ゼーリエ、アイドルになる。   作:ジュウヨン

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ユーベル、過去に思い耽る

 

 

 

レギュラー番組の収録が終わる。

 

「お疲れ様でしたー!」

 

乾いた拍手と、

アシスタントのよく通る声がスタジオに響いた。

 

ライトの熱がまだ肌に残っている。

 

「ユーベルちゃん、今日も良かったよ〜」

 

モニターを覗いていたプロデューサーが、

振り返りざまに声をかけてくる。

 

「そう?ありがとー」

 

反射みたいに、口角が上がる。

 

カメラが回っていなくても、もう勝手にそうなる。

 

——癖だ。

 

だが。

 

ユーベルは、

この男があまり好きではなかった。

 

理由は、単純だ。

 

「ユーベルちゃん、良かったらこのあと食事でもどう?」

 

ほら、来た。

 

一拍も置かない。

 

「ごめんね〜」

 

「前から言ってるけど、

 そういうの事務所NGなんだよね〜」

 

間を置かずに。

 

「一応、私アイドルだからさー」

 

肩をすくめて、軽く笑う。

 

断り文句も、

もう何度目か分からない。

 

「えー、黙って行っちゃえばバレないでしょ〜」

 

「今度さー

 ユーベルちゃんに出て欲しい番組の話もしたいんだけどなー」

 

……今日は、いつもより粘る。

 

視線が、少しだけねっとりしている。

 

安く見られている。

 

——そう感じるだけで、喉の奥がわずかに熱くなる。

 

生憎、仕事には困っていない。

 

これ以上増やす気もない。

 

それに——

 

(この業界が、綺麗じゃないことくらい……もう知ってる)

 

笑顔の裏にあるものぐらい、

嫌というほど目の前で見てきた。

 

こいつは——

 

(私が、一級魔法使いだって理解してるのかな)

 

ふと、そんな考えが浮かぶ。

 

——この距離なら、一瞬だ。

 

首筋に触れるより早く、

終わらせられる。

 

血の匂いも、きっとライトの熱に紛れる。

 

……。

 

喉の奥で、何かがせり上がる。

 

でも。

 

それを、噛み潰す。

 

「ファンに見られたらアレだしさ……ごめんね?」

 

両手を合わせて、少しだけ首を傾ける。

 

営業用の角度。

 

営業用の声。

 

そして——

 

精一杯の、笑顔。

 

一瞬だけ、間。

 

「……はぁ」

 

小さく息を吐いて、

 

「じゃあ、いつかアイドル辞めたら

 その時は絶対お願いね?」

 

まるで何もなかったみたいに、

手をひらひらと振って去っていく。

 

……しつこいくせに、引き際は軽い。

 

(そうなったら、

 アンタなんかと関わるわけないでしょ……)

 

心の中でだけ、吐き捨てる。

 

表情は、崩さないまま。

 

——前は、こんな使い方じゃなかった。

 

(……コイツも、私が笑ってるから安心してるんだろうな)

 

それが、わかる。

 

わかってしまう。

 

だから、余計に気持ちが悪い。

 

アイドルとして身につけた笑顔は、

 

いつの間にか——

“相手を安心させるための道具”になっていた。

 

……。

 

(いつからだっけ)

 

自分の笑顔が、

こんな風に変わったのは。

 

アイドルを始めてからだ。

 

それは、間違いない。

 

でも——

 

じゃあ、その“前”は?

 

思い出そうとすると、

頭の奥がぼんやり霞む。

 

疲れてるだけかもしれない。

 

考えるのも、少し面倒だ。

 

……まあ、いいか。

 

……

 

……

 

収録を終え、車に乗り込む。

 

ドアが閉まると同時に、

外の喧騒が遠くなる。

 

マネージャーがエンジンをかける。

 

流れていたラジオの音が、

やけにうるさく感じた。

 

「ごめん……着いたら起こしてもらっても良い?」

 

シートに体を預けながら言うと、

 

「わかりました」

 

短い返事。

 

すぐに、ラジオの音量が絞られる。

 

……こういうところは、気が利く。

 

気づけば、付き合いも長くなった。

 

……。

 

ユーベルは目を閉じる。

 

呼吸を落とす。

 

こうすれば、すぐに眠れる。

 

そういう体になっていた。

 

たぶん、疲れのせいだ。

 

……まあ、なんでもいい。

 

少しでも、寝よう。

 

意識が、沈んでいく。

 

——その時。

 

ふと、さっきの考えが浮かび上がる。

 

(私は、なんで変わったんだっけ)

 

アイドルになる前の自分。

 

笑顔の意味も、使い方も違った頃の自分。

 

……どんなだったっけ。

 

沈みかけた意識の底で、

 

何かが、ゆっくりとほどけていく。

 

記憶が——

 

少しずつ、形を取り戻していく。

 

……

 

……

 

……

 

両親のいなかった私は、姉と一緒に施設で育った。

 

古い建物だった。

 

廊下はいつも少し冷たくて、足音がやけに響く。

 

施設にいるのは、戦争で家族を失った子や、

親に捨てられた子ばかりだった。

 

——つまり。

 

どこか、似たような顔をした子供たち。

 

姉は、その中でも目立っていた。

 

綺麗で、優しくて、

いつも笑っていて。

 

誰に対しても分け隔てがない。

 

気づけば、周りには人が集まっている。

 

——人気者だった。

 

自慢の姉。

 

……だけど。

 

体は、弱かった。

 

よく咳をしていたし、

少し動くだけでも息が上がることがあった。

 

それでも——

 

姉は、いつも笑っていた。

 

……

 

その日も、いつもの光景だった。

 

窓のそば。

 

柔らかい光の中で、姉が布を広げている。

 

「……」

 

カチ、カチ、と。

 

ハサミの音が、一定のリズムで響く。

 

私は、その音をぼんやりと聞いていた。

 

理由はよくわからない。

 

でも、その音を聞いていると——

 

なんだか、落ち着いた。

 

「ねえ」

 

ふと、口を開く。

 

「どうして、姉貴はさ」

 

ハサミの音が、一瞬だけ止まる。

 

「病気で辛いのに、みんなの前だと元気なフリするの?」

 

少しだけ、不思議だった。

 

姉は、私の前では静かで、

あまり無理に喋らないのに。

 

外では、ずっと明るい。

 

「ふふ」

 

すぐに、また音が戻る。

 

カチ、カチ、と。

 

「ユーベル、それはね……」

 

「私が——全然、明るい人間じゃないからだよ」

 

変なことを言う。

 

「え……どういうこと?」

 

思わず身を乗り出す。

 

「姉貴、めっちゃ明るいじゃん」

 

誰よりも、って言っていいくらい。

 

姉は、小さく笑った。

 

「ふふっ……全然そんなことないよ」

 

手は止めないまま、淡々と続ける。

 

「無理して、明るく振る舞ってるのさ」

 

「……は?」

 

余計にわからない。

 

「全然わかんないんだけど!」

 

思わず声が大きくなる。

 

姉は少しだけ肩を揺らして笑った。

 

「明るい人間じゃないのに、

 明るく振る舞わなかったら——もっと暗く見えちゃうでしょ?」

 

「……」

 

「それにね」

 

カチ、と。

 

布を切り分ける音が、少しだけ強く響く。

 

「明るい人間のフリって、そこまで嫌がられないと思うんだ」

 

「だから、私にとっては——」

 

ほんの一瞬だけ、

言葉が止まる。

 

「……そっちの方が、楽なんだよ」

 

すぐに、

またいつもの調子に戻る。

 

「ただでさえ病気で辛いのに、暗くしてたらさ」

 

「私だけじゃなくて、

 周りまで気が滅入っちゃうでしょ?」

 

そう言って、こちらを見る。

 

そして——

くしゃり、と頭に手を置かれる。

 

「……だから、ユーベルにもできれば」

 

「いつも笑ってる、明るい子になってほしいな」

 

いつも通りの笑顔。

 

でも。

 

ほんの少しだけ——疲れて見えた気がした。

 

「うーん……」

 

私は、少し考えてから言う。

 

「別に、無理したくないかなぁ」

 

正直な気持ちだった。

 

「周りとか、どうでもいいし」

 

「姉貴みたいな生き方って……

 なんか、辛そうだし」

 

姉は、また笑う。

 

「ふふ……」

 

少しだけ目を細めて、

こちらを見る。

 

「ユーベル、よくわかってるじゃん」

 

「え、なにそれ褒めてんの?」

 

思わず聞き返す。

 

「褒めてるよ」

 

くすっと笑って、

 

「でもね——だからこそ、笑うんだ」

 

「えー」

 

納得いかなくて、頬を膨らませる。

 

「私はずっと楽して生きてたいよー」

 

つい、即答してしまう。

 

その言葉に——

姉は、ゆっくりと首を横に振る。

 

「自分が楽に生きるために、周りを楽させてあげるんだ」

 

「えー……」

 

意味がわからない。

 

「なにそれ……」

 

言葉が追いつかないまま固まっていると、

 

ふわっと、

体を引き寄せられる。

 

細い腕。

 

でも、温かい。

 

「きっと、ユーベルにもいつかわかる日がくるよ」

 

耳元で、優しく言われる。

 

「わかるかなー……」

 

全然納得していない声。

 

「ふふ」

 

少しだけ、楽しそうに笑ってから——

 

「もし、ね」

 

姉は、私の肩に顎を乗せたまま続ける。

 

「ユーベルが将来、

 人を笑顔にする仕事をすることがあったら」

 

「お姉ちゃんみたいに、笑ってみな?」

 

「仕事だったら、逃げられないでしょ?」

 

「そしたら……わかるかもしれないよ?」

 

その言い方が、少しだけ真剣で。

 

少しだけ——重かった。

 

「えー、やらないよそんなの」

 

すぐに返す。

 

「めんどくさいし」

 

即答だった。

 

「ふふ、ユーベルらしいね」

 

ゆっくりと、体が離れる。

 

姉はまた、

布に向き直る。

 

カチ、カチ、と音が戻る。

 

その横顔を見ながら、ぼんやり思う。

 

私は——

姉みたいには、なれない。

 

そう、決めつけていた。

 

……。

 

「私さ」

 

ふと、口を開く。

 

「姉貴のハサミの音、好きなんだよね」

 

自分でも、なんでかわからない。

 

でも——

言いたくなった。

 

姉の手が、一瞬だけ止まる。

 

「……いいじゃん」

 

少しだけ、優しい声になる。

 

「その笑顔だよ」

 

姉が、微笑む。

 

「ユーベルの笑顔は、誰よりも可愛いんだから」

 

「笑ってなきゃ損だよ?」

 

その言葉に、

 

胸の奥が、くすぐったくなる。

 

「えへへ……」

 

思わず、顔が緩む。

 

両頬を押さえて、少し俯く。

 

「そ、そうかな……」

 

「うん、そうだよ」

 

迷いのない声。

 

だから——

少しだけ、信じたくなった。

 

「じゃあ……いつか」

 

ぽつりと呟く。

 

「やってみようかなぁ」

 

「人を……笑顔にする仕事」

 

上手く乗せられたみたいで、

小っ恥ずかしいけど。

 

少し、興味が湧いた。

 

「え?」

 

姉が、きょとんとする。

 

……。

 

次の瞬間——

 

コトン、と。

ハサミが置かれる音。

 

そして、

 

ぎゅっと、強く抱きしめられる。

 

「ユーベルは……やっぱり良い子だね」

 

ぐりぐり、と頬に押し付けられる。

 

「ちょ、姉貴……痛いって……」

 

背中をぽんぽん叩いて抗議するけど、

全然やめる気配がない。

 

そのまま、少しだけ笑ってしまう。

 

——この時間が、好きだった。

 

何も考えなくていい時間。

 

ただ、隣にいればよかった時間。

 

私は——

姉と過ごすこの時間が、

 

本当に——

何よりも大好きだった。

 

 

……

 

……

 

それから、

姉はますます体調を悪くしていった。

 

最初は、少し休めば戻る程度だったのに。

気づけば、立ち上がることすら苦しそうになっていて——

 

やがて、施設での療養が難しくなり、

病院に入院することになった。

 

白い壁。

薬の匂い。

やけに静かな廊下。

 

ユーベルは、

時間を見つけては何度もお見舞いに通った。

 

扉を開けるたびに、少しずつ——

姉が“遠くなっていく”のがわかった。

 

姉は、施設にいた時よりもさらに痩せ細っていった。

頬はこけて、腕は細く、指は骨ばっている。

 

それでも——

 

笑っていた。

 

以前よりも、ずっと。

 

前よりも、作り笑いが増えた。

いや、違う。

 

“作っている”のが、

わかりやすくなった。

 

私の前でも、よく笑うようになった。

 

無理矢理、笑ってる。

 

誰が見ても、わかるくらいに。

 

それでも——

姉が笑うと、周りは安心する。

 

施設の職員も、見舞いに来た友達も。

「元気そうでよかった」と、口を揃える。

 

……なんでだよ。

 

どう見ても、

元気じゃないのに。

 

だが、ユーベルは違った。

 

「姉貴……変だよ。」

 

ベッドに横たわる姉を見て、

思わず口から零れる。

 

「え……?」

 

姉がゆっくりとこちらを見る。

 

目がボヤけていて、

姉の顔が上手く見えなかった。

 

「辛い時は辛いって言えば良いじゃん……」

 

声が震える。

 

「無理に明るく振る舞ってるの……」

 

喉が詰まる。

 

「わたし、見てられないよ……」

 

ぽた、ぽた、と。

 

涙が落ちる。

 

止めようとするたびに、余計に溢れてくる。

 

姉の前では泣きたくなかった。

強がりたかった。

 

でも——無理だった。

 

何度拭っても、次から次に流れていく。

 

姉が、小さく手招きする。

 

その腕は、前よりもずっと細くなっていた。

骨の形が、布越しにもわかるくらいに。

 

ユーベルは、

吸い寄せられるようにその側へ寄る。

 

すると——

 

ふわり、と。

抱きしめられる。

 

以前よりも、ずっと弱い力で。

でも、確かにそこにある温もりで。

 

「ふふ、やっぱりユーベルは優しいね……」

 

かすれた声。

 

それでも、優しくて。

 

「……でもね、お姉ちゃんは辛くないんだよ」

 

姉は、そう言ってまた笑う。

 

「会いに来てくれる人がいるから、笑っていられるんだ」

 

「ひとりぼっちだったら、笑ってても誰も見てくれないでしょ?」

 

「それに比べたら、お姉ちゃんは幸せな方なんだよ」

 

——嘘だ。

 

そう思った。

 

でも、言えなかった。

 

「それに……」

 

抱きしめる力が、ほんの少しだけ強くなる。

 

頼るように。

縋るように。

 

「ユーベルが、そばに居てくれるからね」

 

胸の奥が、ぎゅっと締め付けられる。

 

姉はゆっくりと体を離し、ユーベルの顔を覗き込む。

 

涙でぐしゃぐしゃになった顔を見て——

 

それでも、笑う。

 

「前も言ったでしょ?

 ユーベルは可愛いんだから笑ってなきゃ損だって」

 

「だから——笑っててよ」

 

その笑顔は——

あまりにも綺麗で。

 

あまりにも、壊れそうで。

 

痛々しかった。

 

でも。

 

それ以上に——

かっこよく、見えてしまった。

 

(……私も、こうなりたい)

 

そう思ってしまった自分が、少し怖かった。

 

「ねえ——ユーベル」

 

姉が、ぽつりと呼ぶ。

 

だが。

 

その瞬間。

 

ほんの一瞬だけ——

笑っていなかった。

 

感情が、抜け落ちていた。

 

空っぽの目。

 

人形みたいに。

 

「笑ってれば——」

 

心臓が、止まりかける。

 

「それだけで、みんな安心するから」

 

……。

 

空気が、冷たくなる。

 

次の瞬間には——

 

何もなかったかのように、

いつもの笑顔に戻っていた。

 

「だから……お姉ちゃんは無理してでも笑うのさ」

 

精一杯の、満面の笑顔。

 

なのに。

 

冷たい。

 

どこか、歪んでいる。

 

……怖い。

 

そう、思ってしまった。

 

その笑顔が——

頭に焼きついて、離れなかった。

 

部屋を出たあと。

 

扉の向こうから、音が聞こえる。

 

咳き込む声。

 

苦しそうな、呻き声。

 

そして——

 

小さな、啜り泣き。

 

足が止まりかける。

 

でも。

 

私は——歩いた。

 

聞こえないフリをした。

 

本当は、ドアを開けてすぐにでも抱きしめたかった。

 

でも……

それは、しなかった。

 

できなかった。

 

これ以上——

私のせいで、姉に無理をさせたくなかったから。

 

姉は、絶対に強がるに決まってる。

昔からこうだった。

 

ずっと。

 

——ずっと。

 

私は、本当は知っていた

 

 

 

それから、

姉は遠くにある大きな病院に移ったらしい。

 

……“らしい”というのも。

 

施設の人間に、そう聞かされたからだ。

 

直接、姉から知らされたわけじゃない。

手紙も、言伝も、何もない。

 

それだけ。

 

姉と会える機会は、そこで途絶えた。

 

その代わりに聞かされたのは——

今後の治療には、莫大な金がかかるという話。

 

職員たちは、困り果てた顔で言葉を濁していた。

 

「どうにかする」とも、「無理だ」とも言わない。

 

ただ——沈黙していた。

 

……どこの病院なのか。

とてもじゃないが、聞ける雰囲気じゃない。

 

だが、一つ確かなことがある。

 

私に、

悠長にしている時間は——ない。

 

それだけは、

子供の私でも理解できた。

 

ユーベルは、すぐに動いた。

 

泣くことも、

立ち止まることもせず。

 

魔法使いとしての修行に、全てを費やした。

 

血の滲むような——

いや、実際に血を流しながらの修行だった。

 

指が裂けても、魔力が枯れても、倒れても。

 

止まらなかった。

 

止まれなかった。

 

やがて、

若くして三級試験に合格する。

 

当時としては異例の速さだった。

 

だが——それでも足りない。

 

もっと、もっと、と。

 

焦燥だけが積み重なっていく。

 

時代は、変わっていた。

 

魔族との大きな争いは終わり、

世界は平和になりつつあった。

 

皮肉にも——

魔法使いの“仕事”は減っていた。

 

それでも、ユーベルは仕事を選ばなかった。

 

安い報酬の討伐。

復興の雑務。

誰もやりたがらないような依頼。

 

全部、引き受けた。

 

金のため。

 

そして——

 

何より、自分を止めないために。

 

仕事をこなすほどに、

魔法は研ぎ澄まされていく。

 

同時に——

 

何かが、削れていく。

 

やがて——

 

一級魔法使いの試験にも、合格する。

 

誰もが認める実力。

 

誰もが羨む称号。

 

……それでも。

 

満たされることはなかった。

 

ユーベルは、

あの時の約束を守り続けていた。

 

常に、笑顔を浮かべる。

 

(……笑ってれば、相手は安心するんだよね)

 

それは、もう癖になっていた。

 

呼吸と同じくらい、自然に。

 

だが——

 

あの時、姉に褒められた笑顔とは、

似ても似つかない。

 

柔らかさも、温度もない。

 

あるのは——

どこか妖しく、底の見えない笑み。

 

偽りの笑顔。

 

それでも、

ユーベルはそれを“正しい”と信じようとした。

 

殺す時は——

 

最期くらいは、

なるべく笑顔で見送ってあげよう。

 

そうすれば。

 

きっと、少しは救われるはずだ。

 

相手も。

 

……そして、自分も。

 

笑顔は、死にゆく者へのせめてもの情け。

そう、定義していた。

 

 

……

 

……

 

過去に——

 

ユーベルが、

盗賊に襲われたことがあった。

 

人気のない街道。

 

囲まれる気配。

 

複数人。

 

だが——

 

結果は、一方的だった。

 

襲ってきた盗賊たちを、

ユーベルは意図も容易く葬った。

 

抵抗にもならない。

 

悲鳴も、怒号も、

すぐに途切れる。

 

最後の一人が——

その場にへたり込む。

 

失禁し、震えながら、

命乞いを始める。

 

何度も、何度も。

頭を地面に擦り付ける。

 

土と血で、額がぐちゃぐちゃになっていた。

 

「た、助けてくれ……!」

 

「なんでもするから……!!」

 

コイツらの言葉は、意味を成していない。

命乞いとしての価値は——ない。

 

それでも。

生に、追い縋ろうとしている。

 

……。

 

やがて——

 

ユーベルが迷わず刃を向けるのを見て。

悟ったのだろう。

 

男は、ぴたりと動きを止めた。

 

真顔で、こちらを見つめる。

 

諦めた目。

空っぽの目。

 

ユーベルは——

いつも通り、笑顔を向けていた。

 

変わらず。

ずっと。

 

……その瞬間。

 

男の顔が、わずかに緩む。

 

ほんの少しだけ。

 

どこか——

安堵したように。

 

その変化を、ユーベルは見逃さなかった。

 

(……ああ)

 

(やっぱり)

 

確信する。

 

——そういうことか。

 

「……大丈夫だよ」

 

誰に向けたのかもわからない言葉を、

ぽつりと零す。

 

姉が言っていた——“笑顔は人を救う”。

 

次の瞬間——

 

男の表情は、

穏やかなまま止まった。

 

命が、途切れる。

 

周囲には、鮮血が飛び散っていた。

 

それでも。

 

その顔だけは、

不思議と静かだった。

 

 

……

 

……

 

こういうことは、

一度きりじゃなかった。

 

それから、何度もあった。

 

繰り返すたびに——

ユーベルは思ってしまう。

 

自分の笑顔には、

意味があるのだと。

 

価値があるのだと。

 

まるで——

自分が、肯定されているような錯覚。

 

だが。

 

同時に、わかっていた。

 

これは——

姉が言っていたものとは、違う。

 

『ユーベルが

 人を笑顔にする仕事をすることがあったら——』

 

その言葉が、ふとよぎる。

 

ユーベルは、心に刻んでいた。

 

……つもりだった。

 

姉は——

 

今の自分を見て、

どう思うだろうか。

 

血に塗れた手。

 

命を奪いながら、

笑う自分。

 

これは——

 

姉の言っていた“笑顔”なのか。

 

——きっと、違う。

 

いや、違わない。

 

思考が、ぐるぐると巡る。

 

答えは出ない。

 

でも、止められない。

 

人を笑わせる仕事。

 

そんなもの——

自分には似合わない。

 

最初から、決めつけていた。

 

なぜなら——

私は、魔法使いだから。

 

魔法は、命を奪うものだ。

 

笑顔なんて——

そんなものとは、相容れない。

 

それでも。

 

約束がある。

 

姉との、たった一つの約束。

 

だから——

笑い続ける。

 

意味が歪んでいても。

 

間違っていても。

 

ユーベルの笑顔は——

 

少しずつ。

 

確実に。

歪んでいく。

 

 

 

ある日。

 

ユーベルは、

王都の街外れでぼんやりと空を見上げていた。

 

雲が流れていく。

ゆっくりと。

どうでもいいくらい、ゆっくりと。

 

一級魔法使いの特権で——

姉の居場所を探す魔法を受け取るつもりだった。

 

それさえあれば。

 

それさえあれば——

 

なのに。

 

その願いは、叶わなかった。

 

「……その魔法は、既に他の者に渡した」

 

ゼーリエにそう告げられた時。

 

「あ、そっか」

 

軽く笑って、そう返した。

 

……それだけだった。

 

それ以上は、何も言わなかった。

 

言えなかった。

 

——その直後。

 

世界の色が、落ちた。

 

音が遠のく。

 

足元が、抜ける。

 

目の前が——真っ暗になる。

 

 

……

 

姉の居場所がわからないのは、

姉が病院を移った直後に。

 

施設の人間が、

全員死んでしまったからだ。

 

姉の行方は——

そこで、途切れている。

 

盗賊の襲撃。

 

ユーベルが修行から帰った時には——

すでに、終わっていた。

 

生まれ育った場所は、形を失っていた。

 

壁は崩れ、床は割れ、

血の匂いが染み付いている。

 

親代わりだった職員。

 

一緒に笑っていた子供たち。

 

誰もが——

無造作に、転がっていた。

 

目を閉じている者もいれば。

 

開いたままの者もいる。

 

その濁った目には、

一体、何が見えているんだろうか。

 

いや——

もう、何も見えていない。

 

……静かだった。

 

不自然なくらいに。

 

その中で——

ひとつだけ、見覚えのあるものがあった。

 

床に、落ちている。

 

姉が使っていたハサミ。

 

ぼんやりと、それを手に取る。

 

軽い。

 

あまりにも、軽い。

 

(これ、姉貴のだ)

 

それだけは、はっきりとわかった。

 

涙は——出なかった。

 

代わりに。

 

笑おうとした。

 

口角を上げる。

 

上げる。

 

……上がらない。

 

無理やり、上げる。

 

(笑ってれば——)

 

(安心するんだよね)

 

姉の声が、頭の中で反響する。

 

だから。

 

笑う。

 

ここで泣いたら——

 

この場所が、

全部“悲しい思い出”になってしまう。

 

それは、嫌だった。

 

だから。

 

笑う。

 

その時から——

私は、姉の言葉を信じることにした。

 

……。

 

——でも。

 

上手く、できていなかったんだと思う。

 

気づけば——

 

頬に、温かいものが伝っていた。

 

「……あ」

 

指で触れる。

 

濡れている。

 

……。

 

違う。

 

これは、違う。

 

認めたくない。

 

だって。

 

それは——

姉との、約束だから。

 

ぎゅ、と。

 

ハサミを握りしめる。

 

強く。

 

強く。

 

そのまま、踵を返す。

 

ここには、もういられない。

 

これ以上いたら——

何かが壊れる。

 

……そのはずなのに。

 

さっきから、

 

何かが、少しだけ引っかかっている。

 

視線が、勝手に彷徨う。

 

……あれ。

 

女の子の姿が——

ほとんど、見えない。

 

……なんで?

 

胸の奥が、

じわりと気持ち悪くなる。

 

考えたくない。

 

考えたら、

何かが決定的に壊れる気がする。

 

だから——

 

目を逸らした。

 

「おい」

 

声がした。

 

振り向く。

 

男が一人。

 

盗賊の残党だろう。

 

下卑た笑みを浮かべている。

 

舌で唇を舐めながら、

ゆっくりと近づいてくる。

 

「へぇ……生き残りか」

 

「いい値で売れそうだなぁ……」

 

「抵抗すんなよ?」

 

言葉が、耳に入ってくる。

 

でも、意味は入ってこない。

 

ただ——

その顔だけは、よく見えた。

 

笑っている。

 

いやらしく。

 

歪んで。

 

(……気持ち悪い)

 

そう思うのに。

 

なぜか。

 

少しだけ——

 

安心した。

 

笑っている。

 

だから。

 

(……ああ)

 

(そうか)

 

納得してしまう。

 

——やっぱり、

姉の言う通りだ。

 

笑っていれば。

 

それだけで——

 

安心する。

 

……。

 

手が、震えている。

 

止まらない。

 

視界が、揺れる。

 

心臓の音が、うるさい。

 

——でも。

 

その先は、覚えていない。

 

……。

 

……気がつけば。

 

何かが、目の前に倒れていた。

 

さっきまで動いていたもの。

 

今は、動かない。

 

あのいやらしい笑顔も——

もう、どこにもない。

 

ただの、肉の塊。

 

血が、広がっている。

 

遅れて、理解する。

 

(……ああ)

 

(私が、やったんだ)

 

手を見る。

 

赤黒く染まっている。

 

ハサミが、握られている。

 

指が、固まっている。

 

力が抜ける。

 

カチャン、と。

 

音を立てて、床に落ちる。

 

その音だけが、

やけに大きく響いた。

 

「あは……」

 

声が、漏れる。

 

「あはは……」

 

喉の奥から、勝手に出てくる。

 

「あはははははははは……!!」

 

止まらない。

 

笑いが。

 

ようやく——

自然に、笑えた。

 

(……ああ)

 

(そういうことか)

 

姉が言っていたのは——

こういうことだったのか。

 

彼には、悪いことをしてしまった。

 

笑顔で見送れなかった。

 

それだ——

少しだけ引っかかる。

 

……そのまま。

 

壁に、手を叩きつける。

 

ドン、と。

 

鈍い音。

 

もう一度。

 

ドン。

 

何度も。何度も。

 

叩きつける。

 

震えが、止まらないから。

 

笑顔を作れなかった、

自分が許せないから。

 

痛みで。

 

上書きする。

 

——今度は。

 

ちゃんと。

 

姉が褒めてくれた、あの笑顔で。

 

口角を上げる。

 

頬が引きつる。

 

それでも、笑う。

 

安心するために。

 

落ち着くために。

 

自分を、保つために。

 

……それでも。

 

手の震えは、止まらなかった。

 

止まってくれなかった。

 

それが——

私の、初めての殺しだった。

 

 

 

……それから。

 

姉を見つけるために、

考えられる限りの場所を探した。

 

大きな病院も、小さな診療所も。

名前のないような施療院まで。

 

白い廊下。消毒液の匂い。

カーテンの向こうで、誰かの息が細く続いている気配。

 

そのどこにも——

姉はいなかった。

 

受付で名前を告げるたびに、

首を横に振られる。

 

その動きが、少しずつ、少しずつ。

“現実”を積み上げていく。

 

それでも——

姉は見つからなかった。

 

もしかしたら……

姉はもう——

 

そこで。

 

パチン、と乾いた音が鳴る。

 

無意識に——

自分で、自分の頬を叩いていた。

 

……ダメだ。

 

そんなこと、考えるな。

 

考えた瞬間に、全部が終わる。

 

私は——

それだけを目的に、生きてきたのに。

 

その目的が、

もし最初から存在していなかったのだとしたら。

 

……じゃあ私は、何のために。

 

何をして、生きてきたんだ。

 

視界が、ぐらりと揺れる。

 

しばらく——本当に、しばらく。

私は何もできなかった。

 

ただ、立ち尽くして。

 

ただ、呼吸だけして。

 

……もう、生きていても仕方ないかな。

 

そんな言葉が、

驚くほど自然に浮かんでくる。

 

抵抗もなく。

 

重さもなく。

 

まるで、当たり前の結論みたいに。

 

……でも。

 

そこで——

ふと、引っかかる。

 

そもそも——

 

姉の言葉や思想は、

私にとって、本当に正しかったのだろうか。

 

私は、姉のような強い人間になりたくて。

 

笑顔で、殺し続けた。

 

笑っていれば、相手は安心する。

 

笑っていれば、救われる。

 

……そう信じて。

 

でも。

 

それで、本当に——

誰かは、救われていたのか。

 

私の笑顔は。

 

ただの“恐怖”だったんじゃないか。

 

逃げ場を塞ぐための、

仮面だったんじゃないか。

 

……姉が言っていたのは。

 

こういうことだったのだろうか。

 

胸の奥が、ざわつく。

 

答えが出ないまま、

問いだけが膨らんでいく。

 

ユーベルを——

どうしようもない恐怖が、ゆっくりと包み込む。

 

……。

 

だが——

 

もう、ここまで来て。

引き返せるわけがない。

 

できるわけがない。

 

そんな“まともな場所”には、もう戻れない。

 

もう、どうでもいい。

 

あまりにも——

手を汚しすぎた。

 

今更、正しさなんて。

 

今更、笑顔の意味なんて。

 

……私には——

 

考えていた、

その時だった。

 

「探しましたよ——ユーベル様」

 

突然、

声が割り込んでくる。

 

静かで、抑揚の少ない声。

 

「あれ、頬が真っ赤になってますけど……」

 

「大丈夫ですか?」

 

気づけば、すぐ近くにいた。

 

紫の髪。

年は、同じくらい。

 

「……あれ、誰だっけアンタ」

 

ぼんやりと、顔を見る。

 

見覚えはある。……気がする。

 

でも、名前が出てこない。

 

私は、

人の顔を覚えるのが苦手だった。

 

覚える意味が、あまりないから。

 

いざ殺す時に、

躊躇が生まれるのも面倒だし。

 

「一級魔法使い試験で一緒になった、フェルンです」

 

ぺこり、と小さく頭を下げる。

 

妙に丁寧で、

無駄のない所作。

 

……ああ。

 

そう言われれば、

なんか、いた気がする。

 

「あぁ……アンタか……」

 

「私に、何か用?」

 

いつも通り。

 

口角が勝手に上がる。

 

癖みたいに、笑みが浮かぶ。

 

……気持ち悪いな、これ。

 

そう思いながらも、

止められない。

 

フェルンは、その笑みに特に反応も示さず——

 

「実は……アイドルになってほしいんです」

 

と言った。

 

……一瞬、間が空く。

 

「……へ?」

 

「アイドル……?」

 

言葉の意味は分かる。

 

分かるけど——

文脈が、まるで繋がらない。

 

「そうです。アイドルになってください」

 

「知人から、適性がある人間を連れてこいと言われまして」

 

「ユーベル様しかいないと思いました」

 

淡々と。

 

本当に、淡々と。

 

「魔力探知で、

 ちょうど近くにいることはわかっていましたので」

 

……こいつ、本気で言ってるのか。

 

いや、冗談を言うタイプにも見えない。

 

「なんで——私?」

 

「適性とか、意味わかんないんだけど……」

 

笑いながら聞く。

 

でも、内心は普通に困惑していた。

 

フェルンは少しだけ考えるように目を伏せて——

 

「そうですね……」

 

「難しいですが——」

 

一拍。

 

「ずっと、笑みを浮かべていらっしゃる印象だったので」

 

「なんとなく、適任だと思いました」

 

 

……。

 

一瞬、理解が追いつかなくて。

 

そのあと。

 

「ぷっ……なにそれwwww」

 

思わず吹き出した。

 

腹の奥から、変な笑いが出る。

 

「……変でしょうか?」

 

「うん。変だよアンタ」

 

目尻を拭いながら答える。

 

……でも。

 

笑ったあとに、妙な静けさが残った。

 

アイドル。

 

人を——

笑顔にする仕事。

 

 

……。

 

……。

 

『ユーベルにも、

 できればいつも笑ってるような明るい子になってほしいな』

 

『ユーベルの笑顔は、

 誰よりも可愛いんだから笑ってなきゃ損だよ?』

 

……。

 

『もし、人を笑顔にする仕事をすることがあったら——』

 

……。

 

喉の奥で、言葉が引っかかる。

 

本当は、即答で断るつもりだった。

 

そんなの、私には関係ない。

 

やる意味もない。

 

……でも。

 

ほんの少しだけ。

 

本当に、ほんの少しだけ。

 

寄り道してもいいんじゃないか、って。

 

思ってしまった。

 

姉が望んだ“私”に。

 

一瞬でも、近づけるなら。

 

今度こそ——

ちゃんと。

 

歪んでない笑顔で。

 

「……ごめんね、姉貴」

 

誰にも聞こえない声で、呟く。

 

息を漏らすように。

 

……。

 

「うん」

 

「暇だし、いいよー」

 

なるべく軽く。

 

何でもないことみたいに。

 

答える。

 

フェルンは、小さく息を吐いた。

 

安心したみたいに。

 

「助かります……」

 

「それでは、ついてきてください」

 

くるり、と背を向けて歩き出す。

 

振り返りもしない。

 

……変な奴だ。

 

この子は——

笑っていない。

 

それなのに。

 

不思議と、安心できる。

 

私は、

いつものように笑みを浮かべたまま。

 

その背中についていく。

 

ほんの少しだけ。

 

変われるかもしれない、なんて。

そんな期待を、抱きながら。

 

そして——

姉の言葉の、本当の意味を。

 

知るために。

 

ここから——

 

ユーベルの、

“アイドルとしての物語”が始まる。

 

 

 

 

 






ここまで読んでいただきありがとうございます。
ジュウヨンです。

やっと、念願だったユーベルの過去が書けました。

プロット自体はずっとあったのですが、
投稿するタイミングが難しかったのであげれずにいました。

序盤過ぎては後のユーベルのキャラが重くなり過ぎますし、
テキトーなタイミングで入れるとそれはそれで気持ち悪いので、
ゼーリエと仲直りしてからの思い耽るタイミングに思い切って入れました。

個人的には、嫌いじゃない流れです。

少しだけ、
この作品におけるユーベルの解釈についても触れておきます。

まず、本作のユーベルは原作のように、
二級試験でブルグ一級魔法使いを殺していません。

殺していたらゼンゼやゼーリエとの関係がややこしくなるので、
そこはしていないことにしています。

この世界のユーベルはサイコパス的な雰囲気は原作ほど無いと思います。
自分に危害を加えない人間は傷つけないように注意を払っています。

この世界のユーベルも、殺す時には原作同様の笑顔を浮かべますが、
心のどこかで悩んでいます。

その悩みを笑顔という仮面で隠し、
悩みを抱えたまま殺します。

これが、本作における私の解釈です。

まあ、原作のユーベルも色々思ってはいそうですが、
私にはよくわかりません。
……というより、解釈違いが怖いので書きません。
現在の休載が明けたら、何かしらわかるかもしれませんね。

ここ連日でずっと書いていたので、
また、気が向いた時に続きを書いていきます。

ちょっとだけ、疲れました。

ここからは、Tシャツ騒動でゼーリエが大陸魔法協会の反感を買って、
アーク・アルカナに危機が訪れる……って感じの予定です。

売上全額寄付はやり過ぎましたね……。
冷静に計算したらとんでもない額の売上と赤字でした。
大陸魔法協会はカンカンです。

ただ、寄付という名目があり、
怒るに怒れないので難しいところですね。

ただ、みんな何かしら怒られるかもと予感はしています。

ただ、アーク・アルカナは基本はみんな善人で心が綺麗なので、
誰も寄付に意を唱えてませんでしたね。
本当に良い子達です。
別に、誰も何も考えてないわけではありません。
痛みを知ってるからこそ人に優しくできるのです。
ゼーリエ様もあんな感じですが、弱い人に優しいですからね。
最新のキャラ紹介にも書いていた通り、チャリティーガチ勢ですし。
理想であり、究極のアイドルです。
だからこそ、みんな色々言いつつゼーリエについていきます。

もはやアイドルなんでしょうか……
まあ書きたいように書いてるので、良いんですけどね。

ただ、ここまでくると
ライバルとして登場予定のアビス・クラウンを気軽に出せなくなりました。

もはや、パフォーマンスの差がどうこうでは
アーク・アルカナの人気は揺らがなさそうな気さえしてます。

全額寄付はマジでヤバいです。超えちゃいけない一線でした。
やるにしても、早過ぎました。

せめて、利益分は寄付ぐらいが妥当だったんじゃないでしょうか。
ただ、それだと火消しが弱い気がしたんですよね。
結局世の中メリハリが大事です。
メトーデはアーク・アルカナを圧倒的なものにしたかったんでしょう。

彼女はマネージャーとなった今でも、
アーク・アルカナの大ファンですから。

まあ、それらの展開については、今後じっくりと考えます。

それでは、引き続きよろしくお願いします。
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