ゼロの使い魔 竜の乱   作:くたしん

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お久しぶりです。くたしんです。
暇を見つけて書いていたのですが、やはり遅れちゃいました。申し訳ない

それでは本編へどうぞ


13話 動き出す勢力 後編

ディアブロスの猛攻を何とか躱した(ルクシャナの家はぶち壊されたが)アリィーとルクシャナは、ネフテスの首都『アディール』へ向かった。その中の『カスバ』という建物にビダーシャルがいるため、 ルクシャナとアリィーはそこに向かっている

 

海を越え、しばらく飛ぶと巨大な『カスバ』が見えた。その屋上に風竜をつける。屋上からはエルフを乗せた風竜が絶えず行き来していて、実に忙しなかった

 

ルクシャナとアリィーは風竜から降りたあと、屋上の片隅に設置されている半円盤の物体に飛び乗った。

 

アリィーが「24階」と呟くと半円盤の物体は地上へと伸びているチューブの中を高速で降り始めた

 

そして、目的の24階に着くと扉が開く。次いで視界に入ってきたのは円形の部屋。その中央にビダーシャル卿がいた

 

「叔父様!!」

 

ルクシャナは笑みを浮かべ、ビダーシャルに抱きついた。ビダーシャルは少し苦笑いするが、慣れていることなのであまり気にしてはいない。

 

笑みを浮かべるルクシャナに対し、アリィーはハッとした顔になるとすぐに青ざめた

 

そして、震えた声でこう言った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ビダーシャル様...腕が...」

 

そう、今のビダーシャルに左腕は無かった。アリィーのその言葉を聞いたルクシャナはビダーシャルから離れて、左腕があるはずべきところに目を向ける。だが、やはりそこに腕はない

 

「蛮人にやられたの?」

 

ルクシャナは目尻をキッとあげてビダーシャルに問う。よく見れば顔にも細かい傷がたくさんある。この時ばかりは蛮人を研究対象では無く、殺戮対象だと思った。と、ルクシャナは後にアリィーに語る

 

だがビダーシャルは首を横に振り、否定の意思を表す。

 

「じゃあ、何にやられたの?叔父様の実力なら水竜ですら退けられるんじゃない?」

 

水竜とは竜種の中でも最大最強で、成熟した個体はエルフですら勝てるかどうか分からない。ハルケギニアではあまり知られていないが、エルフ達の間では割とポピュラーな存在である。

 

あと、ワニに近い形をしている。決して魚のような形をしていて、亜空間タックルをしてくる竜ではない

 

話しを戻そう。ビダーシャルはルクシャナのその質問にも首を横にふる。次いで、目を閉じ語り出した

 

☆☆☆

 

あれは一瞬の出来事だった...

 

ビダーシャルは最初にそう切り出した

 

私はガリアとエルフの国の国境を越え、サハラを歩いていた。

 

すると、突然日を遮って黒い影が猛スピードで私の上を通り過ぎて行ったんだ。

 

気になって私は空を見上げた。

 

気が付いたら私は吹っ飛ばされていた。その影による攻撃だと気付いたのは吹っ飛ばされて、サハラの大地を転げ回った後だった。

 

そいつはとてつもなく大きかった。全長15メイル以上はあっただろう。そのくせ、咆哮は鳥に近かった。骨格も今まで見たことがないような形状をしていたよ。

 

私はその場にいた精霊との契約を何とかとれ、反射(カウンター)を駆使して、何とか逃げた。

 

しかし、そいつの鱗?のようなものが私に突き刺さっていた。それはどんどん私の傷口に食い込んできてね。終いには、私は動けなくなった。痛みと出血でうずくまっている時に、その竜は私の前に降り立った。私は命の最後を感じたよ。もう、終わりだ、ってね。

 

だが、『大いなる意志』は私を見捨てたりしなかった。そこに偶々通りかかった空軍が、その竜に攻撃を仕掛けて気を逸らしてくれたのだ。私はフネに回収されて、その場から逃げた。フネの中で私は、そこで初めて気がついたよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

...自分の左腕が無くなってることに。

 

いつ失ったのかは分からない。もしかしたら、最初の一撃で既に失っていて、混乱と恐怖で一時的に神経が麻痺していたのかも知れない。だが、どのような経過があるにしろ、私の左腕は今もサハラの大地で眠っているだろう。

 

ああ、もちろんフネは逃げ切れたよ。その竜は空中での機動力は素晴らしかったが、風竜の速度には及ばなかった(エルフのフネは風竜に引かせてある)。竜はそれ以上追って来ず、私は治療を受け何とか一命を取り留めた。

 

☆☆☆

 

「...ということがあったんだ」

 

ビダーシャルが語り終えると、当たり前だが部屋にはシン...とした重い空気が漂った。

 

「...叔父様、私達もさっき...」

 

ルクシャナは先程起きたことを話した

 

 

 

 

「...そうか、そんなことがあったのか」

 

ビダーシャルはアリィーの方に体を向ける

 

「ありがとう、アリィー。よくぞ私の姪を守ってくれた。感謝する」

 

そう言ってビダーシャルは深々と頭を下げた。

 

アリィーはオロオロしたが、キリッと姿勢を正し「婚約者として当たり前の事をしたまでです」とだけ返した

 

「さて、本題だが、これは私がやるつもりだった仕事だが...生憎この状態ではな」

 

力なく無い左腕の方を見るビダーシャル

 

「そこでだ、君に頼みごとをしたい。頼んでくれるかな?」

 

「ええ、なんなりとお受けしましょう」

 

婚約者を助けたことで少し得意気になっているアリィー。それは彼から冷静な状況分析と直感を鈍らせていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうか。では、『蛮人の国』に行って『悪魔』をさらってきてくれ」

 

「ええ、もちr...はい?」

 

アリィーは目を丸くさせる。反対に、ルクシャナは目を輝かせていた

 

「え!?叔父様どういうこと!?」

 

ルクシャナは興奮気味に、だが何事か分からないため視線をキョロキョロさせ、足をジタバタさせて実に落ち着きがない。この瞬間、彼女の頭からはディアブロスの事がすっぽり抜け落ちた

 

「ちょ、ちょっと待ってくださいビダーシャル様!!『悪魔』を攫いに行けって、正気ですか!?」

 

アリィーは慌ててビダーシャルに言うが、時既に遅し

 

「おや?さっき『なんなりとお受けしましょう』と言ってくれたじゃないか」

 

「あうう...」

 

この一言でアリィーは完全敗北。何も言い返す事が出来ず、『蛮人』の国、ハルケギニアに向かう事になった

 

ちなみに、彼の知らないところでルクシャナも付いてくる事が決まり、盛大に溜息をついたそうな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ...」

 

アリィーとルクシャナが退席した後立派な髭を生やしたエルフがやってきた。ネフテスの頭領、テュリュークである

 

「本当にいいのかね?自分の姪の婚約者にこんな仕事を押し付けて。しかもあんな茶番まで...」

 

「こんなくだらない茶番でもしておかないとやってられないんですよ...」

 

「エスマイールか...」

 

ビダーシャルは力無く微笑む

 

「出来る事なら、あの蛮人達は何とかして生かしておきたい...」

 

ビダーシャルはキッと目を細め、窓の外を見つめた

 

外では不気味な咆哮が鳴り響いていた...ような気がした

 

☆☆☆

 

それから数日後。ハルケギニア『ド・オルニエール』近くの森。『人間』の4人組が森を歩いていた。彼らは『元素の兄弟』と呼ばれる傭兵暗殺集団である

 

「ねえ、お兄様。本当にこの先の『ド・オルニエール』というところに目標の『ヒラガ・サイト』がいるの?」

 

ゴスロリのようなものを纏った少女がどう見ても10歳ぐらいにしか見えない少年に質問する。少女の名はジャネット。一見すると人形のようだ

 

「ああ、間違いない」

 

だが、10歳ぐらいの少年はとても子供とは思えない佇まいと態度で返答する。名はダミアン。しかし、本当に初見の人が見たらただのイタズラ小僧にしか見えない。

 

「で、そのサイトってやつを見つけたら僕が殺していいよね?ダミアン兄さん」

 

愛嬌のある顔をした美少年が残忍な事を言う。名はドゥドゥー。

 

「....」

 

ドゥドゥーの問いかけを無視するダミアン。無視、というよりも彼は何か考えていて聞いていない、という方が正しかった

 

「いや、俺が先に殺らせてもらうぜドゥドゥー兄さん」

 

4人の中で一番身長が高く、筋骨隆々の大男がやはりドスの効いた声でドゥドゥーに向かって獰猛な笑みを浮かべる。名はジャック。これでもダミアンより年下だという事に驚く

 

しばらく4人は談笑しながら(喋っているのはほぼドゥドゥーとジャック)歩いていたが、次第に表情が険しくなる。そして、完全に歩みを止めた

 

ザァ...

 

風が葉を揺らす、不気味な旋律

 

「...気付いているか?」

 

「ええ」

 

「うん」

 

「ああ」

 

4人は目を動かし、これから来る『何か』に備える。気配を感じ取りながらダミアンが話し始める

 

「おかしいと思ったんだ。さっきからずっと森の中を歩いているのに生き物一匹見かけない」

 

「それにさっきから見かける木の枝の妙な切り口....」

 

ドゥドゥーがそう続け

 

「俺らは知らず知らずのうちに縄張りの中に入っていたというわけか...」

 

ジャックもそう言い

 

「そうね。そして私達は殺戮対象かしら?」

 

ジャネットがそう締め、ゆっくりと振り向く...

 

そして、目と鼻の先に...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オワァァァァァァオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」

 

いつからいたのか?黒毛を纏った『竜』が夜を斬り裂いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暗殺者VS暗殺者の幕開けである

 

 

 




出来るだけ原作設定ですが、モンスターが出ないシーンでもちょこちょこオリジナル展開です。次回から本格的なバトルシーン。ああ、やっと書ける..

あと、お知らせです。モンスター大決戦はもう少し後、出来ればこの話しが完結した後に投稿したいです。期待していてくだだる皆様には大変申し訳ございませんがご了承ください

感想、お気に入り登録など私は大変嬉しいです。これからもよろしくお願いします。それでは、また次回
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