内緒やで、ぶっちゃけダサいと思っとんねん。術師が得物使わんの   作:器用貧乏ならっこ

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連続投稿9日目です。(良いんじゃない?)と心の中のカッシーが言ってる。

本編には全く関係ないので、飛ばしてくれて構わないお話です。



※皆様が思ってるような展開にはならないと思います。それでも良い方は読んでください。

それと直哉は羂索戦を経て死の淵に立ってないので、”反転術式”と”領域展開”を習得してません。
なんなら叩き直されてもいないのでそこまで無法な拡張術式もなく、割と弱体化してます。
(あとは言わんでもわかるやろ?そういうことや)


【番外編】 if禪院家

「ほんなら真希ちゃんは呪具の回収しといてな、鍵渡しとくわ」

 

そう言って直哉は真希に忌庫の鍵を渡す。

 

その後別れて直哉は甚壱の元へと向かった。

 

綺麗に掃除が行き届いた長い廊下を歩き、直哉は甚壱の居る部屋へと足を進める。

 

「ようやく来たか」

 

「どうも甚壱くん」

 

そう言って二人は椅子に腰を掛け、互いに向き合った。

 

「それで、この手紙はどういうことだ?」

 

そう言って甚壱は直哉に手紙を差し出す。

 

「どうもこうも、そのままの意味や。恵くんから当主を譲ってもらう代わりに”死滅回遊”に参加することになったから、その間甚壱くんに家を任せたいと思っとんねん」

 

それに対して直哉は数日前に甚壱に向けて送った手紙の意図を説明した。

 

「理解はしたが、扇に話を通さなくて良いのか?」

 

甚壱は暗に自分だけに声をかけた理由を話すよう促す。

 

「扇さんはなあ……頭があかんわ。どうせ俺が当主になった時もキャンキャン吠えてたんやろ? そんなパッとせえへん人のこと眼中にあるわけないやん」

 

直哉は扇を馬鹿にして、そう嗤った。

 

それに甚壱は「そうか」とだけ言って黙る。

 

その時、”躯倶留隊”が警鐘を鳴らした音が、直哉達の耳に届いた。

 

「なんや、喧しい」

 

そう言って直哉は部屋を出る。

 

「甚壱さん! 真希が乱心しました。扇さんを殺害、現在”躯倶留隊”が処理に当たっています」

 

そう蘭太が言うと

 

「は?」

 

直哉は困惑の表情を見せた。

 

 

 

 

 

◆◆

 

 

 

 

 

『全部壊して。全部だからねお姉ちゃん』

 

そう真依に言われた真希は、忌庫から出て禪院家本家へと続く道を歩く。

 

「居たぞ! 頓の間だ! 正体不明の呪具を二振り確認!」

 

「囲め囲め!」

 

異常を察知した”躯倶留隊”の人員が、素早く真希を取り囲み、いつでも攻撃できるように構えた。

 

十二分に人員が集まった時、一人の隊員が「かかれ!」と言い出すその直前

 

「ちょい待って」

 

禪院家28代目当主──禪院直哉がその場に現れた。

 

「なんだ、やらないのか?」

 

“躯倶留隊”の動きを止めた直哉を、真希は挑発する。

 

「今の禪院家当主は俺や。せやのに俺になんにも言わずにしょうもないことやらかして扇さんが死んだだけやろ? 別にどうでもええ」

 

直哉は扇が死んだことを気にも留めずに話した。

 

「で、どうするつもりなん?」

 

直哉は真希にこれからのことを問いかける。

 

扇は禪院家──”炳”に属する人員の一人だ。

 

いくら直哉が扇のことを馬鹿にしようとも、その事実は変わらない。

 

故に真希は謀反人──処罰対象だ。

 

そう判断した真希は嘘偽りのない気持ちを言うことにした。

 

「禪院家を全部壊す」

 

そう宣言した真希は近くに居た”躯倶留隊”の面々を斬り殺し、直哉へと襲いかかった。

 

「!」

 

直哉はそれにすぐさま反応。斬撃を躱し、後ろへと下がり外に出る。

 

「直哉!」

 

それを見た甚壱が助太刀をしようと側に行くが

 

「下がっといて。アイツは俺が殺したる」

 

直哉はそれを拒否し、真希へと向き合った。

 

「いきなり攻撃してくるとか非道いなあ……人の心とかないんか?」

 

「ああ、アイツが持っていっちまったからな」

 

そう言って二人は構えを取る。

 

(アイツからは呪力が一ミリも感じられへん……ってことは肉体は甚爾くんとおんなじスペック、完全体のフィジカルギフテッドや。油断はせん)

 

「秘伝・落花の情」

 

そう判断した直哉は落花の情で不足の事態に備えつつ隙を見てフリーズさせ、渾身の一振りを放つことにした。

 

「フッ!」

 

真希は真依の命と引き換えに手にした鋼の肉体──それを駆使して直哉へと詰め寄る。

 

スピードを活かした高速の斬撃、それをフルで活用して素早く直哉を倒す腹づもりであったが、直哉も負けじと対抗する。

 

真希の斬撃をいなし、弾き、時には反撃の一手を取る。

 

さらに投射呪法を使用した神速の抜刀術を混ぜ合わせ、緩急をつけた攻撃で真希と互角に渡り合った。

 

だが、その均衡は容易に崩れる。

 

「!」

 

直哉は刀をフリーズさせてカード状に圧縮し、打ち合うつもりでいた真希の体勢を崩し、その隙を狙ってフリーズさせた。

 

フリーズした真希に、神速の斬撃が襲いかかる。

 

「チッ!」

 

だが、真希に与えた傷は致命傷へと至るものではなかった。

 

それでも真希の身体に小さくない傷をつける。

 

追撃をしようとするが、後ろに下がった真希によってそれが躱された。

 

だが、直哉の目的は剣術で雌雄を決することではない。

 

(オマエやない! ”アッチ側”に立つんは! 俺や!)

 

直哉は自身の背中の空気に掌を当て、フリーズさせる。

 

それを叩き割り、衝撃波を利用して真希へと近づいた。

 

「抱いてやるよ」

 

「!」

 

一直線に突っ込んでくる直哉に、真希は”不知火型”の構えを取る。

 

(真っ向勝負っちゅーわけか!)

 

直哉は術式を使用してさらに加速していく。

 

(力は重さと速さ! 最高速度でブチ抜いたる!)

 

真希の目の前まで来た時、直哉は真希の肩に触れ、術式を発動させた。

 

“投射呪法”使用者の掌に触れられたものも、同じように1秒を24分割した動きを作らねばならず、失敗すれば1秒フリーズする。

 

失敗すれば1秒──

 

触れられた真希に対して直哉は依然、トップスピードを維持していた。

 

直哉の拳が真希へと当たる瞬間、真希が後ろを振り返る。

 

「24回だろ。オマエも直毘人の爺も速いだけじゃねえ、違和感があった。この身体になってようやく見えたよ」

 

そう言って真希は直哉へと渾身の一撃を振りかぶった。

 

それは当たれば間違いなく直哉は一撃でダウンする──そう感じさせる威力であった。

 

「残念、こっちはカウンター前提で動き作っとんねん」

 

尤も、当たればの話ではあるが

 

「!」

 

直哉は瞬時に真希の後ろへと回り込み、刀を具現化させ一閃。

 

その渾身の一振りは、疲弊した真希の意識を奪うには十分であった。

 

 

 

 

 

◆◆

 

 

 

 

 

『…』

 

『…希』

 

『真希』

 

『真希』

 

「!」

 

『真希。起きて』

 

自身を呼ぶ声に反応して真希は身を起こす。

 

すると目の前には死んだ筈の自身の片割れが居た。

 

「真依……」

 

弱々しい声で片割れの名前を呼ぶ真希。

 

そこには言葉にできない罪悪感を孕んでいた。

 

「ごめん……真依」

 

そう力なく俯き、真希は謝罪の言葉を口にする。

 

『なに謝ってんのよ、アンタは私で私はアンタだった。でも今は違う。アンタはアンタで私は私なの、諦めるのは私だけで良い。でもアンタは”たかが一回”負けただけで諦めるの?』

 

そんな真希に対して、真依は発破をかける。

 

それが真依にできる唯一の”呪い”であったから。

 

『それに、どうせアンタはまだ死なないわよ。だから、いつか全部壊してね』

 

お姉ちゃん、と言い遺して真依の姿は消えていった。

 

それを真希が見送ったあと、世界は白く輝く。

 

真希は覚悟を決め、何かを掴む感覚を呼び起こしながら目を覚ました。

 

「任せて、真依」

 

そう呟き、真希は立ち上がる。

 

「なっ!?」

 

それに気づいた”躯倶留隊”の面々が声を上げようとするも、すぐさま喉を突き刺し死に至らせる。

 

そのまま”釈魂刀”を回収し、此方へと意識を向けていなかった直哉へと迫った。

 

「直哉!」

 

だがそれに気づいた甚壱が術式を発動し、殴りにかかる。

 

加えて蘭太の術式により、真希は身動きを取ることが難しくなった。

 

甚壱の術式が真希へと襲い掛かり、大きな音を立てて地面が陥没する。

 

「やりましたね……甚壱さん」

 

目を潰された反動で、蘭太が目から血の涙を溢しながら項垂れた。

 

それに真希は目も向けず、隣を通り過ぎながら甚壱の首を持って歩く。

 

「……冗談やろ?」

 

「マジマジ。大マジだよ」

 

そう言って真希はトップスピードで直哉の間合いへと飛び込んだ。

 

対する直哉も投射呪法を使用し、神速の抜刀術を真希へと放つ。

 

真希に渾身の一撃が当たる瞬間──空中で真希は身を翻した。

 

(どーいうこっちゃ!?)

 

真希は今、死の淵に立って生還したことで”ゾーン状態”へと陥っている。

 

それがフィジカルギフテッドの優れた空間把握能力、五感を限界まで引き上げ”空気の面”を捉えることに成功した。

 

真希は直哉との間にあった”空気の面”を蹴って身を翻したのだ。

 

そのまま”空気の面”を蹴り続け、縦横無尽に直哉の周りを駆け回る。

 

「秘伝・落花の情」

 

直哉は瞬時に戦闘スタイルを切り替え、待ちの姿勢を取る。

 

“落花の情”のフルオート迎撃を利用して、初速からトップスピードで真希を斬り払うつもりであった。

 

真希の攻撃に反応し、渾身の一振りを放つ。

 

だが

 

「!」

 

そこには”釈魂刀”しか存在していなかった。

 

真希は”釈魂刀”を直哉に投げつけ、自身はそれに直哉が反応し、”投射呪法”を使って動きを作り、斬り払うと予想していた。

 

“投射呪法”は動きを作ったあと、1秒間その動きを後追い(トレース)する。

 

故にその1秒間は何があっても動きを変更することができない。

 

その仕様を真希は利用した。

 

真希の拳が隙だらけの直哉の後頭部に直撃し、直哉の身体は衝撃で地面に伏す。

 

そこに真希は”釈魂刀”を使い、止めを刺した。

 

「〜〜クソアマ……がぁ!」

 

そう言い遺し、直哉は息絶える。

 

「やったよ。真依」

 

全てを壊した真希の顔は、晴れやかな顔をしていた。

 




素直哉くんなら負けないと思った?残念普通に負けます(人の心とかないんか?)

一応このルートでの素直哉でも、禪院家時点での覚醒真希なら勝てるよな…と思いました。

殴る蹴るしかない原作と違って、素直哉くんは手札も豊富ですしね。
伊達に渋谷事変前でも一級最強やってる訳じゃありませんよウチの素直哉くんは。

ですけど流石にこの状態での素直哉くんでは桜島時点と同等のスペックを手にした真希には勝つのは厳しいですね。

羂索戦を経た主人公素直哉くんなら…どうなんでしょうね?(真依ちゃんに聞いてみよか)

それに言っちゃなんですが…普通に真希のこと虐めてたりもしましたし…

まあ、因果応報ってやつです。ハイ(ごめんちゃい♡)


最後になりますが、今回のお話いかがだったでしょうか?

個人的には納得のいくものができたかな…と思ってます。
なんとなく皆様が思ってたようなやつとは違うかもしれませんが…そこは申し訳ない。
(色々挑戦中です。拙いですが温かく見守ってくださると助かります)

それとこのお話はあくまでifのお話なので本編には全く関係ございません。(全くでもないけど)




(内緒やで、ぶっちゃけ素直哉は真希を殺そうとしてなかったで。なんなら斬り伏せた後、出来た傷を手当てしようとしとったねん。せやから悪いのは真希(真依)ちゃんと扇さんや)
と心の中のドブカスくんが言ってます。ごめんなさい

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