旧作:色彩のせいで、死にたいのに死ねなくなりました   作:蒼雲しろ

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現在、第1編の設定を練っております。
その中で改めて第0編を見直したところ、自身の見切り発車による部分もあり、物語の流れに納得しきれていない点がありました。

本作を読んでくださっている皆さまに、より良い形で物語をお届けしたいと考え、このたび第0編をリメイクすることにいたしました。

リメイク:銃を持つ少女たちと死に損ないのブルーアーカイブ
https://syosetu.org/novel/406745/

リメイク版は設定や展開を整理し、より一貫性のある物語になるよう構成し直す予定です。
1編もリメイクの方で投稿します。
なお、現在公開中の内容とは一部異なる展開になる可能性がありますので、あらかじめご了承ください。

閲覧いただいた皆さま、お気に入り登録や温かい感想をくださった皆さま、本当にありがとうございます。

そして、急な変更となりますこと、深くお詫び申し上げます。

新しく生まれ変わる物語も、引き続きお付き合いいただければ幸いです。今後とも本作をよろしくお願いいたします。







お詫びになるかわからないのですが、SSを。


SS おやすみ

「ホシノ?」

 

 生徒会室の扉を開く。

 中の明かりはついていなかった。

 

 時計の針を刻む音だけが室内に響いていた。

 

 中央の机。

 

 窓から月明かりが差し込む場所。

 

 そこに伏せていたのは、ホシノだった。

 

 桃色の髪を広げ、肩を上下させている。

 

 音を立てないように、扉を閉める。

 

 寝ていた。

 普段から、何かと理由をつけて夜まで起きようとしているホシノ。

 早めに寝るように伝えているのだが、どうもいうことを聞いてくれな。

 

 パトロールだったり、夜に掃除をしたりなど。

 様々なことをやっていた。

  

 流石に一人でやらせるわけにもいかず、手伝っていた。

 それがお気に召したのか、ことあるごとに夜の活動を行うようになった。

 

 ……家に行けないなら、学校で一緒にいればいいという魂胆だろう。

 

 それでいいのか、と聞きたい部分はあるが、下手にこちらから話題を振るわけにもいかない。

 せっかく借りた家だが、帰る機会は少なくなりそうだとは思った。

 

 夜のアビドスは偉容に静かだった。

 音一つないその無音の夜。

 多少、怖くもなるが。

 

 嫌いではない。

 星も、月も。

 濁ることなく見上げることができる。

 都会だと、こうもいかないだろう。

 

 夜の星を眺めては、何度か思っていたことがあった。

 

 俺は、後どれだけ彼女を助けられるのだろうか。

 

 これは、まだ夢なんじゃないか。

 

 ふとした時に、夢から覚めて。

 

 何もかも、終わるんじゃないかって。

 

 そう思うと、どうも胸のあたりが締まるような思いがする。

 

 ただ、それでも。

 俺は誓った。

 ホシノの為に生きる、と。

 

 最後のその瞬間まで、君のために命を尽くして見せよう。

 

 心の中で誓っては、苦笑いをする夜。

 痛い自分の行動を、誰か許してはくれないだろうか。

 

 席に着き、机に伏す。

 

「おやすみ」

 

 

 月星に照らされた、一人きりの教室で。

 

 眠りに落ちた。 

 

 

 


 

 

 目が、覚めた。

 顔を持ち上げる。

 窓から差し込む月明かりを受ける時計を見やれば、とっくに日をまたいでいた。

 

 急いで帰り支度を進める。

 荷物をバッグに詰め込み、銃を持つ。

 

 扉に手をかけるとき。

 

 扉が開いていた。

 

 私が閉め忘れただけかもしれないが。

 

 ……カナメさんが、来たのだろうか。

 

 扉を開ける。

 

 足音を消しながら、廊下を歩く。

 

 昇降口が見えた時、その正面にある階段を見る。

 

 ……一応、覗いてみることにした。

 

 階段を上がる。

 音を立てないように、急いで。

 

 階段を上がり終えた二階。

 

 目の前の教室の扉を覗く。

 

 そこら見えるのは――。

 

 

 静かに通れる隙間だけ扉を開ける。

 

 窓際の住人の隣の席に腰を掛ける。

 

 荷物を机のフックにかけ、彼の方を向く。

 

 月の光を受けて、丸まりながら寝ているカナメさん。

 

 冬場に教室で寝ていたら寒いだろう。

 

 かく言う自分も、寝ていたが。

 

 お互いそこまで厚着ではないのだ。

 

 ……

 

 椅子を寄せる。

 

 音を立てないように寄せて、寄せて。

 

 肩がくっつくくらい。

 

 近くに来るだけで、あったかかった。

 

 思わず、頬が緩むのが自分でもわかる。

 

 でも。

 

 今なら、だれにもみられることはない。

 

 この、小さな幸福を――。

 

「おやすみ」

 

 そうつぶやく。

 

「うん。おやすみ」

 

 隣には。

  

 ()()()()()()()()()()の彼。

 

 夜にも負けないほど、深い碧の瞳が。

 

 私を見ていた。

 




閲覧ありがとうございます~!
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