ゼロの使い魔 竜の乱   作:くたしん

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最近艦これが好きになったくたしんです。ちなみに自分が好きなのは金剛型4姉妹

それはそうとお気に入り件数も75件突破、感激ですね。
分からないところがあれば活動報告の質問受付所に書いてください。ん?そういえば活動報告は活動報告であって質問受付というのは違反なのか...?わかりません。

それでは本編へどうぞ


11話 蒼天覇地

火の国より覇が降臨したる時、世界は終焉を迎える。脚を動かせば国が滅び、ブレスを吐けば山が消え失せ、貴様らの住処がただのゴミと化す。足掻け、もがけ、そして己の無力さを痛感しろ。覇の前には貴様らなどただの塵芥にしか過ぎない。武器を取り、立ち向かった時がその種族が滅ぶ時

 

生物よ、無駄な事はするな。逃げ場などない。地に額を擦り付け許しを請え、泣け、喚け、叫べ、ひれ伏せ、無様に、無様に、無様に...

 

その時は...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

貴様らが刹那の時間生き延びれるだろう

 

ーーある種族の名も無き書物より抜粋ーー

 

 

☆☆☆

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

「グギャアアアアアアアア!!!」

 

火竜山脈のとある場所。そこで火韻竜、ファルクルゥとリオレウス亜種の爪が交わった

 

一瞬、つばぜり合いになったがお互いすぐに離れる。

 

次に攻撃を仕掛けたのはファルクルゥ。大きく息を吸い、口から炎を吐いた

 

しかし、リオレウス亜種は一羽ばたきし、迫り来る炎を難なく回避。大きく翼を広げ、『滑空突進攻撃』を仕掛ける

 

「当たるものか!!」

 

だが、ファルクルゥも流石だ。背中の翼を羽ばたかせ、リオレウス亜種の巨体を躱す。リオレウス亜種の巨体は虚しくファルクルゥの下を通り過ぎていった。

 

しかし、リオレウス亜種の動きは更に凄い。躱されたと見るや、空中で滑るように回り込み、自分より上空にいるファルクルゥめがけて毒爪キックを繰り出した。

 

「うおっとお!?」

 

ファルクルゥもこれには驚き、体を傾けて、態勢を崩しながらもなんとか回避した。リオレウス亜種は元いた場所に戻る。

 

「くっ...」

 

ファルクルゥはバサバサと翼を何回も羽ばたかせて態勢を整えようとするが、その隙を見逃すリオレウス亜種ではない。咆哮と共に、火球ブレスが放たれた。

 

並みの生物なら火球の直撃をもらって、死んでいたであろう。だが、ファルクルゥは古代の眷属火韻竜の元長。並みの生物とは訳が違う。

 

「(なめるなよ)」

 

ファルクルゥの前に、薄い緑色の膜のようなものが張られた。そして、火球がファルクルゥに直撃した...と思ったら火花を散らしながら寸前で止まり、逆にリオレウス亜種の方に跳ね返された

 

「ギャッ!?」

 

リオレウス亜種は驚いたが、咄嗟に翼を閉じてさっと急降下し、何とか自身の火球を躱した。しかし、動揺は隠せなかった。何せ、自身が放った火球が気付いたら自分の元に帰ってきていたのだ。驚くのも無理はない。

 

火球が直撃した、と思ったら跳ね返ってきた。こんな現象が起こった原因は言うまでもない。ファルクルゥの仕業だ。ファルクルゥは火球をくらう直前にある魔法を唱えた

 

その魔法の名前は精霊魔法の一つ、『カウンター(反射))』。ありとあらゆる攻撃、魔法を跳ね返すえげつない精霊魔法だ。

 

火韻竜が『カウンター(反射)』を使えるのか?と疑問に思うかもしれないが、若いイルククゥでも高度な精霊魔法『変化』を使えるのだ。千年も生きてきたファルクルゥが『カウンター(反射)』を使えてもなんら不思議なことではない

 

ホバリングしているリオレウス亜種の後方で『カウンター(反射)』で跳ね返された火球が岸壁を穿つ。

 

爆音が鳴り響く中、やはりリオレウス亜種は動揺した。なんども言うが、自身の火球が跳ね返ってきたからだ。だが...その動揺したことにより生まれた一瞬の隙をファルクルゥは見逃さなかった

 

「石に宿る精霊よ、礫となりて我が敵を討ち滅ぼせ」

 

ファルクルゥが前脚同士を合わせて、印を結び、『精霊』に呼びかける

 

すると、あたりに散らばっていた無数の石がふよふよ空中を漂い始め、一斉にリオレウス亜種めがけて襲いかかった。

 

全方位から凄まじいスピードでリオレウス亜種の至る所にぶち当たる

 

「グギャアアアアア!!!!!」

 

が、さして大したダメージは受けない。カンカンという音を立てながら原種より分厚い甲殻に石は全て弾かれる

 

ただ、無数の石がどんどんぶち当たっていくことにより視界も遮られ、ダメージが無いとは言え、怯むのも必然である。石が一人でに浮き上がってぶつかってくるという超常現象が起きているのだから怯むのも当たり前であろう

 

そして、その隙を突き...ファルクルゥが突進していった。

 

「うおりゃあ!!」

 

「グオオオオ!!!!?」

 

突進の勢いを殺さず、右前脚の拳を固めて、リオレウス亜種の顔面を殴り付ける。リオレウス亜種は悲鳴をあげてよろけた

 

しかし...

 

「全く、なんちゅう硬さと重さじゃ...」

 

どちらかと言うとダメージを受けたのはファルクルゥの方であった。リオレウス亜種の鋼の如き鱗と超重量がファルクルゥの右前脚に重くのしかかり、拳から血がにじみ出てきた。

 

一方のリオレウス亜種は少々ふらついたが、すぐに態勢を立て直し、毒爪キックで反撃してきた。

 

「カウンター(反射)!!」

 

ファルクルゥが慌てて『カウンター(反射)』を唱えた直後、リオレウス亜種の毒爪とぶつかり合い、ガイイィィン!!と耳障りな音を立てる。

 

「ぐっ...!!」

 

あまりの衝撃に思わず呻き声をあげるファルクルゥ。『カウンター(反射)』のおかげでダメージは無いが、凄まじい衝撃がファルクルゥを襲った

 

そして...

 

ピシッ

 

『カウンター(反射)』にヒビが入った。

 

「(馬鹿な...)」

 

ファルクルゥは驚愕した。ありとあらゆる攻撃、魔法を跳ね返す無敵の精霊魔法『カウンター(反射)』にヒビを入れられたことに驚愕したのだ。だが、考えてもらいたい。『カウンター(反射)』は確かにありとあらゆる攻撃を跳ね返すかもしれないが、『効果は永久』とか『絶対に破れない』とかそんなことは証明されていない。エルフと対峙した人間などが勝手に『カウンター(反射)』は無敵だ、と思い込んだだけである。

 

実際に、ファルクルゥもそう思っていた。これまでに何回か『カウンター(反射)』を使った事があるが、破れたことなどなかった。

 

だが、目の前の蒼天の王は『カウンター(反射)』にヒビを入れた。もし、攻撃をくらい続けたら...いつかは破れるであろう

 

焦る心を無理矢理捩じ伏せ、リオレウス亜種を見据えるファルクルゥ。いつ襲いかかってくるかも分からないからだ。

 

だが、リオレウス亜種はホバリングしたままジッとファルクルゥを見据えているだけで何もしてこなかった

 

これもまた当然のことだ。リオレウス亜種はドスジャギィなどの鳥竜種などと比べると知能が高いとは言い難いが、『カウンター(反射)』という『未知』のものに無策で突っ込むほど馬鹿ではない。よって今は下手に動けない状況なのだ

 

ファルクルゥの目的は時間稼ぎのため、この状況はまさに望んだものであった。この間に逃げてくれ...とファルクルゥは心の中で強く念じ、自身はジッとリオレウス亜種を睨むのであった

 

☆☆☆

 

時は少し流れ...

 

一方その頃、デュラルクゥ率いる火韻竜の群れは里があった場所、今現在ファルクルゥとリオレウス亜種が交戦している所から約200メイルほど離れている所を歩いている。里を脱出して5分は経過しているがまだこんな所を歩いているのは一言で言えば老個体の所為であった。火韻竜は動けないほどに老衰している個体が全体の2割、歩けはするが飛べない個体がまた2割ほどいる。そんなものも連れて逃げようとしたら当然肩を貸さないといけない。そうなると飛べることもできず、足も遅くなるのが必然だ。

 

もちろん、老個体もそれを分かっているため、さっきから「私は置いて逃げろ」など言っているが、新長のデュラルクゥや比較的若い個体の者たちがそれを拒み続けた。

 

そんな一行は細く、暗い洞窟を歩いている。先が見えず、ただひたすらに歩いた。

 

数分経った、ようやく光が見え始め、そして洞窟を抜けた。

 

洞窟を抜けた先は灼熱の溶岩の海、岩の広場。それだけなら火山の何処にでもありそうだが、なんというか、空気が違う。ものすごく神聖というか、入ってはいけない場所というか、世界から切り離されているというか..

 

とりあえず、デュラルクゥはここで休憩することに決めた。何回も言ったが、火韻竜は老いたものばかりだ。その上、動けないものの肩を貸して歩いているのだ。疲労が溜まるのも当たり前であった。

 

デュラルクゥは肩を貸していた二匹の火韻竜を下ろし、自身も寝そべった。もう、里からは大分離れた。少しくらい休憩していても大丈夫であろう、という判断であった

 

「それにしても、こんな所があったなんてな」

 

デュラルクゥは辺りを見渡しながらそう呟く

 

「私も、初めて見たわ」

 

呟きに返答したのはデュラルクゥの母。

 

「なんと言うか...世界から切り離されているような気がするなあ」

 

父も会話に参加する

 

空を見ようとするが、岸壁がドーム状になっていて、ポッカリと空いた穴から紅い月だけが見えた。そんな紅い月はいつもより数倍明るく輝いていた...ように見えた

 

ゾクッ

 

その紅い月を見つめていると、デュラルクゥは悪寒に襲われた。ここに居ては危険だと本能は伝える

 

「みんな、早くここからにg」

 

その先の言葉は続かなかった。簡単なことだ、辺りに爆発音が轟いたと思ったら地面が揺れ始めたからだ。それも並大抵の揺れではなく確実に震度6以上はあるような揺れだ。

 

辺りの火山が噴火を起こし、火口や山肌から溶岩を垂れ流す。火口から噴出した岩などが溶岩の尾を引き、流星のごとくあたりに降り注ぐ。

 

火韻竜たちのいる広場でも地面から溶岩が吹き上がっている。幸いにして火韻竜達は間欠泉のように吹き上がる溶岩に巻き込まれはしなかった

 

地が揺れ、大地は荒れ狂う。火韻竜達は立っていられず地面を転がる

 

瞬時にして訪れたこの世の終焉。火山と大地の怒りは数分も続いたのだからそう思ってしまうのも仕方がないであろう

 

だが、徐々にそれは収まっていき、轟音が鳴り響いた後の不気味な静寂が辺りを包み込み、空は火山灰により完全に覆い尽くされた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドォン!!

 

火韻竜達がいるところから約100メイル離れた場所、そこから火山のそれとは違う爆発音が響いたと思ったら黒い山が勢いよく生えてきた

 

いや、山じゃない。生き物の脚だ。

 

まず火韻竜たちが見たのは比喩でもなんでもなく本当に山を斬りとりそうな鉤爪。そして、次に出てきたのは火韻竜よりも遥かに大きく太い二本の赤黒い前脚。その次はリオレウス亜種ですら丸呑みできそうな顔と下顎から生えている天を穿つ二本の牙。

 

その次は胴体、下手な小山よりも大きいであろう。背中から生えている大棘がこの生物の荒々しさを醸し出している。前脚と比べると幾分小さい後脚も続いて地上に姿をあらわす

 

最後に出てきたのは胴体の半分ほどの長さがある太く、平べったい尻尾。

 

その生物の全身を見た火韻竜たちは絶句した。全長は30メイルほど。体高は何メイルあるかもわからない。

 

そして、その生物が次にしたことは..

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後脚と尻尾を支えに二本脚でゆっくりと立った...

 

これだけでも火韻竜達は驚愕した。その姿、まさに『覇王』。奴から見た自分達火韻竜は虫けらにしか見えないであろう、とデュラルクゥは思った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!」

 

「がっ!?」

 

『覇王』は巨大な口を開き、凄まじい咆哮を放つ。その衝撃は凄まじく、『覇王』の近くにあった岩は衝撃波で木っ端微塵になり、大気を漂った。辺りの地面から溶岩が吹き出る

 

体の震えが止まらない、頭がどうにかなりそうだ。そんな中でデュラルクゥは必死に考えた。

 

--どうやったら勝てる?--

 

--無理だ--

 

--どうやって逃げよう?--

 

--無理だ--

 

勝率、皆無。あの分厚い甲殻は全てを弾きかえすだろう

 

逃走成功率、絶無。背を向けた瞬間襲いかかってきてあの巨体で全てを轢き潰すだろう。

 

「(どうすればいい?どうすればいい?)」

 

考えてもいい方法は出てこない。それどころかどんどん絶望に堕ちていく。

 

「どうすればいい...?どうすればいい...?」

 

ブツブツと呟くデュラルクゥ。同時に心が黒く塗りつぶされていくのも感じていた

 

ドスゥン...

 

咆哮を終えた『覇王』は再び地響きをあげながら四本脚に戻る。たったそれだけの事なのに体を恐怖の波が襲いかかる

 

「(もう、無理だ...)」

 

「デュラルクゥ」

 

ポン、とデュラルクゥの肩に母の手が置かれる。

 

「デュラルクゥ、お前だけは逃げろ」

 

次に父親がそう口にする。デュラルクゥが絶句したのは言うまでもない

 

「なっ、そんな事出来るわけねえだろ!?俺は長だぞ!?」

 

ついさっき長になったデュラルクゥ。その若さと合わさって彼には責任感が湧いていた

 

「分かるだろう?デュラルクゥ。もう、儂等はダメじゃ。お主だけでも生き延びてくれ」

 

「だからといって...!!」

 

「デュラルクゥ、貴方だけでも生き延びなさい!!」

 

母が叫んだと思えば、デュラルクゥの体がふわりと浮かび、どんどん上昇していく

 

「なっ、これって...!?」

 

デュラルクゥの体が浮いているのは火韻竜達が精霊魔法をかけているからだ。どうやって浮かせているかというとデュラルクゥの体内にいる精霊を火韻竜達が総出で捩じ伏せ、空中に浮かせている。要は精霊魔法の使い手が石などを浮かす原理と一緒だ。

 

「下ろせ!!」

 

デュラルクゥは何とか自分にかかっている魔法を解こうとして、ジタバタしたが解けない。そして、『覇王』がゆっくりと行動を起こした。

 

四肢で踏ん張り、息を吸い込む。たったそれだけのことだが『覇王』の足元の地面にヒビが入った。

 

「逃げろおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

 

デュラルクゥは叫んだ。だが、父や母や足が動かないものも全員デュラルクゥに向かって慈愛のこもった目でデュラルクゥを見つめているだけで逃げようともしない

 

その光景が永遠に続くかのようにデュラルクゥは思えた。だが、それは『覇王』がぶち壊す

 

息を吸い込んだ『覇王』は今度は一気に噴出。巨大な口から音速の勢いで放たれる衝撃波が岩を削りながら、火韻竜達に迫る

 

「逃げっ...」

 

最後の最後までデュラルクゥを見つめ続けた火韻竜達は...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無慈悲に放たれた...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ソニックブラスト』によって...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紅い血霧となって、この世を去った

 

「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

 

絶叫するファルクルゥ。それと同時に火韻竜達が死んだことにより、体の自由を取り戻したデュラルクゥは背中の翼を使い、空中で姿勢を立て直す。

 

「畜生ッ!!畜生ッ!!」

 

そして、涙を流しながら『覇王』に向かって突貫した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正確には『しようとした』。

 

だが、デュラルクゥは動けなかった。『覇王』の碧眼を見てしまったのだ。たったそれだけで、たったそれだけの事で体が動かなくなる。

 

そして、デュラルクゥの心の中では母の『生きろ』という言葉が深く胸に突き刺さった。

 

「畜生...!!」

 

しばらくデュラルクゥは歯噛みしながらホバリングしていたが、やがて踵を返し、その場から飛び去った。

 

「グルルルルル....」

 

『覇王』はしばらくデュラルクゥを見つめていたが、やがて興味がなくなったのか、溶岩の海の中へと戻っていき、辺りにはまた静けさが立ち籠めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

覇竜 アカムトルム。この世を征す

 

☆☆☆

 

時は少し戻り、ファルクルゥとリオレウス亜種がいる火韻竜の里

 

「全く、お主の飛行能力はどんだけ馬鹿げてるんじゃ?」

 

ファルクルゥは地面に降り立っており、リオレウス亜種を見上げている

 

一方のリオレウス亜種はさっきと全く同じ場所でズッとホバリングをしていて、頭を動かし、ファルクルゥを視界内に収め続けていた

 

ちなみにホバリングというのはリオレウス達を見ると簡単そうに見えるが、実はとんでもなく難しい技術なのだ。どれくらい難しいかというと現実世界での鳥類の中では鷹の仲間であるチョウケンボウという鳥だけが出来る...といえばどれくらい難しいかわかっていただけるだろうか?

 

話しを戻そう

 

五分ほどこの膠着状態は続いている。リオレウス亜種は『反射(カウンター)』を警戒しているし、ファルクルゥは時間稼ぎが目的のためこの膠着状態が続いているのである

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボォン!!

 

そんな膠着状態は突如周りの火山が噴火したことにより終わりを迎える。地も揺れ始めたことにより地面にいるファルクルゥはたまらず転げてしまった

 

そして、そんな隙をもちろんリオレウス亜種は見逃さなかった

 

翼を広げて滑空突進攻撃を繰り出すリオレウス亜種。

 

「くっ、『反射(カウンター)!!』

 

ファルクルゥは足場が悪い中『反射(カウンター)』で防御する

 

ガイィィィィン!!!!

 

「ぐおっ!?」

 

甲高い音が火山の噴火音の中で鳴り響き、ファルクルゥは吹っ飛ばされて、岸壁に激突し、岩が崩れてファルクルゥの体が埋もれる

 

「くっ...」

 

岩の中から這い出てくるファルクルゥ。『反射(カウンター)』もヒビだらけ、あと一発防げるかどうかというレベルだ。

 

そして、その一発がやってきた。

 

リオレウス亜種の得意技、滑空突進からの低空毒爪キックだ。

 

パリィィン!!!

 

ついにガラスが砕かれるような音と共に『反射(カウンター)』が砕け散った。

 

「舐めるなあああぁぁぁッ!!!」

 

ファルクルゥは咆哮をあげながら空中にいるリオレウス亜種に向かって突撃し、爪を振り下ろす

 

しかし、リオレウス亜種は後ろへ羽ばたくことにより華麗に回避した

 

「まだじゃ!!」

 

ファルクルゥは再びリオレウス亜種に詰め寄り、爪を振りかざす

 

「グオォォォ!!」

 

「熱ッ!?」

 

だが、これはリオレウス亜種がまるでカーテンを引くかのように爆炎噛みつきを繰り出し、ファルクルゥを怯ませることにより回避した

 

「!?...何処へいったのじゃ!?」

 

炎のカーテンが晴れると、ついさっきまで目の前にいたリオレウス亜種がいなかった。

 

ゾクッ

 

右からの気配を感じたファルクルゥは咄嗟にそちらを見る。

 

見ると、リオレウス亜種がいた。爆炎噛みつきを繰り出した後、回り込んでいたのだ。

 

「しまっ...!!」

 

時既に遅く、リオレウス亜種は捕食攻撃のようなモーションで繰り出す隙の少ない毒爪二連撃キックを繰り出す。

 

一撃目、右翼を抉り取った。二撃目、背骨を叩き折った

 

これが致命傷となりファルクルゥはフラフラと地面に向かって落ちていった

 

そして、薄れゆく意識の中でファルクルゥはこう口にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大いなる...意思よ...是非とも火韻竜に加護があらん...ことを...」

 

こう最後に言い残し、千の時を生き抜いてきたファルクルゥは...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

力尽きた

 

 

 

この時誰も見ていなかったがリオレウス亜種がまるで死にゆく者を見届けるかのようにファルクルゥを見つめていたことをここに記す

 

☆☆☆

 

火韻竜達の悲劇の日から数日経ったころ、デュラルクゥは火竜山脈の上空を飛んでいた。

 

いや、幽霊のように漂っていたという言い方のほうが近いであろう

 

一気に仲間や家族を失ったデュラルクゥ。若い彼には酷な仕打ちであった

 

「(どうしてこうなった?)」

 

自問する。答えはこうだ

 

「(俺に力が足りないからだ)」

 

至極単純なこと。そう、力が足りない。たったそれだけだ。力が足りなかったから住処を追い出された。仲間や家族を守れなかった。

 

「(俺は...無力だッ!!)」

 

もう、涙は出てこなかった。悲劇の日から何日も泣いた、喚いた、叫んだ。だが、仲間や家族は戻ってこない。それが、デュラルクゥに突きつけられた現実だ

 

「(これからどうしよう?)」

 

これからこの世界は激化していく、とファルクルゥは言っていた。蒼天の王、空の王者、獄狼竜、砕竜。そして、覇竜。また、更に激化していくというなら更に化物達が現れるだろう。今の現状でもこれだけの強者が集う火竜山脈で若いファルクルゥが一人で生き抜くにはとてもじゃないが厳しいことであった

 

自殺、というのはデュラルクゥの頭に無かった。もともと自殺は人間特有の行動だし、仮に彼がその考えを持っていても母などに「生きろ」と言われたからには生き抜くつもりであった。その強い意志を持たないほどデュラルクゥは子供ではなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グギャアアアアアアアアオオオオオオオオオオオオオォォォォォォ!!

 

何処からか聞き覚えのある雄叫びが響いてきた。これだけ聞こえたならばデュラルクゥは全力で逃げていたが、その後こんな声が聞こえてきた

 

助けてくれ...

 

デュラルクゥはそれを聞いた瞬間、すぐに音の出処へ飛んで行った

 

もしかしたら仲間かもしれない...そんな淡い期待を胸に抱いて

 

☆☆☆

 

残念ながらそれは火韻竜では無かった。人間だ。

 

その人間は腰を抜かして岸壁に追い詰められており、横には火竜山脈では見ない風竜(ウィンドドラゴン)が横たわっていた...おそらく死んでいるだろう

 

デュラルクゥは人間を見たことは無いが話には聞いているため岸壁に追い詰められている生き物が人間だと分かった

 

そんな人間の視線追っていくと...忌々しい蒼天の王、リオレウス亜種が立っていた。

 

「グギャオオ!!!」

 

リオレウス亜種は地を駆け、人間に向かって突貫する。恐らく、轢き潰すつもりだろう

 

「ひっ...」

 

一方の人間は足をやられているのか全然動かない。やがて来る死を待つ

 

リオレウス亜種の巨体がどんどん迫り...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人間が消えた

 

リオレウス亜種は驚き、急ブレーキをかけて辺りを見る

 

そこにはこのリオレウス亜種の『記憶にはない』一匹の火韻竜、デュラルクゥが人間を連れ去っていた。追おうとはしたが、すでに他の竜の縄張りに入られて追えくなり、リオレウス亜種は渋々と何処かへと飛び去っていった

 

 

 

 

「ったく、人間というのも無茶しやがる」

 

デュラルクゥは前足で掴んだ人間を見つめながらそう呟く。人間はあまりの恐怖からか気絶していた

 

すると、デュラルクゥはあるものを見つめた。この人間の右手だ。

 

「(古代のルーン...)」

 

その人間には古代のルーンが彫られており、淡く輝いていた。

 

そしてこの文字はこう読む

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ヴィンダールヴ』と




最後に出てきた人は分かりますよね?

あと一回ほどオリジナルを挟んでからサイト達に戻りたいと思います。

それでは、次回もお楽しみに。投票、お気に入り、メッセージ、活動報告ドシドシ待ってます
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