大陸魔法協会
会議室。
大陸魔法協会の重鎮達が席に並んでいた。
普段、顔を出さない者までほぼ全員が揃っている。
逃げ場は、ない。
玉座のような椅子にゼーリエが腰を掛けているが、
神妙な表情だ。
その隣に、メトーデとゼンゼが立たされている。
ゼンゼはわずかに俯き、
メトーデは前を向いたまま、微動だにしない。
ゼーリエが鬱陶しそうに言う。
「これは、なんの呼び出しだ……」
大陸魔法協会の予算委員長が、
溜息をつきながら言う。
「わかりませんか……?」
「ふん……知るわけがない」
ゼーリエが頬杖をつきながら面倒くさそうに答える。
視線すら、まともに向けない。
予算委員長は続ける。
「直近であった、物販絡みの件ですが——」
「あれは、一体なんですかな」
ゼンゼの肩がビクリと反応する。
無意識だった。
すぐに力を抜こうとするが、
一度入った緊張は、簡単には消えない。
ゼーリエの舌打ちが、
会議室に響く。
「……寄付だ」
予算委員長の眉間が、僅かに動く。
「……なぜ、そのようなことになったのですか?」
冷たい声。
その言葉に、
メトーデが割って入ろうとする。
一歩、前に出る。
「それは——」
だが。
「メトーデ、黙れ」
ゼーリエに制止される。
普段聞かないような、
ドスの効いた声。
今まで向けられたことのない、
鋭い目線。
言葉を、
完全に断ち切るためだった。
メトーデの喉が、
締まる。
息が、引っかかる。
……言えない。
ゼーリエが、
小さく息を吐く。
少しだけ考えて——
「私の、発注ミスだ」
「見込みより売れなかった」
「在庫を捌くために、特典会を開いた」
「燃え広げないために、
その売上は全額寄付することにした」
「……以上だ」
淡々と説明していく。
余計な言葉は、一切ない。
それで終わりだと、はっきり示す。
メトーデの肩が震えていた。
ほんのわずかに。
外から見れば、気付けるかどうかの程度。
(私のせいで……)
勿論、ゼーリエが事の発端ではあるものの、
特典会や寄付を提案したのはメトーデだ。
在庫を抱えることよりも、
話題性やそれを活かして今後の仕事を得ることを選んだ。
結果として、あの場は成功した。
だが——
それと責任は、別だ。
……。
全ての泥は、
メトーデ自身が被るつもりだった。
その責任をとるために、
マネージャーを辞める覚悟だってあった。
そこそこの蓄えがある。
それを、
損益に充てるつもりだった。
足りない分は、
今後の働きで返せばいい。
それで済む話だと、
思っていた。
それなのに——
メトーデは、
特典会の翌日、ゼーリエに呼び出された。
……
『Tシャツの件での、
特典会や寄付については全て私の考えだ』
『貴様には、なんの責もない』
……全て、読まれていた。
それでも、
そんなわけには。
『ですが——』
言葉を、遮られる。
『これは、私が蒔いた種だ』
『貴様に手柄を持っていかれてたまるか』
一切、迷いがない。
『もし、協会から何か聞かれるようなことがあっても黙っていろ』
『何を言われても、喋るな』
逃げ道を、完全に塞ぐ言い方だった。
『余計なことは、決してするな』
『アーク・アルカナには、貴様が必要だ』
ほんの一瞬だけ——
言葉の調子が、落ちる。
『……わかったな?』
有無を言わさずにゼーリエは畳み掛けるように言うと、
そのまま書類に向き合い、ペンを走らせる。
返事をさせる気は、ないと言うように。
メトーデは、
それ以上何も言えなかった。
言わせて、もらえなかった。
……。
(……この人は)
視線を、ほんの少しだけ上げる。
玉座に座る、
堂々とした姿。
揺るがない。
(私なんかに……納まる器じゃない)
改めて、ゼーリエを理解した。
責任を背負うことを、
最初から選べる人間。
だからこそ——何も言えない。
言う必要も、もうない。
……全て、奪われているから。
……
予算委員長が口を開く。
「この件で、
どれだけの損益が出たかわかっていますかな?」
指を立てて、順番に説明していく。
「製造コスト、会場費、人件費……」
「それらは、あまりに莫大な金額です」
表情が険しくなる。
「簡単には……取り戻せませんぞ」
静かな声だった。
だが、一つ一つが重い。
会議室の空気が、わずかに沈む。
その重さを、
真正面から受けたのは——メトーデだった。
胸の奥が、じわりと痛む。
視線は落としたまま。
(本当は……私が……)
喉の奥まで出かかった言葉を、
押し込める。
——言うな。
あの時の声が、はっきりと蘇る。
『何があっても、喋るな』
ぎゅっと、指先に力が入る。
それでも。
何も言えない。
「……」
ゼーリエは、何も返さなかった。
ただ、椅子に深く腰を預けたまま。
頬杖をついている。
興味がないようにも見える。
だが——
視線だけは、逸れていない。
予算委員長は続ける。
「……勿論」
「現在ゼーリエ様達が、
大陸魔法協会の稼ぎ頭であることは理解しております」
一度、言葉が切れる。
空気が、わずかに冷える。
「ですが——今回の件は見過ごせません」
「今後、またこのようなことがあった際に、
我々も道連れにされるようなことがあっては困ります」
淡々としている。
感情を抑えた、正論。
「そもそも、アイドル活動において
ゼーリエ様自身がされる必要はあるのですかな?」
「他の方々だけでも——十分に成立するのでは?」
一瞬。
ゼンゼの肩が、わずかに揺れる。
「あなたをアイドルとして置いておくことの方が、
リスクだと考えてしまいますな」
踏み込む。
空気が、少しだけ張る。
「なので、今後はゼーリエ様の活動を——」
……その時だった。
「今回出た赤字分を——
補填すれば良いんですね」
場を割ったのは、
ゼンゼだった。
一歩、前に出る。
視線は、まっすぐ。
そのまま、言葉を重ねる。
「今回の件は、
短期的に見れば大きな赤字が出たかもしれません」
「ですが、今後の活動においての宣伝や礎になったことは事実です」
呼吸を整える暇もなく、続ける。
「それに、
以降で我々への仕事の依頼やスポンサー依頼が殺到しています」
「それを考えれば、今回の件は赤字どころか……」
ほんの一瞬だけ、言葉を選ぶ。
「今後に——
大きな利益を生みます」
畳み掛ける。
止めない。
押し切るように。
——だが。
「ゼンゼよ、我々はそういうことを言っているのではない」
予算委員長の声が、静かに落ちる。
「目先の話をしているわけではないのだ」
「この先のリスクを懸念して言っている」
視線が、まっすぐ刺さる。
「それは、理解できるか?」
ゼンゼの表情が、わずかに曇る。
言葉が詰まる。
「……はい」
短く。
「理解、しています」
絞り出すような声。
予算委員長が、「はぁ」と溜息を漏らす。
そのまま、
言葉を続けようとする——
「ですが、それでも……」
ゼンゼが、遮る。
ほんのわずかに、
間を置いて。
逃げない。
「今この状況で、
ゼーリエ様の活動を止めるというのはお勧めしません」
低く。
だが、はっきりと。
突き刺すように。
「ほう……」
予算委員長の目が、
細くなる。
興味の色。
「それは——どういうことだ?」
会議室の視線が、一斉にゼンゼへ向く。
その中心で——
ゼンゼは、ほんの一瞬だけ息を吸った。
背中に、じっとりと汗が滲む。
それでも。
退かない。
ゼンゼが、
わずかに息を整えてから口を開く。
「……この一件で、
形はどうであれゼーリエ様は多額の寄付をおこないました」
静かに、だが確実に響く声。
「もっとも——
寄付をされてきたのは、今回だけではないようですが」
その言葉に——
「……ちっ」
ゼーリエの短い舌打ちが、
横から差し込まれる。
釘を刺すような音。
ゼンゼの耳にも、当然届いている。
だが——
視線は動かさない。
何もなかったかのように、続ける。
「事実として、
ゼーリエ様に、助けられている者たちは多いでしょう」
「何より、今回の件で
世間からはゼーリエ様を支持する声で溢れています」
一度、
言葉を区切る。
わずかな間。
会議室の空気を、あえて泳がせる。
「そのゼーリエ様に、そのようなことを強いるのは……」
「それこそ——
我々にとってリスクになるのではありませんか?」
淡々と。
だが、逃げ場を塞ぐように。
「現実として——
王都での暴動や反対運動が起きることも想定できます」
言い切る。
一切の揺らぎがない。
「ふん、そんな大袈裟な……」
予算委員長が鼻で笑う。
軽く流すような声音。
だが——
ゼンゼは、まったく揺れない。
「いえ、決して大袈裟ではありません」
即座に返す。
温度は上げない。
「私は、あくまでも可能性の話をしています」
一歩も引かない。
そして——
ほんのわずかに、間を置く。
「そして……
その可能性は——低くありません」
落とす。
静かに。
だが、確実に。
その一言が——
会議室に波紋を広げた。
「確かに……」
「だが、それでも……」
「最悪、我々への非難が……」
「我々にも危害が及ぶ危険性が……」
「そんなことが現実にあり得るのか……」
「だが、その可能性がないとは……」
ざわめきが、あちこちで立ち上がる。
小さな声。
抑えた議論。
だが、止まらない。
空気が、変わっていく。
その中心で——
メトーデは、ただ立ち尽くしていた。
目を見開いたまま。
……。
(これ、は……)
胸の奥が、ざわつく。
(全て……私が、言うべきだったこと……)
用意していた。
考えていた。
覚悟も——していた。
それを。
全部。
横から、
さらっていかれた。
……なのに。
悔しさだけじゃない。
それ以上に——
言葉にできない何かが、胸の奥で膨らむ。
視線が、自然とゼンゼに向く。
背筋を伸ばし、
一歩も退かずに立つその姿。
普段の、物静かな空気とは違う。
別人みたいに——
いや。
これが、本来の姿なのだと。
ふと、理解する。
……。
(この人は……)
喉の奥が、少しだけ詰まる。
(ずっと……
こうやって——支えてきたんだ……)
自分が来る前から。
何も言わずに。
前に出るでもなく。
必要な時だけ、こうして。
静かに——全部を通す。
……敵わない。
そう思った。
同時に——
少しだけ、悔しい。
でも。
それ以上に。
「……す、すごい……」
小さく、息が漏れる。
誰にも聞こえないくらいの声で。
憧れに近い感情が、
胸の奥で、静かに根を張る。
——その、一方で。
ゼーリエは、
まったく動じていなかった。
ざわめく会議室。
視線が交錯する中で。
ただ一人、静かに。
ゼンゼを見ている。
目を細めて。
じっと。
その視線には——驚きはない。
焦りもない。
ただ。
どこか、懐かしむような色。
(……やはり、変わらんな)
心の中で、ぽつりと呟く。
アイドル活動を始めてから。
隣で慌てることも増えた。
振り回されているようにも見えた。
だが——
いざとなれば。
ちゃんと、やる。
それを。
ずっと前から、知っている。
だからこそ。
隣に置いている。
理由は——それだけだ。
……。
ほんの一瞬だけ。
ゼーリエの口元が、わずかに緩む。
誰にも見えない角度で。
気付かれないように。
こっそりと。
「……ふっ」
小さく。
音にならない程度の、笑いが零れた。
予算委員長は、周囲のざわめきに押されるようにして、
わずかに視線を揺らした。
一人ひとりの小さな声が、
じわじわと背中を押してくる。
そして——
正面。
ゼンゼの視線が、
まっすぐに突き刺さっている。
逸らせば、終わる。
そう分かるからこそ、逸らせない。
逃げ場は、もうない。
その沈黙を切り裂くように——
ゼンゼが、続けた。
「事実として——
現在、有名企業からのスポンサー契約を複数持ち掛けられています」
淡々と。
感情は乗せない。
「現状回復として、それらと契約を結ぶことで
今回の損益額はいずれ補填できるでしょう」
言葉は整っている。
無駄がない。
逃げ道を、ひとつずつ潰していく。
「先ほども説明しましたが……」
「今回の件で、ゼーリエ様をアーク・アルカナの活動から外すことは、
それこそ今後の大きな損益を生みかねません」
一歩も引かない。
むしろ、詰める。
「その上で——
どういったご判断をなさるのか」
ほんの一瞬、間を置く。
視線は逸らさない。
「改めて——
お聞かせ願えますでしょうか」
静かに。
だが、逃がさない声音で。
——突きつける。
その言葉は、冷たく鋭く。
そして何より——
揺るがない事実だった。
会議室の空気が、完全に変わる。
誰も、軽口を挟まない。
誰も、茶化さない。
もはや——
場の主導権は、完全にゼンゼに移っていた。
予算委員長は、
ゆっくりと目を閉じる。
押し寄せる言葉と視線から、
一瞬だけ逃れるように。
そのまま、深く息を吐いた。
長く。
重く。
そして——
「……わかりました」
目を開ける。
諦めと、整理の混ざった目。
「今回の件は……」
少しの間。
皆が、息を呑む。
「不問と——しましょう」
その一言で。
場の緊張が、わずかに緩む。
ゼンゼの肩から、ふっと力が抜けた。
ほんの少しだけ。
だが確かに。
——だが。
「……ただし」
予算委員長が、すぐに言葉を継ぐ。
完全には、譲らない。
「今後は、このようなことがないように……」
「商品の生産管理やイベントについては、
くれぐれも我々を通してくだされ……」
息苦しそうに。
だが、最後の線を引くように。
「私たちも、意地悪で言ってるわけではありませぬ……」
言い終えて、小さく息を吐く。
その声には、
どこか疲労が滲んでいた。
——その時。
ゼーリエが、ゆっくりと体勢を直す。
わずかに視線を落とし、
「ああ……徹底しよう」
短く答える。
素直な返答。
だが——
頭は下げない。
目も合わせない。
そのまま、
ゆっくりと足を組み替える。
背もたれに体重を預けるように。
ほんの少し、反る。
態度だけ見れば——
まるで、謝罪とは程遠い。
むしろ、ふてぶてしい。
「……ふん」
小さく、鼻を鳴らす。
露骨に。
だが。
その直後。
誰にも聞こえないくらいの声で。
「すまなかったな……」
ぽつりと、付け足す。
視線は、逸らしたまま。
それが——
ゼーリエなりの、最大限の譲歩だった。
予算委員長は、
一瞬だけ言葉を失う。
その空気に、
わずかに押されながら。
「本当に、気をつけてくだされ……」
声が、小さくなる。
先ほどまでの強さは、もうない。
「私も、あなた方を応援しておるのです……」
付け足すように。
だが——
それも本音なのだろう。
——気付けば。
立場は、完全に逆転していた。
先ほどまで詰めていた側が、
今は押されている。
空気そのものが、そうなっていた。
……
やがて。
誰からともなく、
椅子を引く音が鳴る。
それが合図のように。
会議は、静かに終わりへと流れていった。
◇
玉座の間。
高い天井に、静かな空気が落ちている。
つい先ほどまでの会議の余韻が、まだどこかに残っていた。
「ゼーリエ様、お疲れ様です……」
メトーデが、深々と頭を下げる。
ゼーリエはそれに軽く目をやると、
くたびれたように玉座へと身体を預けた。
「今日は……
もう、何もやる気が起きないな」
天井を見つめながら、
ボソリと溢す。
張り詰めていたものが切れたような声だった。
「ゼーリエ様、いけません……」
小さく、だがはっきりとした声。
——ゼンゼだ。
「先ほど話をしていましたスポンサー契約について、
目を通していただきたい書類があるのと……」
手に持っていた書類を軽く示しながら、
「大陸魔法協会の業務も、山のようにあります……」
そのまま机の上に積まれた書類の山を指す。
逃げ場はなかった。
ゼーリエが、わずかに顔をしかめる。
「ちっ……わかっている……」
諦めたように、舌打ちする。
ゼンゼが、
ほんの少しだけ口元を緩める。
「お休みになられてから、ご対応をお願いします……」
一拍置いて、
「私は……
仕事があるので、こちらで失礼します」
頭を下げると、
そのまま玉座の間を後にした。
まるで、何事もなかったかのように。
扉が閉まる音が、静かに響く。
……
メトーデは、その背中をじっと見つめていた。
何も言わずに。
ただ、目で追う。
……しばらくして。
「……私は、ゼンゼさんのことを
誤解していたのかもしれません……」
ぽつりと、言葉が零れる。
「誤解……?」
ゼーリエが、
少しだけ気になったように問いかける。
メトーデは、わずかに視線を落とした。
「あの人は物静かで、
自発的に何かをする人とは思っていませんでした」
静かに、言葉を選びながら続ける。
「アイドルだって、
流されてやっていらっしゃるものだと……」
一度、息を整える。
「ですが——それは間違いでした」
顔を上げる。
ゼーリエが、興味深そうに声を漏らす。
「ほう……」
メトーデが続ける。
「あの人は、自らの道を自分で選べる方です」
「事実として——
長い間アーク・アルカナを支えてきたのは、ゼンゼさんです」
どこか、腑に落ちたように。
メトーデは、やわらかく微笑む。
「仕方なくやってこられたのでは……
なかったのですね」
言葉に、静かな実感がこもる。
そして——
ほんの少しだけ、声が揺れる。
「彼女さえ、いれば……」
続きは、言いたくない。
だが、それは事実だ。
「きっと、私がいなくても……」
言葉が詰まる。
胸の奥に、小さな痛みが残る。
それでも——
メトーデは、顔を上げる。
「それでも、私は負けたくありません」
声に、はっきりと芯が通る。
「ゼンゼさんに負けないぐらい、
これから、もっと成長していきます」
まっすぐだった。
ゼーリエが鼻息を漏らす。
「ふん、アイツは強いぞ……」
事実だけを置く。
メトーデは、
覚悟を決めたように笑みを浮かべる。
「はい……精進します」
一拍。
そして——
「なので……」
少し間を空けて、明るい声で。
「これからは、
なるべく睡眠をとらずに仕事をしていきます」
ゼーリエの表情が、
一瞬で固まる。
「……そこは、ちゃんと寝てくれ」
間髪入れずに。
「頼む……」
珍しく、頭を下げた。
ほんのわずかに。
ゼーリエは——
メトーデが加減ができないことを知っていた。
そして、
その勢いが自分たちにも影響することを。
これまでの経験で、
理解している。
メトーデは一瞬きょとんとするが、
「……はい」
小さく頷いた。
その返事に、どこまで実効性があるのかは——
誰にもわからなかった。
ゼーリエは何か言いたげな表情だったが、
そのまま何も言わなかった。
こうなったメトーデに何か言って、
これまで、ろくな事があった試しが無かった。
……
玉座の間に、静けさが戻る。
仕事の山は、そのまま。
だが——
少しだけ、
空気は落ち着いていた。
⸻
【次回予告】
玉座の間で、思い耽るゼーリエ。
Tシャツの件で大陸魔法協会から詰められ、
アーク・アルカナを脱退させられそうになり、ある考えが浮かんだ。
もし、アークアルカナのメンバーに何かがあって
チームが変わってしまったら……
新メンバーを入れる?
いや——メンバーに変えは効かない。
だが、一つが折れるなら、
もう一つを事前に用意すればいいのではないだろうか。
その時——
ゼーリエの頭に、あるアイデアが浮かぶ。
「オーディションをするぞ……」
「アーク・アルカナの、姉妹グループを作る……!!」
その声に応えるように、
オーディションの企画と日程を調整するメトーデ。
次回。
『ゼーリエ、オーディションを開催する』
ここまで読んでいただきありがとうございます。
ジュウヨンです。
今回は、ゼンゼの強さが際立った回になります。
メトーデの言った通り、メトーデがマネージャーになる前のアーク・アルカナを支えてきたのはゼンゼです。
フェルンと協力して回していましたが、基本的な指揮はゼンゼがとっていました。
メトーデはそれを理解していながらも、あくまでもゼーリエの指示で動いているだけだと思っていたのですが、違いました。
『メトーデ、有能過ぎる』という過去話を見ていただければわかりますが、ゼンゼは嫌々でやっていたわけではありません。
勿論、ゼーリエや大陸魔法協会の復興のためというのは前提ですが、自らが選び道を歩んでいます。
それには、苦労や覚悟が多く伴ったと思います。
過労で倒れたのが懐かしいですね。
それでも、ゼンゼはそれを乗り越えてきました。
まあ、ゼーリエはそれを知っていたのでマネージャーを採用するに至ったって感じではありますが……
今回は、ゼンゼの地力が出た回ですね。
メトーデが若干抑え気味になってしまいましたが、ゼーリエから事前に釘を刺されていたので仕方ありません。
まあでも、ゼンゼがいなければメトーデが前に出て自分で責任を取る形をとっていたと思います。
彼女ほどのファンが、ゼーリエがアイドルを辞めることを認めることはありません。
そしたら、ゼーリエがそれを止めるために教会側に権力や脅しを使っていたかもしれませんね。
最高権力者ですし。
本作のゼーリエだと、そんな雑なことはしなさそうですが……
その場合、どうしたんでしょうね。
ゼンゼがその場にいてくれて、感謝です。
本当に、本作のゼンゼが大好きです。
書き始めてからどんどん好きになっていきました。
温泉回なんかは、ゼンゼ回としてよく見返します。
温泉に入るところと宴会のあたりは本当に愛おしくなります。
にしても、本作は原作とは全く別物ですね。
書いてて、よくわからなくなってます。
もうキャラは立っていますし、自然に会話してくれるんですが、
これはもはや葬送のフリーレンなのだろうか……と常々思っています。
勿論、原作準拠ですけどね。
不用意にキャラ崩壊させたくはないです。
オリキャラも、正直あまり出したくありません。
過去の掘り下げや描写のためには出しますけど、そのキャラが中心に〜なんてことは絶対したくないです。
こればかりは、プライドですね。
とはいうものの、原作の雰囲気を全く活かせてないので、
少し申し訳なくなります。
しかし、キャラ達はなんやかんや楽しそうにしているので、
それはそれで良いか……ってなります。
アーク・アルカナが大好きです。
ずっと仲良くしててほしいです。
長文失礼しました。
今後ともよろしくお願いします。
ここまでで、本作で好きなキャラを教えてください。
-
ゼーリエ
-
ゼンゼ
-
フリーレン
-
フェルン
-
ユーベル
-
メトーデ