「この数でも互角か……」
「凄いね。そりゃみんな『シャーレ』『シャーレ』って言うわけだ。厄介だね『大人』って」
「予想外ではあったけど……うん、まあ問題ないかな。ちょと時間はかかりそうだけど」
「セイアちゃんもナギちゃんもいなくなるんだし、ようやく始められるというのに、変に邪魔しないでほしいな」
「ミカさん一つ聞かせてください!セイアちゃんを襲撃したのも、あなたの指示だったんですか!?」
「うん、私の指示だよ。でもヘイローを破壊しろとは言ってないよ。私は人殺しじゃない」
「……」
「それ以上は、当事者に聞いた方が早いんじゃないかな?……ねえ、白州アズサ。あなたが説明してくれない?ここまで事態が大きくなったきっかけを」
「そ、それは……」
「アズサちゃん?それは一体、何のお話、ですか?」
「ち、違う……あれは……」
ドカーン!!
「なんだ!?」
「トリニティ生が一部。こちらへ向かってきてます!」
「正義実現委員会は来ないんじゃないのか?」
「ティーパーティーの戒厳令に背く人達はもう…」
「いますよ。ティーパーティーにも命令できない、独立的集団が」
「確認出来ました、大聖堂からです!」
「シスターフッド!?」
「っ、浦和ハナコ……!」
「まあ、ちょとした約束をしましたので」
「けほっ、今日も平和と安寧が、みなさんと共にありますように……けほっ」
「す、すみません、お邪魔します」
「シスターフッド、これまでの慣習に反することではありますが……ティーパーティーの内紛に、介入させていただきます」
「ティーパーティーの聖園ミカさん。他のティーパーティーメンバーへの傷害及び、障害未遂で、あなたの身柄を確保します」
「浦和ハナコ、どうやってシスターフッドを動かしたの?何を支払ったの?」
「……」
「うん。興味深いねさて、片付けないといけない相手が一気に増ちゃったなぁ」
「ようやく顔色が変わりましたね、ミカさん?」
「おおっ!!すげぇ……本物のシスターだ!創作でしか見たこと無かったけど、生で見ると違うなぁ……」
「結構余裕そうだね?」
「いや、そんなことはない。なんなら結構焦ってる。ここまでの増援は予想外だ。勝率は一割あったらいい方だな。で、どうする?戦うなら協力するけど、降参するなら俺は聞きたいこと聞いてトンズラこくけど」
「ここまで来て、『大人しく降参します』なんてわけにはいかないかな」
「もう私は、行くところまで行くしかないの。」
「オーケー、じゃ、行きましょうか裏切り者のお姫様」
こうして戦闘がはじまったのだか
(やっぱりこの数じゃ厳しいか……!?)
(俺の得意なことができない。スモークグレネードを使いたいが、仲間を巻き込んじまうし、アズサも俺並みではないけど煙幕の中でも戦える。それに手榴弾も巻き込む可能性もあるから使えない。そうとなれば自爆特攻も使えないない)
(さすがの聖園ミカも押され始めている。俺もフォローに行きたいが、シスターフッドの奴らが邪魔だし、抜けたとしてもアズサが邪魔をしてくる)
そう考えていると何者かに腕を掴まれる
「痛いと思いますが、お許しくださいっ!!」
振り払おうとしたら体が宙に浮いて投げ飛ばされる
「うおおおおおおお!?」
「痛ったぁ!!」
(何だよあの黒髪シスター、どんな力してやがる。聖園ミカもそうだかトリニティは力自慢が多いのか?)
目の前にシスターフッドの大群が現れる
(マズったな……さっさとトンズラこけばよかった)
一方聖園ミカ方面
「ハァ…ハァ……どうして?」
「セイアちゃんが襲撃された時だって、動かなかったのに……今このタイミングでシスターフッドが介入するなんて、冗談にもほどかあるよ」
「何を見誤ったのかな……」
「ハナコちゃんのことを、見くびったから?アズサちゃんが、裏切ったから?ヒフミちゃんもコハルちゃんも変数になるような存在じゃなかった。それなのに、どうして負けるかなぁ……どこからズレちゃたんだろ」
「……」
「……そういえば、一番大きい変数を忘れていたね」
「シャーレの先生、そうだね。考えてみればきっと、あなたを連れてきた時点で私の負けだった」
「いやー……ダメだな、私……」
ドォーン!!
「痛って〜何とか倒せた……治るって言っても痛みはあるんだからな」
「……」
「……あー、そうゆう感じ?」
「聖園ミカお前は降参したってことでいいか?」
「うん。そうだね。ごめんね、協力してもらったのに……」
「それは大丈夫だけど。まあ、降参したなら俺は聞きたいことを聞いて帰りますか。それが本来の目的だし」
「アズサお前に聞きたいことがある。」
「お前、百合園セイアのことを殺してないだろ?」
「!?」
「どうしてそれを……!?」
「はぁー、だと思った」
「ど、どういうこと?!」
聖園ミカが聞く
「私が説明します」
「あの人の言った通り、セイアちゃんは無事です」
「ずっと偽装していたんです。犯人が見つからなかったので、安全のためというのもあって……トリニティ外で身を隠しています」
「セイアちゃんが無事……?」
「はい。傷が治らなくて、まだ目が覚めてないのですが……救護騎士団の団長が、今もすぐそばで守っています」
「ミネ団長が……?」
「はい、そしてあの時、セイアちゃんを助けてくれたのは……いえ、これは直接ご本人の口からが良いでしょう」
「……そっか。生きてたんだ……良かったぁ」
聖園ミカが武器をおろす
「……降参。私の負けだよ」
「……」
「アズサちゃん。自分が何をしているか、その結果この先どうなるのか。それは分かってるんだよね?」
「もちろん」
「トリニティが、あなたのことを守ってくれると思う?これからずっと追われ続けるよ。ずっと、どこに行っても。あなたが安心して眠れる日は、来るのかな?それに逃げ切れると思う?アリウス出身なら分かるよね?」
「うん。分かっている。それでも私は最後まで足掻いてみせる、最後のその時まで」
「……うん、そっか」
(気まずいな……聞きたいことも聞いたし、捕まる前に帰るか)
帰ろうとした瞬間
「待って!!」
アズサが声をかける
「何だ?俺はもう帰らないといけないんだが?」
「ごめん。でも聞きたいことがある。カオルは知ってたのか?私が百合園セイアを殺していないことを……」
「いや、確信はなかった。でも、トリニティでお前と話してほぼ確信した。普通に考えてみろよ、お前が百合園セイアの殺しの任務を言い渡された時、俺に泣きついてきたやつが人を殺せる訳ないだろ」
「それに、お前はトリニティでの生活を楽しんでいたんだろ?人はそう簡単には変わんない。トリニティの話をするお前をみて確信した。それに今も桐藤ナギサの護衛もしてるしな」
「そうか、カオルにはなんでもお見通しだな」
「それに関してはアズサが分かりやすすぎるだけだ」
「……ᓀ∧ᓂ」
「ははっ。久しぶりに見たよその表情」
「一応聞く、お前のその選択は後悔はないか?」
「うん。これは私自身が決めたことだ。後悔は一つも……いや、嘘だな、一つも心残りがある……」
「スクワッドのことか?」
「うん。スクワッドのみんな…いや、アリウスの人たちにはすまないことをしたと思っている。私のせいでまだあの生活を続けないといけなくなるから……」
「確かにお前のせいで計画はめちゃくちゃだ……」
「……」
「でも、お前の行動は間違ってなかったと思う。」
「!?」
「お前がやったことは、アリウスにとっては間違ったことだが、一人の人間としては大正解だ。人殺しの道を歩まなかったこと、俺は嬉しく思う。だけど、お前に言わなきゃいけないことがある」
「白洲アズサ。お前を任務未達成、それに加え、アリウスの裏切り、その行為からみて、お前を退学処分とする」
「やっぱりそうか…」
「お前はもうこれから自由だ好きに生きな。先生、アリウスからはアズサの処分は以上です。トリニティでの処分は好きにしてください」
「分かった。ありがとうね」
「多分だけど、トリニティとアリウスの和解はもう無理だと思った方がいい。次会う時はもう敵同士だ覚えとけよ」
「そんなの……「だから最後に!」
「お前に言いたいことがある」
「ありがとう。キヴォトスに来て、一番最初に出会った人が白洲アズサ君で良かった。お前と過ごせて本当に楽しかった。お前はこれからたくさんの難題が出てくると思う。たけど、お前なら乗り越えられると信じている。そして、白洲アズサ、君の幸せを俺は心の底から願っている」
スモークグレネードを展開する
「じゃあな、アズサ。二度と会わないことを願っているよ」
エデン条約編2章[完]