アリウス転生   作:お茶漬け2

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憧れ

「はぁ…疲れた…」

 

(サオリめ…俺がサボったからって、1週間訓練メニューを増やしやがって…まあ、サボった俺が悪いんですけどね)

 

そんな悪態をつきながら拠点に戻って行った

 

「…あ、お帰りなさいカオルくん」

 

「おー、ただいま」

 

雑誌を読んでいた鎚永ヒヨリが話しかけてきた

 

「あれ、皆はいないのか?」

 

「はい…リーダーはまだやる事があるらしく、姫ちゃんはマダムに呼ばれて…ミサキちゃんはお風呂に入っていて、アズサちゃんは自主練してると思います…」

 

「そっか」

 

そう返事をし、俺もそこら辺に座り作業を始める

 

「何をしているんですか?」

 

「ん?ああ、今ちょとスモークグレネードの改造をしているんだ」

 

「改造?」

 

「このスモークグレネードの中にマダムから貰った薬品を混ぜているんだ」

 

「そうなんですね…」

 

「最初はこの薬品をまんま使おうとしたけど、流石に危険すぎたから効果はだいぶ薄めてる」

 

「流石にキヴォトス人でも火傷跡が残るレベルのは聞いてない…」

 

「そんな危険な効果なんですか!?」

 

「まあ、これが完成したら、破棄するけどな」

 

「いちよう残そうか考えたけど、そこら辺に置いてると、鎚永が飲んでしまうかもしれないから、安全面を考えてね…」

 

「うわぁぁん、私そんな馬鹿だと思われてるんですか……??」

 

「ははっ、流石に冗談だよ」

 

(一瞬鎚永ならやりそうだと思ったが、流石にないな…アイツあれでもアリウス内の精鋭だし…意外と疑り深いし)

 

「凄いですね……よくマダムから貰えましたね」

 

「まあ、実験の余り物だし、それに何個かは本来の物よりも効力が薄い失敗品もあるらしいからな」

 

「それでも、持っとくだけ得だし、俺の戦闘の幅も広がるしな」

 

「なんで…カオル君は戦えるんですか?」

 

「戦える?それはお前だって戦えるだろ?」

 

「あ…そうじゃなくてですね…なんでこんなにも前向に生きていけるんですか?」

 

「……だって…カオル君は私たちと違って銃弾1つでも当たったら致命傷になります…いくら治ると言っても、痛いものは痛いです。なのになんで…カオル君は銃を持てるんですか?それに武器の改造もしていますし…」

 

「うーーんそうだなぁ〜」

 

「何個か理由はあるけど、可能性があるから?」

 

「どうゆう事ですか?」

 

「俺はここに来るまで銃を撃ったこともなんなら持ったこともないし、戦闘なんてしてこなかったからな」

 

元々俺はキヴォトス外の人間だ。銃を持っていたら逮捕されるし、普通に生きていた俺は喧嘩とかは無縁な人生だったし

 

「だからだろうな、今までの常識が覆ったんだ。今までできなかったことを俺はやりたい。もしかしたら新たな可能性が見つかるかもしれないから」

 

「それに何も成し遂げずにただ死ぬのはもうしたくないから」

 

「……それはただ苦しいだけで…なんの意味もないですよ…」

 

「否定はしないよ…確かに銃の腕は最初よりもずっと上手くなっている、だけどお前らに比べたら俺は全然だ」

 

「…じゃあ…なぜ前を向けるんですか?」

 

「それがまだ諦める理由じゃないからだ」

 

「諦める理由じゃない?」

 

「確かにお前らより下手だが、銃の腕は確実に上がっきてるのは事実だ。ちょとずつでいい勝てば官軍なんだから。」

 

「まだ無理と決まった訳じゃないのに諦めるなんでもったいないだろ?いくら才能がある奴も最初はなにも分からないところから始まるんだ。そっから成長していくんだ」

 

「それに、今作ってるスモークグレネードもそうだ。俺には気配を消す才能があるらしい、その可能性を潰さないようにしているだけさ」

 

「可能性がゼロでなければ俺は前を進んで行きたい」

 

 

「あと、これが一番の理由なんだが…」

 

「それは……」

 

「それは……」ゴクリ

 

 

 

「銃を使えるとかっこいいからだ!!」

 

「えぇ、そんな理由なんですか?」

 

「おま、そんな理由って、これが一番大事に決まってんだろ!!」

 

「銃は男子皆の憧れだろ!!」

 

「……そうなんですか?」

 

「みんな小学生の頃してただろ、授業中に銃持ったテロリストが来て、銃を奪い取ってテロリストを撃退する妄想」

 

「やっぱり憧れってのは止められないよな!」

 

「羨ましいです……」

 

「私には…カオル君みたいに前を向くことも、憧れを持つこともできません」

 

「まあ、そりゃそうだろ」

 

「……やっぱりそうですか…」

 

「勘違いすんな、お前に出来ないとは言ってないぞ」

 

「どうゆう事ですか?」

 

「俺とお前じゃ考えも違うし、元々居た環境も違う」

 

「俺はさっき言ったが、ここに来るまで、銃を撃ったことがないそれほど平和なところだったんだ。だからアニメや漫画やドラマを見て憧れを持っただけだ」

 

「お前らは正直言って環境が悪すぎる。それはお前らの落ち度ではない。それは確実に言える」

 

「昔からあのクソ野郎に虚しいだったり、虚無感だったり憎しみだったりを埋め込まれてるからなマイナス思考になっても仕方ない」

 

「だけど子供はいつか親を離れて自立をしなきゃいけない」

 

「いつまでも言いなりになるな、俺達は人間だ嫌なことがあったら逃げていいんだ。逃げる事は恥じゃない。だけど、逃げるために自分と立ち向かわないといけない」

 

「お前らはそれが出来てないだけさ」

 

「人に頼っていいだけど、結局は自分自身で決めないといけない」

 

「だから生きることを諦めないでくれ」

 

「そう……ですか……」

 

「ごめん、ちょと熱くなりすぎた」

 

「いえ、大丈夫ですよ」

 

「いきなりやれとは言わない。本当にちょとずつでいいんだ1mmでもいい、0よりはましだ」

 

「こんな話を聞いてくれたんだ褒美をやるよ」

 

鎚永に雑誌を渡す

 

「えっ……これって…」

 

「前マダムに呼ばれた時に病室にあった雑誌をパクってきた。結構最近のやつだ」

 

「あそこの病室俺とアツコ以外誰も使わないから多分バレない」

 

「決めるのは自分自身だが、後押しはしてやる」

 

「アリウス外には色々ある。ちょとでも希望を持ってくれれば嬉しいよ」

 

「あ、ありがとうございます…」

 

そういい、作業に戻った。鎚永と外の話をしながら皆が来るのを待った

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