兎の群れ√ 出会いの果ての未来   作:サイセンサイ

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殺す

 

 

 いつからそうなったのか思い出せない

 

 問題ない

 

 いつからこのスタイルになったのか思い出せない

 

 問題ない

 

 いつから目にクマがある事が当たり前になったのか思い出せない

 

 問題ない

 

 いつから睡眠時間が一日一時間間隔になったのか思い出せない

 

 何の問題もない 第一級冒険者だぞ

 

 机の上にキチリと揃って並べられた大量の資料、その所々に付箋が貼ってあり、優先順位に沿って積もり積もった紙の山からは大量のインクの匂いが漂っており慣れていないものにはきついレベルのものなのだが、彼にとってはすでに慣れてしまった習慣の匂いだった

 机の上に置かれているのは資料の他にインクとペンと大量の空の瓶、瓶に入っていたのはエナジーポーションドリンクという頭をスッキリさせる飲み物、主に万能の苦労人やら黄金の魔女やらが飲んでいた究極の過労世界の住人の飲み物だった

 

 その絵面は神々の言う『草臥れたOLのデスクワーク』

 男なのに、強いのに、英雄の一人なのに、そんな例えが似合ってしまうのはなぜだろうか

 なぜそれほどの男がこんな事になってしまったのか

 

 

 言うなれば『責務』

 

 それを全うするために

 

 

 ヘディン・セルランドは《帝王(カイザー)》になったのだから

 

 

 目にクマができて更に目つきが鋭くなったのは誤算だったが 

 

 

 

 そんな時だった

 部屋の扉をノックする音がした。それもかなり早く叩いており緊急なのが伝わった

 

「帝王(カイザー)!コントラス兄から緊急の!」

 

「ふん」

 

「あぎゃ!?」

 

 ヘディンはすぐに部屋に入れたが『ノックがデカい』と入ってきた少年に蹴りを入れた

 

 入ってきた少年はバカ弟子であるベルの息子、そして今は自分の『生徒』でもある

 

「習慣に品性をねじ込めといつも言っているだろうが子愚兎」

 

「すんません帝王(カイザー)!!」

 

シュビ!!

※90度のお辞儀 

 

 その少年は男であるにも関わらず女の顔をしていた。母親と瓜二つの顔がそこにあった。そして背が低かった、小人というわけではない、母親が小柄なヒューマンだからそれを受け継いだのだろう。神々に『男の娘』とよくいじられるので本人はこの事をコンプレックスに思っている。そのせいか母親とよく喧嘩するのだ

 顔が同じで母親がぺったんゲフンゲフンなため正直目の色と髪の長さじゃないと見分けがつかない

 母親が元々自分と同じフレイヤ・ファミリアのため余計にだ

 

 あのバカ弟子ややこしくしよって

 もっとうまく作れ

 

 という理不尽な罵倒を心で炸裂させながらヘディンはお辞儀をしているその少年の顔を挙げさせた

 

「あいつがどうかしたのか、確か祭りのほうに行っていたな」

 

「そこで緊急事態が起きたみたいです!眼晶が作動して!」

 

 手を後ろに組み真っすぐな直立不動で彼はことの経緯を説明しだした

 

 

 エンバロ・クラネル 17歳 レベル4

 

 髪・蜂蜜色 瞳・赤色 顔・母と瓜二つ

 

 ハーフ・パルゥムのちょい上くらいの身長

 

 レミリアの長男

 

 そして大雑把に事の経緯を聞いたヘディンはすぐにタンスを空けて着替え始めた

 

「よりにもよって狼血の近くで事件を起こしおって」

 

 そしてこれから始まるであろう『血祭り』に眉を引くつかせた

 

 

 

 ヘディン・セルランド

 

 黒竜討伐に貢献した歴史に名前の残る英雄の一人

 いつの間にかベルの子どもたちの教育に関わっており

 いつの間にか帝王(カイザー)と呼ばれており

 いつの間にかそれが生活の主流となり

 現在 神々に『徹夜が習慣になってる草臥れた社畜やんけ』と呼ばれるビジュアルになっている

 恩恵持ちの長寿種族で外見は若い姿のままなのになんでか知らんけど老け込んだように見えるのだ

 仕方なかった 大量にいるベルの子どもたちの【一人一人】に入念な教育をしたら膨大なんて言葉では片付けられない仕事量になることは当然、常人でも賢者でもとっくに過労死しているそれはヘディンだからこそ成立している

 

 ヘディンはかつて無能になりたくない一心で背負いたくない責務を背負って王を遂行していた

 

 要するに故郷の社畜だった

 

 そして今は『望んだ責務』を背負って社畜をやっている

 

 意味がわからん

 

「どいつもこいつもこだわりの強い我の塊な稚児どもが!社会不適合者の落とし子が毎年毎年産まれるから仕事が一向に減らん!一匹一匹良識のある調教をするのにどれほどの手間がかかっていると思っているあの愚兎がぁ!」

 

「あの、、、父さんも疲れたなら止めていいって」

 

「今更責務を放棄できるかバカが!バカ弟子の落とし子はもはや私の人生に結びつきすぎて解くことなどもはや不可能だと教えただろうが!」

 

(なんというか、、、、この方って)

 

 ヘディンは何でもできる 出来ないことのほうが少ない

 

 ただ その なんだ

 

 不器用な生き方というかっこいい感じではなくて

 

 アスフィやヘイズのような苦労人というわけでもなく

 

 とどのつまり

 

 

    (人間生活が下手くそ何だよなー)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その場に置かれた眼晶(オルクス)の全てが起動する。それはつまり遠くに設置されてある眼晶を通じて連絡を取り合えるということだ。しかもそれは複数、実家に設置されてある物、ダンジョンに行っている者が持つ物、メイド達に通じる物、その全てが起動された

 

『フィアナ・コーズウェイ』で起こった暴動、そのための緊急会議を開くため、コントラスが中心となり話の場が設けられた

 

 今、受信相手たちが続々と眼晶の前に集まっている。それはこちらも同じでコントラスが用意した眼晶をテーブルにおいて、みんなが囲むように座っていた。

 

「何をする気なんだろう、コントラスくん」

 

「わからない、、、、心の底から怒ってるくらいしか」

 

 クラネル一家とは違う部外者のローザとカリィはその物々しい雰囲気に呑まれて体を硬直させていた。

 その場に集まった祭りの責任者たちも同じでクラネル一家だけが比較的冷静だった

 

 もっとも、、、、、

 

 

 

「お、お、お母さん、、、非戦闘員のはずなのに兄さんが怖いぃ」

【ガタガタガタガタ】

 

「だ、だ、大丈夫よソプラぁ怒りの矛先は私たちではないものぉ〜、、、それでも圧がヤバいけど」

【ガタガタガタガタ】

 

 

 歌姫親子は戦闘力ゼロだからかお互いに抱きしめ合ってバリバリにビビっているが

 

 

 

「歌母さん、ソプラ、大丈夫?」

 

「「なんでそっちは平気なの!!?」」

 

 同じく戦闘力ゼロのはずのディディは思いのほか平気そうな様子にちょっと戦慄した

 やはりベル譲りか、、、

 

 

「全員ぶっ飛ばせば解決じゃん?」

ゼラ

「アイズもいるから無双出来るけどそう簡単にはいかないよ」

リリルカ

「そうなの?」

クラリネ

「囮としての大人数説が濃厚かな」

ユーフォニア

「強い者に大群の相手をさせてその隙に少数精鋭が誰かを誘拐する可能性があるな」

サク

「殲滅されることを想定した政、、、相手側の最低ラインは『政治的優勢の獲得』かしら、美神の魅了はヤバすぎると世界に教え込む大義名分、オラリオが強大だからこんな事が起こったという空気をオラリオ以外に植え付けるための祭りの妨害、もしくは『不特定人物の誘拐』」

アフロディーテ

「、、、祭りはどうでもよかったってのかい」

シェイカ

「各国協力の元に『ハルモニア・スフォルツァンド・フェスタ』は開催されるから、それを妨害することでのインパクトは強い、力技だけどオラリオは強い者の集まりで世界で好き勝手にやってる、なのになんとか出来なかったのかっていう流れが向こうの情報操作で作られると思う」

エイナ

「そんな、、、、!」

春姫

「それも大衆の流れの一つよ」

ハルモニア

 

 オラリオとオラリオ主体の体制に反発する者たちの嫌がらせと某略、そしてここにいるのは各国の代表を任せられる程の有力者、そして春姫のような規格外の力を持っていながらそこまで強くないという誘拐するのにうってつけの存在もいる。暴動を実行した者たちは多くのものから非難されるだろうが、大国の裏取引で魔道具等の力を手に入れることができる。

 

 つまり『祭り』はどうでもいい

 

 

 

「冗談じゃない」

 

「「!」」

 

 ローザが、カリィが、そして他の者たちが、その殺気に反応する。椅子に座って今も何かを書いているがペンを圧し折る程の力を込めてギリギリで耐えている。

 

「でもただ怒るだけでは何も変わらない」

 

 耐えられるからこそ彼なのだ

 

「この暴動を速攻で終わらせて『半月』の延期で祭りを決行させます」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『ベルさんと子供達はダンジョンの下層にいるみたい』

カサンドラ

 

『みんなたくさん稼いでくるって』

ティオナ

 

 眼晶越しに母たちの声が響く、子供達の中でもこの更実力者達は現在ダンジョンの下層でモンスターを虐殺しまくっている。祭りのための遊戯資金調達のためだ。

 魔石をたくさん集めて換金して思う存分遊び狂うのを楽しみにしていた

 つまり

 

 

『皆殺しだな、酌量の余地がねぇ』

フルト

 

『理における最悪の大罪を成すとは愚かの極み!1秒でも早くその命を刈り取って我々の存在する世界を浄化せねば!』

フリューゲル

 

『殺すにしても苦しみは一瞬じゃん、あいつらの肉体を苗床にして植物を栽培してそれで迷惑料を払ってもらってから殺そう』

アスタネット

 

『足はどうしようか、形だけでも残しとく?』

チェロナ

 

『運ぶ時に楽だから消そうよ』

セロナ

 

『引きずってくるからあってもなくても大丈夫だよ』

アニカ

 

『引きずるための麻袋とかロープとかどうすんだよ?血の匂いが付くから使い捨ての形になってだいぶんもったいねぇぞ?』

シュバル

 

『落ち着けバカども、殺したらそれこそ面倒なことになる。どうにか生かしたまま問題を収めろ。恨み辛みは拷問して晴らせ』

アコーディオ

 

『人数が人数だから今ある器具が持つかどうか少し不安だな』

メロ

 

『私が新しいのを買う資金を出してやろうか?』

オルガ

 

『髪を錆色にして髪型も変えようよ』 

ピアノ

 

『みんな、、、、、』 

ツヅミ

 

『落ち着いて!』

リコ

 

 本の一握りの良識派が声を上げるも物の見事に掻き消される。それが現在の彼らの現状、当然の如く武器を装備して飛び出す準備を万端にしている

 

 止められない化け物の行進

 

 のはずだった

 

 

 

「伏せろ子愚兎」

 

「「「「「「「「はいっ!」」」」」」」」

 

 鶴の一声いや帝王の一声でその場の空気が静まり一瞬の静寂が訪れる。

 彼ら彼女らにとってそのお声は聞き逃すことなどできない

 幼き頃からの習慣にも等しい反射運動で皆が一斉に押し黙った

 

 エンバロを引き連れたヘディンの登場、実家からの眼晶から来る声、どうやら徹夜してチビ達の教育計画を練っていたようで目のクマが更に酷くなっていた

 

『調教をし直しても調教を倍がけしても正せない偏屈の魔物どもが、、、お前らの元祖愚兎はどこだ』

 

『確か一緒にダンジョンだったよな?』

 

 ヘディンとエンバロが父親のベルを呼ぶ。ベルは子どもたちの訓練と資金調達のために共に下層に潜っていた

 

『怪我は?』

ベル

 

「家族内にはいません」

コントラス

 

『ならよかったけど』

ベル

 

 自分の子供と妻のいる場所で問題が発生したとなってベルは神速で地上に帰還しようとしたが、眼晶を通じてコントラスから連絡があり今はとどまっていた。

 

『あ!繋がった!』

モニカ

 

 そして今度はオラリオの警備に出ていたモニカが眼晶越しに話に入ってきた。クラリネの直接の姉であるモニカは慌てふためいて『大丈夫!?』『怪我は!!?』『寝れてる!!?』と支離滅裂な言葉の羅列で場を混乱させるがそれに飲まれるコントラスではなかった

 

「モニカ、祭りは半月の延期が必要だけど必ず開催させるから安心していい」

コントラス

 

「え!あ、そっか、半月も延期しちゃうんだ」

モニカ

 

 あからさまにがっかりな声を放つモニカだったが、頭の回るものからすればこの発言は聞き逃がせない、そして首もかしげずにはいられない

 

『コントラス兄、流石に半月は無茶じゃねぇか?短すぎるだろ』

シュバル

 

 キレ者のシュバルがコントラスの気になる点を指摘する。これほどの問題が起きて延期が半月程度などあり得ないからだ

 

 まず暴動を鎮めるのは簡単だ。ここにはアイズがいる。その気になればすぐに片がつく、問題はその後だ。暴動を起こした者たちの捕縛、その護送、捕縛された者たちの収容場所、与える食事、傷ついた建物の修繕、そもそも未完成の建物が多いなかでの作業、新たに作るとしても時間と費用がかかり、その作った者たちの中にも暴動に参加したものがいるので完成形は彼らしか知らず、説明を拒否されたらどうしょうもない、暴動に無関係な者たちの仕事の割り振りや伝達の流れを一から作らなければならない

 そして何より大勢が仕事を放棄したうえでの暴動参加 祭りの準備をする人手もとい『数』が圧倒的に足りない

 

 

『勝手を知ってる奴らまで暴動に加わってるなら、命令伝達の変更をすることも必要だ。暴動が起きた直後で付け焼き刃の報連相なんてグダグダになるに決まってる』

メロ

 

 大きな事が片付いてもその後処理は時間がかかる。更に働いていた人手の大多数が捕縛されて役に立たないどころか足を引っ張る始末

 

 現実の数字を知れば知るほど祭りの再起すら不可能なのではと誰もが思ってしまうのだ

 

 

 

 ただし この男を除けば

 

 

 

「数の穴埋めは検討済みだよ」

 

『『『『『『『『『『!』』』』』』』』』』

 

 その一言で空気が変わった。兄弟姉妹だけでなくローザやカリィもそれを感じ取ってコントラスの顔を見る。その目は翡翠色なのに赤く燃えているように見えた

 

 いや 『実際に赤いのだ』

 

 何故なら暴動が始まってからずっとコントラスは再起の計画を目が充血で赤く染まるまで筆跡し続けていたのだから

 

「建築スタッフの穴埋めはオラリオの建築系ファミリアを雇えばそれだけで済む。それ以外も働く衣食住の環境を整えるためにデメテル・ファミリアを雇う、どちらも世界の中心にいる人材達だから『設計』と『到達点』さえあれば素早く仕事をしてくれる。現場の細かい所は本人たちに任せるけど大まかな方針はすでに決めてある。【この場の全ての労働内容は頭に入ってるから】指示書を書いて渡してその通りに動いてもらえばすぐに終わらせられる。雇う人数も依頼するファミリアも依頼料も全部計算し終わってるから数の不足は問題ない、僕たち家族も協力を惜しみません」

 

『ならばノした暴動者達はどうする』

ヘディン

 

「ラキアに押し付けます。あそこは人員は揃ってるし大量の罪人を国の監獄に全員ぶち込んでもらいましょう。今やラキアはオラリオの傀儡ですしそれに『尋問すれば各国の有益な情報が手にはいる』と吹き込めば喜んで承諾するでしょう、脳筋が主体のラキアならその情報を持った所で使いこなせないのでオラリオの不利になることは無い、何よりラキアの情報なんていくらでも引き出せるから実質ラキアの情報はオラリオの物です。細かなこ調整はラキア出身だったあの二人に事務の協力を願うことになるけどトライア兄さんがいるから大丈夫でしょう」

 

「「っ!!」」

 

 コントラスはすでに全ての計算を終えていた。その事実にローザとカリィは息を呑んで驚愕する。未完成の建築だけでなく捕まえた罪人の処遇、更にその労働にかかる費用までも頭に入れていたのだから

 

 だからこそ

 

「ちょ!ちょっと待って!」

 

「カリィさん?」

 

「その、、、色々言いたいことはあるけど、新しい人員を雇うための『費用』事態も少なくはないはずだからそこはどうするの!?祭りが開催されてその売り上げで補填はされるかもしれないけど君の儲けはプラスマイナスで殆ど無いに等しくなるんじゃ!」

 

 『ハルモニア・スフォルツァンド・フェスタ』は多くの者たちが『儲け』のために建てられた計画、商人であるコントラスが本来受け取るはずだった富は補填による費用で消し飛ぶかもしれない、頑張ったのに報われないなどそれこそ本末転倒

 

 だが

 

 

「別にいいんですよ『そのための金』なんですから」

 

「え?」

 

 

 コントラスは涼しい顔のままカリィに向かって落ち着いた返事をした。あまりの落ち着きっぷりに勢いが衰えたカリィは何も言えなくなってしまう

 

 

「『BUNNY・PARRY』のみんな聞きたいことがある」

 

「「「「「「ん?」」」」」」

 

 その場にいる妹達に声をかけた

 コントラスは一呼吸おく

 そして

 

「こういう政が関わった戦い、君たちならどうするかな?」

コントラス

 

『BUNNY・PARRY』の妹達はコントラスの言葉にキョトンとした後、少しだけお互いに目を合わせ、再びコントラスの方を向いて

 

「そりゃ頭のいいやつに任せたほうがいいだろ」

シェイカ

 

「暴れてうるさくグチグチ言われるのは嫌だし」

ゼラ

 

「専門家に任せたほうが面倒がなくていい」 

サク

 

「純粋な武力行使は最後の手段でしょ」

ユーフォニア

 

「コントラス兄さんたちに任せる」

クラリネ

 

「え、えっと、子供の出る幕じゃない?」

ソプラ

 

 頭脳労働な読み合いなど一部のものしかできない領域の戦争、考えなしに介入すればそれでこそ自分達の家族を危険にさらしてしまう可能性もある。何も分からないなら分かる者を信じて静観するのが正しい判断なのだろう

 

 

 

 

「OK、なら今度は眼晶の奥にいるみんなにも聞こう」

コントラス   

 

『『『『『『『『『『ん?』』』』』』』』』』

 

 

 

 

 

 

 面倒ごとのない武力行使ができるなら?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「殴って」

シェイカ

 

「踏みつけて」

ゼラ

 

「切り刻んで」

サク

 

「焼き尽くして」

ユーフォニア

 

「道徳と人権のそんちょーを守って」

クラリネ

 

 

 

 

 

『『『『『『『『『『『殺す!』』』』』』』』』』』

 

 

 

 

 

 

 子供達の声と殺意が一つになってその場にビリビリと熱が立ち込める

 純粋ゆえの混じり気のない殺意

 人のなかにある獣の心の解放

 自分の意思を遮ろうとする者たちを絶対に許さないとする自我

 

 

「そう、それが僕たち」

 

 コントラスは家族の殺意に応えるようにその場で立ち上がる

 

「僕が金を稼ぐのは究極的に言えば『意思を守る』そのため、自らの意思で獣になるならそれもまた立派な人のあり方の一つということ、それを固定するために、その背中を押してあげるために、あらゆる場面で人の歩みを加速させる金がいる!獣になりたい家族を獣にしてあげるために僕がいる!それが僕の役割だから!!」

 

 

 兄の声に呼応する

 『BUNNY・PARRY』も立ち上がる

 ※ソプラは怯えて固まっている 

 

 

「オラリオにいるみんなに頼むのは『逃げる者たちの捕縛』一人残らず逃さず包囲を貼って欲しい、僕たちを現在包囲している者達は『僕たち』で対処する」

 

 増援の到着を待つ必要なんてない

 

『BUNNY・PARRY』のメンバーで暴動者全員ぶち潰す

 

 始まるのは神速の速さでの蹂躙劇

 

 

 

「さぁ!蹂躙を始めよう!」

 

 

 

 あのヘディンですら調教出来なかった自我

 

 時に品性を投げ捨てる獣の如き精神

 

 本能とも言える雄叫びが今ここに叫ばれた

 

 

 

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