兎の群れ√ 出会いの果ての未来   作:サイセンサイ

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兎の群れinヘスティア・ファミリア

 

「お台所、お借りしますね、、、わぁ、広さは違うけど本当にうちの台所だ」

 

「広さ、、ですか?」

 

「大家族ですからね、どこかで増築工事が入ったのでしょう、この広さでは食べ盛りの弟、妹と食いしん坊の皆のお腹を満たすことはできませんから、部屋一個くらい大きい鉄鍋を特注で作ってもらってるんですよ、未来で」

 

「な、なるほど、、、、、」

 

 興味深そうに台所をキョロキョロ見渡し包丁等の調理道具を指でなぞるのは『ツヅミ』

 春姫の長男だという、顔は母親似で髪色は金髪、ベル譲りの赤い目が友人の顔にはまっているような外見に命はドギマギしてしまう。肝心の春姫は震えながら肩にしがみついて自分の背中に隠れている。

 

「では、お二人からしたら未だ得体が知れない身ではありますが、この竈火の館に暮らすものとして夕食の仕込みを手伝わせていただきます」

 

「「ご、ご丁寧にどうも」」

 

「ふふっ」

 

 未来の息子であるツヅミが今の台所で柔らかな笑顔のまま腕まくりをして米を洗っている。その姿は妙にしっくり来ており、きっと未来のこの場所で何度も繰り返している事なのだろうと2人はなんとなく察した。

 

「わ、私も、皮むきを」

 

「自分も味噌を」

 

 そんな子供にだけ働かせられないと2人も腕をまくって仕込みを開始した。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「お〜地味な下着だよ兄さん」

アスタネット

「乙女だからなこの時代は〜」

シュバル

 

「何サラリとリリのタンス漁ってるんですかぁ~!!?」

 

 右腕をシュバルに左腕をアスタネットにガシッと掴まれて身長の関係上リリがまるで子供のようにぷらりと浮かんだ状態で連行されてたどり着いたのはリリの部屋

 

 一体何なのだろうこの兄妹は、どちらもリリ譲りの顔でリリの子供であることに疑いようなどないが、いろいろ自由人すぎるだろうとリリは思った。

 

「あ、ファミリアの家計簿」

シュバル

 

「だから遠慮!」

 

「うわぁ〜マジでこの時代火の車じゃん、母さん大変〜パパ可哀想〜」

アスタネット

 

「、、、ん?なんでベル様がパパ呼びでリリは母さん呼び?」

 

「は?14歳にもなって恥ずいからに決まってるでしょ?」

アスタネット

 

「ベル様のパパ呼びは!?」

 

「パパは世界一のパパだからパパ呼びに決まってるでしょ?」

アスタネット

 

「ファザコン!!?」

 

 頭を抱えていろいろ想像を働かせる。何気に父親への重い愛を何のためらいもなくサラリと口にした反抗期真っ盛りの乙女が自分の娘であることに心臓がギュッとなる感覚を覚えるリリ。

 ぶっちゃけ父親というものはリリにはよくわからないが、なんとなく目の前の娘は特殊な事例だということはわかった。

 そして不安になるのだ

 未来で自分はちゃんと母親をやれているのだろうか?両親がどういうものかをよく知らない自分が上手くやれているなどあり得るのだろうか?と

 

一抹の不安がその顔に出始めた時に

 

「ところであの『棘だらけのピアス』は無いの〜『金髪に染める染め粉』は〜」

アスタネット

 

「、、、、、、、、、、、、、は?」

 

「この時代じゃやっぱりまだまともみたいだな〜『革ジャン』も『サングラス』も『血の匂いが染み付いたハンカチ』も見当たらないし、本当に人妻になってからグレたんだな〜」

シュバル

 

「、、、、、、、、、、、はあぁ!!?」

 

 そんな不安は吹き飛んだ。今はそれよりも早急に素早く確認しなければならないことが出来たからだ。彼らの話が本当なら自分は嫌っていたごろつきのようなイメージをしているということで、、、、

 

「待って待って待ってください!どういうことですか!?未来で何が!!?リリが独り占めできなかったのは大変不服だしぶっちゃけまだ心の整理が出来ていないけどそれはそれでなんでベル様の女になってからリリはそんな生き恥を晒すような真似を〜!?」

 

2人の兄妹は目を合わせてにやりと笑う

 

 いやらしい笑みだが、その笑みには不安が吹き飛んでよかったという優しさも入っているような無いような有るような

 

「「父さんに興奮してもらいたくて艶めかしい全身入れ墨を入れようとしたこともあったらしいよ〜」」

 

「痴女ーーーーーーー!!?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「どうぞ、ホームの茶葉を勝手に使わせていただいだ紅茶です」

コントラス

 

「ど、どうも」

 

「お隣失礼」

コントラス

 

「ヒャい!?」

 

「ほら、あっちはああなってますから」

コントラス

 

「ちっちゃくて可愛い〜」

チェロナ

 

「お肌が知ってるお母さんよりムニムニ〜」

セロナ

 

「うぅーーー!」

 

 小さな円卓のテーブルに5人が座っていた。カタカタと震えているとエイナの隣にその実子であるヒューマンの息子『コントラス』が座り、その反対にはニイナが座っているのだが、左右を双子の姉妹に挟まれてそのほっぺを弄ばれていた。双子の身長はニイナよりも高いのでその圧迫感は凄まじいんだろうな〜とコントラスは思った。

 

「そう緊張しなくて宜しいですよ。まぁ無理かもしれませんが」

コントラス

 

「、、、、、、、、、、、、、同じ」

 

 エイナが最初に目に入ったのはその白髪だった。よく見ればコントラスは目の前の双子にも良く似ている。まぁ母親が姉妹なので似ているのは仕方ないが、その三人は共通して父親譲りの『白髪』と母親譲りの『翡翠の目』を持っていることに今更ながら気づいた。

 

自分の子供

 

つまりベルとの、、、、、、、

 

ベルと一緒に、、、、、、、、、、、、

 

「今卑猥な妄想してますよね」

コントラス

 

「ファッ!!?」

 

「安心してください、ニイナ母も同じです」

コントラス

 

「ファッ!!?」

 

 自分が年下の少年と行為に及んだ破廉恥極まりない妄想をあっさりと見抜かれ同時に妹も同じことを考えていたと知らされエイナは噴死しそうだった。

 

「アドバイス、、、と言うには早計ですが、言っておきます。この程度で顔を赤くしていたら持ちませんよ。父さんは誠実にしっかりと母達の『性』の相手をするので」

 

「「せ、せ、せ、せ、せ、性ぃ!!?////////」」

 

 コントラスから出た言葉にエイナとニイナは顔を両手で覆って地面に突っ伏した。顔を見られたくなかった。そして背を立たせる力も今はなかった。強制的に猫背になってしまうほどの衝撃だったので仕方ないが

 

「当然でしょう、父さんは世界を救った英雄なんですから、これからの人生で『性』に困らない日常を送っていただくのは当然のこと、当然の見返りです。」

コントラス

 

「あのちょっと待って!」

 

「もう一つ言えば母さんはもっと身体を鍛えたほうがいい、一度に複数相手にしなければローテーションが周らない父さんの『性』を受け止めるにはあまりにもひ弱です。レベル2のニイナ母とは違うのですから」

コントラス

 

「あぅぅぅ!!!////////」

 

 ニイナが耳をふさいでしまった。知りたくなかった、ハーレムのため仕方ないがやはりそういうことをしているのだ。それも一般的な奴じゃなくて子供のニイナには理解が及ばない想像の外の領域であるすんごい奴を

 

「ちなみにですが、母達がそういう疲労を顔に出すところはよく見ますが、父さんはその疲労を顔に出したことはあまりありません。つまりそれほど体力の差が」

コントラス

 

「もうやめてぇーーーーーーーーーーーー!!!」

 

 立ち上がり机をバーンとしてエイナはコントラスが喋り続ける知りたくない事実を打ち切った。もう限界だった。何もかも全てが今は苦しい、実子の存在、未来のベルの現状、その話を実子にされること、その爛れたローテーションの中に自分が入ってるという現実、生娘のエイナには何もかもが地獄すぎた。

 

故にその苦しみを言葉で吐き出すほかなかった。

 

「はっきりとせ、、『性』なんていうのやめてぇ!!もっとオブラートに包んで!夜とか豊穣とか!」

 

「「そこなの?」」

チェロナ&セロナ

 

「ほら!ニイナに至っては気絶する一歩手前!頭から湯気が出てる!」

 

「きゅぅ、、、、、、、」

 

「それに、、それに!君はもっと、、、言葉を選びなさい!何でもかんでもはっきり言いすぎ!未来の私は注意しなかったの!?君はヒューマンだけどハーフ・エルフの私の、、、ムスゥコならエルフの血が流れてるんでしょ!!?」

 

「今もなお注意されてます。後息子の言葉すらまともに言えない、そういうところですよ」

コントラス

 

「むぅーーーーー!!?」

 

 エイナは理解したくなかった。自分の実子がこうも破廉恥な話題を堂々と口にしてペラペラと話すその人格を、自分の子供がこうも遠慮のない存在では色々納得したくないとエイナは思った。

 

「まぁ確かに、普通なら僕は母さんと似たような性格に育っていたかもそれません」

コントラス

 

「え?」

 

「しかし、僕の年齢は18歳、父さんの子供で年長、神様たちの言う第一世代?とも言うべき立場なのです」

コントラス

 

「そ、そうなの?」

 

「僕は冒険者ではないですが、あの子たちの兄の立場なので、いろいろ気苦労があります。あの子たちが問題を起こせば大抵はアコーディオ兄さん辺りが暴力で鎮圧するのですが、僕にはそういうのが向いていないので、頭のほうを磨きました。そして言葉の暴力と知による策略で妹弟たちを泣かせて止めてきました。」

コントラス

 

「えぇーーーーーー」

 

「このおかげでこのような遠慮のない口調になりました」

コントラス

 

 コントラスは本来、エイナのような人格になっていただろうが、エイナとは違い彼には大量のボマーである兄弟姉妹がたくさんいた。そんな家族に負けないようにコントラスなりに努力した結果が『いざとなれば品性なんぞ捨てちまえ紳士』ということなのだ。

 

アコーディオが『炎』を得たのと同じである

 

「、、、、、、、、君は」

 

「この時代の母さんは『キリっとした優等生な息子』を妄想していたのでしょう、まだ経験すらないのに、それどころか『恋愛対象』としても見られているか分からないのに」

コントラス

 

「グァーーーーーーー!!!!!」

 

「「あ、吐血」」

チェロナ&セロナ

 

「実に青い妄想ですね」

コントラス

 

「もう、、、やめてあげて、、、ガクッ」

 

「「お母さんも気絶した」」

チェロナ&セロナ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「やぁやぁこの先の未来で父さんに英雄の座を奪われること確定の哀れで不運な先達さん達〜☆」

フルト

 

バキ!ボコ!ドカッ!ゴスっ!メキ!

 

 開幕1番で失礼すぎる暴言をかましたフルトはフレイヤ・ファミリア幹部たちにボコボコにされた。彼らは竈火の館の屋上にいたのだが、飛び乗ってきたフルトに突然の暴言、即暴力という状況だった。

 

そして

 

「ぬわぁーーーーーーー!!?」

 

何故かヘスティアを抱えたメロも伸び乗ってきた

 

全員がヘスティアとメロに注目するなかで

 

「これが全盛期の父さんが受けていた暴力!俺は今父さんの受けた痛みを完全に再現できる現場にいる!これを耐えて父さんが父さんになったかと思うと、、思うと、、なんて尊いんだ!さぁもっと父さんに近づけさせてくれ!父さんが感じた死を俺に見せてくれ!そして出来ることなら武器も使ってくれぇ!!」

フルト

 

「「「「きもっ」」」」

 

「死ね!」

 

「豚が」

 

「そうそれぇ!それだよ!その意気だよ!!」

 

「「「「「「ちっ!」」」」」」

 

 無敵の人フルト、メンタルも強靭なため単純暴力は効かない、逆に喜ぶ、苦しめ方が思いつかない、彼らは舌打ちするしかない

 

「止まれアホ兄貴、ドMを晒すな」

メロ

 

「ドM!!?」

 

 ヘスティアは耳を疑った。こんなにはっきりとドMという言葉をベルの面影がある子が口にするのも、ベルの子がドMだということも受けきれないからだ

 

「おいおいブラザ〜☆ちゃんと『家族関係限定』ってつけてもらわないとぉ〜♡だいじなことよ〜」

フルト

 

「帝王(カイザー)に失礼な真似はするな、他の人は仕方ないとして」

メロ

 

「「「「「おい!」」」」」

 

「そんな〜」

フルト

 

「で!なんで僕をこんなとこに連れてきたんだい!?」

 

「おっとそうでした」

メロ

 

 自分を連れてきた意味がわからなかった。こんなコントを見せるために自分を連れてきたわけではないだろうが、それはそれ、これはこれ、突然運ばれたので不機嫌な方が普通だ。

 

「一応、話しておいたほうがいいと思いまして」

メロ

 

「?」

 

 どうやらメロは何かを話そうとしているようだ。他の者達もメロに耳を傾ける。

 

すると

 

「もしかしてアレぇ〜一部の母さん達がまだ身の程知らずの豚カスだったって話〜?」

フルト

 

「豚カス!!?」

ヘスティア

 

「おい、そうだとしても母達相手に豚カスはやめろ馬鹿」

メロ

 

「じゃあ手足のついた豚肉」

フルト

 

「それもうただの豚だ馬鹿」

メロ

 

「蟲クズ、泥クソ、Mゲロ」

フルト

 

「悪口が論点じゃねぇよ、てかMゲロはてめぇだもう黙れ」

メロ

 

「ヘイへーーイ」

フルト

 

 あまりにも品のない応酬に全員が顔をしかめる中、メロが一息ついたあと、ようやく話始めた。

 

「俺たちの母達には多くのフレイヤ・ファミリア団員がいる」

メロ

 

「そうだろうな」

「お前がいい証拠だ」

「マジで何人出来たんだ」

「碌な女いないからな」

 

「おいなんの話だ」

 

「黙って聴け愚猫」

 

「なんだ何だ!もしかしてまだとんでもない事が隠されているのか!?もうお腹いっぱいなんだけど!!」

 

「、、、、、この時代の貴方たちには、信じられないかもしれないが」

メロ

 

 メロが少しだけ目を閉じて言葉を浮かべる。その言葉は他人に興味がない彼らにとっても衝撃が走る言葉、その後ろでフルトはリアクションが楽しみだと気持ちの悪い笑みを浮かべていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『一年間ヘスティア・ファミリアに改宗する。そうしなければ娶らない』父さんがフレイヤ・ファミリア女性団員に課した条件だ」

 

「「「「「「は?」」」」」」

 

「ーーーーーーー!」

 

 

それは、自分たちの知るベルなら考えつかない『他人の大切に踏み込む』所業だった

 

 

 

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