327人殺した転生美少女の俺は、誰も殺していない ~首を刎ねると、現代日本で目を覚ます~ 作:里奈使徒
第1話「鬼教官」
肺が、焼けていた。息が上がる。足がもつれる。
路地裏で俺を殺そうとした男が、今も俺を特訓と称して殺そうとしている。
誰か助けてくれ。
深夜の坂道。アスファルトが街灯の光を反射している。三本目の坂。今夜だけで二回リュックに追加された重りが、肩に食い込んでいる。
コンビニの自動ドアが開く音、店員の二度見、自販機の唸り。前世で見慣れた東京の夜景が、ぼやけた視界の中で揺れていた。
「足が止まっているぞ」
前を行く男の声。表情ひとつ変えず、振り返らずに言う。
男の名はヴァン。傭兵時代、猟犬と呼ばれた男。標的を定めたら、最後まで追い詰めることからそう称された。
「はぁ、はぁ、はぁ、ヴ、ヴァンさん少し休憩――」
「そうか、そんなに重りを追加されたいか」
「くっ、わ、わかりましたよ」
ルーシェはやけくそ気味にダッシュを開始する。
息が、また上がる。汗が目に流れ込む。前を行くヴァンの背中は、平然としたままだ。距離が縮まらない。
いくつか坂を上ったり、降りたりを繰り返す。
――き、きつい。今の身体がいくら運動神経いいと言っても、元オッサンの精神だぞ。
――ビ、ビールかっくらってごろ寝したい。
足が鉛のように重い。一歩一歩が前より格段にスタミナを消費している。そのため徐々にスピードが落ちていく。
「どうした? またペース落ちてきてるぞ」
「ヴ、ヴァンさん、も、もう無理だって。タクシー使わせて」
「ほぉ、そんな口を利けるとはまだまだ余裕のようだ。もう二周追加するか」
「い、イエッサーボス! 大丈夫です。無理じゃありません。まだまだ走れます!」
気合いを入れ直して、足を必死に動かす。動かない太ももを、無理やり回す。ペースが、少しずつ戻ってきた。
まるで軍隊の新兵訓練だ。
頭の中で、勝手に歌が流れ始めた。
――PSウォーズを知ってるかい?
昔のCMの節回し。地獄の特訓を、能天気なマーチで讃える、あの絵。
まさか自分が、その新人兵の側になるとは……。
訓練を頼んだのは、自分だ。敵か味方かも分からない、得体の知れない奴がレッドジョンに注目していると、ヴァンから聞いたからね。
身を守るために特訓してくれとお願いしたよ、確かに言った。言ってしまったよ。
――あぁ、自己責任だよ。ちくしょう。
「右、曲がれ」
「う、うん……」
言うしかない。膝に手をつきながら、足を引きずって坂を曲がる。次の坂が見えた。
――また上り? ふざけるな。もう何本目だよ。箱根駅伝の選手でもこんなに登んないぞ。きっと多分。
重りが、地面に引きずられそうな感覚で揺れる。
――ヴァンさん、やっぱり俺を恨んでんじゃないか?
まるでサドの鬼教官だ。
あの夜、ヴァンが家族との再会で全部水に流したと思っていた。コウメが、ヴァンに説明して誤解を解いてくれたのに。理屈では、納得しているはずだ。
でも。
――狂気のルーシェは、ミラさんとエリちゃんの名前を出して侮辱しながらヴァンさんを殺そうとした。その記憶まで、流せるか?
ちらりと前を見た。
ヴァンの背中。息も乱さず走っている。
その視線を感じたのか、ヴァンが肩越しに振り返った。
目が合った。
ヴァンが、にやりとした。
な、なんだその笑みは……。
――この人、楽しんでないか?
ようやく坂を上り切った時、ヴァンが立ち止まる。
「ここまでだ」
「……はぁ……はぁ……」
――やっと、終わった。
――も、もう限界。指一本動かせない。
ぐったりと、その場に倒れ込む。冷たいアスファルトが、頬に当たる。
深夜の空気が、肺に染みる。星が、ぼやけて見える。
しばらく余韻に浸っていると、ヴァンが、腕時計を見た。
「戻るぞ」
ヴァンが踵を返した。
「えっ!?」
「家まで戻るぞ」
「はい」
――もっと休みたかったが、まぁ少しは回復したし、行くしかないか。
疲れた体を引きずるように、ゆっくり歩き始めた。
「ルーシェ」
「なんですか?」
「何を歩いている?」
「えっ、だって特訓は終わり――」
「終わっていない。走れ!」
絶望、というのはこういう顔をするのだろう。
鏡があれば見れてたね。
ヴァンの激に重い足を、無理やり前に出す。
「はぁ、はぁ、くっ、き、きつ……い」
なんとか走るていを見せたが、ヴァンが先に走り出した。みるみる差が広がる。遅れると何を言われるかわからない。慌てて追う。
その時――歩道の端、街灯の影の境目に、見知った男が立っているのに気づいた。壁にもたれて、こちらを見ている。
カイン。ヴァンの元弟子で、傭兵時代の後輩だった人。
そしてもう一つ――憲兵のドグの、相棒だった人だ。あの夜、貧民街の朽ちた娼館で、病に倒れた恋人と一緒に死のうとしていたところを、ルーシェが日本に送った。
ドグは、カインが日本で生きていることを知らない。カインがレッドジョンに殺されたと知った時のドグの落ち込みようはひどく、ドグを思うセリアまで落ち込む負の連鎖であった。
できれば真実を教えたいんだが、それをすればギフトの特性を失う。
――うん、ジレンマだ。
「ルーシェちゃん、お疲れ様」
ルーシェが思案していたら、カインが軽い口調で手を振ってくる。
ヴァンは視線も向けずに走っていく。カインはというと、ルーシェの横に並んで、笑みを浮かべていた。
「懐かしいな。ヴァン師匠のその訓練。俺も昔、吐いて吐いて吐きまくって胃が空っぽになったっけ」
――カインめ、いやなことを言いやがる。今日はヴァン家に招待されてミラさんの絶品ハンバーグを頬張る予定なのに。そんな胃状態じゃ食べれないじゃないか。
嫌じゃ嫌じゃ、そんなのいじめだよ。
「他にも水を飲むと殴られるとか、休憩したら重り追加とか、いろいろあるけど基本は一緒、弱音を吐いたら厳しい罰が待っている。ヴァン師匠は、教え子が吐こうが倒れようが、走らせるから。俺も何度死にそうになったかわからない」
――マジかよ。俺さっきから弱音吐きまくってるぞ。
そんな感じでカインはヴァンの特訓がいかに地獄かを高説してきた。それを聞いたルーシェはこれから受ける仕打ちを想像して青ざめている。
「はは、ちょっと脅かしすぎたかな。まぁ、安心してよ。本当に殺すまでやらない。その見極めができるのがヴァン師匠の凄いところさ」
――やめろ。全然安心できないぞ。
ジト目でカインを睨んでいたが、当の本人は我関せずだ。何気なしに、ルーシェのリュックを、ひょいと持ち上げた。
「軽っ!?」
カインが驚いた顔で、こちらを見る。
「ヴァン師匠、ずいぶん甘々な内容ですね。新兵の女の子でも、この三倍の重りをつけてましたよ」
――は?
――今、何と言った?
「あー、戦場の鬼と言われたあなたが、ねぇ」
カインの目が、面白そうに光っていた。
「うんうん、ルーシェちゃん、娘のエリちゃんに少し似てますもんね。そりゃ、厳しくできない」
にゃんだと!? ヴァンを見た。
ヴァンは、視線を逸らした。
――俺、エリちゃんに似てる?
ズイッと、ヴァンに顔を向けて詰め寄る。
――どうなんですヴァンさん? 上官殿?
ヴァンは、視線を逸らしたままだった。
いや、待て。
それより、もっと大きな問題がある。
あの地獄の特訓で、甘々な内容?
……甘々な内容で、これ?
――じゃあノーマルコースはどれほどのもんになるんよ。
「カイン、あんまりからかうな」
ヴァンが、ようやく口を開いた。
「すいません、つい」
カインが軽く肩をすくめる。
「休憩は終わりだ。行くぞ」
――えっ!? 今のって休憩してたの? カインと話すためにペースを緩めてはいたけど、一応走ってたんだぞ。
ヴァンがペースを上げた。カインも上げる。ルーシェも必死に後ろを追う。
帰り道は、行きより悪夢だった。
下り坂は膝に響く。上り坂は肺を絞る。平坦な道は、もはや何も感じない――感覚が麻痺している。
深夜の住宅街を抜け、商店街の裏を通り、橋を渡る。何度も通った道だ。
古い木造の家。ヴァンの今の住居。玄関の灯りがついている。ミラが起きて待っているのだろう。
――や、やっと着いた。ゴール。
足が棒のようになっている。体がフラフラ揺れる。
――も、もう死んでも動けない。喉カラカラ。
汗がアスファルトに落ちる。一滴、二滴。重りを下ろすと、肩が浮き上がるような錯覚があった。
ヴァンが、ため息をついた。
「これくらいで、情けないぞ」
「ヴァン……さん……み、ず……もう……無理……はぁ……はぁ……」
「――ったくしょうがない奴め。ほら」
ヴァンが、冷えたスポーツドリンクを、差し出してくる。
震える手で、受け取った。キャップを回して、口に運ぶ。
ごくごくごく。
半分ほど、一気に飲み干した。
――ぷはっ。生き返ったぁ~。
しばらく、その場で膝に手をついた。荒い呼吸が、少しずつ整っていく。汗が引き、鼓動が落ち着いてくる。
何分だろうか、五分か、それ以上か。
朦朧としていた意識がクリアになる。うん、力が戻ってきた。
ヴァンが、先に立って玄関を開ける。
玄関の外の冷たい夜気と、家の中の暖かさが、肌の上で入れ替わった。
「おかえりなさい」
ミラの声。柔らかい、いつもの声である。
台所から、夕食の匂い。焼けた肉汁の香ばしさ。
――ハンバーグだな。
腹が、ぐぅ、と鳴った。
――そりゃそうだ。水分補給と休息を終えたら、次は腹が食い物を要求する。
廊下に、エリの小さな靴。奥の居間から、テレビの音。
顔を上げる。玄関の三和土に、ミラが立っていた。
白いエプロン。栗色の髪を後ろで束ねている。すっかり健康そうな顔色になっていた。
「ただいま戻りました」
「お疲れ様。ルーシェちゃん、すごい汗ね。お風呂、沸いてるわよ。ハンバーグも焼いてるから、上がったらすぐ食べて」
――神様か。ミラさんは女神か。
――疲れ切った体に、風呂とハンバーグの二連撃。この甘美な誘惑に抗える者などいないだろう、いやいるわけがない。
「ありがとうございます……」
「無理しちゃダメよ。うちの人、厳しすぎるんだから」
ミラがヴァンを軽く睨む。ヴァンは無言で靴を脱いでいる。
奥の部屋から、ぱたぱたと足音。
「お姉ちゃんおかえりー!」
エリが飛び出してきた。寝間着のまま、髪が少し乱れている。眠そうな目を擦りながら、こちらに駆け寄ってきた。
ぎゅっと、抱きついてくる。
「お姉ちゃん、頑張ったの?」
「う、うん……頑張った、頑張ったよエリちゃん……」
「えらいえらい」
エリが、ルーシェの頭を撫でてくる。背伸びして一生懸命に。こちらも天使だよ。おっさんの疲れた心に染みわたる。
――癒される。でも、お風呂行きたい……。
「あらあら、エリ、お姉ちゃんお疲れだから」
ミラが穏やかに引き剥がしてくれる。
風呂場に、そそくさと向かった。
ゆっくりと湯船に浸かる。全身の筋肉が、じんわりとほぐれていく。
はぁ~ばばんんが……ばば……♪
風呂上がり、さっぱりした顔で居間に戻る。
食卓には、ルーシェの分のハンバーグと味噌汁が用意されていた。エリちゃんが、ルーシェの隣にちょこんと座った。
ミラが、温かいお茶を淹れてくれる。剥いたリンゴも小皿に載せて、そっと出してくれた。
腹ペコのルーシェは一気にハンバーグを平らげた。
肉汁が口の中に広がる。うまい。
味噌汁を啜る。だしの香りが、鼻に抜ける。
ミラが、無言でハンバーグをもう一つ、皿に載せてくれた。
剥いてもらったリンゴを、一切れ、口に入れる。甘酸っぱさが広がる。
満腹になって、ようやく人心地ついた。
ふぅ、人心地ついたところで、ヴァンを見る。ヴァンもミラの料理に舌鼓を打ち、満足そうだ。うっすらと笑みを浮かべている。
――うん、かなり機嫌良さそうだ。これは!
――前々からヴァンに言いたくて、主張したくて、要望したいことがあった。今こそ、このタイミングだ。
「えーっとですね、ヴァンさん、少しお話が」
胸の前で指先を絡めながら、切り出した。
「なんだ?」
「私、日本に滞在できる時間って、四時間ぐらいでして」
「知っている」
「で、その、四時間全部特訓だと、その、心が死ぬというか、いやもちろん体も死ぬんですけど、心の方が先に死んじゃいまして」
――俺から頼んだこととはいえ、この修行辛すぎる。せっかく日本に戻っても修行だけって、どこの戦闘民族だよ。
――異世界での安全のため、修行するのは仕方がない。でもね、少しは心のオアシス作ってもいいだろ?
「……何が言いたい」
「漫画喫茶、行きたいんですけど」
――言ってしまった。
部屋の空気が、凍った。正確にはヴァンの雰囲気が変わった。
――おぉい、いきなり不機嫌になるなよ。さっきまで愛する妻の料理を食べてご機嫌だったじゃないか?
――うぅ、失敗した? でも言ってしまったのはしょうがない。こうなれば全部言おう。
「あと、配信のアニメも追いつかなきゃいけなくて、新刊のラノベも気になってて、ガンプラの限定品の発売日もあって――」
「待て」
「は、はい」
「お前は何のために特訓を受けている」
「強くなるため、ですけど」
「そんな態度で本気で強くなれると思っているのか?」
「いや、特訓だけだとほら、何かご褒美的なものがあれば合間とか、ちょっとだけモチベーション上がるし、その方が強くなれるか、かもかも?」
「ルーシェ、俺はまだまだ甘かったようだ。まだそんな甘ったれたことを言うとは……次の特訓は覚悟しておけ」
「ひぃぇえ!」
――やぶへびだった。余計、しんどい目に遭う。
その時。
隣のエリが、ヴァンをじっと見つめた。
成り行きを見守っていたエリが、口を開く。
「パパ」
「な、なんだ?」
「ルーシェお姉ちゃんかわいそうだよ」
「うっ、だ、だがな、甘ったれてばかりではルーシェのために――」
「パパ、お願い」
上目遣いで、両手を胸の前で合わせたお願いポーズ。
――おぉ、ちいさくてもさすがは女の子。男心、いや、この場合は父心をくすぐる術を知っている。
――可愛い。破壊力抜群だ。俺もうっかり頷きそうになるぞ。
――よし、俺もエリちゃんに乗っかれ。
ルーシェも、両手を胸の前で合わせた。エリちゃんと並んで、上目遣いでヴァンを見つめる。
「ヴァンさん、お願~い」
ヴァンが、ふっと目を逸らした。それから、ぽつりと呟く。
「……週に一日だけだ」
「やった!」
「それ以上は許さん」
「ありがとうございますヴァンさん大好きです!」
ルーシェの内心で、全力のガッツポーズが決まる。
ヴァンが、軽く頭を抱えて「俺もずいぶん甘くなった、ダメだ」と、呟いた。
「そんなことないよ。駄目じゃない。ルーシェお姉ちゃんすごく喜んでいる。強いだけじゃなく優しい素敵なパパだよ」
ヴァンが、頬を染めて視線を逸らした。歴戦の傭兵の顔が、娘の一言で崩れたよ。
――ただの子煩悩なパパだ。
「へぇ〜、ヴァンさんも娘さんの前じゃ形無しですね」
そう言って、にやにやと見ていたルーシェだが……。
ヴァンが恥ずかしさで顔を背けながらも、ジロリとこちらを睨んでいた。
うっ!? からかいすぎると後が怖いからな。この辺にしておこう。
ミラも、そんな状況を見て口元を押さえて笑いを堪えていた。
ヴァンが、ごまかすように咳払いをする。
「ゴホン、そろそろ、武術の基礎を教えてやる」
「えっ!? 基礎鍛錬卒業できるの? やった」
「勘違いするな。卒業レベルには達していないぞ。まだまだ基礎鍛錬は不足している。だが、そうも言ってられんからな」
極限まで走らされたり基礎鍛錬は嫌気が差してたのは事実。歴戦の傭兵が教える武術は興味がある。
「えへっ、それは面白そうかも」
「それは重畳。お前が走るほうがまだましだと言わないことを祈ってるぞ」
ヴァンが、そう言って席を立って廊下に消えた。
――おい不穏な言葉を残していかないでくれ。武術の訓練ってそんなにえげつないの?
◇
ヴァンは、静かに扉を閉めた。
灯りはつけない。月明かりが、窓から細く差し込んでいる。
ベッドの脇の小机の、ロケットを手に取って、開いた。
ミラとエリ。今、隣の部屋で眠っている家族。
四年前、エリが枯死病と診断された。傭兵に戻り、危険な依頼を受け続けた。
三ヶ月の依頼から戻った時、家は荒れ果て、家族は貧民街に落ちていた。
RJの血文字。廃屋の床。青い髪飾り。布人形。
――あの夜、俺の中で何かが死んだ。
半年間、レッドジョンを追った。追い詰めて、最後に倒したのが――あの娘だった。
――殺すと信じて追い回していた相手が、家族を返してくれた最大の恩人だった。
ヴァンは、自分の右手を見た。月明かりに照らされた、傭兵の手。
この手で、あの娘の首を絞めた。ナイフを振り下ろした。鎌が一瞬早かっただけで、状況が少しでも違えば、あの娘は今ここにいなかった。
今でも、夢に見る。少女の柔らかい首に、刃が触れる寸前の手応え。
あの娘は、恨み言を一度も口にしていない。
――厳しくするのは、感謝だけではない。償いでもある。それしか、ない。
――優しい娘だ。本音を言えば鍛えたくはない。あの子は戦場に立たせたくはない。俺がそばにいられればと思う。平和な日本で幸せに暮らして欲しいと切に思う。
――ただ状況があの子を許せない。傭兵の勘がささやいている。彼女の敵は、これまで俺が対峙してきたどの相手よりも、遥かに凶悪だと。
――だから、この手で守れないなら、この手で強くするしかない。
ロケットを閉じて、小机に戻した。
――甘ったれているが、肉体の才はある。十分な時間と環境が揃えば、化けるだろう。
――だが、俺が想定しうる最悪のパターン。あの連中が動き出すなら悠長にはしていられない。あの手段だけは使いたくないが、この際、選んでいられない。