魔法少女リリカルなのはAnother~侍と呼ばれた青年~   作:Yuino

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ちょいっと強引に終わらせた感が否めない。

ども、Yuinoです。

でも、Sts編に進むためのお話とかする間考えると、こうするしかなかったんです(言い訳)

ということで、今回は特に酷いですが、どーぞー


10:終結

 Lost Deviceとそれに関わる情報について

(機密レベルextra)

 ロストデバイスとは、古代遺失物、通称”ロストロギア”をベースとして設計、開発されたものである。

 ほとんどがロストロギアそのものを流用し、デバイスフレームの中に埋め込むことで、そのロストロギアの能力を安定起動させ、デバイスとして発動することが可能になっている。

 しかし、安定発動するためには、ロストロギアが保有する莫大な能力を制御することが必要である。制御するためにかかる負荷を限界まで軽減するため、元となったロストロギアと同じ形状を取ることが多い。例を出せば、剣の形をしたロストロギアを使用した場合、デバイスのフレームも剣の形をしていなければ安定的に発動できない可能性がある。

 これは、前述の通り”可能性がある”ということである。

 ロストデバイスに関しての情報は稀少で、管理局内のデータベース上にも片手で足りるほどしか存在しておらず、デバイス開発担当も手を焼くほどの代物である。

 

 そのため、これの開発に成功した人物は次元世界の中でたった二人しか存在しない。

 

 そのことにより、二人はある意味次元世界に名を馳せた英雄となった。

 

 その人物達の名前は■■■=■■■■■と、■■■■=■■■■■■である。

 その二人は管理局に在籍し、デバイスマイスターとして多くの局員の補助に一役かい、そして彼ら自身も、エースと呼ぶにふさわしい魔導師だった。

 しかし■■■■■は、開発に成功した二つのロストデバイス”喰種大鎌”と”核熱霊砲”を二人の元管理局員に手渡したと同時に退局し、その行方を眩ましている。

 そして、■■■■■■は■■■■■が退局後も管理局に在籍し、失われた二つのロストデバイスを回収するためにその二人の持ち主と相対したが敗北。下半身不随となった今も、特別戦略技術研究部、通称”SSDR”を設立し、その二人の行方を追いかけている。

 

 

 

 

 

 

--海鳴倉庫街

 

 ジンの振り下ろした刃が、ジェイソンの腰から生えた触手を一本、切り落とした。

瞬間響く哭泣。泣き叫ぶような声をジェイソンは発しながら、残った三本の触手、鎌の付いた尾、肩から伸びる鋭利な骨剣、両手の無骨な刃、それらを縦横無尽に振るい、ジンのことを引きはがそうとする。

 しかし、それごときで引きはがされるようなジンではない。

 

「甘いなぁ、ジェイソン!」

 

 乱雑に振り回される無数の刃。ジンはそれらを剣と盾で裁いていく。

 剣で弾き、盾で受け流す。そのたびに飛び散る火花を体中で浴びながら、ジンは一つ一つの攻撃を丁寧に裁きながらジェイソンと相対していく。

 そして、何度目かの攻撃を弾き飛ばしたとき、ジンは大きく剣を振るいジェイソンのことを僅かに遠ざける。その距離、僅か三メートル。互いの射程距離には入っているが”若干遠い”という、そんな微妙な距離。

 しかし、その微妙な距離こそ、ジンが望んだ最高の距離!

 

「この距離、待ちわびた!」

 

 キィィィィイ、と響く金属音に近い高音。ジンが構えた剣--ヒースクリフの刃が赤銀色に煌めくと同時に盾に備え付けられたユニットに剣を収納。

 瞬間響くガシュンッという装填音。剣を収納したまま、ギュルンと盾の上下が勢いよく反転、盾そのものが小型の大砲となり、その砲門がジェイソンの身体のど真ん中を捉える!

 

「メギドブラスタ・クロスレンジシフト!」

 

 ゴウッ、と空を焼くような炎熱砲が走る。もちろん、三メートルという近距離。避けれはしない。そうジンは、八割考えていた。

 しかし、ジェイソンは--

 

「■■■■■■■■!!!」

 

 その残った少ない二割の方を、彼の剛運を以てなのか、強引にたぐり寄せる!

 身体に残った武装のすべてを高速で動かして、しかも両手からは魔力障壁を展開してその砲撃を凌いで見せた。

 そして、その障壁の向こう側から放たれようとしている赤黒い魔力球。防御しつつにもかかわらずかなりの密集率だとジンは心底驚きながら、笑みを隠せなかった。

 ジンはジェイソンのここまでの行動を全て織り込み済みで行動していた。今の一連の回避行動や、砲撃を防御してくること、そしてその防御中に次の攻撃の備えをしてくることさえ、戦略の中に織り込んでいた。

 それ故に。

 

「今だ、サー・ヒジリ!」

「だから、その名前で呼ぶな!」

 

 聖がこのタイミングで切り込んでくる。そのことも戦略の中に織り込んでいる!

 超がつくほどの低空。それほどまでに体勢を低くし、なおかつ高速で接近してくる聖のことを、防御に手一杯でさらにジンに対して反撃まで仕掛けようとしているジェイソンは気がつくはずもなく--

 

「天剣佐々木帝流、抜刀の型! 蒼天!」

 

 ジェイソンの腰から生えた三本の触手は、”抜刀の型・蒼天”により瞬く間に切り落とされていく。

 響く断末魔の声。痛みを振り払うような大咆哮とともに、ジェイソンは四方八方に砲撃をぶちかましていく。

 それらを聖は全神経を回避に全振りして砲撃を回避していき、ジンは冷静に盾で一つ一つ防御しながら様子をうかがう。

 

「くそ。これじゃ埒があかない」

 

 聖は思考する。この強敵に、どう挑めば勝利を収めることができるのか。

 もっとも有効なのは、相手の弱点を突き、一撃で仕留める、ということ。しかしそれは、相手の弱点が判明していることが前提にある。今回はジェイソンの弱点が判明しておらず、しかも明らかに自分より実力は上。つまりこの作戦でいく場合、弱点を探しながら戦う、ということになる。現状自分より実力が上と判明しており、なおかつ弱点が判明していない状態では、この戦略はあまりにもリスキーすぎる。そんな風に聖は考えていた。

 その思考の渦に飲み込まれ欠けていたとき、とんと聖の肩に手が置かれる。振り向くと、そこにはぼろぼろになりながらも笑顔を浮かべている龍吉の姿。そして、彼に続くように愛機を手に取る、なのは、フェイト、はやての三人。

 まったく、そろいもそろってバカばかりだな。ぼろぼろになってるのに、手助けせずにはいられないなんて。そんな風に聖は思いながら、ふっと口元を僅かにつり上げる。

 

「勝算はあるん?」

「今のところはゼロに近い。でも、ないわけじゃない」

「うん、良かった。それなら、何とかなりそう」

 

 はやての問いかけにそう答える聖。その言葉を聞いて、愛機(レイジングハート)を構えて僅かな笑みを浮かべるなのは。そんな彼女を見て、苦笑いしながらも同じく愛機(バルディッシュ)を構えるフェイト。そんな彼女たちを見て、覚悟を決めたように構えをとる龍吉。

 彼らを見ながらジンは再び彼らの先頭に立ち、叫ぶ。

 

「活路は私が開く」

「任せました、アームスレイン執務官」

「ふふっ。キミがそう言ってくれるとは思わなかったな、テスタロッサ=ハラオウン執務官? それでは--ヒースクリフ!」

-御意に-

 

 ジンが剣を盾に収納。響く、ガシュンガシュンというリロード音と空薬莢が落下する乾いた金属音。

 新しいカートリッジがリロードされ、剣を引き抜く。瞬間巻き起こる魔力の奔流。ジンの剣--ヒースクリフに充填された赤銀色の魔力の光が、暴風を伴って激しく輝く。

 そして、ゆっくりと剣先で円を描くようにしてから構え--

 

「爆ぜよ、雷電!」

-Blast lightning-

 

 気合裂帛。

 疾風迅雷。

 まさにそんな熟語が似合うような猛加速。

 ゴウッ、と響くジェットエンジンのような轟音。

 そのたった一度の踏み込みは瞬間移動とも同義、そんな加速。ジンは一気にジェイソンへと接近していく。

 完全に不意をつかれた彼は、迎撃は間に合わないと判断。残る武装を総動員させて防御に徹する。

 しかし、それがジェイソンにとって悪手となってしまう。

 

防御する(そうくる)と思ってた!」

 

 ぐぐぐっと力をため込むようにしてから放たれる、高速に近い一突きは、彼の防御を完全に突き破り、彼を吹き飛ばす。

 一瞬だけ、たった一瞬だけ怯み、たたらを踏むジェイソン。その瞬間できた、ほんの僅かな隙。

 そして、その”一瞬の隙”は、彼らにとって最大の好機となる!

 

「今だ、テスタロッサ=ハラオウン執務官!」

「はぁぁっ!!!」

 

 ソニックムーヴの影響で巻き起こる光の尾を引きながらジェイソンへとフェイトが接近する。低く低く構えたバルディッシュの刃先がコンクリートを弾いてバチバチと火花を散らしながら突撃していく。

 

「■■■■■■■■■■!!!」

「せやぁぁぁっ!」

 

 ガギンと鈍い音を響かせながら、ジェイソンの両手の刃とフェイトのバルディッシュの刃先がぶつかり合う。ギチギチと鈍い金属音と、火花を散らしながら拮抗する。

 

「■■■■■■!!!」

「----っ!?」

 

 ジェイソンは、拮抗している状態から抜け出さずにフェイトへ向けて両肩の骨剣、尾に付いた鎌をほぼ同時に振り回す。それに反応して彼女は後方へ跳ね飛ぶように回避するが、三発の斬撃中、回避しきれなかった尻尾の一発が彼女の頬を掠め、鮮血が吹き出す。

 

「やっぱり、彼の攻撃手段全てに伸縮性があるんだ。特に、あの鎌の付いた尻尾は要注意みたいだ」

 

 フェイトに対しての三発目。あれは完全に彼女の死角、ほぼ真後ろから飛んできたものだった。見た目以上のリーチに驚かされながら、フェイトは歯を食いしばる。

 

「伸縮性のある攻撃とか、厄介すぎるにも程があるだろ」

「防御しながらの攻撃なら何とかしのげる。しかし、二人のような回避メインの戦い方をする魔導師にとっては天敵のようなものだな」

 

 何とか合流し、再び構え直す聖とフェイト、ジンの三人。フェイトは頬から吹き出た血を拭いながら言い、聖とポジションを交代する。

 先程から振り回されている攻撃手段の内、伸縮性があるのは肩の骨剣と鎌の付いた尾。肩の骨剣は二メートルほど、鎌付きの尻尾はそれ以上の伸縮性があり、その分リーチに差が出る。攻撃可能範囲が大きくなるだけで、それは圧倒的戦力差となる。

 

「それでも、いかなきゃいけない。弱点が分からない以上、攻め続けなければ勝機はない。最悪、あの鎌をどうにか出来れば--?」

 

 瞬間訪れる疑問。そして、聖は理解した。

 簡単なことだったじゃないか。彼の弱点は、ほとんど分かり切っていたのに、何故判断出来なかったのか。

 聖は雪風を構えながら、後ろで機を待つなのはとはやてに対して合図を送る。

 うなずく二人。彼女たちのそれを確認してから、聖は一歩前に出てゆき風を中段に構える。

 

「フェイト、ジン。援護を頼む」

「何か、わかったんだね?」

「だからこそ、の台詞だろう? なら、今はついて行くのみさ」

「助かる、ありがとう」

 

 そんな会話を交わしながら、フェイトとジンは自分の周辺に射撃スフィアを数個展開し、発射準備をとる。それを聖はみて、さらに後方で砲撃準備に入っているなのはとはやてを確認。そして--

 

「今!」

 

 一気に飛び出す!

 それをみて、ジェイソンは口を大きく開け赤黒い魔力スフィアを展開。さらに自分の周囲にも射撃スフィアや砲撃スフィアを無造作に大量展開し--

 

「■■■■■■■■!!!」

 

 聖を迎撃せんと一気にそれらを解放する!

 彼に迫る、壁のような大量の砲撃。

 それを正面に据え、聖は思った。

 彼を一人で対処するなんて、無理だったんだなと。

 しかし、今、彼は一人ではない。

 

「ディバイン、バスター!!!」

「クラウソラス!」

「サンダースマッシャー!」

「メギドブラスタ、シュート!!」

 

 四色の光が、彼の後方からまっすぐに伸びる。

 なのはのディバインバスター、はやてのクラウソラス、フェイトのプラズマランサー、そして、ジンのメギドブラスタ。四色の砲撃が全く同時に放たれ、ジェイソンの砲撃の全てを打ち落とし、相殺していく。

 猛烈な爆発の中を掻い潜り、聖はジェイソンの眼前へと迫る。

 しかし、それすらジェイソンは予測していた。

 

「な--っ!」

「グゴアァァァァッ!!」

 

 獣のような咆哮。振りかぶられた右腕の刃。赤黒い魔力が込められたそれの切っ先は、すでに聖の身体を捉えていた。

 しかし、聖は止まらない。残された体力を総動員させ--

 

「おおぉぉぉっ!!」

「■■■■■■■■!?」

 

 その一撃を回避し、彼の後ろに回り込む!

 そして、見えた。聖がたてた、彼の弱点という仮説。

 尾に付いた、大きな鎌が!

 

「魔力回路、雪風に直結--」

 

 きゅっ、とその場で構えをとる。

 ジェイソンは振り向いてくるだろう。そして、すかさず防御の構えを取るだろう。

 しかし、もう関係ない。

 

「限定解除、承認。斬鉄、起動--」

 

 魔力が充填される音とともに、雪風本体が軋みをあげた。

 嫌な音だ。そんな風に思いながら、聖は狙いを定める。

 まるで、今いる空間そのものがスローで動いているみたいだ。

 

「秘剣--」

 

 たっ、と地面を蹴ってジェイソンに接近。その距離、一メートルと少し。

 ジェイソンが尾を守るように身体を反転させる。

 だが、もう遅い!

 

「--燕返し」

 

 走る閃光。数は三つ。

 それらは、見事にジェイソンの尾と身体を切り離し、そして両肩と両腕の武装までも切り落とした。

 瞬間、ジェイソンの動きがピタリと停止する。彼から放たれていた魔力砲も、魔力弾も。彼に関係しているもの全てが、停止する。

 くるくると回転しながら宙を舞う大鎌。なのはとフェイトはそれを一瞥すると、愛機を構えなおして狙いを定める。そして--

 

「エクセリオンっ!」

「トライデント!」

 

 高音をたてながら収束されていく魔力。

 色は、金と、桃。

 二色が重なり、そして、放たれる!

 

「バスター!!」

「スマッシャー!!」

 

 轟音をたてて撃ち出される高圧縮された魔力の塊。それは、寸分狂うことなく大鎌を飲み込み、そして粉微塵に変えていった。

 一度魔力の塊が収束し、弾ける。それは、その場にいた全員をきれいに飲み込んでいった。

 




ということで、はい。感想とかお待ちしております。

次回より、後日談、ついでにStrikerS編に至るためのお話になります。

では、次回からもよろしくですよ!
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