イーフェと奇妙な館   作:イーフェの手記

15 / 17
イーフェ編は24話が最終回の予定でしたが、予定変更で今回の22話が最終回となります。


第22話前半 いざ屋敷へ

それは、ゴース家に飛んですぐの事。

まず、見たことの無い使用人達がワラワラとやってきて、最終的にロウリィがやってきた。

 

「…………お嬢、久しぶりだな」

「あ、あまり見るな、アホもの」

 

そうしてぎこちなくニトスとロウリィが話して、今に至る。

 

「ロウリィ・ゴースか。確かに聞いてた年齢と違うな。

時間が20年経ったってのは、間違えねぇみたいだな」

 

ツヴァイはロウリィの様子を見て、そういう。

聞いてたというか以前に会った事があるのだが、本人としては覚えてないみたいだな。

と、外からもう1人入ってきたぞ?

 

「……そういうお前はまるで変わっていないようだな、ツヴァイ。

そして、初めましてになるか。イーフェ」

「ロンドさん!」

 

い、イケおじいいいい!!!

予想通り、いや予想以上のイケおじがそこには居た。

若い時には生えてなかった髭が何とも言えない色気を、そして声もこれまた

 

「おい、イーフェ。貴様ホモじゃないだろうな?」

「違いますよ!?」

 

ロウリィに聞かれてしまう。

心外だ。イケおじは人類の宝なんだから反応するのは当然の事。

 

「ロウリィさんも初めましてですね」

「うむ。お前はよくやってくれたな」

 

ロウリィは何というか……見た目の研究者感が強くなったな。

いや上手く言えないんだが、少し真面目そうな感じになったというか。

服もゴスロリじゃなくて、白衣だし。

やっぱ、20年も研究してたから変わったんだろうか。

 

「場所を移そう。

急な訪問には驚いたが、大方の理由は分かっている。

その男の力の正体について、何か分かったんだろう?

一旦、場所を変えよう。

ロンド、それに使用人の皆はここで待機してて良いぞ」

「承知……」

 

そういった訳で、俺たちはロウリィと別室に向かう事になった。

おい、ロンドさんは付いてこないのかよおおおお!?

 

*

 

「さて、ここがいいだろう」

 

俺達が案内されたのは、広めの客間だった。

 

「では、早速報告を頼むぞイーフェ」

「はい。ですが、その役割はニトスさんにお願いします」

「えっ? 俺?」

「いいですよね?

話は聞いていたはずですし」

「まぁ、確かに俺も説明できるが……う、うむ、やってみよう」

「じ、ジークか……まぁ、良し聞こう」

 

勿論、俺が話してもよかったが、こうでもしないと2人の緊張がほぐれそうにないからな。

ぎこちないままでは、会話も上手く進まないだろう。

前通信機越しに話していた時みたく、慣れればいけるはずだ。

 

そう思っていると、ニトスはきちんと説明を始めてくれた。

ツヴァイが加護を授かった相手は、ナギこと厄災の化身ニュー。

だが、加護の力はナギのものではなく、彼に出来た上司のものということ。

これらの説明をしてくれたのである。

 

「と、いうことらしいんだお嬢」

「うむ……なんというか、お前の話は聞いていると懐かしい気持ちになるな。

助かったぞジーク。お前にしては分かった」

「一言余計だぞ。

……と、この感じも懐かしいな」

 

ただ説明を話し、聞いただけなのにお互い感慨深そうにしている。

なんというか、思っていた以上に早く緊張がほぐれてるな。

2人とも、本当はもっと早く昔みたいに話したいと思っていたんだろう。

 

「して、ツヴァイ、今の件は事実か?」

「あぁ、間違えねぇ」

「そうか……予想外だったな、まさか本当に神の加護とは。

しかも、部下がナギという事は間違えなくそれは」

 

何かロウリィは考えているが……。

ここで1つ、俺が立てた予測も伝える必要がある。

 

「ロウリィさん」

「なんだイーフェ」

「これは俺個人の予想です。

しかし、恐らくナギの上司は俺が屋敷に飛んだ原因と関係している」

 

俺は例のダイナマイトの事を説明した。

 

「なるほどな。

ところで、良い事を教えてやろうか?」

「なんですか? ロウリィさん」

「少し言いづらいが……。

そのダイナマイト作ったの私な?」

 

空気が一気に冷えた。

え? 待てじゃあどういう事になるん?

元凶ロウリィ? え?

 

「お嬢の人殺しいいい!」

 

もはや緊張していた雰囲気はどこへやら。

すっかりいつもの調子になったニトスが、ロウリィに迫真の表情で叫んだ。

 

「待てジーク早まるな! 後お前が言うな!」

「ゴース家の令嬢、テメェなんて事を」

「ツヴァイ、お前はさらに言う資格ないだろ!」

 

殺した数はニトスの方が圧倒的に上のはずなんですが。

ってそれよりも。

 

「ダイナマイトには、なにか訳が?」

「アレはトーシュエンを始末する為に作ったもので」

「確保おおおおお!」

「にゃああああああ!!!」

 

ロウリィがニトスに取り押さえられた。

顔を赤くしながら抵抗しているが、色々な意味で無意味である。

 

「貴様正気か暴君ロリ子。恩人をぶっ殺す気か!?」

「貴様の目は節穴か!

見ろ、私はもうロリじゃない!」

「なら改名しろ!」

「無茶言うな!」

「それに、おっぱいの方はロリのままじゃないか!」

「破邪滅殺剣!」

「ぐわああああ!」

「ニトスさああああん!!!」

 

や、やべぇ、いつ刀が出てきたか分からなかった。

なんて恐ろしい魔王の子……!

 

「お嬢、刀なんて持ってなかっただろう!」

「じゃ〜ん、ジーク対策に白衣の下に隠していたのでした♪」

「俺対策ってなんだよ!」

 

ニトスは血まみれになりながら、突っ込んだ。

 

「ほ、ほぅ、令嬢の割には使えるじゃねぇか」

 

ツヴァイは、若干ロウリィの事を畏怖の目で見ているように見える。

 

「私の胸をロリ扱いだと?

久々の再会にそれとは余程死にたいようだな?

では再会を祝して、もう一撃行くぞ♪」

「ひ、ひぃ! 慈悲を慈悲をおおお!」

 

※完全にやられ役になっていますが、これでも最強主人公です。

 

「破邪滅殺剣!」

「ああああああああ!!!」

 

*

 

「さてイーフェ。

ダイナマイトの訳を聞きたいのだったな?」

「それより、ニトスさんの生死を聞きたいんですが……」

 

瀕死でボロボロのニトスは、血文字で妖怪ロリババア乱心と書き残し、倒れていた。

 

「い、生きてる、ぞ」

 

一応、生きてた!

あれ? なんかツヴァイが絶望した表情で、ロウリィを見てる気がするが気のせいかな?

 

「ほら、問題ないだろう?

言っておくが、かなり真面目な話になるぞ」

 

ロウリィはスチャっとメガネをかけて、解説モードに入る。

 

「爆弾を作ったのは私だ。そして、それは頼まれたからだ」

「頼まれた?」

「うむ。

長い話になるが、まずはジークでも分かるように端的に言ってやろう」

 

そう言って、ロウリィが告げたのは信じがたい事実だった。

 

「私は、ナギの上司と手を組んでいる!

そして!

ナギの上司の目的は、絶対悪ディライの“存在の消滅” !

加えて、ディライに唯一味方するトーシュエンの排除!

分かったか!?」

「待て、お嬢!

そんな衝撃的な事実をあっさり言わないでくれ!」

 

当然の様に怪我を治しながら、立ち上がって突っ込むニトス。

怪訝な顔でロウリィを見つめるツヴァイ。

そして、俺は……。

 

「ディライに唯一味方するトーシュエン?」

 

まずそこが引っかかっていた。

これまで見てきたが、そんな様子は1度もなかった。

 

「私も細かい事は知らん!

記憶がないとか、前世とかその辺りじゃないか?

そもそも私は、ナビの正体がディライという事も知ったばかりだぞ?」

 

まぁ言われてみればそうだ。

でも待て。

なら、ロウリィに疑わしいところがないか?

 

「ロウリィさん。

貴女、ディライの正体が分かっても、目的を俺に話さず隠してましたよね?」

 

なぜあの時、隠した?

 

「怪しんでいるようだな。

そう思う気持ちも分かる。

だがイーフェ、これはただの協定ではないのだよ。

私が、なぜ先ほどから奴の名前を伏せていると思う?

奴から伝えるなと言われているからだ。

つまりその位、厳しい縛りがある協定なのだ」

 

なるほど。

協定とは名ばかりで大分一方的だな。

 

「では、逆になぜ今は話せるんですか?」

「あぁ、それか?

この屋敷では少し縛りが緩くなるのだ。

協定というものが成り立つ理由でもある。

1から話そう。奴との事の経緯をな」

 

そういってロウリィは語り始めた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告