転生先は‘地球’でしたがダンジョンがあるファンタジーアースでした!?   作:狭霧 蓮

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1.今生もよろしく日本(ファースト・フェイズ)

 天道さまの導きで、私は異世界の地球に転生することができた。意識がはっきりし始めたのは3歳になるが、体は同年代の子供たちと比べてみるとすこぶる健康で丈夫。生まれてから1度も風邪も病気にも罹った事がない訳です。

 今日は3歳を迎えて初めての健康診断。お母さんに連れられてシンジュク帝国立大学医学部附属病院に向かっていた。

 

「おぉー……おそらとんでるのなに?」

「あれは魔法系の探索者(シーカー)ね。シンジュクの迷宮区(ダンジョン)に挑むのを生業にしてる人よ。懐かしいわねぇ」

「しーかーって、ぼうけんしゃさん?」

「ええ、空を飛べるとなると高位の魔法を常に発動できる人だから有名な人かな?」

「だんじょんはいしんしゃ?」

「良く知ってるわね、淦理(あかり)。お母さんもそれなりに有名なDANチャーバーだったんだけど」

 

 さて、ここまでの単語。正直付け焼刃の知識しかない状態の私でもわかるレベルだが、一応整理しよう。まず、今は西暦2003年である。西暦があると言う事は私の過ごしたあの地球と同じ歴史を歩んでいるとみて間違いないと思うのだが、違うところがめちゃくちゃある。

 まず「東京都」は「帝都:ヒノモト」で一応「東京23区」もあるが、「帝都23区」と呼ばれている。新宿がシンジュクで、これはよくわからないが平行同位世界だからで納得しておきたい。細かい説明とか推察を今の知識量では立てれないから妥当なところでしょうし。

 

「淦理は綺麗な朱の色髪(シキガミ)だからみんな期待してるわよ?」

「んーよくわかんない」

「そうよね、でも。珍しい髪色の子はそれに応じてすごい力を持ってる人がほとんどだから安心してね」

 

 上機嫌で車を走らせるお母さんだが、色髪と言われてもイマイチぴんと来ない。多分この世界に存在しているが前の世界で完全に廃れていて、今生はビンビンに存在している‘アレ’のせいなんだろう。先ほども見た、空を見上げると行き交う人の足元に見えている不可解な色付きモヤ。それに備わった効果を読み取れるんだがアレは「帝式:空脚」と言うらしい。

 空を蹴り踏みしめて文字通り奔るための‘魔法’で、高速移動や緊急離脱に使える魔法と思われる。実際車より早く走れる見たいだし使えたら将来楽だろうなぁとは思っている。ここまで見てきて、私はとってもワクワクしている。現代日本にして、ファンタジーが交錯する現代ファンタジー世界の‘地球’なのだと確信した。

 

「さて、もう少しで病院に着くわ。飛ばすわよー!」

「わーい!」

 

 荒い運転はやめてお母さん、と言いたいが。私に取って車酔いはないに等しいし、肉体の年齢がこの程度の刺激って判断してるから止め、あ”あ”あ”っ!? 

 この人でなし、「帝式:風纏」を車に付与してスピード増しやが……お母さんがカッ飛ばした結果。普段車酔いしないはずの私がダウンする事となるのであった。

 

 ▶︎ー今生もよろしく日本(ファースト・フェイズ)ー◀︎

 

「ご、ごめんね淦理」

「むぅー、おとなげない!」

「どこで覚えたのその言葉」 

 

 お母さんにむくれっ面を見せて抗議する位しかできないが、効果は抜群ですぐに謝罪を勝ち取れた。ふふ、チョロいな? そして病院で検査を受けて、経過良好と言われ。前世だとなかった検査を受ける事となる。その検査とは‘魔力測定’である。この世界には魔法が存在するのはさっきお母さんが車に魔法を付与したのを目撃したし、疑う余地もなしってことだ。

 魔力。それは体内のオドと呼ばれる生命力を外部からマナと呼ばれる神秘(エーテル)を取り込み混ぜて放出する際に発生する様々な現象を引き起こす魔の力である。この魔力は発生させれる分量により、その才覚をデータ化できると聞いている。

 

「君が淦理君だね? 私は葛葉 珠緒。今回の魔力測定を務めさせてもらう」

「はーい、よろしくおねがいします!」

 

 金髪碧眼の巨乳白衣美女。葛葉さんね……どこかこう、長生きしてるように見えるが気のせいかな。仙狐とかそんなんじゃないよな? いや……今はいいか。視える尻尾に関しては指摘しないようにしよう。

 

「うんうん、礼儀をよく知ってる子は嫌いじゃないよ。まずはオドとマナを感じれるかテストしよう」

「おどはこれー! マナはこう!」

「……おう、教えなくていいのはこっちとしても楽でよろしい」

 

 ふ、良く分からないが出来てしまう。と言うべきか、才能なのかこれ。私の手には体外に放出されたオドの暖かな光と。神秘というか、大気中にある良く分からない何かを察知してそれを操る感覚で収束させる。

 

「さすが、神秘との親和性の高い色髪のお嬢さんだ」

「そうなのー?」

「はい、と。まずは検査を続けましょうね」

「はーい!」

 

 まずは軽い魔法を撃ってその威力を図るんだが……マナを取り込んでオドと混ぜてこれは増幅すればいいのかな。あれ、なんかでかくなり続けるような? 

 

「えっとー、こうして。こうしてー」

「あの、淦理ちゃん……それは解除して……規模がおっきすぎぃ!」

「どうすればいいのー?」

 

 馬鹿みたいなマナの塊をどうやって発散すればいいのかが……あ、そうか。

 

「こうするのー!」

「これは、圧縮してるの……?」

 

 手のひらをマナの塊にかざして、マナを圧縮して留める。もっと小さく、もっっと小さく! 両手でマナを抑え込んで固定化する……! 

 

「これは魔晶石……すごいわ、淦理ちゃん!?」

 

 高密度のマナを圧縮したら固定化、つまり固体化するのか。結晶となったそれはキラキラとマナに満ちて光っている。煌めいて輝いてるのを見てると魅了されるような気がする。

 

「うー……はい、たまおちゃん。あげる!」

「え、いいんですか!?」

「これ、なにするのかわかんない」

「うーん至極真っ当な理由で渡される。はい、研究材料に使わせていただきますね」

「はーい、まだまだつくれるよ!」

「……ゑ?」

 

 体内のオドは今ので把握した。オドとは生命力の発露。つまり、例えるなら気力と思うのでそれが何かわかるようになれば。だいたい常人の10倍はある感覚になったし、試せるだけ試してみよう。引き寄せて圧縮して、高密度に圧縮ゥ! したらなんかできるのがこの結晶みたいだ。

 

「はぁぁぁっ……」

「淦理ちゃん、鎮まってぇ! それ以上やったらここが崩壊しちゃうからぁ!」

「え、こわれちゃうの?」

 

 高めたオドとマナの融合を押し留めて結晶化させる。その工程が楽しくてポンポン創り出してたら、周りのマナが枯渇しかけていると制止される。おかしいな……足元にマナがいっぱいあるんだけど。吸い上げて発散させてマナだまりに戻すとしますか。

 

「はぁ……この魔晶石……ど、どうやって作ったの?」

「えっとねー。グーッとしてぎゅーってしたの!」

「ア、ハイ。ワカラナインデスネ」

 

 それからいろいろと試して魔力に関しては後日知らせると通達され、家に帰るのだった。

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