ゼロの使い魔 竜の乱   作:くたしん

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お初にお目にかかります。くたしんです。この作品はゼロの使い魔とモンスターハンターのコラボです。初めて小説を書くので至らぬ点がありますが、よろしくお願いします。それでは本編です


1話 王者降臨、始まる混沌

竜が空を飛んでいる。眼下には草原が広がっていて、その中央には一見、城のようなものが建っている。その周りには子供が遊んだり、訓練をしているが...この竜にとってどうでもいい。

彼は別世界で縄張りの見張りをしていたところ、周りが白く染まって何事かと思った瞬間、ここを飛んでいた。彼は自分の縄張りならどんだけ離れてても位置を察知出来るが、位置がまるで特定できない。彼は改めて人間達を見るが、よく見ると元いた世界と服装が違う。マントとか羽織ってるし、服の形状も見たことがない。無論、このことを理解できるほどこの竜の知能は高くないが直感で理解した。ここは別世界だと。自分の縄張りにはもう戻れないと

 

しかし、いくらここが別世界だからってやることに変わりはない。なんとしてでも生き残り、子孫を残す。

そのためにやることはまず縄張りの確保だ。そんなわけでここトリステイン魔法学校上空までやってきた。ひとまずはここに拠点を据えて..その後のことはまた考えればいい。だが、拠点を据えるには...あの人間たちを追い払わねば。そう考えた竜、別世界では天空の王者リオレウスと呼ばれていたモンスターが、攻撃を加えるべく、急降下した

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ガリア王ジョゼフが死亡し、サイトはアンリエッタ女王からド・オルニエール領をもらい、そこを偵察するためにルイズ、シエスタで行くことになった。

 

そして、出発の時間。

 

「じゃ、行こうぜ」

 

「はい!!サイトさん!!」

 

笑顔で呼びかけるサイト。サイトと同じく笑顔で元気一杯に答えるメイド、シエスタ。

 

「うん...」

 

それとは対照的なのはルイズ。ご機嫌斜めといった感じだ。彼女はサイトと二人きりでド・オルニエールを周り、キャッキャウフフな展開を望んでいたが...残念ながらそれはシエスタの存在により不可能のようだ。

 

そんな時、二人の男子学生がこちらを見ながらひそひそと話していた

 

「おい、見ろよ。平民上がりだぜ」

 

「平民が領土を貰うなんて...アンリエッタ女王はどうなされてしまったんだ?」

 

その声はサイトにバッチリと聞こえていたが無視した。いつもなら決闘を吹っかけてコテンパンに叩きのめすが、これから領土を見回るのに無駄な体力を使うわけにはいかなかった。

サイトは溜息をついて、辺りを見る。すると、先程の男子学生の後ろの空に、黒い影が浮かんでいた。そして、それはこちらに近づくにつれ大きくなり...

 

それが敵の奇襲だとサイトは気付いた

 

「危ねえ!!逃げろ!!」

 

サイトは叫ぶが男子学生二人はニヤニヤ笑いながら無視した。危ない?何が?運悪く二人は権力のある貴族の息子、いわゆるお坊ちゃんであった。危険も何も無い空間で育った二人に、それを察知することは出来なかった。

 

その間に、影はどんどん近付いてきていた。そして....

 

グシャア!!

 

二人のうちの一人が、一瞬見えた巨大な爪による攻撃で吹き飛ばされた。影は猛スピードで馬車の上を通り過ぎ、天高く舞い上がる。馬は驚いてそのまま学園を飛び出していった。その際、荷車は置き去りにされたため、荷物は馬に持って行かれなかったのだが...盛大になぎ倒されたため、幾つかがダメになっていた。 シエスタが正気なら、怒り狂っていただろう。だが、シエスタは正気じゃなかった。目の前で起きた光景に、絶句していた。

 

シエスタとルイズの目の前には、ニヤニヤ顏のまま即死した男子学生の死体が横たわっていた。右腕は吹き飛び、背骨は完全に折れていた

 

「「!!!!!!!!!!」」

 

ルイズ、シエスタは失神してしまった。当たり前だ。シエスタはともかくルイズは歴戦を生き残ってきたが、女の子だ。こんな死体を見て無事なわけがない

 

一方のサイトもちらりと見えてしまい、強烈な吐き気に襲われたが、何とか耐えた。デルフリンガーの柄を握り、影に目を凝らす

 

「う、うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 

もう一人の男子学生は顔の表情を嘲笑から恐怖に変え、泣いて、叫びながら全力で走り出した。

 

だが、影はそれを許さない。空中で旋回した後、急降下。男子学生に突っ込んでいき、後ろ足で押さえつけながら着地。急降下した際の物凄いスピードのまま押さえつけたため、地面を滑走した。辺りに土煙が舞い上がる

 

土煙が晴れると....そこには紅蓮の巨体がいた。

 

サイトは真っ先に火竜を思い出した。全長7メイルほど。4本足と翼をもち、当たればゼロ戦すら撃沈させるほどのブレスをはく

 

だが、目の前のこいつは今まで見てきたドラゴンと全く違う。全長は軽く見積もっても15メイル以上、紅蓮の甲殻と、まるで模様かのようにある黒い甲殻と鱗がその身を包んでいる。前足2本が進化の過程で変形した巨大な翼。棘だらけの尻尾。ガッシリとした後ろ足。そこから生えてる爪。口からでてる鋭利な牙...見てるだけでも圧倒される。

 

その足下には...塊肉と化した男子学生がいた。竜は足下の肉に興味も示さず、唖然としている生徒達の方を向く。竜は上体を大きくあげ...

 

「グヒョオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォ!!」

 

凄まじい咆哮を轟かせた。本能に語りかけてくる恐怖と声量にサイト達は思わず耳を抑えてしまう。咆哮が終わると、不気味とも言える沈黙が訪れたが..刹那、それは崩される

 

 

 

 

 

 

「逃げろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

周りから悲鳴が湧き上がり、一目散に学院の方に逃げ出す生徒と教師達。そこに貴族の誇りなんてなかった。

 

「グオオオオオオオオオオ!!」

 

竜は咆哮をあげて猛然とダッシュした。竜が狙いを付けたのは学院に向かって逃げる生徒達。その走るスピードはガンダールヴであるサイトですら追いつけないほどだ。

 

学院に逃げこむ生徒達の最後尾には

 

「逃げろ!!モンモン!!」

 

モンモランシーがいた

 

だが...どうも学院には逃げ込むには距離が足りない。

竜に轢かれる...サイトはそう思った

 

だが、突如、竜の足元に土で出来た手が出て来て足を掴む。すぐにそれは蹴散らされたが、竜がバランスを崩すにはそれで充分だった。竜は土煙をあげながら盛大にこけてモンモランシーまであと一歩のところで止まった

 

「早く逃げるんだ!!モンモランシー!!」

 

ギーシュがモンモランシーに向かって叫ぶ。彼女はこくりと頷き学院の中に逃げていった。先程の土の手を作ったのはギーシュのようだ

 

竜は立ち上がり、ギーシュの方を睨む。そしたら、頭を反時計回りに回し...

 

「グオオオオオオオオォォォ!!」

 

火球を吐いた。それの大きさは人一人がすっぽりと入るぐらいだった。突然のことに驚いたギーシュだが、慌てて横に体をダイブ。間一髪避けたが地面に顔を思いっきりぶつけた。火球はうねりをあげながら飛んでいき、後ろにあった木を粉砕した。

 

サイトは火球の威力に若干顔を蒼くしてギーシュ達水精霊騎士隊(オンディーヌ)の元に駆け寄る。ルイズとシエスタは学院の窓をぶち破って中に運び込んだ。皮肉にも恐怖が心を震わすことになりスピードが上がったのをサイトは自覚していた

 

「かっこいいじゃないかギーシュ!!」

 

ギーシュが顔を土まみれにしながら言う

 

「バカ言え、僕はもともとかっこいいんだ!!」

 

ギーシュも顔を蒼くしてヤケクソ気味に言う。一歩間違えれば死んでいたからだ

 

「ははっ、そうだな!!」

 

そう言い、サイトは竜の方を見る

竜は地面を引っ掻くように足を動かし、吠える。まるで、こちらに攻撃を仕掛けるタイミングを伺ってるようだった。

 

辺りに静寂という名の緊張が漂う。水精霊騎士隊(オンディーヌ)はこれまで戦いを経験してきたから分かる。

動いたら、敵も動く。勝ち目は、ない

 

10秒ほどの膠着状態が続いた。だが、それは水精霊騎士隊(オンディーヌ)にとって1時間と同じくらい長く思えた

 

ガサッ...

 

そんな時、この静寂には似合わない音が聞こえてきた。水精霊騎士隊や竜は必然的に音の出処の方を見る。

 

「ひっ...ひっ....何故、この私がこんな目に合わなきゃいかんのだ...」

 

先程粉砕された木の陰から出てきたのは風使いで教師のギトー。いつも『風は最強!!』と言ってる人だ

 

「グオオオオオオオォォォ!!」

 

竜は煩わしそうに火球をギトーに向かって発射する

 

「そんなものでやられるか!!」

 

そう言いエア・シールドを自身の前に展開するミスタ・ギトー。火球はエア・シールドに轟音を立てながらぶち当たり、炎は空気の壁に沿って拡散した。竜の一撃を防いだミスタ・ギトーは口元に笑みを浮かべた。 バカ竜め、私の力を見たか?

そして、ミスタ・ギトーは思い出す。自分が授業中、自信をもって言った言葉『風は最強』を

 

そう考えるとこの竜を倒せるような気がしてきた。ミスタ・ギトーは杖を構える。ミスタ・ギトーは思った。そうだ、風は『最強』なんだ。あの竜は炎を使う。風が炎ごときに負けるはずがない。

 

だが、竜はミスタ・ギトーがそんなくだらないことを考えている間にもう行動していた。火球がエア・シールドに防がれるやいなや、少し走った後、翼を広げて飛び、地面から約数メイルのところをホバリングする。そのまま滑るようにミスタ・ギトーの横に回り込んだ。竜とミスタ・ギトーの距離は70メイルほどあった。その間合いを一瞬にして詰めたのはこの竜の飛行能力がいかに優れているか物語っているようだ。サイト達は急いで竜に向かって走るが、そうそう着く距離ではない。

 

ミスタ・ギトーはいきなり横に現れた竜に驚いた。自身が展開したエア・シールドにより炎が拡散し、カーテンが出来てしまったのが竜に気付けなかった原因だ

 

そして、最も重大なことは、もう避けきれない位置にミスタ・ギトーがいることだ

 

「ごはっ!!」

 

竜はミスタ・ギトーをキックし、地に叩きつけて、竜自身も着地する。衝撃で杖が手から抜けて吹っ飛んでいった。しかし、それだけでは終わらない。

 

「!?....ッ....!!」

 

竜はミスタ・ギトーを足で抑えこんだ。そして、そのまま巨大な口をあけ...

 

「ひい!!だ、だれか助け...」

 

その言葉は続かなかった。簡単な理由だ。竜がミスタ・ギトーの右腕を食いちぎったからである

 

「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

 

右腕から血が噴き出る。サイトはいち早く竜に近付きデルフリンガーで斬りつけるが、キィン!!という音と共に弾かれた

 

「よう、相棒久しぶり。なんだかヤバい事態みたいだな」

 

「そうだよ!!離れろ!!このバカ竜!!」

 

続いて左腕が食いちぎられる。ミスタ・ギトーは叫ぶ気力を無くしてしまった。両腕を食われ、杖も失った。杖を失ったメイジなんぞ牙をもがれた獅子でしかない。

ふと、今も竜を斬りつけているサイトのことを思う。彼は平民で飛躍的な出世を遂げ、貴族になった。その事が堪らなく悔しくて...だから、消えかけている自分の命、最後にありったけの軽蔑を込めて言ってやった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「平民上がり....貴様も...死んでしまえ」

 

ぐしゃっと凶悪に笑ったミスタ・ギトーは...

 

グシャア!!

 

竜に頭部を噛み砕かれ、地面に赤い華を咲かせて、辺りに血が飛び散り、サイトにもかかる。

 

「そいつはもうダメだ相棒!!離れろ!!」

 

「くそっ!!」

 

サイトは二重の意味でそう言った。助けられなかったこと。そして、助けようと思った人に「死ね」と言われたことだ。別に助けたことにより感謝されようとは微塵も思っていなかったが、何故あんな事を言われなければならないという気持ちも湧き上がった。そして、それは一瞬の隙に繋がる。

 

「グオオオオオオオオォォ!!」

 

竜はトドメとばかりにバックジャンプしながら火球をミスタ・ギトーに向かって放つ。それは頭部を失ったミスタ・ギトーに着弾、炎上。着弾した際の爆風でサイトは吹っ飛ばされる。もし、標的が自分だったら今も燃えているミスタ・ギトーになっていただろう。サイトはそう思い冷や汗が流れる。竜はしばらく空中にいたが、着地した。

 

「グルウウゥゥゥゥ....」

 

竜は唸り声をあげ..

 

「グヒョオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」

 

上体をあげ、咆哮をあげた。それが、水精霊騎士隊(オンディーヌ)と竜の戦いが始まる合図だった

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