見知らぬ世界
俺はただ何の変哲のない普通の学生だった、陽キャでも陰キャでもなく、成績も普通、運動神経も良くも悪くもなく交流関係も朝から起こしてくれるような幼馴染もいない、部活も真面目に時にはサボったり、大会も基本的には1、2開戦突破くらいの実力、放課後もたまに友達と遊びに行ったりするだけ。昔からそうだった、そんな俺の人生はここで幕を閉じるらしい、こんな普通の人生を歩んできた俺だが、運は悪いらしい…
信号無視をしたトラックがこちらに向かって走ってくる俺との距離も1mぐらいにしかない。突然溢れてくる今までの記憶、瞬間的にこれが走馬灯だと理解する。以外にも頭の中は冷静だった、しかし、時間は止まってくれない。無慈悲にも俺の体を突き飛ばす。肉が爆ぜる音と、その場に居合わせた人達の悲鳴…なんな中俺は来世ではもっと刺激的な生活を歩みたいな…っと呑気なことを考えながら瞳を閉じた……
「…起きっ…ろ…早くっ…ここは…危…ないから」
(何だ…?声がする?頭が痛い、てゆうか俺はどうなったんだっけ?確か……)
「起きろ!!!」ドカッ
「グハッ……」
(何だ急に腹が痛ェ…そうか…俺はあの時トラックに引かれてその後は…)
「あっ…ご、ごめんやりすぎた。だ、大丈夫?」
(心配する声が聞こえる。その声の方向を向くと、白い髪に、紫と水色のグラデーションがかかった眼、そして、白い羽が生えている少女がいた)
「まだ腹の奥がジンジン痛むけど大丈夫」
「そうか…なら良かった」
(ホッっとする彼女を横目に周りを見渡す)
(何処だここ?窓が何ヶ所か割れており、壁や天井の塗装が剥がれているまるで廃墟のような…天国にしては、雰囲気が悪い。ふと窓を見ると、反射した自分の姿が見えた。そして俺はありえない光景を目にした、俺の頭の上に変な光の和みたいな物があるのが見えた)
(おいおいマジかよ…マジで俺天国に連れて行かれたのか?そういえば俺の体は…)
体を隅々まで確認する
「怪我をしていない?」
「確かに殴ってしまったが、そんな大きな怪我をするレベルではないと思う。」
「いや、違う君が殴った所ではないよ」
(色々と気になる所があるけど、まずは情報を集めよう。)
目の前の少女に話しかける
「ここは君の家なのかな?」
「いや…違う。今私はとある人達に追いかけられて、ここには隠れているだけだ。その道中に君が倒れていたからここに連れてきた。」
「そうか…ありがとう。」
「早速なんだけど、ここはどこなんだ?」
「ここはアリウス自治区の離れた所だ」
(アリウス…?初めて聞く所だ)
「そういえば君は誰かに追われているって言っていたけど、誰に追われているんだ?」
「それは…「見つけたぞ…」
「っ!!」
急に俺たちの目の前に現れたガスマスクを付けている少女たち、その少女たちの手には…
「銃…!!」
(おいおいマジかよ…普通に法律破ってんじゃねーよ…銃刀法違反はどうなってんだよ)
一斉に銃を放たれる瞬間…俺は少女に腕を引っ張られた
「危ない!!」
間一髪彼女のお陰で助かった
「逃げるぞ…」
そう言い彼女は窓を突き破って外に出て行った
しばらく無我夢中で逃げていき、違う廃墟に隠れることにした
「ハァ…ハァ…」
(目覚めてそうそうこれかよ…運が悪りーな)
(息を切らせながら自分の運の悪さを呪いながら周りを見渡す…追ってはまだ来て無いようだな。)
「ごめん…私のせいで巻き込んでしまって…」
「いや大丈夫だよ、さっきはありがとう君が助けてくれなければ俺は蜂の巣になってた所だ」
「さっきの人達は何なんだ?」
「一から説明するよ」
「さっきの人達は簡単に言うと私の仲間だ」
「仲間なのに追われているのか?」
「それは…私が逃げ出したことで、連れ戻しにやってきてるんだ。」
「何で君は逃げ出して来たんだ?」
「私がいた所は地獄そのものだ…毎日暴力は当たり前、ご飯も食べられない時もある、逆らえば死ぬ可能性もある。そんな恐怖と暴力に支配されている所から逃げ出したかった…それだけだ」
「そうか…」
(彼女は、虐待みたいな事を受けて来たらしい…そんな彼女をよく見ると、所々にアザがあったり、服もボロボロだった…そんな彼女に俺が出来ることはただ一つ…)
「分かった…君のその逃亡手伝うよ」
「…!いいのか?死ぬかもしれないんだぞ?」
「どうせ俺ここの土地勘も無いし、さっきの彼女達に会ったら即殺されるし、なら、君と一緒に逃げた方が俺の生存率も上がるからな。それに、君の事もほっとけないし、ここで逃げたら男としてのプライドがないからな」
「ありがとう…えーと…」
「そうか、まだ名乗ってなかったな、俺の名前は、葉ノ宮カオル。カオルって呼んでくれ」
「私の名前は白洲アズサ、私もアズサって呼んでくれて構わない」
「よろしくなアズサ」
「うん!よろしくカオル」
「まず逃げ出すために作戦会議をするか、アズサは何を持っているんだ?」
「そうだな…まずこのアサルトライフルと、グレネード二つ、スモーク弾と閃光弾が一つづつ…正直ここに来るまでに結構消費してしまった…」
「まてまてまてまて、何でそんなに銃火器を持っているんだよ?」
「何でってキヴォトスでは当たり前のことだろ?」
(キヴォトス…聞いた事のない所だ…異世界転生?有り得るのかそんな事…でも、まぁ日本では有り得ない事が起こりまくっているし、もしかしたら、俺の知ってる世界ではないかもな。)
「信じて貰えないかもしれないけど、俺は多分ここの世界の住人ではないと思う。」
「やっぱりか…」
「あれ?知ってたのか?」
「襲撃された時に、カオルは襲撃自体じゃなくて、銃その物に驚いていたから不自然だったんだ。そして今、私が武器を持っていることに驚いていたから自然と…」
「この世界に銃を持っているだけで、驚く人はいないから。」
「えぇ……(困惑)」
(マジか、どんな世界だよ)
「俺は、ここの世界について何も知らない…だからここを脱出した後に教えて欲しいこの世界の事を。」
「分かった。だけどその代わり、私にも教えて欲しいカオルの事や、カオルがいた世界のことを。ダメ…か?」
「ダメな訳ないだろ、俺みたいな普通の人間でいいなら」
「ありがとう」
「さて、まずは逃げ切らないとな」