イーフェと奇妙な館 作:イーフェの手記
「さて、困った事になったな」
俺の名前はイーフェ!
どこにでもいる普通の賭博馬鹿である!
ついさっき、人生最大の大博打をして大敗!
そのままノリで、なぜかその辺にあったダイナマイトでドカン、と友人のトーシュエンを巻き込みつつ爆破!
そして死んだぜ!
とまぁそこまでは良いとして、なぜか今、俺は見た事もない屋敷にいる。
一緒に爆破したトーシュエンと共に。
死後の世界と考える他ないが、なぜに屋敷?
「ふー、疲れた」
俺達は、適当に屋敷を探索し終えた。
トーシュエンは引き続き探索に出ているが、俺は疲れたのでリビングで1人休んでいる。
さてとりあえず、今後について考えよう。
まず探索中に寝室がいくつかあったので、お互いの部屋は確保できるはず。
それと動いていて分かったが、あの世と思わしき場所なのになぜか普通に腹が減るみたいだ。
本当に俺は死んだのかと疑いたくなる。
「それに……」
まず冷静に考えて、なんであんな所にダイナマイトあったんだ?
それに気のせいか?
爆破した時に痛みを感じなかったような。
まぁ、即死で痛くなかったという可能性もゼロじゃない。
しかし、それは現実的じゃないだろう。
それよりも、あのダイナマイトが普通の物じゃないって可能性の方が高くはないだろうか?
腹の減るおかしなあの世と突如出現した無痛のダイナマイト。
この2つの異様なものには、恐らく関係性がある。
「と来ればダイナマイトを作ったのは、この屋敷の関係者か?
なら、ダイナマイトを置いたのも俺に使わせる事が目的で……って可能性も一応はありうるよな」
俺なんかに使わせる意味は不明だが、そこは今考えなくてもいい。
問題は……。
ダイナマイトの原因がこの屋敷という事は、つまり!
「俺が競輪で大敗したのも、普段から勝てないのも、この屋敷の関係者のせいに違いねえええええ!
クソおおおお! 許せねえええええ!」
俺はソファから立ち上がり、怒りのままに走り出した!
「この借り! 返させてもらうぞ!
ヒャッハァ!」
俺は怒りを込めながら、突撃を敢行した!
「うおおおお!
トーシュエンの魂をチップに賭けて、ギャンブルしてやるぜぇ!」
無論、賭博部屋への突撃である。
金などないので、ジョジョ3部で勉強した知識を活かし、友人の魂をチップに変える気満々であった。
勿論、俺は承太郎とは違う!
魂を賭けるというのは、勝負に勝つ為のハッタリじゃあない!
本気で賭けてやるぜええええ!
「イーフェ? 何やってる?」
「げぇ! トーシュエン!?」
ば、馬鹿な、リビングに帰ってくるはずでは?
なぜ賭博部屋に来ている!?
「リビングにイーフェが居ないのを見て、どうせここだろうと思ったよ」
「いやぁ、トイレを探してたんだよ。
ほら、近くのトイレどこだったかなぁってさ?」
「トーシュエンの魂をチップに変えてギャンブルしてやるって言っ」
「気のせいだろう。
さ、そんな事よりリビングに戻ろうぜ」
「嘘つけ、絶対言ってただろ!」
ちぃ! 誤魔化せなかったか!
「ま、まて落ち着け。
これは実験の為なんだ。
そもそもこの賭博場、どう使うんだ?
俺達は服くらいしか持ってないし、何を賭けるんだ?
それを実験したくてなぁ。
まず試しに1番価値の低そうな物を賭けてみる事にしたんだよ」
「価値高いわ!」
まぁ、それはさすがに冗談だが。
「ごほん、それはともかく。
賭博場について調べる価値はありそうじゃないか?
さすがに魂は賭けないが」
「俺が止めなかったら、賭ける気だった?」
「…………そんな訳ないじゃん。
この腕時計で試してたに決まってるよ」
「うん、絶対嘘だね」
嘘だよ。
「ともあれ、試すとしようか」
2人で賭博場の中に入る。
探索の時1回入ったので2回目だが、特に変化なし。
色々なギャンブルが出来そうだが、賭け金に関する説明はと。
「これじゃないか?」
トーシュエンが説明の用紙を見つけてくれた。
それを見るに、どうやら基本的に1人、1日1回のログインボーナス的なポイントが手に入るらしくそれを使ってやるらしい。
後の入手法は……ここには書いてないな。
だが、ここに来る際に持っていた物を賭ける事は出来ないとだけは書いてある。
つまり、トーシュエンの魂を賭けるのはダメか! ちぃ!
「今の所は貰ったログボでちまちまやるだけかー。
まぁ良いだろう。
さて…… トーシュエン。
一緒に借りを返すぞ!」
「何の話だ?」
「競輪じゃあああ!」
*
「ば、馬鹿なこのイーフェがああああ!」
有るポイント全部擦ってしまった。
クソ、借りを返すどころかまたしてやられた!
「よっしゃ勝ったぁ」
「なにやってんだぁ、トーシュエン!
おま、300倍ぃ!?」
尚、トーシュエンはログインボーナスを300倍にしていて、死んでいるのにぶっ殺そうかと思った。
「にしても、このポイントって何に使えるんだろう?」
トーシュエンがそういう。
俺も気になる所だが、ここに交換所的なものがないのから察するに……。
「この屋敷全体で使える貨幣なんだろう多分。
ほら、ゲーセンとかあったじゃん」
「あぁなるほど」
つまり俺は見知らぬ屋敷で無一文という訳である。
普通にマズい。
「イーフェはポイント無くなったし、そろそろ飯にでもするか?」
「まぁ、そうだな……」
意気消沈しつつも、俺達は元々いたリビングへと戻るのであった。