イーフェと奇妙な館 作:イーフェの手記
「うおおおおおお!
おっぱい! おっぱい!」
「「 おっぱい! おっぱい!」」
なぜこうなったのか、少し前に遡る。
*
「という訳で、屋敷の案内をよろしく頼む」
「よろしくお願いしますね。ニトスさん」
トーシュエンの活躍から翌日。
紆余曲折あり、俺はニトスの屋敷案内を任されていた。
「ところで、お嬢はやっぱり応答してくれないのか?」
「みたいですね」
イヤホン内側のランプが青くなっていない。
カラオケマイクでの一件が効いたみたいだな……。
「ただこの屋敷を調査したいと言っていたので、通信はいずれ行うはずです。
他の人間に任せる可能性もありますけどね」
「たしか20年も経ってるんだよな?
今、誰が居るんだ?」
「少なくとも、カロスとロンドさんは居るみたいです」
「カルラはどうなった?」
やはりニトスとしては、それが気になるよな。
1000年もの間、唯一手を貸してくれた味方なのだから。
「聞いてませんね……。
ニトスさんが帰った直後は、パン屋で働いてたのを知ってますけど」
本編のエンディングで、ルゥと一緒にパン屋に居たのは覚えてる。
だが、それから20年後も居るか?
「あぁ、俺がバイトしてた所か。
あのパン屋が20年も続く訳がないし、お嬢に直接聞くしかなさそうだな」
「間違いなく。
何はともあれ、まずは屋敷案内しますよ」
抜かりはない。
こうなるかと思って、昨日の内に自室テレビで屋敷施設紹介を軽く見ておいたのだ。
実は、トーシュエンが機転を効かせたカラオケマイクに関する情報も、屋敷紹介に載っていたりする。
最も俺はそれを昨夜まで、知らなかったんだけどな……。
だが、それが却って良かったか。
俺がマイクの事を知ってたら、お嬢に対策された訳だし。
そんな訳で、色々な事が載っていた屋敷紹介。
川崎競輪場の仮想空間の様な、いわゆる裏施設の紹介はなかったが……。
基本施設に関する詳細は、本当に一通り載っている。
それに目を通した上でだ。
まず案内する場所は決まっている!
*
「図書館か。
俺はてっきり賭博好きと聞いていたから、賭博部屋に案内されるのかと思っていたぞ」
「そんなのは後で良いんですよ。
まずはここです」
俺がニトスを案内したのは、図書館だった。
「俺は、本はあまり読まないんだよなぁ。
絵画の展示を見るのは、好きなんだが。
初めに連れてきたのがここって事は、イーフェは本が好きなのか?」
「えぇ、一部のジャンルは。
そして、ニトスさんを連れていきたいエリアがあるんです。
2階のあっちです」
俺は、昨日屋敷紹介で見た情報を信じて、2階の少し奥のフロアに向かう。
「一体どんな本があるんだ?
なっ!」
ニトスはそのフロアを見て、驚愕した。
「お、おおおおお!? 最高じゃないか!
エロ本エリアか。これは!?」
「正確にはヌードですね。
後、R15程度の微エロ同人誌も多数あります。
それと、良い事を教えてあげますよニトスさん。
俺の居る世界ではね。巨乳のインフレというものが起きているんですよ」
「なに!? 意味は分からんが凄そうだ!?」
「簡単に言えばですね……。
絵においては、15~20年前、巨乳と言われていたキャラの絵。
これが、貧乳もしくは普通扱いされる様な現象が俺の世界では、実際に起きているんです」
「な、なにいいいい!?
そんな事があっていいのか!?
まさかカルラでも、お前の世界では巨乳じゃないのか!?」
「まぁ、そうですね」
特に、B.B.ライダー本編の方の絵だとな。
まぁ、インボルグの方の絵だとまだ話は少し変わるけど、それでも現代のインフレ環境では目立つほどではない。
「あ、ありえん! い、いやしかし!
この絵、そしてヌードはかなりの巨乳ぞろい!
凄い! 凄すぎるぞ異世界! 来て良かったこの屋敷!」
ニトスは大興奮しながら、尋常でないスピードであらゆる本を凄まじいスピードで捲っている。
「はぁはぁ」
本編で腐るほど見た変態面になり、大興奮の様子だ。
よし、良い感じだ。
「ニトスさん。とてもいいと思いませんか?」
「あぁ! ありがとう! ここに連れてきてくれて!」
「ですが、さらに良い事を教えてあげますよ。
ヌードではなく、成人向けのものを手に入れる事も出来るんですよ」
「なにいいいいいい!? よこせ!」
眼が血走っていて怖い。
「ちょ、ちょっと、落ち着いてください。
それは、この図書館には置いていないんです」
「どういう事だ?」
「なにせ本だけでなく、映像やゲームといった成人向けのコンテンツもありますからね」
「なに!? 映像だと!
それは是非とも欲しい!」
そういうと思ったぜ。
まずニトスは、元の時代だと成人向けビデオなんて無さそうだった。
召喚されてからもお嬢と一緒に居て、そんなものは見てなかったと思われる。
だから、映像は効くと思った。
ゲームは多分、言葉の意味が分かっていないのだろうが、分かれば欲しがるだろう。
「では、今から屋敷の案内役として、そういったものを手に入れる方法を教えますよ」
俺は微笑みながら、ニトスを連れていく事にした。
そう……もちろん。
「この賭博部屋で手に入るのですッ!」
賭博部屋にであるッ!
「なるほどそういう事か!
おっぱいを手に入れたくば賭けに勝てという訳だな」
「その通りですよ」
「良いだろう。アイラブおっぱい!」
そうして、ニトスと共に賭博を始める事になったのであった。
……まぁ、本当は賭博じゃなくても、庭掃除とか料理とかのポイントで交換できるんだけど。
そこは黙っておくとしよう。
それに高性能のVRゴーグルとか取ろうと思ったら、庭掃除程度じゃ足りんだろうし。
「で、俺は賭けに疎いんだが、何をするのが良いんだ?」
どうしようかな。
ガールズ競輪とかやらせたら、おっぱい大きい順に賭けるとか言いそうで面白そうだけど。
でもまず、ここは……。
「大定番の競馬ですかね。俺の住んでいた国で1番人気のある賭博です」
「名前からするに馬で競うのか?」
「はい、1番早くゴールに着く馬を当てるだけですよ」
「なるほどな」
「まずはどんなものか見せます。
その後に本番。
2026/3/11 Jpn2 ダイオライト記念でもやりましょうか」
ちなみに、船橋競馬の交流重賞。
ここは固いんじゃないかな、多分中央馬3頭で決着だろう。
*
2026/3/11 Jpn2 ダイオライト記念
1着 オディロン(園田競馬)
2着 セラフィックコール(川崎競馬)
3着 カズタンジャー(JRA)
「「…………」」
俺とニトスは結果を見て呆然としていた。
いや待て、待ってくれ。
園田の馬が1着!? は? 単勝28.6倍なんだけど!
後、JRA勢なにやってんの!?
3連単は539.5倍。馬単が……171,5倍!?
まぁそりゃそうか。地方馬が1、2着独占するなんて思わないもんな。
ニトスの買い目は聞いてなかったが……うん。表情を見れば結果は分かる。
「これがギャンブルというものだ。ニトスさん」
「お、俺のおっぱいが」
別にニトスのおっぱいじゃなかったと思うが、まぁいいや。
「残りのポイントはどれくらいありますか?」
「後、1500だ」
昨日と今日の朝に料理を作っただけあって、負けても結構ポイント残ってるな。
「というかいくらあれば良いんだ?」
「ものによりますね。エロ本なら、1500でもいけますが……」
「いやだ! ここまで来たら映像が見たい!」
「そうなると、まだまだ足りないかと」
VRにするとね。
「くそっ、どうすればいいんだ!」
「こうなったら、自棄でガールズ競輪という賭博を選手のおっぱいが大きい順にでも賭けますか?」
「アンタ、何言っちゃってんの!?」
「ニトスさんに合わせたつもりですが……」
「誰がそんな事言うか!
……が、他に策がないなら止む負えん。そうしよう!」
え、ごめん。ふざけて言ったのにまじでやるの?
いやでもこういうノリが当たる事もあるし……一応やるか。
「で、それはどういう賭博なんだ?」
「それはですね」
俺はニトスに競輪というものの説明をした。
「分かった。なら、やるのは3連単だな。
競馬に比べて、当てやすい代わりに安いんだろ?」
「そうですね」
そこからは、まず1レースだけニトスにガールズ競輪というものを見せた。
賭けていない状態で試合だけをだ。
観戦後、ニトスがルールは大体分かったと言ったので、いよいよ賭けの勝負へと移る事にした。
「イーフェ、お互いに同じ買い目で行くぞ」
俺も、ニトスと同じように勝負をする。
「はい、2-3-6ですね」
「分かってるじゃないか! いくぞ全ベットだ!」
ニトスはそうして、1500を突っ込んだ!
俺も1万ほど突っ込む。所持ポイントからすれば少額だが、根拠ゼロな予想に突っ込むにしては高額だ。
でも……来い!
*
俺もニトスも多額のベット、思わず応援に熱がこもる。
「うおおおおおお!
おっぱい! おっぱい!」
「「 おっぱい! おっぱい!」」
そうして、冒頭の最低のハモリに至る。
「うおおおおお! 来たあああああ!!!」
て、的中だああああ!
「よっしゃあ!」
俺は思わずガッツポーズをする。
こんな買い方を普段する事はないので、間違えなく普通は当てられないだろう。
そうして払い戻しは……。
「37倍か。どうなんだ?」
「かなり良いと思いますよ」
というか、滅茶苦茶いいだろ!
ニトスはこれで50000を超えた。
俺も37万。
スキルとかは大して取れないが、お菓子やインスタントはしばらく出し放題だ。
程よい贅沢をするのに絶妙な最高の額と言っていい。
「へっへっへ、じゃあイーフェこれで楽しみたいんだが、どうすればいいんだ?」
「ひっひっひ、それは自室のテレビで交換メニューを開くとポイントが使えるんですぜ」
「良い事を聞いた。楽しませてもらうよ」
「また、賭博部屋に来てくださいよ」
「もちろん、物に困ったら来るとも」
さて、まだ昼まで時間は少しある。
どこか場所を紹介しようかな。
「他に屋敷紹介は要りますか?」
「そうだな。なら、少しだけしてもらおうか。
部屋で息子が待っているから手短にな」
何言ってるんだこの人は。
「じゃあ、プールでも」
「男2人で急にプールだと!?
おお前、なにをする気だ!?」
「俺をガレリアンと同じようなポジションにしないで下さい」
謂れのないホモ扱いはやめてくれ。
「今だから言いますけどね。
ポイントは賭け以外でも少し増やせるんですよ。
例えば掃除。今からそれを実際に見せる為に、プールサイドの掃除を軽くして見せます」
「へー、そうなのか。
確かにポイントが増えるなら、少し興味はあるな」
俺も本当はやりたくはないが、比較的楽だからな。
プールサイドの掃除。
「え?」
……と、いうつもりでプールについたんですが。
「あらぁ、邪魔が入っちゃったわねぇ」
「助かった、イーフェ!」
なんか……先客がいるんですが。