人として『ダサい』し、大人として『安い』です」

 

その発言を聞いた女たちは無言で武器を手に取った

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

その後の顛末を話そう

 

 女たちは全身全霊でベルの命を狩りにかかった。アンドフリームニルの治癒師も加わって、だがベルはそれをすべて流して回避した。反撃もした。しかし、その反撃は顎に腕の薙ぎ払いを当てるというもの、脳が揺れて膝から倒れた、意識は失っていない

 

それが何度も続いた

彼女たちはエインヘリアル

死して蘇る勇士たち

しかし、残念な事に彼女たちは死ねなかった。ただの薙ぎ払いを技とする英雄、圧倒的な技量の差、膝から崩れ落ちて相手は無傷、フォールクヴァングで鍛え上げられたタフネスは何の役にも立たなかった

 

人体の急所を突かれて静止

 

つまり一切の血が流れなかった

 

死して蘇る勇士なのに

 

死なせてくれない

 

殺してくれない

 

死なせてすらもらえない

 

蘇る機会すら与えられない

 

生き恥の連鎖

 

その後に待っていたのは【お説教】

全員が正座させられて始まったのは『正当性しかないお説教』暴力どころか暴言すらない本当にどこまでもまともな普通のお説教、だが相手が悪かった。

 

だってベルなんだから

未来のベルは自分たちより年上だろうが、彼女たちの頭の中にいるのは年下のベル、違うけど同一人物、つまり何が言いたいかというと、ベルのお説教は普通すぎて逆に辛かったということ、道德、倫理観、人の親になるくせに無計画すぎる所、そんな長期的かつ計画性が必要だというベルはヘディンの姿と重なりヘイズの心を更に抉った。そして明らかに自分たちを子供扱いしていた。だってまんま子供を叱りつける親なんだもの、【未熟】【ダサい】【安い】そんな言葉をふんだんに使ってのお説教は恥辱というほかなかった。

 ベルはそんなお説教しない?残念ながらベルはもう誰かにとってはおじさんの年齢のためいろいろ擦り切れて遠慮がなくなっています♡

 

年下でお子様のベルと同一人物に子供扱いされて親目線でお説教される

実力で子供扱いされて在り方すら子供扱いされる普段は年上のお姉さんたち

普通に字面が酷い

 

 

そしてその後の彼女たちは

 

「、、、、、、、、、、、、、、」

 

「実力でねじ伏せられたなら弱いほうが悪い」

 

「「、、、、、、、、、、、、」」

 

「それが俺達エインヘリアルの生き方だ」

 

「「「、、、、、、、、、、、、」」」

 

「だから今は敗北を糧に英気を養うときだ」

 

「「「「、、、、、、、、、、、」」」」

 

「酒を飲め、飯を食え、そして明日から強くなるために励めばいい」

 

「「「「「、、、、、、、、、、」」」」」

 

「、、、、まぁ、負傷も出血も最低限でいつもの食い方なら食い過ぎになるか、、、、」

 

「「「「「「、、、、、、、、、、」」」」」」

 

「、、、、、おい誰か何か言え!俺だけにこの役を押し付けるな!」

 

 豊穣の女主人に戻った彼女たちは椅子に座り全員俯いていた。さっきから頑張って声を出していたのはヴァンだった。あまりにも空気が悪すぎるので声に出してしまったのだ。今すぐにでもくだらないこの役目を放棄したい。だがしかし、この状態の彼女達にいつもの罵倒を浴びせることは出来なかった。ヴァンの中にある心の奥の奥にある人の心がブレーキをかけているのだから

 

 

「、、、、想像できるわけないだろ、ベルが【ダサい】などという言葉を使うなど」

 

 

その瞬間、彼女たちの涙腺と心が決壊した

 

「「「「「うわぁぁぁぁぁぁん(涙)!!」」」」」

 

 幼さの残る少女達もいい年の大人も一斉に机に顔を突っ伏して大粒の涙を流す。年齢も種族も関係ない、みんなが徹底的なまでにプライドをズッタズタのメッタメタにされていた罵倒とはその内容ではなく誰が言ったかが重要なのだとその場にいる者たちは再確認した。

 

「貴方にわかりますかぁ!!?女なら誰にでも優しい少年に!【安い】と言われた乙女心が!!?」

 

「フレイヤ様以外の女の機微など知らないがとてつもない屈辱だというのはわかる」

 

「あのベルに!あのベルに!【ダサい】って!【ダサい】ってぇぇぇぇぇ!!」

 

「言われれば殺しにかかるな」

 

「【未熟】ってなんですかぁ~!!?お子様のベルに一体私たちの何がわかるっていうんですかぁーーー!!!」

 

「俺に聞くな!!」

 

 両手で顔を覆って顔を真っ赤にしてダクダクと滝のように涙と鼻水を流すさまは百年の恋も冷める光景、集団幼児退行してないか?と疑いすらしてしまう。もしかしたら未来のベルは何度もこんな事に付き合ったのか?なら言葉がきつくなっても仕方ないな〜むしろ普通にしてるってことは気遣ってるのと一緒だしやっぱりお人好しだな〜と現実逃避してしまうのは仕方ないだろう

 

「あんな末代の恥を晒したのに結果得たのはガーターベルト・プリンセスなんて異名!本当に末代の恥がこの世界に後世に残ってあぁぁぁぉぁぁ!!!」

 

「「死にたい、死にたい、もういっそ殺せ」」

 

「隙をついてベルの首に飛びかかって絞めても肉体が硬くて私の筋力では絞められず。私に首を絞められたままベルはお説教を続けて、それはつまり私をガン無視していたということ、子供の癇癪に呆れる大人の目で見られた私は、、、私の心は、、、、どうせ私は出来損ないなんだぁぁぁぁぁ!!!」

 

「「「「私たちを馬鹿だと思ってるんだぁ〜!」」」」

 

 

 

 

「実際そうだろ」

アコーディオ

 

「実際そうだろ」

シュバル

 

「実際そうだよ」

メロ

 

「実際そうです」

コントラス

 

「「うんこれは仕方ない」」

チェロナ&セロナ

 

「おバカは実際そうでしょ」

モニカ

 

「実際そのとおりです」

フリューゲル

 

「ダサっ」

アスタネット

 

「安物」

ピアノ

 

「幼稚」

アニカ

 

「、、、、すいません」

ツヅミ

 

「ごめんなさい」

リコ

 

「アハハハハハハハハハ♡無様♡」

フルト

 

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