内緒やで、ぶっちゃけダサいと思っとんねん。術師が得物使わんの 作:器用貧乏ならっこ
と心の中のサマーオイルくんが言ってます。いやぁ本当に素晴らしいですね(自画自賛)
三人が乙骨を視認した直後、乙骨がビルの屋上から飛び降り、コンクリートを陥没させた。
「誰が虎杖くんの……なに?」
そう言って乙骨は刀を肩から下ろし、三人を見据える。
「ちょい待って、味方やで。君……乙骨くんやろ?」
そう言って直哉は乙骨に話しかけた。
「俺は禪院直哉、真希ちゃんのいとこや。君と同じで上から虎杖くん殺せ言われとる」
「安心しい、君の邪魔はせん。その代わり虎杖くん殺した後で、伏黒恵くんの居場所を教えてくれんか? 彼に会ってちょっと話し合いしたいねん」
直哉の提案に乙骨は思案する。
乙骨は去年、真希から禪院直哉について少し聞かされていた。
曰く、ドブカス。自分の欲だけを考えた人の心がこれっぽっちもないやつだと。
そんな相手に一対一で自分の可愛い後輩を会わせるわけにはいかないと乙骨は考えた。
「……わかりました。その話し合いの場を設ける代わりに、僕も立会人として参加してもいいですか?」
故に乙骨は直哉に対して提案をする。
「まあ信用ない相手といきなりサシで会わせろとかあかんわな。ほなそれでええよ」
「ありがとうございます」
乙骨は直哉の好感触な返事に少し戸惑うが、それを表情には出さず虎杖と脹相の方を向いた。
その瞬間、虎杖が駆け出す。
それと同時に脹相が虎杖を追う乙骨を妨害するために『穿血』を放つが、直哉がそれを妨害した。
「君のそれ、赤血操術やろ?」
そう言って直哉は脹相に話しかける。
元より自身の役割は脹相の足止め、無理に戦闘不能にする必要はない。
そう判断して直哉は会話である程度時間を引き延ばそうとした。
「なんで持っとるんかは知らんけど、『穿血』以外はそんな怖ない。ほんでそれを出すには『百斂』デカいためがいる」
そう言って直哉は嗤う。
「あとは言わんでもわかるやろ? 詰みや、死ぬで君」
それに対して脹相も語る。
「確かにお前の言うとおりかもしれない。だが、俺には負けられない理由がある」
その直後、脹相は『赫鱗躍動・載』を最大出力で発動させる。
「フッ!」
「!」
直哉は術式を発動し、脹相に高速で近づいた。
しかし、脹相はそれに反応する。
先ほどの戦闘から脹相は直哉にスピードでは敵わないと確信していた。
故にまずは相手の動きを視る。そして反撃をする。
直哉のスピードは確かに脅威だが、決して反応できない程ではない。
脹相はそう判断した。しかし……
「残念、こっちはカウンター前提で動きつくっとんのや」
直哉は脹相の反撃を危なげなく回避し、先ほど懐に戻した刀を再び具現化させ、脹相の腹に突き刺す。
「なぜまだ刀が……」
先ほど仕舞ったはずの刀が再びいきなり現れたことに脹相は驚きを隠せなかった。
「ああ、これ? 俺の術式の『拡張術式』でな。こんな感じに色んなもんを小さくして、カード状にすることが出来るねん。ほんでそれを好きな時に解除すれば、具現化させれる。便利やろ?」
そう言って直哉は刀に付いた血を拭く。
「用意がいいんだな」
「やろ? そんな用意のいい俺から君にアドバイスや、内緒やで? ぶっちゃけダサいと思っとんねん。術師が得物使わんの」
そう言って直哉は血を拭き取った紙を捨て、脹相と向き合う。
「一個質問。呪霊と術師で難易度の差が激しいのはなんやと思う?」
「……」
脹相はその質問を無視して直哉を睨み続ける。
「それは自分の身体を簡単に治せるかどうかや」
直哉は脹相の沈黙を気にもせず続けた。
「呪霊は呪力の塊で出来とる。せやから呪力さえあればいくらでも身体を作りなおせるけど、術師はそうもいかん。『反転術式』っていう呪力を正のエネルギーに変える技術がないと身体を治すことなんか直ぐにはできん」
「せやけど術師続ける以上は、そのリスクを考えながら呪霊を祓除せなあかんやろ? 本当はさっき言うた『反転術式』を習得できたら良かったんやけど、あれは難易度が高くてな。流石の俺でもまだコツを掴めてないねん」
そこまで話すと直哉は刀を納め、少し持ち上げて脹相に見せる。
「そんなリスクを下げてくれるんが、得物や。こいつがあれば大型の呪霊とのリーチ差を多少は埋めれるし、突いたり斬ったりと攻撃の幅も広がる。虎杖くんみたいに打撃が通用しにくい硬い相手にもダメージを与えることが出来るしな」
「うちの兄さん方も、みーんな刀持って呪霊祓除しとるで」
そう話す直哉に脹相は聞く。
「仲が良いんだな」
「いや? 全然仲良うないで。普通に嫌いや」
「兄の真似をして刀を使い始めたのではないのか?」
その質問に、直哉は顔を顰めながら言った。
「今、めっちゃキショいこと言うた? ドン引きやわ。誰があんなポンコツの真似すんねん」
「嫌いなんだな」
「嫌いやね。弟より出来の悪い兄なんかおる意味ないやろ」
そう言って直哉は構える。
「そのおかげで、今のオマエがあるのかもしれんぞ」
「ハッ、んな訳ないやろ」
脹相の発言に不服だと言わんばかりに直哉は駆け出す。
しかし、それより速く脹相は直哉に大量の血液を浴びせようとした。
それを察知した直哉は間一髪で回避する。
(どういうこっちゃ!? あの出血量でなんで死んでないねん)
しかし、脹相の目的は直哉に血を浴びせることではない。
直哉のスピードを削ぐことが目的であった。
自身の呪力を血液に変換して大量に放出し、地面を血液で埋め尽くす。
直哉が移動すると、血液が飛び散り服に染み付く。
それを脹相は固定化させ、動きを遅くするという腹づもりであった。
その目論見は成功している。
「あとは分かるな。詰みだ」
『穿血』の構えを直哉に見せながら脹相が語る。
「どうやろな」
先ほどの攻撃を回避した直哉と脹相の距離は離れた。
直哉が刀を持ちながら、脹相に接近する。
そこに、脹相は自身の150年の研鑽をぶつけた。
「『超新星』」
圧縮された血が、散弾銃のように高速で飛び、直哉に攻撃を与える……
筈であった。
「せやから言うたやろ、こっちはカウンター前提で動きつくっとんねん」
まあ、この世界線の直哉なら普通に勝てるよな…と思いまして。
てか油断してなかったら原作の直哉でもあの時点の脹相には勝てたと思うんですよね。
(これだからドブカスは…)
感想や評価等してくれると、私の心の中のドブカスくんが(最高速度で書き上げたる!)って言ってやる気を出してくれると思います。