転生先は‘地球’でしたがダンジョンがあるファンタジーアースでした!?   作:狭霧 蓮

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2.前世知識で殴る(セカンド・フェイズ)

 先日ドタバタしながら行った‘魔力測定’の結果が届いた。魔力は等級にして‘S級・A級・B級・C級・D級・E級’に分けられる。気になる私の等級はS級だった。この投等級は世界規模でに千数百人いるかいないかという話らしく。うん、めっちゃ少ないエリートになれる将来性が約束された等級らしい。

 

 ちなみに我が母の悕璃(かなり)は魔力等級がA級の凄腕になる。そのオドの容量は確かに、常人をはるかに超えてるのがわかる。オドの総量=魔力量と言う事になるが、空っぽになるまでそれを行使するのは愚行だそうな。

 そりゃ、オドは言うなれば体力。体力と体外のマナを取り込んで混ぜ、魔力にするのだから使うたびに命を削るようなものだ。故に多くの魔力を有する人物はそれだけフィジカルモンスターになるのも頷ける話である。

 

 普通は魔法使いって後衛から魔法をぶっ放して敵を殲滅できるが、打たれ弱いと言うにイメージが違う。これは一般的な魔法使いはそうであるらしいが、A級以上の魔法を使う者たちは単体性能がバカ高く、物理攻撃力が規格外。魔法使いじゃなくてゴリラでは? 今は海外出張中の父である大祐(だいすけ)も魔力等級がA級になる。血統的な作用が働いて私が生まれたのでは? と勘繰るがそもそも。S級の人は大体……美女かイケメンが多い。

 前世の美的センスが壊滅的だった私の感性でも解らされる位に綺麗な人が多いのである。それ故にまぁS級の人は非常にモテる。約束されたエリートなんだから当然だろうし、多少はね? 

 

 くだらないことを考えながらふと、鏡に映る美幼女(じぶん)を見て軽く溜息を吐く。朝日を受けて輝くたおやかな朱髪にくっきりパッチリとした二重の愛らしい瞳は宝石のようにキラキラと深い青と蜂蜜色の黄金で虹彩異色症(ヘテロクロミア)! そのうえ、オドを少し意識して全身に回すと目と髪がうっすらと燐光を帯びる。

 色髪持ちの人間の特徴で体外にオドを放出するのが得意な才覚で自然に魔力反応を起こして身体を恒常的に強化できるようなのです。3歳児もゴリラじみた怪力を発せれるので自衛手段として本能的に自然と行使できるのがすごい。

 さらに、燐光を帯びている状態の私の目はどうにも、魔法術式の看破ができる‘魔眼’らしい。うーん、厨二心をくすぐるそれだけど、この両目。どうやら千里眼と看破眼その他諸々のハイブリッド魔眼らしい。見える情報が流すオドの量で変化する様で、多量にオドを流し込むと見たい対象のいる場所を見れるらしい。

 

 例えば。今お母さんが何処にいるのかとかが分かるんだよね。今はショッピングモールで買い物中である。ツナ缶キライなんだけどなーとか思って眺めて。知り合いならどこにいるか分かるようで、次は葛葉さんを視てみる。

 

 前回の魔力測定で世話になった彼女はご機嫌にケモ耳をぴこぴこさせて自慢の尻尾の手入れをしてるのも見れる……めっちゃリラックスしてる。アレだけの貴重品押し付けたらそうもなるかな? 報告書の山から現実逃避してる様に見えるし。

 彼女のような獣人がいると言うことは、本当に異世界日本に生まれたんだと強く実感する。多分葛葉さんは九尾の縁者っぽいけど、悪い人じゃないのは確かだろう。

 そろそろお母さんが帰ってくるし、かしこく本を読んでおきますかね。ちなみに魔法式はこの大日本連合帝国においては‘帝式’と言うものが使われている。連合帝国ってこともあり、日本がテッペンに。東南アジアの諸国と韓国を抱き込んだ連合国家になってるのも今生の特徴である、と勉強しておく。

 

 ▶︎ー前世知識で殴る《セカンド・フェイズ》ー◀︎

 

「これを、こうして」

「ただいま、淦理。いい子にして、た……?」

「おかえり、おかあさん!」

 

 いかん。体というか未熟な自分のコントロールができない。精神が分離してる状態で好奇心旺盛なお子様がマナに触れてどうなるかって言うのを全然考えてなかった。テレビは悪くないが、魔導書を読める知識を子供に持たせてはダメだった! 一般家庭と違い、うちの両親は高位の探索者(シーカー)と呼ばれる職業の人間で、この日本や海外にある迷宮区(ダンジョン)挑戦(アタック)して報酬を得ることを生業としている。

 

 そのため、ウチにはいろんな魔道具(アーティファクト)魔秘宝(ミーティア)と呼ばれる資産兼武器が保管されていた。無論、今の私に触れられないような物、触れさせたらアウトな品物がいっぱいあるのもわかるが、そういうのは本能的に避けれた。しかし、書庫にあった魔導書は話が違ってくる。和訳された日本語の魔導書を見つけて好奇心で読んだらその使い方がインプットされてしまい……。

 

「えとー、ていしき、くうきゃく!」

「え、危ないわ淦理!?」

「きゃはは、おかあさんちっさーい!」

 

 とててと空を走り回り。天井も、壁も、床を縦横無尽に走破できる。なるほど、ここに帝式:風纏を使うとさらに加速できるかなと思うが。さすがにそれはアカン、コントロールミスったら壁に激突する。

 

「見ただけで空脚を覚えたの、淦理!? 何てこと……天才だわ!」

「んー、ちがうよおかあさん。おほんよんだの!」

「書庫の魔導書を読んだの!? いや、でも漢字は読めないはずなのに──まさか淦理、天与(ギフト)持ち!?」

 

 天与ねぇ。私がそれに近いモノを持ってる可能性は高い。なんだかんだで転生者だもの。今現在、約束されているであろう美貌に超強力な魔力容量、複数の力を持つ魔眼。そしてこの身体的センスに私の頭脳というか、成人の持っている経験と勉強で得た賜物の読み書きの能力。

 普通の子供じゃないのは確かで、複数の天与を有する人物は存在が確認されてるらしい。今は自分の動ける範囲でしか知識を得られないのが難点で、世界がまだまだ狭いのが窮屈らしい。

 

「ていしき、れっぷうまい!」

「危ない! 帝式:烈風舞!」

 

 自制が効かず、空脚の上位魔術式である烈風舞で窓の外に飛び出した私をお母さんが抱き留めてくれた。烈風舞はその名の通り、風に踊る様に乗ることで飛翔することができる魔法だ。多分何処までも高度を伸ばして飛び上がっていただろうにお母さんが止めてくれたのである。

 ようやく一息つけるな……ほんと、この時期の腕白さが子供の手のかかる点で制御できないのがつらい、マジでゴメン、お母さん。

 身体の方は走り回って疲れたのか腕の中で身を預け、寝息を立てている。千里眼を発動してお母さんを見ると微笑んでいた。

 

「まったく、腕白すぎるわ淦理。でもここまで天才なのはさすがにわからなかったわね」

 

 すみません、私のせいなんです。ホントすみません! 

 

「これは、将来がほんとに楽しみだわ! 鍛え甲斐がある子になってくれたら本当にうれしい」

 

 優しく撫でられて、体は擽ったそうにもぞもぞ動くが。そこまで期待されてるなら、こっちとしても親孝行するのが責務だろう。だから、今はしばし眠ろう。どうも私の精神はサブCPUっぽく扱われていて、独立して意識を有しているらしい。なのでまずは天与の解析にリソースを割くために表層の方は健やかに育ってくれるように祈りつつ目を離すことにしよう。

 

 意識を暗転させて、深層意識にダイブした私はまず。どういう能力があるのかを探る事にした。

 

 私には5つの天与があるっぽくて、思い出す。特級ってこれかぁ……。で、どういう効果なのかを見てみると。

「天与:天製の肉体」、「天与:竜の因子」、「天与:超位演算」、「天与:全能眼」、「天与:無限倉庫」とのこと。効果は順に身体の頑丈さが規格外になり、竜種のごとき生命力と再生力を持つ、頭の回転がめちゃくちゃ速くて、多く総てを見通せる万能の瞳に、無限のストレージを持っているって所だろうか? 

 なお、どれもまだ未覚醒だそうだ。そりゃリミッター掛かるわよ、こんなの常時稼働させたら間違いなく魔王扱いでしょ。

 

 あの福引の効果で1級以降は単純にステータスの上限を引き上げる効果があるみたいで、一般人のレベルは最大で10らしい。私の潜在ステータスはというと……

 ────

 竜崎 淦理(リュウザキ アカリ)

 レベル1 上限255

 性向 0 善

 称号:なし

 HP200/200

 MP300/300

 魔力最大値:INT+VIT*3

 ステータス

 STR 100+60 上限999+(20*3)

 DXE 100+60 上限999+(20*3)

 VIT 100+60 上限999+(20*3)

 AGI 100+60 上限999+(20*3)

 INT 100+60 上限999+(20*3)

 MND 100+60 上限999+(20*3)

 ────

 こんな感じらしい。いやこんな感じだけで片すのもヤバいけど、凄まじい能力値ですね。一般人は全ステータス20が普通だというに、軽々と上限突破して最大レベル255が上限らしい。魔王の転生体かな? 

 とはいえ、現状これと言ってあれこれ出来るわけじゃないから、今後はステータスを延ばす行動をして能力値を延ばしていくのが課題か。いや、こう……最低限の機能しか働いてない状態でオールステータス160はやばいと思うんだけどね? 

 サブCPUの私が本体に統合されるその日まで、見守りますかねぇ……。

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