ブルーアーカイブ ―Cyber Troopers in Another Sky― 作:C03-HELIOS
……しかし、原作とほぼ変わらない場所は飛ばしていくスタイル。
バーチャロンから入ってきてブルアカ知らない読者さん、ごめんなさい。
面白いからぜひプレイしてみよう!(ダイマ)
追記
2026年5月15日 読みやすくするため一部描写を削除
第一話 アビドス本校舎攻防戦――Encount&Battle
『助けて下さい』
そんなアビドス廃校対策委員会からの手紙を受け取った先生は、すぐさま出張の用意をするとアビドス自治区へと向かった。
しかし、アビドス自治区はハチャメチャに広い上に、深刻な砂漠化の真っ最中。
甘く見ていた先生は何日も遭難した上に危うく行き倒れるところだったが……アビドス廃校対策委員会に所属するシロコに助けられる。
なんとかかんとかアビドス高校に到着した先生。
そこで他の生徒たちを紹介されていたのだが……。
ダダダダダダダダダダ!!!
「じゅ、銃声⁉」
廃校対策委員会の一人、二年生のノノミが驚きながら窓の外を見る。
その目線の先、アビドス高校の正門前の通りには、多数のヘルメット団員が集まって、手にしたアサルトライフルを撃ちまくっていた。
そして、正門に向けては三機のVRが突撃してくる。
その内の二機は鍛えられたスマートな軍人を思わせる機体で、もう一機はVOXダンを一回り弱そうにしたような機体だ。
「わわっ! 武装集団とVRが校舎に接近しています! カタカタヘルメット団のようです!」
一年生のアヤネが慌てながらも戦況の分析を始める。
「あいつ等、また性懲りもなく……!」
シロコが怒りを露わにしながら、今にも突撃しそうな様子で愛銃を構えた。
「ホシノ先輩を連れてきたよ! 先輩! 寝ぼけている場合じゃないから起きて!」
「むにゃ~、まだ起きる時間じゃないよ~」
一年生のセリカが隣の部屋で寝ていた三年生のホシノを無理やり連れてくる。
しかし、ホシノはまだ寝ぼけているのか、だいぶ動きが鈍かった。
「ホシノ先輩! ヘルメット団がまた襲撃を! VRも出してきてます!
それと、こちらの方はシャーレの先生です」
「うへぇ~、そりゃ大変だねえ……あ、先生、よろしく~」
まだ、寝ぼけ眼なホシノにセリカがちょっと強めに声をかける。
「先輩! しっかりして! 出動だよ出動! VRも居るんだから、早く行かないと!」
「ふああ~……落ち着いて昼寝をする時間も無いよ~。ヘルメット団めー」
それでやっと目が覚めたのか、寝ぼけまなこのまま、明らかに手慣れた様子で装備を整えたホシノが、セリカと一緒に部室を飛びだしていく。
「ん、弾薬も物資もいっぱいあるから、すぐに出るよ!」
「はーい、みんなで出動です☆」
シロコもノノミもすぐに部室を飛び出していった。
「では、私はここでオペレーターを担当します! 先生はサポートをお願いします!」
“分かったよ! でもその前に、みんなの武器と得意なことを教えて!”
「はい! 皆さんはですね――」
アヤネから対策委員会のみんなの情報を聞きながら、先生はヘッドセットを装着。
同時にシッテムの箱を取り出し、VR識別アプリを起動させる。
識別は一瞬で終わり、校庭に侵入していた三機のVRのデータが表示された。
【アファームドJタイプA】
●型式番号 RVR-20-A
●簡易解説
シュンポシオンを構成する企業の一つ【プレトリア・オートマタ社】が開発・製造している第三世代型VR【アファームドJ】シリーズのバリエーションの一つ。
Jシリーズは運用性と汎用性に優れた第三世代型VRの傑作として有名な機種である。
AタイプはJシリーズの基幹機種として開発された機体であり、Jシリーズでは最もバランスの良い機体性能と、ビームライフル、マチェット、エネルギーボムによる近~中距離での柔軟な対応力を併せ持った機体となっている。
●備考
戦闘する場合、バランス型の機体であるため、味方の得意な距離へと引きずり込む戦術を推奨。
【アファームドJタイプC】
●型式番号 RVR-24-C
●解説
シュンポシオンを構成する企業の一つ【プレトリア・オートマタ社】が開発・製造している第三世代型VR【アファームドJ】シリーズのバリエーションの一つ。
Cタイプはアファームド系列伝統の近接戦闘に特化した機体であり、Jシリーズ最高の機動力を用いて対象に接近、ビームトンファーによる高威力の近接攻撃を叩き込むスタイルに特化している。
●備考
戦闘する場合、近接戦闘の間合いに入られないのが大前提。よほどのことが無い限り瞬殺される可能性が高い。
近接戦闘に特化したFCSのせいで射撃戦闘を苦手としているため、中遠距離からの射撃で仕留める事を推奨。
【VOXルー】
●型式番号 LAV-350/L-43
●解説
シュンポシオンを構成する企業の一つ【ADX重工】が開発・製造している第三世代型VR【VOX】シリーズのバリエーションの一つ。
VOXシリーズはUSS構造の採用により、高い信頼性と優秀なコストパフォーマンス、他機種とは比べ物にならないバリエーション数を誇る第三世代型VR屈指の傑作機であり、第三世代型VRで最も生産数・配備数の多い機種。
ルー型はコアとなる小型VRに大型ミサイルランチャーのみを装備した軽支援機。他の支援機と比べて火力・防御力の双方で大きく見劣りするが、極めて低コストのため零細組織の火力支援機として運用される場合がある。
●備考
敵対した場合、ミサイル攻撃にのみ注意が必要であるが、それ以外の面で脅威と成り得る点は無い。
※【USS】とはコアとなる小型VRに専用の兵装パッケージを装備・換装させる事で、一機種で全く性能の異なる機体に変更できるようにしたシステムの総称。
高性能と汎用性を維持したままの低コスト化・運用性の向上が可能なシステムであり、VOXシリーズが『第三世代型VR屈指の傑作機』と呼ばれる最大の要因である。
「……以上です!」
VRのデータを見終わるのと、アヤネの説明が終わるのは、ほぼ同じころだった。
先生は対策委員会の生徒の情報と、アプリのVRの情報を元に、戦術を組み立て始める。
(この三機で脅威度が高いのは……JタイプCか!)
JタイプCは射撃性能が低い代わりに、近接戦闘では絶大な性能を発揮する機体。
校舎内や廊下のような閉所で暴れられたら、盾持ちのホシノ以外は相当に苦戦するはず。
先生はヘッドセットに向けて指示を飛ばす。
“セリカは校舎の入り口前の障害物へ、ホシノは入り口横の外から見えない位置に待機、シロコは右側の茂みへ、ノノミは左側の資材の裏へ移動。
敵VRが校庭に侵入してきたらノノミを中心に制圧射撃を開始。優先目標はサブマシンガンを持っている機体だよ!”
対策委員会のみんなから返事が来る前に、三機のVRがほぼ同時に校庭に突入してきた。
「お仕置きの時間ですよ~☆」
ほんわかとした雰囲気とは裏腹に、愛用のミニガンを轟音と共に撃ちまくるノノミ。
広範囲を薙ぐような弾丸の猛連射に、敵VRたちの速度がわずかに鈍る。
「覚悟しなさい!』
その隙を逃さないよう、愛銃のアサルトライフルを撃つのはセリカ。
スコープを用いた正確な射撃がVR――JタイプCへと放たれ、確実にその装甲を削っていく。
「ターゲット、設定完了。……発射!」
飛ばしたドローンからミサイルを発射させているのはシロコ。同時に愛銃のアサルトライフルも使い、空と陸の両方から攻撃を叩き込む。
この制圧射撃に対して、敵VRたちは大きく浮足立っていた。
特に全員からの集中砲火を浴びているJタイプCの慌て方は相当なものだ。
『く、くそっ! このままじゃやられる! なら』
JタイプCのパイロットは他の二機に支援射撃をするよう合図を出すと、校舎の入り口に向けてブースターを吹かしながら疾走する。
集中砲火を避け、後方要員を倒すために校舎内に突入するつもりなのだろう。
確かに校舎の入り口前に見えるのはセリカのみ。JタイプCの機動力と近接火力を考えれば、生徒の一人くらい蹴散らして校舎内に突入するのは難しくない……が。
「うへぇ~。ここから先は通行止めだよお?」
セリカの後ろから飛び出した小柄な人影が、JタイプCの前に立ち塞がる。
JタイプCは両腕のビームトンファーを起動させると、跳ね飛ばしてやるとばかりにその人影へと突撃していった。
ガアン!!!
響き渡る衝撃音。
『へっ?』
並みの生徒なら一撃で倒して余りあるJタイプCのビームトンファーの一撃。
それは分厚い漆黒の盾に防がれていた。
耳障りな金属音と共に火花が散り、盾の表面も赤熱化するが、盾そのものは揺らぎもしない。
巨大な岩を枯木の棒で殴っているような、無駄な攻撃をしているような感覚。
それが絶望的なまでの力の差である事を悟った時には遅かった。
「じゃあ、お返しだね~」
盾の横から突き出されるショットガン。
JタイプCの胸部にピタリと向けられた銃口からは、のんびりとした声とは裏腹に明確な敵意が込められていた。
バァン!!
強い神秘が込められたショットシェルは、頑丈なはずのJタイプCの胸部装甲を一撃で破砕した。内部スケルトンが露出する。
ガァン!!!!
容赦なく放たれる二発目。内部スケルトンがハンマーで押し潰されたように粉砕され、胴体そのものが崩壊したかのように残骸が零れ落ちていく。
JタイプCの双眸から光が失われ、その場に崩れ落ちた。
「これで一機~」
ジャコン、とショットガンのリロードを済ませたホシノが校庭に目をやる。
ノノミを中心とした制圧射撃によって、残ったVRたちは有効な反撃が出来ていない。
しかし、その後ろでは、カタカタヘルメット団員たちが侵入してくるのも見える。
「これはおじさん、頑張らないとね~」
ダンッ! と地面を蹴ってホシノは飛び出す。
少し前に出された先生の指示に従い、まっすぐJタイプAの方へと向かっていく。
「ホシノ先輩、援護します!」
セリカもアサルトライフルを構えて、援護射撃を行う。
狙うのは後方のヘルメット団員たち。
先生から優先目標を教えられていたセリカの射撃が、的確に目標のヘルメット団員を撃ちぬいていく。
「リロードっと☆」
「ん、サポートする」
そして、シロコとノノミは前衛後衛で、互いのリロードを補うようにしながら制圧射撃を続行。
先生がリロードのタイミングやドローンの位置も考慮した指示を出しているため、二人の制圧射撃は一向に止まる気配が無い。
「な、なんだコレ⁉ こいつらはもう弾切れだったはずだろ⁉」
「それどころか前より強くないか⁉」
「あっ、VRがっ⁉」
ヘルメット団員の一人が悲痛な声を上げて指を差す。
そこにはショットガンの近距離射撃を受けて、左膝から下を吹き飛ばされるJタイプAの姿があった。
JタイプAはバランスを崩して倒れながらも、悪あがきとばかりに左腕に持ったマチェットを投げつけるが、それは正確な散弾の一撃によって撃ち落とされる。
「じゃあ、とどめ」
――ホシノは倒れたJタイプAの胸部にショットガンの銃口を密着させると、引き金を二回引いた。
思ったよりも小さい発砲音と大きな破壊音が二回響き、JタイプAの双眸から光が消える。
「ああっ! こっちも!」
別のヘルメット団員が悲痛な叫びを上げる。
そっちでは無数の弾丸によって、文字通り蜂の巣になったVOXルーの姿があった。
機体全体から火花と爆炎を上げながら、その場に倒れこんでいく。
「や、やば……ふげっ⁉」
「ぐえっ⁉」
「ひぎゃっ⁉」
「う、うわあっ!!」
そこからはもう一方的だった。
弾薬切れのアビドスを襲う気でいたカタカタヘルメット団。
まともな反撃は来ないだろう、と高を括っていた所に予想外の反撃を受け、念には念をという事で持ってきたVRもあっさり全滅。
それで士気がガッタガタに崩れた所に、ただでさえ猛者揃いのアビドスが先生の指揮の下で襲い掛かってくるんだから、たまったものでは無い。
「「「お、覚えていろよー!」」」
悲しいまでにフルボッコされた彼女たちは、潰走と言って良い惨状のままアビドス高校から撤退していくのだった。
“ふう、何とか終わったね”
先生は安心したように一息ついたのだった。
文字数がやや少ないですが、キリが良いのでここで終わる形になりました。
解説が多いし、戦闘シーンが少ない? いや、だって説明しないとワケわからないし、アビドス組強いから長引かせるのもアレだったし……。
楽しんでくれると嬉しいのですが……