「おはようございます、オルガマリー様」
「おはよう、ファラデー」
「本日の予定を確認いたしますか?」
朝日が暖める食堂、少々豪勢と言える程度には品数の多い朝食。既に準備を済ませて今後の個人の予定を確認しているところに入ってくるこの屋敷のお嬢様、オルガマリー・アニムスフィア。
「そうね、今日は特に変な予定もなかったはずよね?」
「そうですね、珍しく予定は特に何も入っておりません。何かやりますか?」
すかさず椅子を引き彼女を誘導する、オルガマリーの後ろではトリシャが紅茶の準備を進めている。
「んー、以前から目をつけていた触媒があるのよね。それを使った魔術の研究でもしようかしら」
「おや、オルガマリー様。確か課題がまだ終わってないはずですが」
「あ」
「……でしたら本日の予定はそちらにしましょうか、教材の方は後ほど用意しておきましょう」
「頼みました、まずは朝食を済ませましょう」
既に自身は朝食は済ませているため食堂から出て、教育の部屋に向かって歩き進める。
「やはりオルガマリーはどこか抜けているな……さて、時期的にはもうすぐかな?かのロードに会えるのは少々、いやかなり嬉しいな」
俺は転生者である、名前はファラデー・ロア・クラーク。生まれてから25年経過している。
630年近く続く魔術師家系であり、かの偉大なる錬金術師であり罪深き魔術師たるヴァン・ホーエンハイム・パラケルススに弟子入りした家系である。故に家系としては錬金術を主としており賢者の石を用いた霊子演算を得意とする。
前世の特徴は人間関係がちょっとだけ珍しいぐらいの人間であり、一般的なオタクでしか無かった。そんな俺が死んだ時何の因果かこの世界、おそらくロード・エルメロイ二世の事件簿の世界に紛れ込んでしまったというわけである。
当初転生した時点ではFate世界とは思わず迂闊にも変な動きをしてしまったが、そのおかげかそのせいと言うべきかロード・アニムスフィア、マリスビリー・アニムスフィアと接触する事になりFate世界であると確信を得たわけだ。その後に例の剥離城や双貌塔の事件が発生したためロード・エルメロイ二世の世界だと断定するに至った。
昨今似たような設定の作品が多いためなんか似てる設定の作品に転生したのかと思ったわけ、それか普通に現代系異世界転生。
その過程でとある魔術を外部から取り入れ、マリスビリーよりオルガマリーのお目付け役兼護衛を担うにあたり報酬をふっかけたらそれを普通に激ヤバ物品を貰った、という経緯もあったりする。
とりあえず簡潔にいえば、ロード・エルメロイ二世の世界線に転生し12歳の頃よりオルガマリー0歳の面倒を見ていた、ということだけ覚えていただければ問題ない。
あぁ、あと現代科の、特にエルメロイ派閥に所属しているある魔術に関する師のことも忘れてはならないか。時計塔の中でも最も異端で最新の魔術を開発した我が師はなかなかの曲者ゆえな。
こんな我が身の話はくだらなくて欠伸が出てしまうかもしれぬが……どうかごゆるりとご観覧をお願い申し上げましょう。