最新の魔術ってスゲー!   作:金属粘性生命体

2 / 2
事件の始まり

 

 

 

 

 もう間もなくとある列車が来るであろう時間、左手の甲に埋め込まれているラピスラズリを加工した正六面体の魔術礼装を確認する。

 

「……しきりにその手のやつ見てるけど、なんか心配事でもあるのかしら?」

「いえ、特にこれといった異常はありません」

「なら執拗にそれを見るのはやめなさい、周りが見てるわよ」

「おや、これは失礼。見られたところで弱点にはならないので問題は無いのですがね」

「それでもよ、一応それあなたの秘奥に繋がってるのでしょう?取られたらどうするのよ」

「その程度で何とかなるならその者は冠位(グランド)かアトラス院のものくらいですよ……あぁ、貴方の父君も干渉自体はできなくは無さそうですけどね」

「はぁ……貴方がいいなら私は何も言わないわよ、面倒事になっても面倒は見ないから」

「えぇ、構いませんよ」

 

 静かに魔力を滑らせ既に解き放っている使い魔越しに列車の様子を見る。無事問題なく到着しそうではある、少し仕込みを線路経路で組み込んだからどうなるかと思ったが……この分だとバレてないな。

 

「おや、あちらにいらっしゃるのは……オルガマリー様、挨拶に行かれてはどうですか?」

 

 少し離れた所にいるロード・エルメロイ二世を見つける、少し誘導してやれば素直にそちらへ向かうオルガマリー。いやはや年若いとはいえ魔術師としては素直すぎないか?

 今後はトリシャと共に腹芸くらいは仕込むべきかな、ロードの代理として出席する席は多いわけだし。

 

「さあ、お嬢様」

「な、何よトリシャ。ファラデーも何よ」

「いえいえ」

「失礼いたしました、また改めて挨拶をさせてくださいませ」

「私も後ほどお伺いさせていただきます。では」

 

 ここで話すには少しばかり列車が到着する時間の方が早いのでここらで解散することに。二世から離れた場所で懐から紙でできた人型を取り出し、隣に立つトリシャへ渡す。

 

「これを渡しておこう」

「東洋の人形(ヒトガタ)ですか、持ち主の災いの身代わりになる類感魔術でしたか」

「あぁ、君が死ぬ未来が見えたんでな。回避できるならしておきたい」

「私が死ぬ、ですか。まだそういった光景は視えていませんが」

「俺の魔眼()で見えた光景の一つだ。死ぬことがなくても少なくとも君は死にかけか重篤なダメージを負うのは確実だ」

 

 魔眼蒐集列車(レール・ツェッペリン)で発生する事件は黒幕にとっては蛇足に近しいもの。その過程で発生する内容はできるなら軽減したいものである、故に原作知識と千里眼で視えた光景を元に対策を魔術によりシュミレーションをする、その結果がこの身代わり人形である。

 

「まぁ死ななければ最悪俺が何とかできる。だからその身代わり人形は君が死ぬまで発動しないようになっている、一応高価な素材を使っているからな」

「……またですか、今回は何を使ったんですか」

「素材だけでいえば神代木を使った和紙だな、ただ職人の方は日本で1000年近く和紙職人を排出してる特殊な家系に頼んだ」

「はぁ……」

「ん?なんでため息してんの」

「一体いくら使ったかは聞きませんが、その散財癖はやめておきなさい。如何に自身で稼いだ金とはいえココ最近使いすぎでは?」

 

 顎に手を当ててココ最近の出費を思い出す。正直なところでいえば簡単な家具や消耗品の類は魔術で用意できるためデカイ買い物くらいしかしていない。

 

「あぁ……そういえば聖遺物とかこの前買ってたな」

「金剛杵とか何に使うつもりなんですか」

「いやぁ、ちょうど安くなってたもんで」

「はぁ……」

「とりあえずその話は後にしよう、列車が来るぞ」

「えぇ、きちんと後で話し合いましょうね、きちんと 」

 

 思わず目を逸らす。逸らした先にあったオレンジに近い銅色の目と合う、その目はニマニマと笑っていてこちらの失態に笑っていることを示していた。

 

「課題増やしますよ」

「んな!それは理不尽じゃない!」

「人を煽る悪い子に育てた覚えがないので、これも教育の一環ですよ」

「意地悪すぎないかしら!?」

 

 ケタケタと悪い笑みを浮かべてやる。原作よりかは……元気が良い、活きがいいとも言うか。主従ではあるが、俺の感覚としては手間のかかる妹であり、1度影からこっそりとオルガマリーのつぶやきを聞いたことがあるが俺のことを兄と認識しているらしい。

 

 この世界線ではFGOは起きないが……それでも危険は至る所にある。頑張らないとねぇ。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

原作を鑑賞しようとする室町時代の術師 vs 原作に干渉させてこようとする世界(作者:祝いの王)(原作:呪術廻戦)

室町時代の術師オリ主が原作時間軸に無理やり転生して原作を鑑賞しようとする話。▼なお原作キャラとはたくさんエンカウントするし、無自覚に干渉してしまう模様。


総合評価:1203/評価:7.5/連載:4話/更新日時:2026年05月04日(月) 00:56 小説情報

バグみたいで鬼畜な開拓者(作者:全智一皆)(原作:崩壊:スターレイル)

ゲームをやってると、どうしてもチーターってのは湧いてくる。アレはそこら辺を飛び回る害虫と何ら大差はない。そういうのに対処するのに、一番効果的なのは何か分かるか?▼目には目を、歯には歯を、チーターにはバグを。バグらせてエラーを起こして何もかもぶち壊してしまえば、アイツらは泣き叫ぶ。あの自称スーパーハッカーも、流石に手持ち(ゲーム)のデータ全消しは堪えて泣きじゃ…


総合評価:155/評価:7.5/連載:1話/更新日時:2026年05月02日(土) 13:25 小説情報

転生者がfate世界でノッブの家臣になって英霊になるまで(作者:ゼロさん)(原作:Fate/)

織田信長の家臣『有須浦 増麻(アスラ ゾウマ)』は転生者である。型月特有のYAMAで体を鍛えたアスラは身長2m60cmの巨大な体と転生する際に貰ったチート。そしてガバガバな知識チートと倫理観でノッブに擦り寄り出世を目論むのだ!▼転生者「あなや〜!凶弾(チャカ)をいっぱい撃てば人が死ぬなり〜!」▼ノッブ「コイツ拾ったの間違いだったか⋯?」▼作中で薬物に関する描…


総合評価:1363/評価:7.48/完結:10話/更新日時:2026年06月17日(水) 14:53 小説情報

科(化)学系チート持ち転生者のお話(作者:金属粘性生命体)(原作:多重クロスオーバー)

▼ 数百世紀先の技術と創作上の技術を持って転生した男の好き勝手生活。▼ ディストピアルート、闇堕ちルート、どちらから先に読んでも問題ないようになってます。作者の個人的には闇堕ちルートの方がおもろいと思う。▼(作者の架空科学なので一切整合性はとりません、雰囲気で読め)▼ オタクルートを外伝にしました。↓がリンクです▼ https://syosetu.org/n…


総合評価:3247/評価:7.51/連載:107話/更新日時:2026年05月06日(水) 10:00 小説情報

ONE PIECE 救済を求める神父(作者:ヴァンプッシュ)(原作:ONE PIECE)

ただただ、自己満足に描きたい。そんな感じでやって行きます。感想・意見もお待ちしてます


総合評価:115/評価:-.--/連載:4話/更新日時:2026年06月10日(水) 00:40 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>