「起きろカオル、朝だそ」
「ふぁ〜もう朝か...」
アリウスに来てから数ヶ月がたった
「朝4時起きはまだ慣れないな...」
眠い目を擦り、背を伸ばす
「顔洗って来るわ…」
「うん、行ってらっしゃい」
アリウスにはガスが通っていないなので、蛇口から出るのは水だけだ…シャワーをする時も、水なので毎度凍え死にそうになる…
「今日の訓練はなんだ?」
「今日は、30kgの重りを背負いながらの持久走と筋トレと、射撃訓練、最後に教官との模擬試合だね」
「うぇ〜今日もキツイな…」
正直に言うとアズサは隊の中でもトップクラスに成績がいい。持久走もほぼ毎回1着でつき、射撃訓練でも、動いている的にも弾を全部命中させたり、教官との模擬試合も基本は教官1人対アリウス生3人なのだが、アズサは1人で制圧することが出来る。
それに比べて俺は、俺の神秘が再生力に全振りなせいで、他の人と比べて力がない。逆に再生力がありすぎて自爆特攻をしてもなんともないが。射撃の腕も、アズサに教えて貰いながらやっているがまだ安定していない。
そして、射撃訓練まで終わり、教官とアズサの模擬試合を観戦していた。結果を言うと、アズサの圧勝だった。
模擬試合なので、銃弾も実弾ではなく、ゴム製の弾だか、アズサは全て躱し、相手の懐に入り、そのまま倒した。
(やっぱアズサは凄いな…)
感心していると次は俺の番らしい…
アリウス側は模擬戦前に、3分間だけ作戦会議が出来る。
「俺が前出て戦うから、援護と奇襲を頼む」
こうして作戦会議が終わり、模擬戦が始まる
「俺がこの石を投げ、地面に着いたらスタートだ」
そう言い教官が空高く石を投げる、石が地面に着いた瞬間俺は前に出る、教官もそれに対して銃で応戦するがそれを気にせず特攻していき教官にゴム製のナイフを突き刺す。
しかし、教官は銃で受け止める…
「単調だぞ、カオル!」
「別にこれが決まると思ってませんから」
動きが止まっている教官に他のメンバーが銃を放つ。
「オラァ!!」
教官が俺を蹴飛ばし、銃弾を回避し、撃ってきた2人に近づいて行く、2人も応戦するが、教官の方が何枚も上で倒されていく。
「お前たちこんなものか!!」
教官が声を荒らげる瞬間
「なぁ、俺の事忘れてないか?」
背後に回り、ナイフを突き出す
「…!!」
しかし、教官も既のところで回避する…
(声をかけられるまでまったく気づかなかった…)
「お前さん今結構体制悪いだろ?」
銃を撃ち、接近する…
そして、教官を押し倒し、ナイフを喉元に当てる
「俺らの勝ち、でいいよな?」
「あぁ、お前達の勝ちだ…」
そう言い、訓練は終わった。
「ごめん、アズサ今日から俺マダムのところに行かないといけないから、遅くなる」
「そうなのか…行ってらっしゃい」
「呼ばれるまでここで待っていろ。」
「はいはい、分かりましたよ…」
(ここにもこんな病室みたいな所があるんだな…それに中も結構綺麗だし…)
(なんだ?ここは病室だから設備がしっかりしてんのか?)
周りを見渡すと本や、新聞が置いてあった。
(結構種類あるんだな…ファション雑誌に少女漫画や童話、なんだこれ、分かりやすくて楽しい手話教室…)
なんで手話の本があるか謎だが、新聞を手に取る
(おっ…これ最近のやつじゃん…)
(アリウス外のことはあまり分からないからな…)
そう思い新聞を読む
「えーと、レッドウィンターでプリンを巡りクーデターを起こす。
いや馬鹿なのかこいつら…」
新聞を読み進めていると…
「新聞、読むの好きなの?」
「いや、そんなことはないけど、この世界のこと何も知らないからさ…」
「へぇーそうなんだ」
「そうそう…あれ!?」
「やっと気づいた…」
声のした方向を見ると、仕切りのカーテンの奥に人影が見えた…
「おはよう…結構熱心に読んでいたね…」
「おはよう…って今はもうそんな時間帯じゃないけどな…」
「あいさつは大事だよ」
そう答える彼女
(いつからここにいたんだ?まったく気づかなかった…)
「最初からいたよ」
「まじ…いや、ナチュラルに人の心読まないで…」
「そんな雰囲気してたから…」
「エスパーかよ…」
「あなた…葉ノ宮カオルでしょ?」
「なんで俺の名前知っているんだ?」
「……それは乙女の秘密だよ」
「なんだそれ…」
「ていうのは嘘で、あなた結構有名人だよ、キヴォトスでも珍しい男子生徒だからね…」
「なるほどね…」
「あなたはなんで、ここに連れてこられたの?」
「被検体としてさ…」
「被検体?」
「そう、あんたがさっき言ってたが、俺は男性だ。ここの世界は人型の男性は俺しかいないらしいし、俺の神秘も皆とちょと違うらしいから実験されている」
「そうなんだね」
「そーゆー君は、なんで居るんだ?」
「私も被検体ではないけど、あなたと同じで特殊な身体らしいから、定期的にマダムに呼ばれているの…」
「そうなんだな…互いに大変だけど頑張ろうぜ…」
「うん、そうだね」
「そういえば、名前なんで言うんだ?」
「まだ名乗ってなかったね…私の名前は…」
ガチャ
「葉ノ宮カオル、マダムがお呼びだぞ」
「おっと、時間らしい…」
「もう行っちゃうの?」
「どうせまた明日来ることになるから、明日名前を教えてくれよ」
「分かった」
「なにボサっとしている。早く行くぞ」
「はいはい、分かってますよ…」
「じゃーな、また明日」
「うん、また明日」
そういい、彼女と別れマダムの所に行った…
「今日の実験は終わりです」
「今日はずいぶんと早いな?」
「私も後にやる事があるので、今日はこの辺で区切りをつけます」
「そういえばマダム、使わない薬品とかってないのか?」
「物によりますね…」
「前、実験に使ってた衝撃を与えると爆発する液体爆弾とか、あと戦闘に使えそうなやつ」
「何個かはありますけど…」
「それ貰えないか?」
「そうですね…余ったらあげますよ」
「言ったな?後でやっぱなしとか言うなよ」
「えぇ…この程度の薬品ならいつでも作れるのであなた程度にあげてもなんともありません。どうせ自爆特攻とかに使うためでしょう」
「サンキューこれで俺の戦闘の幅が広がるは」
そう言い、部屋を後にして、アズサの元へ帰った…