アリウス転生   作:お茶漬け2

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選択

(今日はいい収穫ができた…)

 

ルンルンで拠点に戻っていた

 

「おーい、アズサ!!」

 

「!!…カオル…」

 

「今日の訓練は終わったのか?」

 

「うん。カオルも任意終わり?一人で任意に行ってたって聞いていたから心配してた」

 

「色々とアクシデントがあったけど、何とか大丈夫」

 

「そうか…」

 

他愛もない話をしていたが、一つ違和感があった…

 

「どうした?アズサ、体調が悪いのか?」

 

「そんなことは無いけど、どうして急に…?」

 

「顔色が悪いって言うか、何か思い詰めてるような気がして…」

 

「そう…か……」

 

「今朝、マダムに呼ばれていたけど、その事か?」

 

「………」

 

「別に無理に言わなくていいよ。」

 

「体調悪いなら早く休めって話だし、そうじゃなくても、アズサもアズサなりに事情があって言いにくい事があるなら、話してくれるまで待つよ」

 

「……ごめん…」

 

「別に謝ることは無いさ」

 

沈黙が続く……

 

その沈黙を破ったのはアズサだった…

 

「私、近々トリニティに転校することになったの」

 

「へぇーそれはまた急に」

 

「トリニティと仲良く…いや、それはないか」

 

「うん、私を使った諜報活動らしい…」

 

「でも、意外だな…こうゆうスパイ活動でアズサを起用するって…」

 

アズサも別にスパイ活動ができない訳ではない…だけど、トリニティへの潜入なら社交力のある梯スバルだったり、他の人の方が適任者はいるだろう…

 

「私を選んだのはトリニティの人らしい」

 

「トリニティの人!?なんで急に…」

 

「その人はトリニティとアリウスの融和を望んでいるらしい」

 

「融和ねぇ、別にそれはいいけど、よくマダムは許したな…」

 

(いや、アイツがそんな事を望んでいるはずないな…今までアリウスにトリニティへの恨みや復讐心を植え付けてたからな…)

 

(わんちゃんトリニティと戦争になる可能性もあるんだよなぁー。それは嫌だな)

 

「でも、なんでそんな思い詰めてるんだ?」

 

「私がマダムに言われたのはもう一つある…」

 

「トリニティの潜伏中、ティーパーティーの『桐藤ナギサ』と『百合園セイア』の殺害を命じられた」

 

「はぁ?」

 

(何を考えてるんだ?ティーパーティーの人を殺す?そんな事をしたら本格的にトリニティとの融和は無理じゃないか…それに、アズサに殺させる?なんでアズサが人殺しの業を背負わなきゃいけないんだ…)

 

「……私は人殺しにならないといけないのか…その人達を殺せば、アリウスは救われるらしい…だ、だけど…」

 

「殺すってことは……もうその人は生きられないってことなんでしょ…?」

 

「私は怖いんだ…人を……殺すことが……すごく怖いんだ……」

 

「確かに…命令を実行すればアリウスは救われるのかもしれない…だけど、私の身勝手な行動でその人の人生を終わらせてもいいのだろうか……?」

 

アズサは泣きそうになりながら言った…

 

(普通はそうだよな…人殺しになるのは辛い…そもそもアズサも他のアリウスの人だってそうだ…俺たちはまだ高校生、全然子供だ…普通だったら、友達と遊んだり、勉強したり、部活をしたり…それが普通なんだ。なんでアズサがこんなにも辛い思いをしないといけないのだろうか…)

 

「普通に考えておかしいよな…」

 

「?」

 

「だってさ、俺達がこんな生活をしているのはトリニティのせいだって言われてるけど、それは俺達が産まれるよりもずっと昔のことなのにな…」

 

「その時のトリニティを恨むのは分かるけど、今のトリニティの人はなんも関係ないのに勝手に恨むのは違うのにな…」

 

「それにマダムもマダムだ、アリウスを救いたいなら、トリニティを滅ぼすことじゃなく、復興とかが先なのにな…」

 

「殺しを躊躇するのは普通のことだ。何も間違ってない。」

 

「だから…」

 

アズサの両手を握る

 

「お前は後悔のない選択をしろ!間違ってると思ったらやめてしまえばいい」

 

「そしたら、任務が…」

 

「俺達は都合のいい道具じゃない、意思を持った『人間』なんだ。だからお前は自分の意思に従って行動しろ」

 

「もし、お前が任務を遂行できなくて、誰かがお前を批判したらすぐ言え、俺がソイツのことをボコボコにするし、もし、お前が人殺しの業を背負うなら俺も一緒に背負う」

 

「お前がどんな選択をしても俺は尊重するし、皆が敵になっても、俺だけが味方でいる。」

 

「そう……か…」

 

「……あっ、ごめん!!」

 

急いでアズサから手を離す

 

(なんかとんでもないことを口走った気がする…これ絶対ドン引きしてるよな…一人で勝手に熱くなって…ましてや手を握ったりして…)

 

やらかしたと思ってテンパっていると

 

「ありがとう、カオル…」

 

「やっぱり、カオルは優しいな……」

 

「カオルのお陰で、進むべき道が見えた気がする」

 

「そうか、それなら良かった…」

 

「だけど、まだ不安なんだ……だからさ……」

 

アズサが恥ずかしそうに言う

 

「今日だけは、一緒にいてほしい……」

 

「それくらいなら喜んで」

 

「久しぶりに羽のブラッシングでもするか?」

 

「最近してなかったからな…よろしく頼む」

 

「あと、今日は一緒に寝て欲しい」

 

「欲張りさんめ……いいよ」

 

こうしてアズサと他愛のない話をしながら夜を過ごした…

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